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第11話 ロティナのその後 俯瞰視点(4)
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「……………………」
「……………………」
工作の支持を出してから、3日後の夕方。邸内ではロティナ、グレンの2人が、呆然となって言葉を失っていました。
その原因は勿論、工作失敗の報告を受け取ったから。どうやっても挽回は不可能だと理解してしまったため、揃ってそうなってしまっていたのです。
「……………………」
「……………………」
「だ、旦那様、お嬢様……。ほ、報告を致しましたので……。わ、わたくしは失礼をさせていただきますね……」
沈黙と空気に耐えられなくなり、逃げるようにその場を去ったジュール。2人はその言葉に返事を返す余裕も、姿を見届ける余裕もありません。
「……………………」
「……………………」
5分を超えてもどちらも声を発さず、棒立ちのまま。更に5分が経過しても2人の様子は変わらず、ですが――。それからもう一度5分が経過した頃。ちょうど母ニミアがやって来たタイミングで、父グレンがポツリと呟きました。
「……お前の……。ロティナの、せいだ……」
お前があんなことを言い出すから、取り返しのつかない状況になってしまった。
どうしてくれる……? どうしてくれる……っ? どうしてくれる……っ!? 声量は次第に大きくなってゆき、やがては怒鳴り声が響き渡りました。
「だからあれほど反対していたんだ!! わたしの言う事をちゃんと聞いていれば、何も起きていないのに……っ。この馬鹿者!!」
「あなたっ! 馬鹿なのは貴方も同じよ!!」
そして。続いて、ニミアの大きな声も響き渡りました。
「相手は婚約中だったのよ!? それがどういう行為なのか、じっくり考えなくても分かるでしょう!? だからわたくしは最後まで――交際中もずっと反対して、アルゼル家に謝罪するよう再三言っていたでしょう!? 一体なぜなのっ!? なぜ突然許可を出し、頑なに拒んだの!?」
「そ、それは……。む、娘の……。娘の意思を、尊重してやろうと……。思って、だな……。親心が、最終的に勝った……。そっ、そうだよな? ロティナっ!」
本当の理由である『浮気を知られて脅された』とは言えるはずがありません。そのためグレンはしどろもどろになって言い訳し、たまらず娘に同意を求めました。
――それが、失敗でした――。
結婚どころか、交際すら出来なくなってしまった。そんなタイミングでの、『この馬鹿者!!』。
そのため激しい怒りを覚えてしまっており、
「お母様っ、それは大きなウソよっ! お父様はっ、私に浮気をしていた証拠を握られていたから強く出られなかったのよ!!」
暴露を、してしまったのでした。
「……………………」
工作の支持を出してから、3日後の夕方。邸内ではロティナ、グレンの2人が、呆然となって言葉を失っていました。
その原因は勿論、工作失敗の報告を受け取ったから。どうやっても挽回は不可能だと理解してしまったため、揃ってそうなってしまっていたのです。
「……………………」
「……………………」
「だ、旦那様、お嬢様……。ほ、報告を致しましたので……。わ、わたくしは失礼をさせていただきますね……」
沈黙と空気に耐えられなくなり、逃げるようにその場を去ったジュール。2人はその言葉に返事を返す余裕も、姿を見届ける余裕もありません。
「……………………」
「……………………」
5分を超えてもどちらも声を発さず、棒立ちのまま。更に5分が経過しても2人の様子は変わらず、ですが――。それからもう一度5分が経過した頃。ちょうど母ニミアがやって来たタイミングで、父グレンがポツリと呟きました。
「……お前の……。ロティナの、せいだ……」
お前があんなことを言い出すから、取り返しのつかない状況になってしまった。
どうしてくれる……? どうしてくれる……っ? どうしてくれる……っ!? 声量は次第に大きくなってゆき、やがては怒鳴り声が響き渡りました。
「だからあれほど反対していたんだ!! わたしの言う事をちゃんと聞いていれば、何も起きていないのに……っ。この馬鹿者!!」
「あなたっ! 馬鹿なのは貴方も同じよ!!」
そして。続いて、ニミアの大きな声も響き渡りました。
「相手は婚約中だったのよ!? それがどういう行為なのか、じっくり考えなくても分かるでしょう!? だからわたくしは最後まで――交際中もずっと反対して、アルゼル家に謝罪するよう再三言っていたでしょう!? 一体なぜなのっ!? なぜ突然許可を出し、頑なに拒んだの!?」
「そ、それは……。む、娘の……。娘の意思を、尊重してやろうと……。思って、だな……。親心が、最終的に勝った……。そっ、そうだよな? ロティナっ!」
本当の理由である『浮気を知られて脅された』とは言えるはずがありません。そのためグレンはしどろもどろになって言い訳し、たまらず娘に同意を求めました。
――それが、失敗でした――。
結婚どころか、交際すら出来なくなってしまった。そんなタイミングでの、『この馬鹿者!!』。
そのため激しい怒りを覚えてしまっており、
「お母様っ、それは大きなウソよっ! お父様はっ、私に浮気をしていた証拠を握られていたから強く出られなかったのよ!!」
暴露を、してしまったのでした。
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