ストライダーIKUMI~奴隷を助けたら求婚された。だが気にしない。

ゆっこ!

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第四十三話 今後の話し合い。其の二

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 「ふう。やっと一息つきましたな」

 「ええ。アカバナム殿、それにリュウ殿。お二人にはここまでお世話になりました」

 「なんの!自分の責務を果たしたのみですじゃ!」

 「そりゃ、お互いさまだ。アルス殿やアカバナム殿がいてくれたから、俺も国境山脈を越える勇気が持てたのさ。その旅先で、まさかこんな形で妹と再会できるとは思わなかった。感謝してる!」

 「はは。そう言ってもらえると素直に嬉しいです。これで侍の面子を保てました」

 「左様。責任を取ると称し腹を切っていたならば、永遠に汚名を雪ぐことは不可能であった。やはり死んでは花実が咲くはずもなし…ですな」

 ニオたちが覚えたての精霊術を使い、危なっかしくリュウ(実の兄)たちの足を洗ってから後。三人は軽く足首をマッサージしながら今現在の本心を打ち明け合った。

 「あんな穴だらけの作戦頼みでここトーリンまでやって来て、この結果なのですから、正直、笑いが止まらない思いです。首尾は上々。これ以上を望むのは業腹です」

 「それはそうですな。あのIKUMI殿という御仁がすべき仕事を先に済ませていてくれた。正直、あれだけのことを自分でやらねばならないとなると、とても生き残る自信はありませんな。覚悟はあったが、道半ばで斃れていたでしょうな」

 「ああ。あえなく全滅で終わっていても、可笑しくはない旅路だった」 

 本来の彼等三人の予定は、まずホーリーズクランの斥候たちと全滅覚悟で切り合い、捕らえた者から妹たちの居場所の聞き出し、その後、拠点を強襲するという、かなり成り行き任せの強引なものであった。

 それが大した苦労もすることもなく、こうして敵方に奪われた娘たちと再会できている。それも、まったく期待していなかった味方も現れ、そんな味方が住まう安全な元廃村へも入ることができた。
 正直、笑いが止まらない状況である。

 リュウたち三人は、それぞれ勇気を持って行動したことが吉と出た。自分たちは運が良かった。そんな幸運をじっくりと噛み締めていた。

 天は自らを助ける人こそを助くと。

 ◇ ◇ ◇

 客人たちがそのように思っていたその頃。

 顔に傷を持つスカーフェイスの幼女リューコは、ある異変と遭遇していた。

 (え!?この娘たちって………もしかして妖精!?!?!?」

 自分の子供とも言える召喚獣の幼生に一足早く再開したくなったリューコ
は、一足早く幼生の宿る花へと向かっていた。幼いながらも母性による行動である。そして、自分が世話をする幼生が宿った花の許に戻ってみると、なんと、その花を中心に、リューコより小さな体、半透明な翅を生やした幼女たちが集まっていた。

 (えええぇえ~!? 一体、どういうことなの!?!?!?!?)

 リューコにとっては、思いもよらない不意打ちの事態である。この事態に、どうしてよいのかと頭を抱えるリューコなのであった。 
 後からリューコの許にやってきたIKUMIとアマナも、これはどういうことなの?と目を丸くする。

 その遅れてきた二人に気付くと、リューコは振り返って訳が分からないという表情をIKUMI、アマナへと見せる。そして、IKUMI、アマナも翅の生えた幼女たちの姿に気付くと、リューコ同様の表情となって頭を抱えるのだった。
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