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Discipline7 Peripeteia(ペラパタイア)
第一話 マゾ牝奴隷妻の一週間
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帰国後、芽美の生活は大きく変わっていった。
まず、拓海の住居の家事を手伝うことになった。きっかけは帰国して10日後の週末に芽美が訪れたとき(帰国して最初の週末は二人とも忙しかった)、あまりにも散らかっていたことによる。
もともと“妻”となった自分が家事をやるのは当然と思い、帰国する飛行機内でナターシャがどうやっていたのかを拓海ご主人様に質問してみた。すると実はナターシャが給料をもらわずに家事をやっていたこと、その代わりに4階の部屋を格安で借りていたことが判明した。
「そんな近くに住んでいたなんて、同棲していたようなものじゃない!」
ファーストクラスの静かなスペースに芽美の怒りの声が響きわたった。ナターシャにライバル意識を持つ芽美は自分がその部屋に住むと主張したが、その部屋はすでに割の良い家賃を払う上客と契約済みとのことで泣く泣く諦めた。そんなこともあり、芽美が拓海の住居に半同棲状態になるのに時間はかからなかった。
夕食を作って一緒に食べて片付ければ、それだけで相応の時間がかかる。それだけでなく芽美が残業で遅くなることもあったし、拓海が帰宅するのは残業した芽美以上に遅く、深夜になることも多かった。夕食を作りに寄れないときには、朝食を作るために早起きして出勤前に立ち寄ることにしていたから、芽美が泊まっていくようになるのは自然な成り行きだった。
旅行前までは、拓海の住居に泊まる日取りは週末だけ、それも「メグの憩いの部屋」に監禁された状態で過ごしていた。それがこのように平日も頻繁に泊まるようになり、そのときは天蓋付きベッドで拓海と一緒に寝ることになった。
食事だけでなく、掃除と洗濯も本格的にこなそうと努めたが、限界があった。拓海の住居は贅沢な寝室と広い浴室、調教部屋、それ以外のキッチンや居間、トイレなどもあって一人暮らしにしては広く、加えて二部屋以上の事務所スペースもあった。いっぽう平日の夜、拓海の帰宅前に芽美が仕事を終えてから訪れてやれる清掃は限られていた。
洗濯は、もちろん洗濯機も乾燥機もあったが、乾燥機の使えない衣類や布団もあれば、アイロンがけが必要なものもあった。それにせっかく広いバルコニーがあるのだから、芽美としてはできるだけ日光にあてて干したかった。働いていれば週末にまとめてやることになるのだろうが、芽美は“週末のお楽しみ”を掃除と洗濯で潰したくなかった。
ナターシャがこなしていたのは家事だけではない。拓海の仕事の事務的なサポートもしていた。彼女にライバル意識を持つ芽美はそれもこなそうとしたが、保育施設でフルタイム勤務している身では時間的に不可能だった。
それでもがんばって無理な生活を続けたあげく、九月末に体調を崩して寝込んでしまった芽美は、迷惑をかけてしまったご主人様に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。思案したあげく体調が良くなると拓海にこんな提案をした。
「保育施設を辞めて、アルバイトをしながらナターシャさんがやっていたような仕事をこなします。」
拓海は反対した。せっかく働きながら勉強して資格試験に合格して獲得した職場を辞するのは、すぐに後悔することになるのではと言って。
芽美はこう即答した。
「面倒をみる対象が、子どもたちからご主人様に代わるだけよ。人一倍我儘でいい年なのに子どもっぽいご主人様の面倒を見るのはたくさんの子どもたちの面倒を見る以上に大変ですから、やり甲斐ありますし。それに・・・」
拓海の股間に手をやって、色っぽい目つきで上目づかいに見上げながら、こんなことを付け加える。
「ナターシャさんもいなくなりましたし、わたしも“妻”となったのですから、こちらのほうのお世話も、これまで以上にたっぷりとして差し上げないといけないもの。」
帰国して以後、普段、芽美はできるだけ大人びた上品な口調で話そうと努力していた。そのほうが妻らしいと思って。もっとも、夜の営みのときにはすぐに地が出てしまうのであるが。
保育士の仕事に未練は感じなかった。保育の仕事を選んだ理由は、子どもが好きというより、たくさんの子どもたちに頼られ先生と言ってもらうことで寂しさと自尊心を満たしかっただけのことに今の芽美は気がついていた。それよりご主人様にお仕えするほうが気持ちが高まり幸せを感じることができる。
