36 / 38
第15話 関係者のその後 その2・サーラの元家族Side~透明人間たちは~ 俯瞰視点(4)
しおりを挟む
「「「ぁ、ぁぁぁ…………。ぁぁぁ……。ああぁああぁぁぁあぁぁ………………」」」
計160キロ以上にも及ぶ大移動を行い、会議場内で叫び続けたサミ、エリザベル、メリッサ。そんな3人は揃って膝から崩れ落ち、仲良く頭を抱えていました。
『新聖女様!! カミーユ様っ!! ディディエ様っ!! 我々はここにおります!!』
『どうか気付いてくださいっ! わたくし共は貴方様の目の前におりますのぉっ!!』
『気付いてくださいましっ!! わたし達は反省をしていてっ、祖国のために尽くしたいと思っておりますのっ!! そうできるようにっ、わたし達に気付いてくださいましぃぃぃっ!!』
疲労困憊となっていたものの、あのように必死に動き叫び回っていた3人。彼らの体勢でありメンタルが大きく変化してしまった理由、それは――
「おかげさまで、良いアイディアが浮かびました。聖女マリア、感謝いたします」
「わたくしは、皆様の幸せが喜びであり幸せですので。お役に立てて光栄でございます」
――新聖女を交えた会議が、終わってしまったから。2時間以上存在を訴え続けたにもかかわらず、一切気付かれないまま聖女が去ってしまったからです。
「そ、そんな……。我々の声が、一切届かないなんて……。間違って、いたのか……? 間違っていたというのか…………?」
「…………聖女様は、気づかないふりを…………お芝居は、されてはいなかったわ……。本当に、わたくしたちに気が付いていなかったわ……」
「だから…………間違って、いたのですわ……。わたし達はずっと、意味のないことをしていたんですわ……」
休まず歩き続けた結果が、これであること。大きな期待と希望を抱いて挑んだ結果が、これであったこと。
それらによって心身に未曽有のショックを受けてしまい、
「「「……………………………………」」」
まもなく3人は、抜け殻のようになってしまいました。
そして――
計160キロ以上にも及ぶ大移動を行い、会議場内で叫び続けたサミ、エリザベル、メリッサ。そんな3人は揃って膝から崩れ落ち、仲良く頭を抱えていました。
『新聖女様!! カミーユ様っ!! ディディエ様っ!! 我々はここにおります!!』
『どうか気付いてくださいっ! わたくし共は貴方様の目の前におりますのぉっ!!』
『気付いてくださいましっ!! わたし達は反省をしていてっ、祖国のために尽くしたいと思っておりますのっ!! そうできるようにっ、わたし達に気付いてくださいましぃぃぃっ!!』
疲労困憊となっていたものの、あのように必死に動き叫び回っていた3人。彼らの体勢でありメンタルが大きく変化してしまった理由、それは――
「おかげさまで、良いアイディアが浮かびました。聖女マリア、感謝いたします」
「わたくしは、皆様の幸せが喜びであり幸せですので。お役に立てて光栄でございます」
――新聖女を交えた会議が、終わってしまったから。2時間以上存在を訴え続けたにもかかわらず、一切気付かれないまま聖女が去ってしまったからです。
「そ、そんな……。我々の声が、一切届かないなんて……。間違って、いたのか……? 間違っていたというのか…………?」
「…………聖女様は、気づかないふりを…………お芝居は、されてはいなかったわ……。本当に、わたくしたちに気が付いていなかったわ……」
「だから…………間違って、いたのですわ……。わたし達はずっと、意味のないことをしていたんですわ……」
休まず歩き続けた結果が、これであること。大きな期待と希望を抱いて挑んだ結果が、これであったこと。
それらによって心身に未曽有のショックを受けてしまい、
「「「……………………………………」」」
まもなく3人は、抜け殻のようになってしまいました。
そして――
4
お気に入りに追加
1,633
あなたにおすすめの小説
愛想の無い姉と婚約破棄して可憐な妹と婚約したいとのことですがあなたみたいなアンポンタン姉妹揃ってお断りです
ハツカ
ファンタジー
姉との婚約を破棄して、妹と婚約したいですって?
私達は姉妹揃って、あなたのこと嫌いなんだけど?
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
辺境伯令嬢は婚約破棄されたようです
くまのこ
ファンタジー
身に覚えのない罪を着せられ、王子から婚約破棄された辺境伯令嬢は……
※息抜きに書いてみたものです※
※この作品は「ノベルアッププラス」様、「カクヨム」様、「小説家になろう」様にも掲載しています※
その国が滅びたのは
志位斗 茂家波
ファンタジー
3年前、ある事件が起こるその時まで、その国は栄えていた。
だがしかし、その事件以降あっという間に落ちぶれたが、一体どういうことなのだろうか?
それは、考え無しの婚約破棄によるものであったそうだ。
息抜き用婚約破棄物。全6話+オマケの予定。
作者の「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹が登場。というか、これをそっちの乗せたほうが良いんじゃないかと思い中。
誤字脱字があるかもしれません。ないように頑張ってますが、御指摘や改良点があれば受け付けます。
護国の聖女、婚約破棄の上、国外追放される。〜もう護らなくていいんですね〜
ココちゃん
恋愛
平民出身と蔑まれつつも、聖女として10年間一人で護国の大結界を維持してきたジルヴァラは、学園の卒業式で、冤罪を理由に第一王子に婚約を破棄され、国外追放されてしまう。
護国の大結界は、聖女が結界の外に出た瞬間、消滅してしまうけれど、王子の新しい婚約者さんが次の聖女だっていうし大丈夫だよね。
がんばれ。
…テンプレ聖女モノです。
思わず呆れる婚約破棄
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある国のとある夜会、その場にて、その国の王子が婚約破棄を言い渡した。
だがしかし、その内容がずさんというか、あまりにもひどいというか……呆れるしかない。
余りにもひどい内容に、思わず誰もが呆れてしまうのであった。
……ネタバレのような気がする。しかし、良い紹介分が思いつかなかった。
よくあるざまぁ系婚約破棄物ですが、第3者視点よりお送りいたします。
【完結】従姉妹と婚約者と叔父さんがグルになり私を当主の座から追放し婚約破棄されましたが密かに嬉しいのは内緒です!
ジャン・幸田
恋愛
私マリーは伯爵当主の臨時代理をしていたけど、欲に駆られた叔父さんが、娘を使い婚約者を奪い婚約破棄と伯爵家からの追放を決行した!
でも私はそれでよかったのよ! なぜなら・・・家を守るよりも彼との愛を選んだから。
自称聖女の従姉に誑かされた婚約者に婚約破棄追放されました、国が亡ぶ、知った事ではありません。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」「ノベルバ」に同時投稿しています。
『偽者を信じて本物を婚約破棄追放するような国は滅びればいいのです。』
ブートル伯爵家の令嬢セシリアは不意に婚約者のルドルフ第三王子に張り飛ばされた。華奢なセシリアが筋肉バカのルドルフの殴られたら死の可能性すらあった。全ては聖女を自称する虚栄心の強い従姉コリンヌの仕業だった。公爵令嬢の自分がまだ婚約が決まらないのに、伯爵令嬢でしかない従妹のセシリアが第三王子と婚約しているのに元々腹を立てていたのだ。そこに叔父のブートル伯爵家ウィリアムに男の子が生まれたのだ。このままでは姉妹しかいないウィルブラハム公爵家は叔父の息子が継ぐことになる。それを恐れたコリンヌは筋肉バカのルドルフを騙してセシリアだけでなくブートル伯爵家を追放させようとしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる