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第11話 知る妹 ニネット視点(2)

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「ネズレントの姓を捨てて……。ニエダスク家の養女となって……。フレデリク様と婚約して、一緒に暮らすようになって……。必要な準備が整い次第、結婚をする……」

 昨日の夕方――わたくしが欠席をしていた、学院の卒業式。そちらが済んだ後2人でやって来て……。そんな説明をして、2人で去ったみたい……。
 しかも…………。

「フレデリク様は、わたくし達の行動を知っていて……」

 わたくし達3人に、何かある。お楽しみに。
 そう仰られた、みたい……。

「いっ、いつの間に!? いつお姉様とフレデリク様はっ、そんなにも親密な関係になりましたの!?」

 あの2人は生徒会長と副会長で、距離は近かった! でも、だからこそっ。わたくしは常にチェックをしていて、あの人たちの間に恋愛感情は一切なかった。
 婚約者はおろか、恋人にだってなる気配はなかったのにっ。どうなっているんですの……!?

「……もしかして……。わたくしが学院を欠席している間に、急接近した……!?」

 いいえっ、それはあり得ない! 時々登院した際はそんな噂を聞かなかったっ。時々前生徒会長副会長として、昼などに会っているだけだったはず! 以前よりも一緒にいる時間は遥かに減っていて、そんな仲になるなんて思えない……っ。

「なぜなぜなぜなぜ!? あり得ないことが有り得ていますの――あっ、もう一枚便箋が入っていたんですのね! こっちに詳細が記されているかもしれな――…………」

 見落としてしまっていた、2枚目の便箋。ソレの前半に、ちゃんと記されていた。
 あの2人は、生徒会の任期中に関係を深めていて……。とっくに両想いになっていたけれど、わたくし達に悟られないように隠していた……。


 お姉様が愛していたのは、エドモン様じゃない……!


 あの時からすでに、フレデリク様が想い人だったんですわ……!!

「そんな…………。ずっと……。エドモン様が恋人だと思ってた……」

 だって、何度もコッソリ会っていたんですものっ。それにっ! 別れろと命令をして、別れたと言ったんですもの! あの夜、別れさせたんですもの!
 そう思うのが当たり前ですわ!!

「会場に戻られたエドモン様だって、酷くイライラしていたっ! 別れを切り出された以外考えらなくって……。どうなってますの――…………」

 それは……。目を通していなかった、後半部分に記されてあった……。
 お姉様が何度もコッソリ会っていたのは、エドモン様が人気(ひとけ)のない場所でしつこく関係を迫り、毎回断っていたからで……。あの夜は別れ話を行ったのではなく、『絶対に頷くことはない』と伝えに行っていただけで……。
 お姉様は……っ。あの女は……っっ。

 わたくしの勘違いを、利用していた……‼

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