あこがれチェンジ!

柚木ゆず

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12 あたし達が解決! (2)

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「うあっ! うああああああああああああああああっ!?」
「「「「「わああああああああああああああ!!」」」」」

 落ちちゃう!
 そう感じた、瞬間。
 トラヒコくんとみんなの叫びを聞いた、瞬間っ。


 あたしは走りだしていた。


「トラヒコくんっ! 今助けるからね!!」

 あたしは、足には自信があるっ。
 だから力一杯、柵に走って、走ってっ。手を伸ばして、伸ばしてっ。

「落ちるっ! おちるっっ! おちるっっ!!」
「トラヒコくんっ、左の手を思いっきり伸ばして! この手を掴んでぇぇぇぇぇっ!!」

 めいっぱい前に出した左手は、

「「「「「おおおっ!! やった!!」」」」」
 トラヒコくんの左手を、掴んだ。

「お、お前……。俺は突き飛ばしたり転ばせたりしたのに、どうしてたすけて……」
「そーゆーお話はあとだよで、そのままあたしに掴まっててねっ。んぬぬぬぬ……っっ」

 トラヒコくんは宙ぶらりんで、ちょっとでも力を抜くとあたしごと落ちちゃう。なので右手と両足で踏ん張りながら、左腕に力を込める。

「ぬぬぬ……っ。んぬぬぬぬ……っ」
「だ、ダメだっ。離さないとお前まで落ちる! 誰かが助けにきてくれるまでもちそうにないからっ、いますぐこの手を離すんだ!」
「んーん、離さないよ……っ。せっかく、手を掴めたんだもん……っっ」
「それはそうだがっ! このままじゃ……」
「このままじゃ落ちちゃうから、あたしはもっともっと頑張るよっっ! あたしは運動が大好きで得意だから、任せてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!」

 力を振り絞ってトラヒコくんを引っ張って――。歯を食いしばってもっと引っ張って――。
 ドタンっ!
 力任せに引っ張ったあたしは、そのまま真後ろに倒れた。

「いたたたたぁ……。腕も背中もズキズキジンジンしてる…………けど、無事でよかったぁ」

 あたしの隣にはちゃんと、トラヒコくんがいる。
 あのまま落ちなくて、ほんとよかったよぉ。

「……ハナっ!」
「ハナちゃん~っ!」
「「虎彦っ! 虎彦っっ!」」

 安心してたらユーカとユーナと、パパさんたちが駆け寄ってきてくれた。
 みんなまだ不安そうだけど、安心した顔にもなってる。あとはアコヘンを解けば、全部解決で――そうだっ。アコヘンだっ!

「皆様は、そこの彼のご両親ですね? 色々とお話ししたいことがありますので、我々とこちらに来ていただけますか?」
「わわわっ、けーびいんさん警備員さん待ってくださいだよっ! モミジちゃんっ、トラヒコくんが連れてかれちゃうから早くしよっ!」
「………………」
「も、モミジちゃん? ね、ねえモミジちゃん?」
「………………ぁ、え、ええ、そうね。ごめんなさい、至急行いましょう」

 ボーっとしてたモミジちゃんは急いできてくれて、仕方ないから、この場でトラヒコくんに触れて心の中へ移動っ。今度は、もとに戻すための活動が始まったのでした!











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