"Tacki" for prudish Meg

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Discipline7 Peripeteia(ペラパタイア)

第四話 明かされる理由、甘く激しく交わる二人

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 芽美が拓海の事務所に配送されたのは午後10時。配送業者として怪しまれないぎりぎりの時刻だった。拓海はすでに帰宅していた。事務所の室内で箱から現れたヴィーナス姿の芽美は、配送業者を装ったイベントスタッフが箱を畳んで去るのを拓海とともに黙って見届ける。

 ドアが閉まると鍵をかけ、1500万円の現金がはいった紙手提げを拓海ご主人様に差し出す。
「わたし、がんばりましたよね?」
「ああ!」

 受け取った紙手提げの中の100万円の札束15個を応接テーブルの上に広げる。
「これがお前の1週間の成果だ!女としての自分を誇っていいぞ!」
「うふふ、1500万円の現金なんて初めてみましたよ♪・・・でも自分の身体を売って稼いだお金だと思うと複雑・・・ご主人様はやっぱりわたしを風俗嬢にしたいの?」
「そうではない、お前に自分の女としての世間的な価値を具体的に示してやりたかったのが今回お前を参加させた理由のひとつであるというだけだ。」

「そうだったんだ・・・他の理由は・・」
「20日、今週末の日曜日に整理して話すから、もう少しだけ待て」
「そういうお約束でしたね・・・かしこまりましたご主人様!・・・どうします、このあと?すっかり夜型のライフサイクルが身についちゃったから、すぐには眠れそうもありませんから」

「俺がやることは決まっている!」
「なんでしょう?」
「セーラー○ヴィーナス姿のお前を、今すぐここで犯すのさ!ずっと生殺しだったから、もう我慢できそうもないんだ、朝はいつもボロボロになっていたからな、そのコス。」
「ああ、確かに・・・でもジュピターのほうがお好きなんでしょう?」
「意地悪言ってくれるなよ、メグ。ヴィーナスのほうがお前に似合うと思うのは本当だし、今のお前の姿がとてもセクシーで犯したいと思うのも本当なんだから!」
「嘘じゃないみたいですね」
 拓海の股間の嘘発見器の膨らみ具合を見て確かめる芽美。

「この7夜、セーラー○ィーナス姿でたくさんの客に奉仕セックスしたのと同じようにして、早く俺を満足させてくれ、俺のマゾ牝奴隷妻ヘドネー!」
 そう言いながら拓海はジムノペティのBGMにかけ、セーラー○ィーナスの首に赤い首輪を嵌め、香油を塗って命じる。
「Spred eagle!」

 みるみるうちに欲情で目を潤ませ、はぁ♡はぁ♡と切なげな吐息を吐く芽美。
「いいえ、他のお客様にご奉仕した『以上』の濃厚なサービスで、しかも無料で心ゆくまで満足させてさしあげますわ・・・『妖魔』様♡」
「俺はタキシー○仮面ではなかったか?」
「いいえ、そのふりをして清純な戦士を淫らな獣に堕とした妖魔ですわ」
「そうだな、ふふふ」
「そうですわ・・・はあん♡」

 来客用の二人がけの大きなソファに浅めに腰掛け、膝を曲げて両手で押さえたまま両脚を左右に限界まで広げる。オレンジ色のフリルのミニスカートがめくりあがり、露わになった中心の頂きには白いハイレグレオタードがぐっしょりと濡れてぴったりと張り付き、秘裂の割れ目とクリトリスにピアッシングされた小さな鈴の形をくっきりと浮かび上がらせる。ご主人様に視姦されるだけで激しく発情し濡れているのだ。

「ぐっしょり濡れた良いオマンコだな美奈子!」
「いやん、美奈子、恥ずかしいわっ!♡」

 芽美の耳にはダイヤモンドピアスが上品な輝きを放っている。それとは対照的な下品な輝きを放つ恥部。恥ずかしいと言い頬を染めながらも情欲に潤む目線はご主人様からはずさない、そう厳しく躾けられているから。ご主人様に褒められ蠱惑的な微笑に嬉しさを滲ませる可愛い愛奴。

 拓海は奥の事務机からはさみを持ってくると、股間のレオタードの布地に水平に刃を入れて前後を切り離す。白い布が腹と背中に引っ張られ秘所がすべてさらけ出され、欲望の蜜が弾ける。
 濡れ光る大小二つの赤ピンクの花びらの間に、牝蕊へと続く花柱の秘孔の入り口がぱっくりと口を開き、牡の欲望をかきたてる甘い匂いの誘惑の蜜をとろりとろりと滴らせている。
 拓海がじっと見ていると、花柱の媚肉がヒクヒクともの欲しげに蠢き、ようやく自由になったクリトリスの鈴を可愛らしく鳴らして種付けをねだる。

 狂い咲く淫花に向けられる拓海のカメラ。パシャ、パシャ、パシャというシャッター音に「はぁ♡、はぁ♡、はぁ♡」と切ない喘ぎが混じり出す。

「いやぁん・・・撮らないでぇ・・・♡」
 もちろんこれは誘いの言葉。本心はセーラーコスでオマンコを見せている破廉恥な姿をご主人様に撮ってほしくてたまらないのだ。カメラを使ったご主人様の前戯なのだから。

 リン♪リン♪
 何枚も撮影され、前戯はもう十分よ、とばかりに腰を揺すって鈴を鳴らす奴隷妻。
 切なく潤む双眸で自分を見つめ、ぽってりした朱唇を僅かに開き甘い吐息をつきながら、赤い首輪に白い透け透けレオタードとミニスカセーラー服を組み合わせたセーラー戦士コスという悩ましい姿で、自ら性器をさらして待ち受ける美しく淫らに成長した芽美。

