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第4話(5)
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「アリシアちゃん、これからちょっと旅をしてもらうことになるんだ。起きたばかりなのに、ごめんね?」
「ううんっ、わたしのためにやってくれるんだもんっ。ごめんなさいはこっちの台詞で、よろしくお願いしますっ」
ブンブンと首を振って、そのあと軽くピョンピョンと跳んでみせる。
たっぷり眠らせてもらったし、目の前には懐かしい人がいる。今はプラスな要素が一杯で、しっかり動けるんですよね。
「そっか、じゃあ出発を――あ、そうだ。アリシアちゃんは、高いところは苦手なのかな?」
「高いところ? ううん、苦手じゃないよ。どうしたの?」
「よかった。高所恐怖症じゃなかったら、半分以下の時間で着けるんだ。馬車ではなく、コレを使えるからね」
ソラ君が言う『コレ』は、翼。黒目で自分の背後を指すと背中が光って、漆黒の翼が生えてきたのでした。
「成体の竜人は、部分的な竜化も可能なんだ。これからアリシアちゃんには、空の旅を楽しんでもらうね」
わたしは再び、ふわりとお姫様抱っこをされます。
ソラ君って太陽をたっぷり浴びたタオルのような、良い匂いがするんですよね……。
それに、細いけどちゃんと筋肉があって……。包まれていると、安心します……。
赤面しつつ、そんな風なことを考えていると――わたし達は続きになっているバルコニーに出て、「僕がいるから安心してね」とソラ君はニコリ。それにコクリと頷いて返すと白い手すりを踏み台にしてタンっと飛び、わたしの身体に浮遊感がやってきました。
一瞬だけ全身が『ひゅん』とする形容しがたい感覚がやってきて、ゆっくりと上昇。みるみる高度が上がっていって、あっという間に建物が小さくなってしまいました。
「すごい……! 建物がコーヒー豆みたい……!」
「どれもそれなりに大きなはずだけど、小さく見えるよね。でもまだまだ、驚くことがあると思うよ」
「え? 他には――わぁ……っ。雲の中を……雲の上を進んでる……! 雲の中って、上って、こんな風になっていたんですね……!」
そんな景色とそんな場所は初めて――普通に生活していたら絶対に体験できないものなのですが、傍にはソラ君がいてくれます。
なので『初』がもたらす不安や恐怖は全て、『楽しい新鮮さ』に変わってくれて。わたしは笑顔で、広い広い空を満喫したのでした。
「ううんっ、わたしのためにやってくれるんだもんっ。ごめんなさいはこっちの台詞で、よろしくお願いしますっ」
ブンブンと首を振って、そのあと軽くピョンピョンと跳んでみせる。
たっぷり眠らせてもらったし、目の前には懐かしい人がいる。今はプラスな要素が一杯で、しっかり動けるんですよね。
「そっか、じゃあ出発を――あ、そうだ。アリシアちゃんは、高いところは苦手なのかな?」
「高いところ? ううん、苦手じゃないよ。どうしたの?」
「よかった。高所恐怖症じゃなかったら、半分以下の時間で着けるんだ。馬車ではなく、コレを使えるからね」
ソラ君が言う『コレ』は、翼。黒目で自分の背後を指すと背中が光って、漆黒の翼が生えてきたのでした。
「成体の竜人は、部分的な竜化も可能なんだ。これからアリシアちゃんには、空の旅を楽しんでもらうね」
わたしは再び、ふわりとお姫様抱っこをされます。
ソラ君って太陽をたっぷり浴びたタオルのような、良い匂いがするんですよね……。
それに、細いけどちゃんと筋肉があって……。包まれていると、安心します……。
赤面しつつ、そんな風なことを考えていると――わたし達は続きになっているバルコニーに出て、「僕がいるから安心してね」とソラ君はニコリ。それにコクリと頷いて返すと白い手すりを踏み台にしてタンっと飛び、わたしの身体に浮遊感がやってきました。
一瞬だけ全身が『ひゅん』とする形容しがたい感覚がやってきて、ゆっくりと上昇。みるみる高度が上がっていって、あっという間に建物が小さくなってしまいました。
「すごい……! 建物がコーヒー豆みたい……!」
「どれもそれなりに大きなはずだけど、小さく見えるよね。でもまだまだ、驚くことがあると思うよ」
「え? 他には――わぁ……っ。雲の中を……雲の上を進んでる……! 雲の中って、上って、こんな風になっていたんですね……!」
そんな景色とそんな場所は初めて――普通に生活していたら絶対に体験できないものなのですが、傍にはソラ君がいてくれます。
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