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第8話 激動と激動 俯瞰視点(4)
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「あの時の人形だ!! あの人形がいたのだ!! 扉を開けたらど真ん中でこちらを見ていたのだっ!!」
「わたしくもよぉ!! 居たの!! おなじっ、あの人形がいたの!!」
「なんで!? 壊して燃やしたのに!? なんでアレがいるの!?」
自分達がこの手で壊したものが、当たり前のように目の前にいた。それにより大量の恐怖が押し寄せ、すでに三人はパニック状態に陥っていました。
ですがドナルド達の恐怖や動揺は、まだまだ増加してゆきます。
「分からんがっ、分かってることがある!! アイツは――アイツらは!! わたし達を捨てに来たんだ!!」
「あっ、あなたがさっき気にしていた物音っ!! あれはっ、近づいてきていた音だったんだわぁ!! わたくし達を攫う準備をしていたのよ!! あの三人にしたように!!」
彼らはつい数分前に、あの本を読んでしまっています。それによって更なる――それも爆発的な量の恐怖たちに襲われ、全員が悲鳴を上げながら頭を抱えました。
「いやぁぁあ!! いやあああああ!! 地獄に行きたくないっ!! いやああ!! ぜったいいやあああああああ!!」
「わたくしだって嫌よぉ!! いやああああああああ!! いやああああああああああああああああああ!!」
「地獄なんてっ、うああああああああああ!! いやだあああああ!! いやだあああああああああああああああ!!」
全員その場で高速で回転しながら、涙まみれ、鼻水塗れ、よだれ塗れで絶叫。仲良くひたすらに泣き叫び、しかしながらそんな行動は1分足らずで終わってしまいます
そんなことをしている余裕はないと、気づいてしまったから。
「だっ、駄目だぁ!! このままでは捨てられてしまう!! はやくっ! 早く何とかしないと!!」
「ふっ、フランク!! ダイアナミーナニコセリーズも!! どうにかしなさい!! どうにかしてっ!! わたくし達が捨てられずに済む方法が考えなさい!!」
「早く!! 早くしないと連れてかれちゃう!! 一分よ!! 一分以内に見つけなさい!!」
ドナルド達は傍にいた家令や使用人達に詰め寄り、残る臣下に各自の部屋の扉を押さえさせながら――ビスクドールが出てこれないようにしながら、人差し指を立てました。
「お前達っ!! わたしが居なくなってもいいというのか!?」
「よくないでしょう!?」
「今まで散々お世話をしてあげたんだからっ、恩を返しなさいよ!! あるじを助けるのがしもべの役目でしょ!!」
まるでものを頼む態度ではなく、本来なら見捨てられしまうところです。けれど幸いにも、見捨てられることはありませんでした。
名を呼ばれた者達はすぐさま真剣な表情を携え話し合いを始め、同じく幸いにも、40秒程度でアイディアが降りてきました。
「な、なるほど! 確かにそうだ!!」
「その通りだわっ!」
「お父様お母様! いこっ!!」
フランクからその内容を聞かされた三人は、頷き合ってすぐさま動き出します。猛スピードで走り出したドナルド、カロル、クラリスが向かう先は――
「わたしくもよぉ!! 居たの!! おなじっ、あの人形がいたの!!」
「なんで!? 壊して燃やしたのに!? なんでアレがいるの!?」
自分達がこの手で壊したものが、当たり前のように目の前にいた。それにより大量の恐怖が押し寄せ、すでに三人はパニック状態に陥っていました。
ですがドナルド達の恐怖や動揺は、まだまだ増加してゆきます。
「分からんがっ、分かってることがある!! アイツは――アイツらは!! わたし達を捨てに来たんだ!!」
「あっ、あなたがさっき気にしていた物音っ!! あれはっ、近づいてきていた音だったんだわぁ!! わたくし達を攫う準備をしていたのよ!! あの三人にしたように!!」
彼らはつい数分前に、あの本を読んでしまっています。それによって更なる――それも爆発的な量の恐怖たちに襲われ、全員が悲鳴を上げながら頭を抱えました。
「いやぁぁあ!! いやあああああ!! 地獄に行きたくないっ!! いやああ!! ぜったいいやあああああああ!!」
「わたくしだって嫌よぉ!! いやああああああああ!! いやああああああああああああああああああ!!」
「地獄なんてっ、うああああああああああ!! いやだあああああ!! いやだあああああああああああああああ!!」
全員その場で高速で回転しながら、涙まみれ、鼻水塗れ、よだれ塗れで絶叫。仲良くひたすらに泣き叫び、しかしながらそんな行動は1分足らずで終わってしまいます
そんなことをしている余裕はないと、気づいてしまったから。
「だっ、駄目だぁ!! このままでは捨てられてしまう!! はやくっ! 早く何とかしないと!!」
「ふっ、フランク!! ダイアナミーナニコセリーズも!! どうにかしなさい!! どうにかしてっ!! わたくし達が捨てられずに済む方法が考えなさい!!」
「早く!! 早くしないと連れてかれちゃう!! 一分よ!! 一分以内に見つけなさい!!」
ドナルド達は傍にいた家令や使用人達に詰め寄り、残る臣下に各自の部屋の扉を押さえさせながら――ビスクドールが出てこれないようにしながら、人差し指を立てました。
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「な、なるほど! 確かにそうだ!!」
「その通りだわっ!」
「お父様お母様! いこっ!!」
フランクからその内容を聞かされた三人は、頷き合ってすぐさま動き出します。猛スピードで走り出したドナルド、カロル、クラリスが向かう先は――
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