あこがれチェンジ!

柚木ゆず

文字の大きさ
上 下
55 / 68

16 あたし達が推理! (3)

しおりを挟む
「この道は、狭いね。どうりで『歩いて進め』なワケだ」

 あたしたちは指示された道を進んでいて、ナツキちゃんさんは苦笑いをした。
 ここは、ギリギリ1人通れるくらいしか幅がない。自転車だと通れなくって、置く場所に困ってたよね。

「ここを真っ直ぐ進めば、ヒント3か。どんな内容だっけ?」
「『青を見たら、すぐさま400メートル逃げろ』、ですー。青ってなんだろー?」
「さっきみたいに変化球でくるのか、裏をかいて直球でくるのか。こういう時、推理小説好きは厄介だね」
「ん、です。今度は簡単だと嬉しいなぁ」

 2人でそんな会話をしながら進んで、狭い道は終わり。
 広い場所に出たあたし達は、周りをキョロキョロ。青をさがす。

「あおは……。あおは……………………ぁ、あった!」

 左側に、青い看板のお店がある。
 きっとこれだよーっ。

「ナツキちゃんさんナツキちゃんさんっ。そこに――」
「陽上ちゃん、残念なお知らせ。右側には信号機があるんだよ」

 赤色と黄色と青色のランプが、光ってる。
 こ、これも青、だねぇ。

「逃げろは恐らく『反対方向に進め』の意味で、間違うと真逆に進んでしまう。どっち、なんだろうね……?」
「信号機はずっと青色じゃないから、看板なのかなぁ……? けどけど看板は古くて少し薄くなってるから、こっちが青じゃない……?」

 薄い青は、青じゃないから×。
 なのかなぁ?

「今回もまた、ややこしいのを用意してくれたね。流石にこれは、人に聞いてもわからなそうだ」
「モミジちゃんがどう思ってるか、になっちゃうだよです。どっちも青なのに、どっちかは違う。どこで見わけたらいーんだろー……」

 んんんんんー……。
 右から見ても、左から見てみても、ダメ。答えになりそーなところはなかった。

「もっと離れてみても、近づいても見つからないねえ。どうも、こういうのじゃないみたいだね」
「にゅぅぅ。これとは別な探し方は……」
「あるとは、思えない。けど絶対に、どこかにあるんだよね」
「はい、ですっ。問題だから絶対にある、です」

 必ずどこかに、違うトコがあるはず。
 どっちも青だけど、どっちかは実は青じゃない。どこかには違うところがあるから、もう1回気合を入れて――

「んや?」

 あれ?
 今、なにか……。頭にひっかかった気がした。


しおりを挟む

処理中です...