 夜の静かな事務所内に響くイヤらしい鈴の音に誘われて、芽美の媚肉の奥に拓海の逞しく勃起した男根がメリメリと押し入れられていく。
 肉襞がやわやわとまとわりつき、膣壁がきつく締まって男根を悦ばせる。膣壁を押し開いて最深部に到達する剛直。その先端が子宮口に荒々しくキスをした瞬間。

「あんっ!♥」
 牝妻が思わず漏らす喘ぎ声が静けさを破る。拓海はさらにヴィーナスの胸のレオタードをはさみで切り取り、芽美のパフィニップルを露出させる。きれいなピンク色だが普通よりやや長めの乳首が触って欲しそうにピンと屹立している。その上から手のひらを当て、激しく揉みしだき、下半身では本格的なストロークを開始する。

ギュッ、ギュッ、ギュッ、ギュッ!
ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、ジュブッ、!
「アン、アン♡・・イイ!、イイ!、気持ちイイッ!・・アッアッアッ、アーン!♥」
金髪ロングのウィッグの髪を振り乱してよがるマゾ牝奴隷妻。

 そのあとのセーラー○ィーナスが絶頂の嬌声を響かせ甘美な敗北を喫するまでの時間は短かったが、堕ちたあとの逆襲の時間は長かった。
 ご主人様が気持ちよくなることを優先し、濃密なキスとフェラチオ、劣情を煽る淫らで下品なセリフ、激しい腰使い、キツく収縮する牝穴でいかせた。
 最後に自慢の美巨尻を掲げ大好きな後背位からの挿入をおねだりして「マソ牝奴隷妻のヘドネーを孕ませて!」と絶叫して再び絶頂すると二人はそのまま折り重なるように床の上にうつぶせでぐったりと横たわった。

 終わった時のコスチュームはイベントの朝と同じようにボロボロで、二人の愛の行為の激しさを物語っている。芽美の願いに拓海は返事をせず、堅い表情でじっと物思いにふけったが、芽美にはその顔は見えず、ただ絶頂に達したあとの幸せな気だるい気分に浸っていた。


 翌日の火曜日から金曜日まで拓海は1週間分溜まっていた仕事に没頭した。朝と夜を事務所での事務作業に当て日中は外出と毎日忙しく過ごした。生理をむかえた芽美は性欲処理の役目こそ果たせなかったが、家事と事務仕事のサポートで妻としての役割を十分に果たした。

 拓海の仕事が一息つき芽美の生理が終わった19日の土曜日、二人は正午近くまでたっぷりと睡眠をとり、日中をずっと室内でのんびりと過ごして疲れを癒す。

 夜になり、自分の好みをわきまえた愛情たっぷりかつ栄養バランスのとれた芽美の手作りの夕食に舌鼓を打つ拓海。芽美は「うまいうまい」と言ってバクバク食べるご主人様に「もっとゆっくり味わって食べてくださいよ、そんなんで味がわかるんですかぁ」などと照れ隠しに言いながらも、嬉しそうに甲斐甲斐しく給仕をする。

 食事が終わり、ご主人様のセクハラを受けながら後片付けを一緒に終える。リビングでくつろぐご主人様にべたべたとまとわりついて恒例の週末の調教セックスをねだる。

 秘密を打ち明けるとご主人様が約束してくださったのは明日。直前に控えて内心緊張している芽美だったが、ご主人様をせかすようなことをせずに平常どおりに過ごしていただくことが奴隷妻のあるべき姿と考えていた。
 
 そんな芽美の内心を知ってか知らずか、拓海が意外な提案を告げる。
「海を見に行くぞ」

―こんな日にどうして?―
芽美は疑問を押し殺して返答する。
「ご主人様のお望みのままに」


 夜の10時過ぎ。芽美を乗せた拓海の愛車RXが京葉道路道路をひた走る。車内には夜のドライブにぴったりのメロディアスなハウスミュージクが流されている。

 ご主人様はずっと黙ったままだが芽美は気にしない。芽美も無言。沈黙が苦にならない、心が通じ合っている二人の穏やかな雰囲気。

 車は千葉東金道路を降り国道126号を北へ。着いた場所は『屏風ヶ浦』。時刻は深夜0時をまわっていた。

 屏風ヶ浦は千葉県銚子市の海岸線に連なる断崖絶壁。その迫力ある風景は名勝・天然記念物に指定されていて、CMやプロモーションビデオなどのロケ地ともなっている。 しかし曇った風の強い深夜とあって、芽美たちの前にはどんよりと広がる暗い闇の中に荒々しい波の音が響くだけだった。他に観光客はだれもいない。

 拓海は到着してからずっと無言のまま、眼前の闇の海を眺めている。二人の服装はそんな場所に長時間いるには不向きの薄いものだ。拓海は長袖カットソーの上にパーカー、下はジーンズ。芽美は白いニットセーターの上にデニムジャケット一枚だけ。下着はつけておらず、生脚だ。寒さに震えていると芽美の頬にポツリと冷たい雫が落ちる。どうやら雨になりそうだ。
 それをきっかけに、拓海がようやく動き出す。

 漆黒の海に向かって合掌し目を瞑って1分ほど黙祷を捧げると、芽美のほうを見ずに独り言のように静かに言葉を紡ぐ。

「俺の妻の死因は世間体を慮って交通事故ということにしているが、本当は10年前の今日、ちょうど今くらいの時刻にここで自ら身を投げて死んだ。俺を裏切り、多くの男とアブノーマルなSMセックスにのめりこみ、父親が誰ともわからぬ子どもを身ごもったまま。俺にその事実を暴かれ、罵倒され、別離を宣言されたあとに理由も説明せぬまま姿をくらませて。死に場所を探しての衝動的な行動だったのだろう。遺書の類は残されていなかった。」
「・・・・・・・」
 どんな言葉をかけていいかわからず絶句する芽美。

「俺は衝撃のあまり鬱になり、不能になってD通を退社し、妻がなぜそんなことをしたのか考えながら引きこもりの毎日を過ごした。そんなときナターシャと偶然知り合い、彼女とともに過ごすうちに徐々に精神の健康を回復していった。しかし、その一方妻への復讐心が芽生え強まっていくのを止められず、代償行為として女をただの性欲処理の道具として扱う暴力的なセックスに興じるようになっていった。」
「・・・・・」

「それでも俺の気持ちは収まらなかった。妻がそんな行為に走った理由を調べまわる一方、死んだ妻に代わって復讐する対象として妻に似た女を何年もずっと捜し求めた。そうして、やっとのことで探し当てた女が吉野芽美という女だった。」
「・・・・・」

「その女は、外見が妻と瓜二つだっただけでなく、性格的にも似たところが多かった。さらに好都合なことに、まだ男を知らないようだった。何人もの男を交わっているような女であったら復讐の価値を感じなかっただろうから。」

 拓海はあいかわらず海を見たまま、懐から一枚の写真を取り出し右手で持ったまま芽美に見るように促す。暗くてはっきりとは見えないが、確かに自分とそっくりな、しかしこれまで自分が着たことのない服装をした若い女が若い男と写っている。男の顔はマジックで塗りつぶされていてわからない。おそらく妻の遊び相手の一人だろうと推測する。写真の痛みが激しいことを不思議に思ったが、そんな些細なことは話の続きを聞いているうちに忘れてしまった。

「長年の忙しい日常生活の中で、その頃には妻に似た女を捜すことはただの惰性、止められない悪しき生活習慣の一つになっていて、妻への復讐心も薄れ消えかかろうとしていた。しかし、吉野芽美の存在を知ってしまったことで、再びその気持ちが地獄の業火のごとく燃え上がってしまい、何とかしないことには自分の心が燃え尽きてしまいそうだった。」
「・・・・・」

「自分を救うため、俺はこの女を妻の代わりに復讐の対象とすることを決意した。俺とのセックス、しかも普通のセックスではなくアブノーマルなセックスに溺れさせセックス奴隷に堕とし多くの男に穢させるだけでなく、家族・恋人・友人・家・仕事・財産の全てを奪い、俺に依存させ俺の情けなしには生きられないようにしたうえで、捨て去って絶望を味あわせてやろうと考えた。」
「・・・・・」

「いざ実行に移してみると、当初、計画は順調に進んだ。その女は俺とのSMセックスに溺れ、俺とのことを何よりも優先するようになっていった。しかし大きな誤算が三つ発生した。」
「・・・・・」

「一つは、その女をみているうちに、妻が俺を裏切ったのは俺にも少なからぬ原因があったのではないかという疑念が生じてきたことだ。俺が常に気を配り女の性の悦びを与えているその女は、純粋に俺に従い、俺に尽くしてくれていた。その姿を見ていると、俺が仕事ばかりに熱中せず妻のことをもっと気にかけていたら、俺を裏切ることはなかったのかもしれないと思えてきた。」

 重苦しい雰囲気の中、雨と風がますます強まり、芽美は拓海の告白を聞き漏らさぬよう、身体をぴたりと摺り寄せる。

「もう一つは、俺が本当にその女を愛してしまったことだ。」

 芽美はピクリと身体を震わせる。誕生日プレゼントで愛しているとの言葉を囁いてもらっていたが、あれは雰囲気にあったリップサービスの側面があったことを芽美は認識していた。それでも、その大半が真実である言葉を、あんなにロマンチックな時と場所で囁かれれば嬉しいことに違いはなかった。
 今回はリップサービスなど1%もない、100%本音のご主人様の愛の告白だ。しかし喜んで聞ける状況ではない。

「その女は性的嗜好と性技の面だけでなく、俺への想いと隷従心の面でも俺の理想の女に育った。そればかりか仕事や日常生活の様々な面でも俺を献身的にサポートしてくれる。そもそも、その女は妻とは別人であり、恨みがあるわけではない。どうやら俺はそんな女の情熱と献身に絆(ほだ)されてしまったようだった。」
「・・・・・」

「乱交イベントにその女を参加させたのは、もやもやする自分の気持ちをクリアにすること、また女の俺への愛情の深さを今一度確かめること、この二つが目的だった。その結果わかったことは、俺が自分で思っていた以上にその女を愛してしまっていること。俺が認識していた以上にその女が俺を深く愛していることだった。」
「・・・・・」

「秘密の乱交パーティに売春婦として参加するという異常な雰囲気に煽られ多くの男達に嬲られて、友人の女達がいつも以上の痴態を見せている中、その女だけが感じている演技をしていることは、常にその女を見てきた俺には丸わかりだった。逆に俺とのセックスでは激しく感じて、また試しに俺が他の女と寝てみたときには激しく嫉妬した。その女の俺への愛情の深さと隷従心は俺の認識をはるかに超えるものだった。その事実は俺に衝撃を与え、その女への俺の愛情はさらに深まった。」
「・・・・・」

「そして最後の一つは、その女への深い愛情が、俺の妻への復讐心をひとかけらも残さず消し去ってくれたことだ。ここに着いたときから妻のことをずっと思い返していたが、去来するのは妻の笑顔と楽しかった頃の生活だけだった。10年以上も経って、ようやく妻の冥福を祈ることができた。それはお前のおかげだよ、吉野芽美。」

 そこで初めて拓海は芽美のほうを向く。顔にふりかかる雨の雫に紛れてよくわからないが泣いているようだった。芽美はご主人様の両手で両肩をがっちりと掴まれる。初めて見るご主人様の泣き顔、そしてこれから紡がれる言葉への期待に、芽美の胸の鼓動は息苦しさを感じるほど激しく高まる。

「俺は今ここで、亡くなった妻に誓おう!お前を幸せにすると!またそれはお前の処女を奪いマゾ牝奴隷に調教し、お前を多くの男に穢させたことへの贖罪ではなく、お前を愛するがゆえの行為としてであることを!」

 芽美はご主人様の腕で痛いほど強く抱きしめられる。

「だが、長年、歪んだ心に邪な考えを秘めて活きてきた俺の愛は歪んでしまっていて、お前が期待するような世間一般のものではないかもしれない。それでも俺を愛してくれるかい?」

 耳元で囁かれるご主人様の懇願。異常な愛への妖しい期待に慄きながら、芽美はきっぱりとこう返事をする。
「もちろんですわ!わたくしはご主人様のマゾ牝奴隷妻Ἡδονή(ヘドネー)なのですから、ご主人様のお望みのままに愛してくださいませ!」

 ずっと知りたかったご主人様の本心を知った芽美もまた、背中に腕を回して強く抱きしめかえす。芽美の双眸からも涙が溢れ出ている。二人の心がひとつになった瞬間だ。

 ずぶ濡れだが、芽美はもう寒さをまったく感じなかった。むしろ湧き出す情熱で身体全体が熱く火照っていて、冷たい雨と風が心地良いくらいだった。雨風と涙で化粧はぼろぼろだったが、幸せで紅潮した芽美の顔は拓海が初めてみる妖艶な美しさで輝き、拓海に情欲の炎を燃え上がらせる。
 
 芽美はうわ言のように「好き、大好き、愛してる」と呟きながらご主人様の唇に吸い付き激しく舌を絡ませる。その間ずっとはちきれんばかりに膨らんでいるご主人様の股間を左手で撫で回す。

 キスを堪能しおわるとしゃがみこんでジーンズのファスナーを下げ、昂ぶりきった猛る男根を露出させる。愛おしそうに頬ずりし、亀頭に口づけし、玉袋をくちに含み、舌で棹を舐め、全体を口内に含んで緩急をつけておしゃぶりする。

 立ちあがり、「マゾ牝奴隷妻を使って!牝穴に激しくぶち込んで!子宮にご主人様の刻印を刻んで!わたしを孕ませて!」と叫びながら、柵の横棒を掴んで身体を前に倒し、両脚を軽く開いて後方に尻を突き出した立ちバックの姿勢をとる。
 もともと股間ぎりぎりまでしか隠していなかった白いニットセーターが捲れて、むっちりとした太もものつけ根、きれいな丸みを帯びた肉づきのよい安産型の美巨尻が露わになる。左尻肉には拓海のマゾ牝奴隷妻である証の焼印がくっきりと姿を表している。

 その中心で濡れそぼり艶やかに咲き誇る淫花の秘孔に、いつもにもまして堅く、太く、逞しい肉棒がズブリと突き込まれる。幾度にわたる厳しい調教で鍛えられたマゾ牝奴隷妻の媚肉は、鋼の凶器と化した男根をあっさりといなして最深部まで迎え入れ、これまで以上の情愛を込めて温かく吸い付き、柔らかく包み込む。
 島での儀式と豪華客船での乱交パーティを経て100本近くの男根を咥えこんできたが、ぴったりフィットするのは愛するご主人様の男根だけだ。

「イクッ!♥」
 一突きで絶頂に達して痙攣しながら背中をのけぞらせる芽美。膣内に歓迎の蜜が溢れ肉襞がやわやわと蠢動し膣壁が強く収縮してご主人様の男根をキツく締め上げる。

「アアッ!アアッ!アアッ!アアッ!アアッ!アアッ!アアッ!」
 強風と豪雨のなか、淫獣がそれらの音に負けない淫らな咆哮を上げる。
 左の尻肉の焼印が熱をもち、ご主人様をフィニッシュに導くセリフを紡がせる。

「愛するご主人さまっ!マゾ牝奴隷妻ヘドネーが懇願いたしますっ!」
「突いて!もっと強く、もっと深く、もっと激しく!」
「あなたの逞しい肉棒用に仕込まれたぐしょ濡れの専用オマンコが、ご主人様の思いを全て受け止めてさしあげますからっ!」
「あなたの本物の愛情が篭もった熱いザーメンミルクが欲しいのっ!」
「欲しくて欲しくてもう我慢できないのっ!」
「出してください!注いでください!味あわせてください!」
「牝妻ヘドネーの子宮から溢れるくらい、たっぷり注ぎ込んでっ!」
「桐原・ヘドネー・芽美の心の中に、ご主人様の真の愛を刻んでください!」

 芽美の嬌声に比例して、二人の腰使いが雨風で響くはずのない芽美のクリピアス鈴の音が聞こえてきそうなほど激しさを増し、頂点に達する。

 グヴォォォォッ!!!
 拓海の剛直がはじめて子宮内部に突き刺さり、先端から愛の白濁液が噴出し空間を満たしていく。

「あいしていますごしゅじんさまああああああああああああああーっ!!!♥」
 多幸感に包まれながら気が狂いそうなほど気持ちの良い絶頂に導かれ、エクスタシーの絶叫を屏風ヶ浦の断崖絶壁に響きわたらせるマゾ牝奴隷妻。

 赤い12センチピンヒールから伸びて、むっちりとした太ももを経由し均一な丸みを帯びた悩ましい尻肉へとつながる生脚がピンと張り、背中を大きくのけぞらせる。虚ろな目で口を半開きにして涎を垂らして潮を吹く。弛緩してガクガクと身体を小刻みに振るわせる。

 その間、膣内は拓海がこれまでに経験したことがない複雑な動きをみせ、同じように気が狂いわんばかりの快感を感じさせて射精し続けることを強いる。
 肉棒に膣襞がグネグネ、ウネウネ、グニュグニュとざわめきまとわりつき予測不可能な快的刺激が幾度も生じ、ギュンギュン、ギュン、ギュギュ、ギュウギュウと膣壁がアトランダムに収縮を繰り返しながらも徐々に締め付けの強さを増していく。
 精液が子宮内を満たし、膣穴の男根と膣壁の隙間を埋め、とうとう潮に続いて結合部から溢れ出てきたとき、ようやくその動きが止まる。

 開始時とは逆に、今度は拓海が芽美の唇を奪強く吸う。あまりの快感の激しさに、そのときにはもう失神していた芽美だが、マゾ牝奴隷として完璧に仕込まれてきた身体は無意識でも反応しご主人様の口内に舌を忍ばせ絡ませ唾液を溢れさせていった。


 芽美が意識を取り戻した場所は、ずぶ濡れの身体を何とかしようと拓海がチェックインした近くのラブホテルの一室。二人は一緒にジャグジー風呂に浸かって冷え切った身体を十分に温め、フロントに服がないことを説明してバスローブを買い取り、それを羽織っただけの服装でチェックアウトし、車内に暖房をガンガンかけて家路に向かう。

 帰路、芽美はテンション高くあれこれずっとひとりでおしゃべりに興じる。途中、拓海は車を走らせたまま、そんな芽美に同棲を開始してからの新しいコマンド命令を発する。

「urinal!」
「はい、ご主人様」

 マゾ牝妻は愛するご主人様の股間に顔を寄せ、ローブを解いて柔らかなペニスを口に含む。口内に排泄される温かい液体をこぼさぬよう飲み干すと、ローブを元に戻し顔をあげペットボトルの紅茶を飲んで洗浄し、何事もなかったかのようにおしゃべりを再開する。躊躇も不自然さもない慣れた所作には、洗練された上品ささせ感じられる。 

 雨は途中で上がり早朝、夜明け前に帰宅したときには雲の隙間から月が覗いていた。二人は再度熱いシャワーを浴びてベッドにもぐりこむ。
 ご主人様の本心を知り、相思相愛であることを確信して何の憂いもなくなった芽美は、ご主人様にしかと抱きつき、幸せな眠りに落ちた。


 目が覚めると快晴だった。記念日だからとご主人様におねだりして東京駅のそばの外資系高級ホテルのレストランで高めのランチをご機嫌で食べる。

 帰宅するとご主人様に「お前とのこれまでの調教の成果を確認したい」と命じられて、嬉しそうに全力で奉仕する。

 まずお風呂に入り、拓海から“毛づくろい”すなわちむだ毛処理と秘所の剃毛をされる。

 終わるとボディソープを自分にたっぷりつけスポンジ代わりの自分の身体でご主人様の身体をにきれいにし、マット上でローションを使っ密着させた身体をヌルヌルと滑らして楽しませる。

 お風呂からあがると髪をアップにまとめ、娼婦のような濃いメイクをして、赤い首輪とスレイブリングだけを身につけてご主人様が待つ「メグの憩いの部屋」にむかう。

 ジムノペティのBGMが流れる薄暗い密室で、調教開始の合図である奴隷口上を唱え、ご主人様から「nubile cunt・・・, luscious cunt・・・」と囁かれながら香油マッサージを受けてすっかり発情すると、乳首とクリトリスを入念に揉まれ、舌を使った秘所マッサージ=クンニで軽く絶頂する。

 濡れたオマンコを指で開いて淫靡な笑顔で撮影に応じ、ご主人様の膝に乗ってディープキスを仕掛け、膝から降りて正座で肉棒をおしゃぶりする。

 目隠しゲームでスパンキングとバラ鞭の甘い痛みに喘ぎ、一本鞭の痛さで絶頂する。

 アクリル台に固定され、太いシリンジで湯せん浣腸をされてお腹の痛みに耐えながら脂汗を流してフェラチオし、限界に達すると恥じらいながら排泄し軽く絶頂する。

「どんな体位でイカされたいか」と希望を尋ねられ、「ご主人様のお望みのままに」と返答するも続けて処女を奪われたときの映像を流すようせがみ、暗にそのときと同じ体位で犯されたいと希望を伝える。

 あのときと同じ、壁から突き出た台上に背中をつき、頭上脇の壁面に両足をくくりつけられて股間を露わにした、まんぐり返しをさらに極端にした体位で、流される処女喪失シーンを見ながら牝穴を激しく突かれ、膣内射精で激しい絶頂に導かれる。

 眠くなって檻の中に横たわってうとうと。ご主人様が持ってきた餌を床の皿から手をつかわずに食べ、水を舌で舐めて飲む。

 赤いソファに座ったご主人様の足元でじゃれつきながら自分の性行為の記録映像を二人で見る。自室内での自慰行為、温泉旅行の帰りの野外セックス、オメガでのソープ講習、夜のテーマパークでのJKコスでの初アナルファック、南の島国「voluptas (ウォルプタース)」での牝妻降誕の儀、豪華客船でのセーラー○ィーナスコスでの売春乱交。再度発情した二人は夕日の差す寝室でセックスするため軽くシャワーを浴びる。

 髪をとかして流し金色のティアラを被り、誕生日プレゼントの輝くダイヤピアスをつけ、少女のような可愛らしさを強調するメイクに、純白のベビードールと薄絹の白いガーターストッキング、白い指ぬきロンググローブを身につけて高貴さを演出する。しかし赤い首輪とスレイブリングはつけたままだから、奴隷王女といった装いだ。

 ご主人様が待つ天蓋付きのクイーンサイズのベッドの中にしずしずと入り込み、恥じらいながら「お待たせしてごめんなさい、あなた」と艶めいた声でささやく。まるで新婚の若妻のように、いやまさに新婚の若妻である芽美にふさわしい態度で。そのセックスも然りだ。

 甘い睦言から、口先だけを使った顔の各パーツへのご主人様のバードキス。キスの場所が次第に下へ移動するが感じやすい箇所は慎重に避けられている。
 焦らされた奴隷王女の熱い溜息の催促に応えて口・乳首・クリトリス・ヴァギナへキスの雨を降らせていく。その雨は細雨から激しい豪雨へ変わっていく。
 終わる頃には、奴隷王女の秘所も豪雨を浴びた以上に濡れそぼり、男をそそるイヤらしい匂いをかぐわせている。

 ぐったりしているところを「今度はあなたの番ですよ奴隷王女様」と冷酷に命じられて身体を起き上がらせる。上品そうに装われてはいるものの、ほどよい肉づきのメリハリのある男好きのするボディは、長期にわたり性奴隷として調教を受けたことを窺わせる濃密な色気を醸している。
 奴隷王女の顔は妖しく火照り、股間の極小の白い絹のスキャンティは愛液で透けてべっとりと秘所にはりつき、使い込まれたヴァギナのグロテスクともいえるいびつな形を浮き彫りにさせている。

 視線を逞しく屹立する肉棒へ向けては逸らせている動作を揶揄され、恥ずかしさを誤魔化すように舌をご主人様の顔から身体中に這わせていく。それは足先やアヌスにも及び、奴隷王女としての作法が完璧に躾けられていることがわかる。
 赤ピンクの可愛らしい舌でご主人様の身体中を舐め、キスの雨を降らせ、時には強く吸い、時には甘噛みしてその証拠を残して全身愛撫を終える。

 奴隷王女がようやくありつけた大好物のご主人様の肉棒を目を細めて一心不乱に味わっていると、ご主人から次の命令が飛ぶ。「そんなに弄って欲しいなら俺が手伝ってやろう。スキャンティを脱いで、おしゃぶりしたまま俺の顔に跨れ、シックスナインで一緒に楽しもうじゃないか」と。性欲が強い王女様は今日も無意識におしゃぶりしながら股間を指で弄っていたのだ。

 立ち上がりご主人様の目の前でスキャンティを脱ぐ。股間から剥がれるとき白く濁った粘性の本気汁が糸を引き奴隷王女を慌てさせる。脱いだそれをさり気なくしまおうとするがご主人様に取り上げられ、匂いをかがれて揶揄される。「ぐっしょり濡れて発情した匂いがすごいな!王女様として恥ずかしくないのかい?」

 奴隷王女は下を向いて真っ赤な顔をしながら太腿を開いてご主人様の顔に跨り、肉棒を根元まで咥え直す。上下に首を振って耳の上品なダイヤピアスをきらめかせてジュボジュボとしゃぶる。薄ピンクのルージュが愛らしく引かれたぽってりした唇を頬をくぼませ隙間なく棹に絡め、唾液を絡ませて音をたててしゃぶるプロの娼婦顔負けの王女。
 ただしゃぶるだけではない。時には上下動を止め舌先で口内の鈴口をチロチロしたり、裏筋に集中して舌を這わせたりもする。ご主人様に口内射精してもらってザーメンミルクをごっくんしたいのかもしれない。

 しかし先に降参するのは奴隷王女のほうだ。濡れそぼるヴァギナをキスを交えながら縦横無尽に動き回る長い舌で時には優しく時には激しく、時には甘く時には痛いほど強く責め立てられると、肉棒を吐き出し切なく喘ぐ。
 許可なくフェラ奉仕を中断した罰として、続いて騎乗位での奉仕を命じられる。

 体勢を変えご主人様の肉棒の上に跨り、手で角度を調整しながら腰をゆっくり落としていく。ぬめ光る赤ピンクの襞に挟まれ、ヴァギナの奥へ飲み込まれていく肉棒。あまりにゆっくりとした動きにじれたご主人様が奴隷王女の腰を押さえ下にグッと沈み込ませる。

「イヤンッ!♥」
 奴隷王女が一瞬呆けた表情をしたのは子宮口に亀頭でキスされた衝撃で軽く絶頂してしまったからであろう。ハッとして意識を取り戻すと目をあわせずに恥らいながら腰を軽く振り始める。クリトリスには小さな銀色の鈴ピアスが穴を開けて装着されていて、腰振りに合わせてリン、リンと慎ましやかな可愛らしい音を響かせる。

「どうしました王女様、いつもの調子が出ておられないようですが?・・・ああ、まだ準備運動が足りませんでしたね、これは失礼いたしました。」

 そういうとご主人様は奴隷王女の胸に手を伸ばす。純白の薄絹のベビードールのシーススルーの胸部では、長めの乳首がプクリと立って奴隷王女が本気で感じていることを示している。
 奴隷王女は乳首が勃起していることを指摘され、その長さを揶揄され、ご主人様の指で摘まれ、引っ張られ、形のよいバスト全体ごと手のひらで揉みしだかれ、嬌声を押し殺すことができなくなって舌足らずの高い声で喘ぎだす。

「あっ!いやん!ああん!ああーん!アアーン!」
「さ、準備運動はもうよろしいでしょう?特技のトウィークダンスで私の目を愉しませてくださいませ。」
 そう命じて胸から手を離すご主人様。
「・・・ええ、わかりましたわ・・・」

 奴隷王女は自分の両手をご主人様の逞しい胸につき、ヴァギナに咥えこんでいる肉棒を軸にして、ご主人様の両脇に膝をつけ両太腿をわき腹に密着させぺたりと座り込んだ体勢で腰をこすり付けるように前後左右に滑らせる。
 単純な前後、左右の動きから次第に円を描くように、8の字を描くように、それらを組み合わせた動きへと次第に複雑なものに変わっていく。しかし、それはまだ前座にすぎない。

 すっかり発情しきった奴隷王女は内なるメスの本能に従い、膝を立ててがに股座りになり、水平な腰の動きを垂直に変える。ご主人様の胸についていた両手をあげ自分のおわん型バストを包み込み乱暴に揉みしだき、獣のように淫らに喘ぐ。肉棒のカリ部分が見えそうになるまで腰を上げると、腰をすとんと落とす。本気汁でどろどろの棹部分が見えては根元まですっかり飲み込まれていく。クリ鈴がリンと鳴る。

 鈴の音が可愛いらしかったのは最初だけ。上下の動きが加速していくと鈴の音も激しくなり、さらには、猛る肉棒と蜜を湛えたヴァギナが奏でる淫らなハーモニーでかき消されてしまう。

 グジュ、グジュ・・グジュッ!、グジュッ!・・・グジュグジュグジュグジュッ!
 淫らな伴奏に合わせて唄い、メスの悦びを露わに表現する淫獣王女。
「アン!、アンッ!、アアンッ!イイ、イイ!、イイッ!、キモチイイです、ご主人さまあ~っ!」

 いやらしい腰ふりダンスに満足したご主人様が褒美を与えることにする。
「どんな体位で絶頂したいのかな、王女様は?」

 騎乗位での肉棒接待で自身も快楽に飲み込まれ高貴な仮面が剥がれてしまった王女は、マゾ牝奴隷妻としての欲望を赤裸々に訴える。

「バックから犯してくださいご主人様!わたくしは四つん這いになって、頭を床につけて、両手を背中で組んで、自慢のヒップを高々と掲げてご主人様にお見せして、スパンキングされながら、動物のように、奴隷のようにマゾヒスティックに犯されるのが、大好きなのですわっ!♡」

 そう言いながら、待ちきれないとばかりにご主人様の命令を待たずに肉棒を引き抜き、宣言したとおりの体位をとって、ゆらゆらと尻をふってバックからの挿入をねだる破廉恥王女。

「それがお前の本性なのか?」
「ええ、そうです!わたしの本性は、セックスが大好きな、淫らなメスの獣ですのっ!」
 恥じらいながらベッドに入り込んできたときの上品で清楚なイメージからのあまりの豹変にあきれるご主人様。

―やれやれ、しかしまあ、いつものことだがな―
 そうひとりごちると、淫獣王女様の要請に応え肉棒を後ろからズブリと突き入れる。

「ああん!ステキ!」
 たったのひと突きだけで媚びた声で悦ぶ可愛い奴隷王女。素直になった王女をたっぷりと啼かせてやろうとサービス精神を発揮するご主人様。

 望みどおり尻肉をパチン、パチンと軽快なリズムで叩き、左尻の焼印を愛おしそうに撫でさする。
 肉棒に緩急をつけて膣内を満遍なく突いては抜くときにカリで肉襞をめくりあげるように擦りあげる。
 王女の淫らな喘ぎが高まると、Gスポットを丁寧に責め両手を伸ばして乳房の柔らかな感触を愉しむ。
 王女の喘ぎが切羽つまってくるといよいよフィニッシュに入る。

 背中に回されている王女の両腕をそれぞれの上で掴んで引っ張り頭と上半身を床から持ち上げると、その体勢のまま奴隷王女の子宮口を素早くリズミカルに淡々と突く。

パン、パン、パン!パン、パン、パン!パン、パン、パン!
 それにあわせてクリピアス鈴もリズミカルな音をたてる。
リン、リン、リン!リン、リン、リン!リン、リン、リン!
 奴隷王女の嬌声も同じリズム。
「アッ、アッ、アッ!アッ、アッ、アッ!アッ、アッ、アッ!」

 しかし、そのリズムが次第に狂いだす。
「アッアッアッ!アッアッアーン!イイ、イ♡、イイーッ!イヒーーッ!」
 トドメを差す頃合だ。ご主人様は奴隷王女が最も嬉しがるセリフをここで使う。

 ピストンを中断し、王女の耳元に口を近づけると魅力的なバリトンボイスを響かせ、小声だがはっきりとした発音で、一語一語をゆっくり語り聞かせる。
「愛しているよ、俺が手塩にかけて調教した、俺の最高に素晴らしいマゾ牝奴隷妻、桐原・ヘドネー・芽美」
 そして肉棒を膣の最奥、子宮口内部にまで押し込むと遠慮なくドクドクと射精。

 ピストンが中断したことが不満でうねうねと身体をくねらせていた奴隷王女は、甘い囁きと子宮内射精を受けて時が止まったように静止する。息さえしていないようだ。
 と、拓海が驚くほど急な勢いと角度で頭と背中を弓なりに反らし、ティアラを飛ばして声にならない叫び声をあげて絶頂した。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!♥」

 膣壁がギュッ、ギュッと拓海の肉棒を痛いほど締め付け棹内に残る精液を一滴残らず搾りとり終わるまで、奴隷王女はその体勢のまま痙攣し続け、痙攣がおわって拓海が手を離すと白いシーツの上にそのままばったりとうつぶせに倒れこむ。
 しかしすぐに力を振り絞ってあおむけになると、ご主人様に幸せそうな微笑を見せながら途切れ途切れの小さな声でこう囁くのだった。

 「ハァ、ハァ・・わたくしもっ・・愛していますわ・・マゾ牝奴隷妻ヘドネーの・・唯一絶対のご主人様である・・桐原、拓海様を・・・ハァ、ハァ、ハァッ・・・」
 そしてマゾ牝奴隷としての最後のご奉仕―お掃除フェラ―を果たすため、ご主人様の肉棒に顔を近づけるのだった。


 このようにして総ざらいされた芽美の調教の成果。どのプレイから得られる快感も最初の頃の同じようなプレイで得られていた快感とは悦びの深さと持続力、生み出される多幸感の大きさが根本的に違っていた。

 調教され様々な性体験を積まされ女として成長したことを実感する。また成長した自分のセックスがご主人様をこれまで以上に満足させていることが、芽美をさらに幸せな気持ちにさせる。

 しかし、これまでとは根本的に違う快感を生み出している原動力は、心の底から愛し愛されていることだろうと芽美は思う。心が通じあった男性とのセックスは、こんなにも気持ちがいいものなのか。

 長時間にわたる濃厚なセックスで疲れきった二人は夕食も近所の例の蕎麦屋でとり、帰宅するとさっさと寝る準備をする。

―愛する男に尽くし、尽くされ、抱かれ、奉仕し、至上の悦楽を得る。こんな素敵な日々がこれからずっと続くのね―
 愛するご主人様にぴったりと寄り添って、そんなことを思いながら、芽美は幸せな気分で深く長い眠りに落ちた。
 
 翌日の昼、芽美は南側の窓から差し込んでくる明るい日差しに目が覚めた。隣にご主人様の姿はない。
―いけない寝坊しちゃったわ!―

 飛び起き寝室を出て浴室の洗面所で顔をさっと洗い、リビングを通り階段を下ってダイニングキッチンへ。ご主人様はどこにもいらっしゃらない。事務所で仕事をしているのかなと玄関を出て事務所スペースへ移動し、来客用の大きな応接室と事務作業用の小さな部屋を覗き込むと。

「おう!よく寝ていたから起こさなかったぞ!」
 ご主人様がなにやら書類と格闘していた。ご主人様より遅く起きるなんて大失態だ。

「ごめんなさいご主人様!急いで昼食の準備をいたしますわ!」
「ああ、頼む!昼食を食べたら頼みたいことがあるから。」
「かしこまりましたご主人様!」

 急いで昼食を作って二人で食べる。食後、ご主人様からこんなことを頼まれる。
「銀行と郵便局に行ってきて欲しいんだ、振込みと発送を頼みたい。それが終わったらお前の部屋に行って様子を見てきなさい。随分行ってないだろう?」

 時間がないのでそそくさと外出準備をして出かけようとすると引き止められる。
「おっと、その指輪を外しておいていってくれないか、うっかりしていたが、メンテナンスの時期なんだ。俺はそれを持ってメンテナンス会社に行ってくる。たぶん戻りは俺のほうが先だろう。書類仕事をしているからしっかり頼むぞ!」
「かしこまりました!」

 外出した芽美は銀行と郵便局で用を済ませるとご主人様から引越しさせられたマンションの自室へ久しぶりに赴く。
 室内に入るとダイニングキッチンのテーブルの上に「吉野芽美へ」とご主人様の字で書かれた白い封筒が目に留まる。「メグ」でも「ヘドネー」でも「桐原Ἡδονή芽美」でもなく、旧姓名であることが芽美を不安にさせる。 

 封筒を手に取って中から三つ折りにされた三枚の便箋を取り出し、立ったまま読み始める。読み進めるにつれて表情に困惑が広がっていく。

 読む終えた芽美は呆然として崩れ落ちる。その手からはらはらと落ちる便箋。そこにはこんな内容が書かれていた。
 

『昨夜の最後の絶頂をもってお前を100回イカせたことになり、俺たちの契約は完了した。お前は自由だ。

 俺はここ数年準備していた、日本からロシアへのネット輸出ビジネスを本格化させるために、活動拠点をロシアに移す。俺の子どもを孕んだと主張しているナターシャときちんとした話し合いをする必要もあるからな。

 その間、お前は俺のことを忘れて、お前の好きな優斗という男と交際し、結婚し、子どもを生め。これはお前のご主人様からの命令だ。

 これは俺がお前を捨てるということではない。死んだ妻との経験を振り返り、俺とお前の関係に足りないもの、これから失なわれていくものを考え、俺なりに考えた、お前を長い間幸せにする方法だ。俺がお前から奪ったもの、これから奪おうとしていたもののうち、もとに戻せるものは戻し、経済的にも生活に困らないようにはするつもりだ。

 俺はお前のことを真剣に愛している。しかし、それが世間の常識とかけ離れたものであることは自分でも理解している。だからお前をそれに無理やり巻き込みたくはない。

 だが、もしお前が俺なりの愛を受け止めてくれるなら、俺はお前を長きにわたり幸せにする自信がある。お前が俺の命令に従ったとき、俺はお前が俺なりの愛し方を受け入れることを決意したと判断し、あの部屋で再びお前の前に現れ、その時のお前の全てを受け入れ妻として抱くだろう。

 俺はお前がこの手紙の内容に困惑し、悩み、苦しむことが予想できている。しかし、それは必要なステップなのだ。
 愛は理屈ではなく感情だ。お前が理屈で考えた結果としてではなく、感情の赴く素直な心の結果として俺と再び会い俺の愛を受け入れることが、俺なりの方法でお前を幸せにするための必要条件なのだから。

 悩み、苦しみ、どうしようもなくなったときは千佳を頼れ。ただし、その結果、彼女との友情が終わってしまう懸念がある。そのリスクを考慮したうえで頼るように。

 俺はお前と再び会うことを確信してる。だから、「さようなら」ではなくこう言って締めの言葉とさせてもらう。

 「また会おう」、吉野芽美。再開したとき、俺はお前を再びマゾ牝奴隷妻Ἡδονήと呼ぶだろう。その時お前が俺のことを再びご主人様と位置づけるかどうか、それはお前が自分の自由意志で決めることだ』
 
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