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エピローグ 残された者達の未来 マリエット視点

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「……マリエット。今度こそ、だな」
「……はい、お父様。今度こそ、ですね」

 結婚式当日。わたし達は会場の出入り口となる扉の前にいて、微苦笑を浮かべ合いました。

『マリエット!! 大変なことが起きてしまった!!』
『え!? ど、どうされたのですか……!?』
『………………これを見てくれ……』

 あの日わたしは今居る場所に立ち、式が始まり、結婚するものだと思っていました。ですが直前で婚約者が妹と共に居なくなるという事態が発生し、中止になったのですよね。

「あの時は、大変なことになったと酷く焦ったが……。そのあとは尻拭いで、散々苦労をさせてしまうことになるが……。それでも、だ。よかったな」
「そうですね。よかった、です」

 あの方との婚約が白紙となったことで新たな縁が生まれ、ピエリック様と関係を持つことができるようになりました。

 ――貴族として生まれたからには、自由な恋なんてできるはずがない――。
 ――たとえ恋をしたとしても、その人と夫婦になれるはずがない――。

 そう思っていたのに。
 素敵な。優しい。大好きな人と夫婦になれる。
 こんなにも幸せなことは、ありません。

「……これから私――そしてキトリーは、隣ではなく後ろからお前を見守っているよ」
「……ありがとうございます」
「……お前のような娘が居てくれて、私達は幸せ者だ。…………さあ、ゆこうか」
「……私も、お父様とお母様のような人が親で幸せもです。…………参りましょう」

 お父様も、きっとそう。これまでの出来事、日々を思い出したあと、頷き合って入場します。
 扉を潜るとヴァージンロードがあって、皆様に見守られながら歩いていって。やがてお父様と進む時間は終わり、わたしはその先で待ってくださっている方のもとへとゆきます。

「お待ちしておりました」

 その人はもちろん、ピエリック様。
 わたしは大好きな人と手を取り合って、口づけを交わし合って――

「マリエット様。貴方を愛しています」
「ピエリック様。愛しています」

 ――わたし達は幸せな未来へと、羽ばたいたのでした。
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