拓海は自分に忠誠を尽くそうとする芽美の返答内容に満足した。
「わかった。期待しているよ、桐原・ヘドネー・芽美」
「はい、期待に応えてみせますわ、ご主人様!」
こうして保育施設を辞め10月から拓海の住居で同棲を始めた芽美は“マゾ牝奴隷妻”としてこんな一週間を過ごしていた。
月曜日。
天気は快晴で陽射しが暖かい。7時に起床すると、まずシャワーを浴びて身だしなみを整える。ご主人様には常にきれいでセクシーな自分を見て欲しいから。清楚なメイクと服装だが口紅は色濃く、胸ぐりは深くボトムスは常にミニスカート系。マニキュアとペディキュアもしっかりと塗っている。左手薬指にはスレイブリング。アクセサリーはそれだけ。目元の上手なメイクが美女に見られる秘訣だから、アイラインを時間をかけて引き眉毛や睫毛をマスカラやビューラーその他を使用して丁寧に整える。さらにカラコンで瞳を外国人風の翠色に変えているのが密かな芽美のこだわりだ。
鏡で身だしなみを確認すると朝食の準備と洗濯を開始。トーストにハムエッグに野菜サラダとスープといった簡単な洋食メニュー。調理途中でご主人様を起こし、シャワーを浴びているうちに調理を終わらせ一緒に食事。二人で一息つき、9時になるとご主人様は事務所で仕事を始める。芽美は玄関先でお見送り。
9時過ぎ。朝食の片付けを終えた芽美は次の家事にうつる。洗濯物を干し終わると室内の掃除と片付け、布団干し。週末の情事の翌日で寝室も調教部屋も浴室も乱れているから時間がかかる。
終わる頃には昼食の準備の時間。ご飯が炊き上がるとご主人様に連絡を入れる。仕事を切り上げるタイミングにあわせてボリュームのある肉料理を仕上げて一緒に昼食。拓海が昼寝をする間に後片付け。30分経過すると寝起きのコーヒーを用意し起こす。
外出するご主人様から事務作業の指示を仰ぎ、午後は事務所でデスクワークと来客対応。夕方になると洗濯物を取り込んで、午後5時を過ぎると事務所を閉め、拓海の帰宅時刻と夕食の必要性を電話で確かめてから買い物に出かける。
帰宅して夕食の下ごしらえを終えると、テレビをみたりメールやSNSの返信をしたりしながらご主人様の帰宅を待つ。
午後9時過ぎ。ご主人様からもうすぐ帰宅するとの電話がくるとメイクを整えメイド服に着替えて、浴槽にお湯を溜め始める。
帰宅したご主人様と一緒に入り、高級ソープ・オメガで鍛えたテクニックで自分の身体を使ってご主人様の身体を洗う。
先に上がって夕食の仕上げ。夜は焼き魚や煮物、酢の物、和え物など和風のさっぱり系の品目をそろえている。
風呂からあがったご主人様と夕食をとった後、後片付けを済ませデザートとドリンクを持って上階の居間でくつろいでいるご主人様の所へ。
メイド服を脱ぎご主人様に儀式にを乗り越え女神認定されたご褒美のダイヤ付きの赤い首輪をつけていただくと、その姿でお酒を飲みながら一緒に音楽を聞いたりDVDを見たりしてリラックスした楽しい時間を過ごす。
深夜0時になると寝る支度をして大きなベッドで一緒に就寝。ヴァギナ休息日の月曜日だからエッチはなし。
火曜日。
曇りがちな寒い天気。朝は月曜日と変わらない。しかし朝からご主人様が外出してしまったため、家事を終えた芽美は昼食を簡単にすませ、午後からは事務所で指示された書類作成とデータ入力をしながらお留守番。
午後3時。ご主人様からお電話が。
「ヘドネー、“準備”して待ってろ!1時間ほどで帰宅する!」
「かしこまりました、ご主人様」
だいぶイラついている様子。おそらく、クライアントさんからクレームがあったか、面倒な仕事を押し付けられたかのどちらかだろうと芽美は思う。
そんなご主人様とは対照的に芽美の返事が弾んでいるのはご主人様のストレス発散の道具として“使って”いただけるからだ。ご主人様がヘドネーと呼ぶのがそのサイン。
帰国して以降、ご主人様から日常では『芽美』、性行為のときには『ヘドネー』と呼ばれることが多くなった。旅行前までは『メグ』と呼ばれることが多かったが正式な妻となった私には子どもっぽいくてふさわしくないからとあまり使われなくなった。
『お前』と呼ばれることは時々ある。こう呼ばれることを嫌う女性もいるようだが芽美は好きだった。ご主人様がご自分のことを『俺』と表現するのだから対応する呼び方としては『お前』が正しいし、親しさが込められているようにも思う。
芽美も呼び方を変えた。まずご主人様について。旅行前までは日常では『拓海さん』、二人だけのときや性行為時には『拓海ご主人様』『ご主人様』と呼んでいたが、今は人前では『あなた』、二人だけのときや性行為時には『ご主人様』と呼んでいる。『拓海ご主人様』と呼ぶのをやめたのは、拓海だけが唯一の絶対的な『ご主人様』だから。
