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第8話 その頃、サンルーフ城内では 俯瞰視点(1)
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「――というわけなんだ。予定通り3日後には縁を切れて、アリスを迎え入れられるようになるよ」
《そうですのね。幸せですわ……っ》
「君のおかげで、円滑かつノーダメージで関係を持てるようになった。感謝するよ、アリス」
《オーギュスタン様、わたくしは案をお出ししただけ。ほんの少し、お手伝いをしただけですわ。この計画が順調に進んでいるのは、オーギュスタン様の類まれなる行動力のおかげですわ》
「はっはっは! そうかそうかっ! そうかもしれないなっ。はっはっは!」
サンルーフ城内にある、王太子の私室。そこでは部屋の持ち主であるオーギュスタンが椅子にて優雅に足を組み、紅茶を飲みながら前方にある純白の鏡と会話をしていました。
――聖女のみが扱える聖術、その一つ『疎通の鏡』――。
結界を張った場所にならどこにでも、会話をできる鏡を創造して設置できる。本来は災害や有事の際に緊急連絡に使うものを、私的な連絡手段として使用していたのです。
「アリス、もう一つ良い知らせがある。成功を記念したパーティーを、今夜父上と母上が開いてくださることになったんだ」
2人にとってサーラとの結婚は――侯爵令嬢との結婚は、非常に物足りないもの。できることなら、筆頭公爵家の人間を王太子妃にさせたいと考えていました。
しなしながら国王夫妻はオーギュスタンが可愛いため言い出せず、そんな愛息が聖女と――唯一無二の存在を妻とすると言い出したのです。そのためまさに欣喜雀躍といった状態になっていて、嬉しくてたまらないのです。
「参加者は父上母上弟、大公一家と宰相一家――策の関係者のみの、内密なものとなっているからな。君が来ても問題はなく、是非とも参加してもらいたい」
「まぁ、素敵な会ですわね。オーギュスタン様、喜んで参加させていただきますわ」
「そうか、では待っているぞ。開始は午後の6時からとなっているから、司祭長には適当に理由付けをして馬車で――なっ!?」
馬車で来てくれ。そう伝えようとしていた時でした。目の前にあった『疎通の鏡』が突然、木っ端みじんに砕け散ってしまったのでした。
「ば、バカな……。こいつが壊れたということは…………。い、いやまさかな。ありえない!」
疎通の鏡は、結界がある限り永続的に存在できるもの。つまりはこの城を覆う結界が消滅したということになるため、その推理はすぐに否定されます。
ですが、それから僅か十数秒後のことでした。
「殿下っ!! 王城を覆う結界が消滅したもようです!!」
城の警備を司る衛兵の一人が飛び込んできて、否定を否定する言葉を発したのでした。
《そうですのね。幸せですわ……っ》
「君のおかげで、円滑かつノーダメージで関係を持てるようになった。感謝するよ、アリス」
《オーギュスタン様、わたくしは案をお出ししただけ。ほんの少し、お手伝いをしただけですわ。この計画が順調に進んでいるのは、オーギュスタン様の類まれなる行動力のおかげですわ》
「はっはっは! そうかそうかっ! そうかもしれないなっ。はっはっは!」
サンルーフ城内にある、王太子の私室。そこでは部屋の持ち主であるオーギュスタンが椅子にて優雅に足を組み、紅茶を飲みながら前方にある純白の鏡と会話をしていました。
――聖女のみが扱える聖術、その一つ『疎通の鏡』――。
結界を張った場所にならどこにでも、会話をできる鏡を創造して設置できる。本来は災害や有事の際に緊急連絡に使うものを、私的な連絡手段として使用していたのです。
「アリス、もう一つ良い知らせがある。成功を記念したパーティーを、今夜父上と母上が開いてくださることになったんだ」
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ですが、それから僅か十数秒後のことでした。
「殿下っ!! 王城を覆う結界が消滅したもようです!!」
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