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第11話 粛清その2 上(1)
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「まさかあの女が、悪魔のようなヤツだったとはな。予想外だった」
「ボクもすっかり騙されてたよ。最低だよね」
「同じ女として、絶対に許せないわ。与える食事は最低限にして、衣服も相応のものにしましょう」
「恐らく……いいや。間違いなく、件のアリシアくんの悪評もエミ・ナーズが絡んでいるのだろうな。そちらについても、直ちに調査をさせよう」
エミが消えた後。殿下とサラス様と妃殿下はエミを何度も罵り、陛下はお城の人間を大声で呼び始めました。
全員が、どうにかこの状況を切り抜けようと企みながら。
「……ソラ君」
「うん、まったくゲスらしい振る舞いだね。……お前達は、忘れたのか? 僕が先刻、『一つずつ説明していこう』と口にしたことを」
ご機嫌を取ろうとしても無駄だ。そんな意味を孕んだ冷たい声が響き、4人の肩がピクリと揺れた。
「王太子。お前は自身の都合でアリシアちゃんを捨て、その後を円滑に進めるために悪事を捏造した。今日の夕刻に国民へと発表し、世間に悪評を浸透させた」
ここに来る前に通った街で、そのことを知りました。
それのせいで今、わたしの評価は最悪。追放されたことも相まって、もし姿を見られたら石を投げられる程に憎まれています。
「そっ、それは事実なんだよっ! 貴方は知らないだろうけど――」
「そんな事はしない人間だと、熟知している。お前の言う事実は、事実ではない」
「しょっ、証拠はあるのかいっ!? 実際に、やってないという証拠は――」
「この手の工作は、突き詰めれば必ず証拠は出る。だから、そうだね……。例えばこんな風に脅して、キミ達が捜査に関与できないようにしよう」
ソラ君は右手だけを竜化させて、太い爪が5人の足元を――床を、鋭く抉った。
「権力者の陰がなければ、協力させられた者も素直に吐いてくれる。そこにエミ・ナーズへのプレゼントなどの購入履歴などを加えたら、立派な証拠になるだろうね」
「「「「…………」」」」
「力で黙らせる――この場でお前達を、消し炭にしてもいいのだけれど。そうすれば、非のない国民に影響が出てしまうからね。お前達は次期国王の決定など政治の『引継ぎ』が終わるまで働き、完了後に裁かれるといい」
ちゃんとみんなのことを考えている、立派な王太子のソラ君。彼は陛下が集めていた人間を呼び寄せ、4人の拘束を依頼したのでした。
「ボクもすっかり騙されてたよ。最低だよね」
「同じ女として、絶対に許せないわ。与える食事は最低限にして、衣服も相応のものにしましょう」
「恐らく……いいや。間違いなく、件のアリシアくんの悪評もエミ・ナーズが絡んでいるのだろうな。そちらについても、直ちに調査をさせよう」
エミが消えた後。殿下とサラス様と妃殿下はエミを何度も罵り、陛下はお城の人間を大声で呼び始めました。
全員が、どうにかこの状況を切り抜けようと企みながら。
「……ソラ君」
「うん、まったくゲスらしい振る舞いだね。……お前達は、忘れたのか? 僕が先刻、『一つずつ説明していこう』と口にしたことを」
ご機嫌を取ろうとしても無駄だ。そんな意味を孕んだ冷たい声が響き、4人の肩がピクリと揺れた。
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ここに来る前に通った街で、そのことを知りました。
それのせいで今、わたしの評価は最悪。追放されたことも相まって、もし姿を見られたら石を投げられる程に憎まれています。
「そっ、それは事実なんだよっ! 貴方は知らないだろうけど――」
「そんな事はしない人間だと、熟知している。お前の言う事実は、事実ではない」
「しょっ、証拠はあるのかいっ!? 実際に、やってないという証拠は――」
「この手の工作は、突き詰めれば必ず証拠は出る。だから、そうだね……。例えばこんな風に脅して、キミ達が捜査に関与できないようにしよう」
ソラ君は右手だけを竜化させて、太い爪が5人の足元を――床を、鋭く抉った。
「権力者の陰がなければ、協力させられた者も素直に吐いてくれる。そこにエミ・ナーズへのプレゼントなどの購入履歴などを加えたら、立派な証拠になるだろうね」
「「「「…………」」」」
「力で黙らせる――この場でお前達を、消し炭にしてもいいのだけれど。そうすれば、非のない国民に影響が出てしまうからね。お前達は次期国王の決定など政治の『引継ぎ』が終わるまで働き、完了後に裁かれるといい」
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