9 / 21
第4話 もう一つ増えた結果 俯瞰視点(1)
しおりを挟む
「「「「「よかった! お目覚めになられたのですね!」」」」」」
「「「……………………? ???」」」
カロルの自室の床で目を覚ました、カロルとクラリスとドナルド。3人はゆっくりと上体を起こし、自分達を取り囲む使用人達をポカンとしながら眺め回しました。
「これは、いったい……? なんなのだ――うっ!? なんだこの悪臭は!?」「なん、なの……? わたくしは、いつのまに――うっ!? なんなのこの臭いは!?」「私達って、疲れて帰って来たはずよね? さっきまで浴室にいたはずなのに――うっ!? なにこの臭いの!?」
「……旦那様、奥様、お嬢様。そちらは、ご自身の吐瀉物の残り香でございます。貴方様がたは発見されたビスクドールによって、錯乱されていたのでございますよ」
あまりの恐怖によって人形を手放せなくなっていた、助けて求めてやって来たドナルド。その登場によって恐怖の人形が増えてしまい、カロルとクラリスは失神。
そんなドナルドはここにも人形があったと知り、同じく恐怖の人形が増えたことで失神。
激しく泡を吹き出すなど刺激を与えない方が良いと判断し、ここで看病をして2時間後に目が覚めた。
記憶から抜け落ちてしまっていた出来事を、家令フランクから伝えられました。
「!! そうだったわ!! あの人形!! 血ぃ!!」「血っ!! 血がついてた!! 人形に!!」「あっ、あの人形は生きているのだ!! 血が通っているのだ!!」
「奥様お嬢様旦那様、ご安心ください。あの人形に付着していた者は、血液ではありません。赤色の絵の具でございます」
「「「…………え? ほんとうに、に……?」」」
「気を失われた直後にわたくし共は駆け付け、すぐに3体すべて確認を致しました。そちらは間違いございません」
なぜか。フランクは一部を強調しつつ、穏やかな微笑みを浮かべました。
「な、なんだ……。よかった……! わたくしたちの勘違いで――さん? 3体!?」
「3だと!? わたしとカロルのもので、2だろう!?」
「1はなに!? どこから来たのよ!?」
「そちらは、クラリスお嬢様のお部屋で発見されたものでございます」
パニックになったドナルドがここに居ることを忘れ、飛び込み開けっ放しになっていたクラリスの自室。その前を通ったクラリス付きの侍女が、クラリスのベッドの上で3体目を発見していたのです。
――実は、3人全員の部屋にあった――。
――なのに、それ以外の場所にはなかった――。
カロル達は続いてそんな事実を知ることとなり、それによって――
「「「……………………? ???」」」
カロルの自室の床で目を覚ました、カロルとクラリスとドナルド。3人はゆっくりと上体を起こし、自分達を取り囲む使用人達をポカンとしながら眺め回しました。
「これは、いったい……? なんなのだ――うっ!? なんだこの悪臭は!?」「なん、なの……? わたくしは、いつのまに――うっ!? なんなのこの臭いは!?」「私達って、疲れて帰って来たはずよね? さっきまで浴室にいたはずなのに――うっ!? なにこの臭いの!?」
「……旦那様、奥様、お嬢様。そちらは、ご自身の吐瀉物の残り香でございます。貴方様がたは発見されたビスクドールによって、錯乱されていたのでございますよ」
あまりの恐怖によって人形を手放せなくなっていた、助けて求めてやって来たドナルド。その登場によって恐怖の人形が増えてしまい、カロルとクラリスは失神。
そんなドナルドはここにも人形があったと知り、同じく恐怖の人形が増えたことで失神。
激しく泡を吹き出すなど刺激を与えない方が良いと判断し、ここで看病をして2時間後に目が覚めた。
記憶から抜け落ちてしまっていた出来事を、家令フランクから伝えられました。
「!! そうだったわ!! あの人形!! 血ぃ!!」「血っ!! 血がついてた!! 人形に!!」「あっ、あの人形は生きているのだ!! 血が通っているのだ!!」
「奥様お嬢様旦那様、ご安心ください。あの人形に付着していた者は、血液ではありません。赤色の絵の具でございます」
「「「…………え? ほんとうに、に……?」」」
「気を失われた直後にわたくし共は駆け付け、すぐに3体すべて確認を致しました。そちらは間違いございません」
なぜか。フランクは一部を強調しつつ、穏やかな微笑みを浮かべました。
「な、なんだ……。よかった……! わたくしたちの勘違いで――さん? 3体!?」
「3だと!? わたしとカロルのもので、2だろう!?」
「1はなに!? どこから来たのよ!?」
「そちらは、クラリスお嬢様のお部屋で発見されたものでございます」
パニックになったドナルドがここに居ることを忘れ、飛び込み開けっ放しになっていたクラリスの自室。その前を通ったクラリス付きの侍女が、クラリスのベッドの上で3体目を発見していたのです。
――実は、3人全員の部屋にあった――。
――なのに、それ以外の場所にはなかった――。
カロル達は続いてそんな事実を知ることとなり、それによって――
0
お気に入りに追加
305
あなたにおすすめの小説
鬼上官と、深夜のオフィス
99
恋愛
「このままでは女としての潤いがないまま、生涯を終えてしまうのではないか。」
間もなく30歳となる私は、そんな焦燥感に駆られて婚活アプリを使ってデートの約束を取り付けた。
けれどある日の残業中、アプリを操作しているところを会社の同僚の「鬼上官」こと佐久間君に見られてしまい……?
