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第8話 大きな過ちを犯したから ゴーチェ視点(2)
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「どうして家族の縁を切られ、連れて行かれそうになってるんだ? 兄さんはそう言いたげな顔をしていますね」
頭がこんがらがっていたら、ブレーズがゆっくりと近づいて来た。。
そうだ! それだ!!
この件で俺は、家を継ぐ資格と会頭になる資格を剥奪された。なのになんで他も剥奪――家族の縁を切られているんだ!?
「父上と母上は当初、家族の縁を切るつもりはありませんでした。姉さんのもう一つの意思を尊重し、父上が別邸にて様々な面を再教育してゆくつもりだったのですよ」
「なんだって!! ならこれはなんなんだ!? 理由はなんだっ!?」
「その理由。それは、兄さんの言動が大いに関係しています」
……は?
原因は、俺……?
「先週の出来事を、思い出してみてください。兄さんはジュリエット姉さんにグラスを投げつけたあと、なんと叫び、どうすると決めましたか?」
「…………あの時は…………。俺は――っっ!!」
『もう我慢の限界だ!! 居候女のくせに生意気なんだよ!! 俺に従わないならこの屋敷から追い出すぞ!!』
『今のは、お前への同意じゃない。お前をココから追い出すと決めた、という「分かった」だ』
こんなことを、口にしていた……。
「貴方は暴力と暴言に加え、事実を捏造および自らの立ち位置を利用し、姉さんを追い出そうとした。あのようなことがあった人を、路頭に迷わせようとしました」
「……………………」
「だから、予定は大きく変わった。姉さんに行おうとしていたことを、そっくりそのまま兄さんに行うと決まっていたのですよ」
あの時の俺は何も知らなかったから、被害者のフリをしてジュリエットに非があると繰り返し……。そいつが更に反感を買い、余計に罰が大きくなっていた……。
こ、こんなの――
「ですのであと複数個、兄さんは『苦』を背負うことになります」
なっ!? これで終わりじゃない!?
な、なにを言ったんだ!? 俺は他に、なにをジュリエットに行おうとしていたんだ……!?
頭がこんがらがっていたら、ブレーズがゆっくりと近づいて来た。。
そうだ! それだ!!
この件で俺は、家を継ぐ資格と会頭になる資格を剥奪された。なのになんで他も剥奪――家族の縁を切られているんだ!?
「父上と母上は当初、家族の縁を切るつもりはありませんでした。姉さんのもう一つの意思を尊重し、父上が別邸にて様々な面を再教育してゆくつもりだったのですよ」
「なんだって!! ならこれはなんなんだ!? 理由はなんだっ!?」
「その理由。それは、兄さんの言動が大いに関係しています」
……は?
原因は、俺……?
「先週の出来事を、思い出してみてください。兄さんはジュリエット姉さんにグラスを投げつけたあと、なんと叫び、どうすると決めましたか?」
「…………あの時は…………。俺は――っっ!!」
『もう我慢の限界だ!! 居候女のくせに生意気なんだよ!! 俺に従わないならこの屋敷から追い出すぞ!!』
『今のは、お前への同意じゃない。お前をココから追い出すと決めた、という「分かった」だ』
こんなことを、口にしていた……。
「貴方は暴力と暴言に加え、事実を捏造および自らの立ち位置を利用し、姉さんを追い出そうとした。あのようなことがあった人を、路頭に迷わせようとしました」
「……………………」
「だから、予定は大きく変わった。姉さんに行おうとしていたことを、そっくりそのまま兄さんに行うと決まっていたのですよ」
あの時の俺は何も知らなかったから、被害者のフリをしてジュリエットに非があると繰り返し……。そいつが更に反感を買い、余計に罰が大きくなっていた……。
こ、こんなの――
「ですのであと複数個、兄さんは『苦』を背負うことになります」
なっ!? これで終わりじゃない!?
な、なにを言ったんだ!? 俺は他に、なにをジュリエットに行おうとしていたんだ……!?
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