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第10話 護るものがなくなった時 ベルナール視点(1)

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「「「「「うううううううううう!!」」」」」
「「「「「うううううううううう!!」」」」」
「「「「「うわあああああああああああああああ!?」」」」」

 倒れた城門を乗り越えてっ、大量のアンデッドがなだれ込んでくる!!
 マズイ!! このままだとマズイ!!

「にげっ、逃げないと!! 逃げないと死ぬ!!」

 アンデッドに噛まれたらアンデッドになってしまう。と言われている!
 それは創作物の中での話だがっ! 創作物に出てくるアンデッドが居るんだから仕組みも同じはずだ!!

「カロル! ベルナール! ライナ! マルゴ! 逃げるぞ!!」
「ええあなたっ!!」「はいっ!」「はいっ!」「うん!!」

 父上達もソレが頭にあったらしく、俺達は一斉に走り出す。
 目指す場所は、もちろん城だ!

「城の中には剣や弓がある!! あれで応戦するのだ!」
「でもボクっ、まだちゃんと剣を使えないよ!? 弓もっ!?」
「うるさい!! やれなくてもやるんだよ! やらなかったら死ぬんだぞ!? それでもいいのか!?」
「よっ、良くない!! よくないっ! 死にたくないもん!!」
「だったらグダグダ言うな!! 二度と言うなよ!? いいな!!」

 空気が読めないバカを叱り、俺達は必死に敷地内を縦断していく。

「はあっ。はあっ。はあっ。はあっ」
「はあ! はあっ。はあっ。はあっ」
「はぁっ。はぁっ。はぁっ。はぁっ」
「はあっ。はあっ。はあっ。はあっ」
「はぁっ。はあっ。はぁっ。はあっ」

 普段全力疾走なんてしないから、つらい。
 とっくに腕や脚は重くなっていて、息が苦しい。肺が裂けそうになっている。

「はあっ! はあっ! はあっ! はあっ!」
「はあ! はあっ! はあっ! はあっ!」
「はぁっ! はぁっ! はぁっ! はぁっ!」
「はあっ! はあっ! はあっ! はあっ!」
「はぁっ! はあっ! はぁっ! はあっ!」

 全員、すでに限界だ。
 だが、止まってしまったら終わり。
 俺達は生き抜くために、苦しくてもスピードを緩めずに駆け――

「あと少しで城だ! みんなっ、あとひと踏ん張りだ!! がんば――」
「うわあああああ!?」

 ――頑張ろう! と、言おうとしている時だった。
 マルゴが……。
 足をもつらせ、激しく転んでしまった……。


 
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