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第8話 アニエスの質問と、シャルルの返事。そして アニエス視点(1)
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「シャルル様。あの日から一度も、ノズエルズ様がいらっしゃられていないんです。あまりにも不自然で…………もしかして、そちらに何かを行ってきてはいませんか?」
復縁を叶えに押しかけて来た日から、3日後。私は再びシャルル様のお部屋を訪れていて、真っ先にこの疑問を打ち明けた。
諦めはしない! そう口にしていて、あの人の性格なら、拒絶してもしつこく近づいてくる。なのに音沙汰が一切ないのは、明らかにおかしい。
「私達の関係はまだ公表されていませんし、外ではリングもつけていません。なので感付かれることはないとは思いますが…………どこかで、ミスをしてしまったのかもしれません。あの方が、貴方様にご迷惑をおかけしてはいませんか?」
「いえ、そういったことはありませんよ。アニエス様を振り向かせるべく、新たな作戦でも練っているのではないでしょうか」
シャルル様はすぐに首を左右に振り、呆れまじりの微苦笑を浮かべられた。
「恐らくはきっぱりと断られたことで、相当な変化球を使わなければ結果を変えられないと感じたのでしょう。今頃ノズエルズ家のお屋敷で、必死になって頭を捻っていると思いますよ」
「…………。そう、なのでしょうか……?」
「アニエス様が仰られたように、あちらに気付かれる要素はどこにもありません。それに毎回、移動の際は僕の関係者が目を光らせています。待ち伏せをして尾行、そちらも有り得ませんしね。その状況下で真実を突き止められたのならば、あの方は人間ではありませんよ」
くすりと微笑まれて、それにつられて私も同様の表情をこぼします。
シャルル様は私に何かがあってはいけないからと、移動時には万全の注意を払ってくださっている。なので確かに、あの人が知る方法はありません。
「仰る通りですね。おかしなことを伺ってしまい、申し訳ございません」
「そちらは僕を想ってくださってのお言葉ですので、嬉しいものですよ。この身を案じてくださり、ありがとうございます」
下げた頭を上げると目の前でも頭が下がって上がり、そうした私達はまた微笑み合う。そうしてこの話題はお仕舞いとなり、楽しい時間の始まりとなりました。
「アニエス様、今日はご報告がありまして。例の予定が確定となり、来週の週末よりやっと、貴方と共に他の景色を楽しむことができるようになります」
「っ。ではシャルル様っ」
「ええ。公表は1週間後と決定しておりまして、その際には予定通り、アニエス様にも参加をお願いすることになります。……長らくお待たせしてしまいましたね。あと少しだけ、お待ちください」
そこでは『とても大事なこと』を知ったり、お茶と焼き菓子を食べながら楽しくお喋りを行ったり。いつもの通りといつもとは違うひと時を過ごし、今回もまた、シャルル様と幸せな時間を過ごしたのでした。
復縁を叶えに押しかけて来た日から、3日後。私は再びシャルル様のお部屋を訪れていて、真っ先にこの疑問を打ち明けた。
諦めはしない! そう口にしていて、あの人の性格なら、拒絶してもしつこく近づいてくる。なのに音沙汰が一切ないのは、明らかにおかしい。
「私達の関係はまだ公表されていませんし、外ではリングもつけていません。なので感付かれることはないとは思いますが…………どこかで、ミスをしてしまったのかもしれません。あの方が、貴方様にご迷惑をおかけしてはいませんか?」
「いえ、そういったことはありませんよ。アニエス様を振り向かせるべく、新たな作戦でも練っているのではないでしょうか」
シャルル様はすぐに首を左右に振り、呆れまじりの微苦笑を浮かべられた。
「恐らくはきっぱりと断られたことで、相当な変化球を使わなければ結果を変えられないと感じたのでしょう。今頃ノズエルズ家のお屋敷で、必死になって頭を捻っていると思いますよ」
「…………。そう、なのでしょうか……?」
「アニエス様が仰られたように、あちらに気付かれる要素はどこにもありません。それに毎回、移動の際は僕の関係者が目を光らせています。待ち伏せをして尾行、そちらも有り得ませんしね。その状況下で真実を突き止められたのならば、あの方は人間ではありませんよ」
くすりと微笑まれて、それにつられて私も同様の表情をこぼします。
シャルル様は私に何かがあってはいけないからと、移動時には万全の注意を払ってくださっている。なので確かに、あの人が知る方法はありません。
「仰る通りですね。おかしなことを伺ってしまい、申し訳ございません」
「そちらは僕を想ってくださってのお言葉ですので、嬉しいものですよ。この身を案じてくださり、ありがとうございます」
下げた頭を上げると目の前でも頭が下がって上がり、そうした私達はまた微笑み合う。そうしてこの話題はお仕舞いとなり、楽しい時間の始まりとなりました。
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「っ。ではシャルル様っ」
「ええ。公表は1週間後と決定しておりまして、その際には予定通り、アニエス様にも参加をお願いすることになります。……長らくお待たせしてしまいましたね。あと少しだけ、お待ちください」
そこでは『とても大事なこと』を知ったり、お茶と焼き菓子を食べながら楽しくお喋りを行ったり。いつもの通りといつもとは違うひと時を過ごし、今回もまた、シャルル様と幸せな時間を過ごしたのでした。
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