「婚活アプリで相手を探すくらいだったら、俺を相手にすりゃいい話じゃないですか。」
鬼上官な同僚に翻弄される、深夜のオフィスでの出来事。
※性的な事柄をモチーフとしていますが
その描写は薄いです。
高校球児、公爵令嬢になる。
つづれ しういち
恋愛
目が覚めたら、おデブでブサイクな公爵令嬢だった──。
いや、嘘だろ? 俺は甲子園を目指しているふつうの高校球児だったのに!
でもこの醜い令嬢の身分と財産を目当てに言い寄ってくる男爵の男やら、変ないじりをしてくる妹が気にいらないので、俺はこのさい、好き勝手にさせていただきます!
ってか俺の甲子園かえせー!
と思っていたら、運動して痩せてきた俺にイケメンが寄ってくるんですけど?
いや待って。俺、そっちの趣味だけはねえから! 助けてえ!
※R15は保険です。
※基本、ハッピーエンドを目指します。
※ボーイズラブっぽい表現が各所にあります。
※基本、なんでも許せる方向け。
※基本的にアホなコメディだと思ってください。でも愛はある、きっとある!
※小説家になろう、カクヨムにても同時更新。
その選択、必ず後悔することになりますよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ベルナール殿下、陛下、妃殿下、第2第3王子殿下。ご自身にとって都合が悪いからと、わたくし聖女ファニーの殺害を企まれていますよね?
ただちにお止めください。
このまま実行してしまいますと、貴方がたは激しく後悔する羽目になりますよ。
※こちらはファンタジージャンルとなっておりますので、ファンタジー的な存在(異形)が登場する場面がございます。
その言葉はそのまま返されたもの
基本二度寝
恋愛
己の人生は既に決まっている。
親の望む令嬢を伴侶に迎え、子を成し、後継者を育てる。
ただそれだけのつまらぬ人生。
ならば、結婚までは好きに過ごしていいだろう?と、思った。
侯爵子息アリストには幼馴染がいる。
幼馴染が、出産に耐えられるほど身体が丈夫であったならアリストは彼女を伴侶にしたかった。
可愛らしく、淑やかな幼馴染が愛おしい。
それが叶うなら子がなくても、と思うのだが、父はそれを認めない。
父の選んだ伯爵令嬢が婚約者になった。
幼馴染のような愛らしさも、優しさもない。
平凡な容姿。口うるさい貴族令嬢。
うんざりだ。
幼馴染はずっと屋敷の中で育てられた為、外の事を知らない。
彼女のために、華やかな舞踏会を見せたかった。
比較的若い者があつまるような、気楽なものならば、多少の粗相も多目に見てもらえるだろう。
アリストは幼馴染のテイラーに己の色のドレスを贈り夜会に出席した。
まさか、自分のエスコートもなしにアリストの婚約者が参加しているとは露ほどにも思わず…。
求職令嬢は恋愛禁止な竜騎士団に、子竜守メイドとして採用されました。
待鳥園子
恋愛
グレンジャー伯爵令嬢ウェンディは父が友人に裏切られ、社交界デビューを目前にして無一文になってしまった。
父は異国へと一人出稼ぎに行ってしまい、行く宛てのない姉を心配する弟を安心させるために、以前邸で働いていた竜騎士を頼ることに。
彼が働くアレイスター竜騎士団は『恋愛禁止』という厳格な規則があり、そのため若い女性は働いていない。しかし、ウェンディは竜力を持つ貴族の血を引く女性にしかなれないという『子竜守』として特別に採用されることになり……。
子竜守として働くことになった没落貴族令嬢が、不器用だけどとても優しい団長と恋愛禁止な竜騎士団で働くために秘密の契約結婚をすることなってしまう、ほのぼの子竜育てありな可愛い恋物語。
※完結まで毎日更新です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる