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第3話 不意に訪れる、異変 俯瞰視点(3)
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「ひ、ひぃぃぃぃ……!!」「ひぃぃぃぃぃぃ……!!」
真っ白なワンピースの胸の部分に、べったりと付着している真紅。まるで胸部から出血しているような光景を見てしまった二人は、人形を放り投げつつ尻もちをついてしまいました。
「血!? ちぃ!? 血液!? 血がついてた!?」
「血ぃよ!! 血だわ!! 血が付着してる!! 人形が出血してる!? 人形って出血するのっ!?」
「わっ、分かんない!! 分かんないけどっ!! 血が出てるから出血するんだよお母様っっ!! だって出てるんだもん!!」
「人形に血が通ってるだなんて!? 生きているということ!? 生きていたのね!?」
パニック状態に陥っているため、カロルとクラリスは抱き合っておかしなことを繰り返します。そして、
「なにがあったの!? なんで出血!? 胸から血が出て――おぇぇぇぇ……!!」「なっ、なぜ部屋で血を出しているの!? 血がっ!! 血がっ!? わたくしの部屋に――おぇぇぇぇぇぇ……!!」
恐怖が許容範囲を超えてしまい、二人は仲良く吐いてしまいました。
「ひっ、ひぁあああああああ!! めっ、めりぃ!! めりあさぁぁあ!! めりさああああああああ!!」
「めりっ!! 来なさい!! 早く来なさい!! 血が人形がぁぁ!! 早くどこかへ持っていきなさああ!!」
自慢の服をたっぷりの吐瀉物で汚しながらカロルとクラリスは泣き叫び続け、2分ほどそうしているとようやく大きな足音が聞こえてきました。
――よかった。来た――。
――これで目の前から消える――。
すっかり悪臭塗れとなった二人は安堵し、力ない笑みが零れます。
ですが残念ながら、カロル達の望み通りにはなりません。どうしてかと言うと――
「「よかった――っ!? ぎゃあああああああああああああああああああああ!?」」
「カロルぅクラリスぅ!! わたっ、わたしの部屋に!! こっ、こここここんな人形がいるんだぁああああああああああああああああああああああああああ!!」
駆け付けたのはドナルドで、なんと彼も全く同じものを持ってきたからです。
真っ白なワンピースの胸の部分に、べったりと付着している真紅。まるで胸部から出血しているような光景を見てしまった二人は、人形を放り投げつつ尻もちをついてしまいました。
「血!? ちぃ!? 血液!? 血がついてた!?」
「血ぃよ!! 血だわ!! 血が付着してる!! 人形が出血してる!? 人形って出血するのっ!?」
「わっ、分かんない!! 分かんないけどっ!! 血が出てるから出血するんだよお母様っっ!! だって出てるんだもん!!」
「人形に血が通ってるだなんて!? 生きているということ!? 生きていたのね!?」
パニック状態に陥っているため、カロルとクラリスは抱き合っておかしなことを繰り返します。そして、
「なにがあったの!? なんで出血!? 胸から血が出て――おぇぇぇぇ……!!」「なっ、なぜ部屋で血を出しているの!? 血がっ!! 血がっ!? わたくしの部屋に――おぇぇぇぇぇぇ……!!」
恐怖が許容範囲を超えてしまい、二人は仲良く吐いてしまいました。
「ひっ、ひぁあああああああ!! めっ、めりぃ!! めりあさぁぁあ!! めりさああああああああ!!」
「めりっ!! 来なさい!! 早く来なさい!! 血が人形がぁぁ!! 早くどこかへ持っていきなさああ!!」
自慢の服をたっぷりの吐瀉物で汚しながらカロルとクラリスは泣き叫び続け、2分ほどそうしているとようやく大きな足音が聞こえてきました。
――よかった。来た――。
――これで目の前から消える――。
すっかり悪臭塗れとなった二人は安堵し、力ない笑みが零れます。
ですが残念ながら、カロル達の望み通りにはなりません。どうしてかと言うと――
「「よかった――っ!? ぎゃあああああああああああああああああああああ!?」」
「カロルぅクラリスぅ!! わたっ、わたしの部屋に!! こっ、こここここんな人形がいるんだぁああああああああああああああああああああああああああ!!」
駆け付けたのはドナルドで、なんと彼も全く同じものを持ってきたからです。
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