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第15話 関係者のその後 その2・サーラの元家族Side~透明人間たちは~ 俯瞰視点(4)

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「「「ぁ、ぁぁぁ…………。ぁぁぁ……。ああぁああぁぁぁあぁぁ………………」」」

 計160キロ以上にも及ぶ大移動を行い、会議場内で叫び続けたサミ、エリザベル、メリッサ。そんな3人は揃って膝から崩れ落ち、仲良く頭を抱えていました。

『新聖女様!! カミーユ様っ!!  ディディエ様っ!! 我々はここにおります!!』
『どうか気付いてくださいっ! わたくし共は貴方様の目の前におりますのぉっ!!』
『気付いてくださいましっ!! わたし達は反省をしていてっ、祖国のために尽くしたいと思っておりますのっ!! そうできるようにっ、わたし達に気付いてくださいましぃぃぃっ!!』

 疲労困憊となっていたものの、あのように必死に動き叫び回っていた3人。彼らの体勢でありメンタルが大きく変化してしまった理由、それは――

「おかげさまで、良いアイディアが浮かびました。聖女マリア、感謝いたします」
「わたくしは、皆様の幸せが喜びであり幸せですので。お役に立てて光栄でございます」

 ――新聖女を交えた会議が、終わってしまったから。2時間以上存在を訴え続けたにもかかわらず、一切気付かれないまま聖女が去ってしまったからです。

「そ、そんな……。我々の声が、一切届かないなんて……。間違って、いたのか……? 間違っていたというのか…………?」
「…………聖女様は、気づかないふりを…………お芝居は、されてはいなかったわ……。本当に、わたくしたちに気が付いていなかったわ……」
「だから…………間違って、いたのですわ……。わたし達はずっと、意味のないことをしていたんですわ……」

 休まず歩き続けた結果が、これであること。大きな期待と希望を抱いて挑んだ結果が、これであったこと。
 それらによって心身に未曽有のショックを受けてしまい、

「「「……………………………………」」」

 まもなく3人は、抜け殻のようになってしまいました。
 そして――

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