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第10話 その後のメリッサ(エピローグ メリッサ編) 俯瞰視点

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「えええっ!? あたしが『ヴィラフェル修道院』で修行をするコトが決まった!? しかも無期限でぇ!?」

 公衆の面前での大ゲンカと婚約撤回が起きた日から、4日後。自分の家ノエマイン邸に戻っていたメリッサは、1階にある執務室内で唖然となっていました。
 ヴィラフェル修道院はこの国レイルズの北部にある、レイルズで最も厳しいとされている場所でした。そんなところに、無期限で。そのためメリッサの両目は大きく開かれ、口は鯉のようにパクパクしていました。

「ぱ、パパ、なんでっっ? どしてそんなトコに行かなくちゃなの!?」
「…………お前が平然と、そう言ってしまえている事が理由だ。心身ともに、生まれ変わって来なさい」
「ふぇっ? 言ってしまえる事ってなあにっ? あたしは酷い目に遭って・・・・・・・戻ってきたばっかりなんだよっ? 意味不明だよっっ!」

 メリッサにとって自分は、被害者。非は全くないと確信してしまっていました。そのため彼女は本気で戸惑い、首をブンブンと左右に振ります。

「パパっ、考え直してよっ! あたしは、みんなに慰めてもらわなきゃなんだよっ? なのにヴィラフェル修道院だなんて――」
「これは決定事項で、撤回はあり得ない。明日の正午には、修道院が迎えの馬車を派遣してくださる。それまでに準備を整えておきなさい」
「やだっ、嫌だよパパっ! ねえっ、ママは知ってるの!? 知らないよねっ!? ママが知ったら反対――」
「メリッサ。修道院への入院は、両親の同意が必要になるのだよ。これが、その証だ」

 父トムはデスクにあったA4サイズの紙を2枚手に取り、娘に突きつけます。
 そこにあるのは、直筆のサインと拇印。母ティルナが認めた印が、ありました。

「そ、そんな……。ママまで……。…………あたしが、何をしたってゆーのぉ……」
「繰り返すが、それが理由だ。…………分かる日が来ると、いいな」
「まっ、待ってパパっ! ねぇパパぁっ!! お願いだよぉっ!! 考え直してよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――ぁ…………」

 必死に訴えますが、トムは自虐含みのため息を吐き、部屋から出て行ってしまいました。
 そのため大急ぎで追いかけたり母親にも泣きついたりしましたが、結果は同じ。結局翌日の午後0時に馬車に乗る羽目になり――

「なんでぇ……っ。なんであたしがこうなっちゃうのぉ……っ! パパとママのばかぁぁぁあぁああああああああああああああああ!!」

 メリッサは理不尽だと叫びながら、修道院へと旅立ったのでした。

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