一方自分のことは性行為時には『わたし』『ヘドネー』、日常では『わたくし』と表現することが多い。
書類などに名前を記入するとき、公的な書類以外は『桐原 Ἡδονή 芽美』と記入する。名字だけなら『桐原』。
第三者に対しては、『夫』『妻』を使用している。例えば、二人で一緒に外出しているときにそれぞれの友人に偶然会って初めて紹介するような場合には、「俺の『妻のヘドネー芽美』」「わたくしの『夫の拓海様』」と表現する。ヘドネーの呼称に疑問を持たれたときには、洗礼名のようなものだと返答する。拓海様の『様』については一瞬怪訝な表情を浮かべる人もいるが、旦那を立てる古風な女性と思われるほうが多い。
家事も仕事のサポートも大事だが、夫でありご主人様である拓海の性欲処理は、マゾ牝奴隷妻である彼女にとって最も神聖な仕事だ。いや、単に性欲を“処理”するだけでは十分に役割を果たしているとは言えない。己の肉体をご主人様に思うままに使っていただいて好きなように射精していただいて性的満足感を存分に抱かせ、それによって日頃のストレスを霧散していただくまでがマゾ牝奴隷妻の役割。
その役割をしっかりと果たせたとき、芽美もまた大きな精神的満足感を得ることができた。そのためにはご主人様に自分への余計な気をつかわせてはならず、入念な準備が必要だ。
調教部屋のエアコンをオンにした後、軽くシャワーを浴びるために浴室へ行き服を脱ぐ。帰宅まで30分なら省略するが1時間なら女の嗜みとして浴びることにしている。
それでも時間がないから髪は洗わない。今の髪型はご主人様の好みに合わせて黒のストレートロング。伸ばし始めて間もないがそこそこの長さはある。
その髪を邪魔にならないようアップにまとめると、同棲を初めてから装着するようになった貞操帯を慎重にはずす。
PVCレザー製のTバックの形状のそれは、黒を基調に白いラインが枠を縁取り前後左右をストラップで留めるだけのシンプルなデザインで、鍵はつけられていない。
簡単に脱げそうなのに時間がかかっているのは、内側に向けて拓海の勃起状態のペニスを模ったグロテスクな黒いディルドが装着されているから、それもヴァギナ用とアヌス用の2本。
前の穴からむわりとした淫臭を放ちながらねっとりと糸を引いて取り出されるディルド。それに比べ後ろの穴から取り出されたディルドがあまり汚れていないのは、いつでもアナルセックスが可能なように芽美が適宜自分で腸内をきれいにしているからだ。
2本のディルドを取り外して洗うと、自分も5分でさっとシャワーを浴び身体の汚れを落とすと裸のまま脱衣所の隣の小さなメイクスペースへ移動し鏡を見ながらどんな身だしなみにするか検討。考えている時間はない。
アップにした髪を今日はポニーテールにまとめる。ご主人様の好きな髪形のひとつであり、簡単にセットできるから。ご主人様が荒々しい御気分なのであれば、生意気で下品でセックス好きそうな女を屈服させて犯したいのでは?そう考えてコスチュームは穴あきバストタイプの黒レザーのビスチェだけにする。
その代わり、真紅のルージュにキツめに見えるアイラインを引き、金メッキの安物の大きく下品なデザインの指輪を両中指に嵌め、同系統のイヤリング、ブレスレット、アンクレットを身につけて下品さをたっぷりと表現。
鏡を見て赤い首輪を嵌めながら、このファッションだと髪は下ろしたほうが似合うと考え直し、髪をまとめていたゴムをはずして後方に垂らす。洗ったディルドに潤滑ローションを塗り貞操帯につけて再装着する。寝室を通って監禁調教部屋へ移動。
温かく適度な湿気が保たれた調教室内に入ると仄かな明かりが灯る。部屋の奥に行くとGymnopédieをBGMに流し、自分がご主人様に犯されている様々な映像データの中からお気に入りのシーンを選んで無音で上映する。ご主人様に処女を奪われたとき、初めて絶頂を迎えたとき、温泉の帰りの野外プレイ、アナルヴァージンを捧げたときなど、多々ある思い出深いシーンの中で彼女の一番のお気に入りは、南の島での儀式でご主人様に焼印を押されたときのシーンだ。今回もそれを流す。
部屋の中央に戻ると、左足首・右足首・左手首・右手首の順にフックのついた金属製の拘束枷を嵌める。
続いて「nubile cunt・・・, luscious cunt・・・, sopping cunty・・・,rammy cunty・・・」と呟きながら香油“Tacki for prudish Meg”を両腕両脚・尻・バストなどの露出している箇所に軽く塗りこむ。
最後に左尻肉の『Ἡδονή 』(ヘドネー)の焼印のある箇所を愛しげにさすり、入念に塗りこんでマッサージを終える。
首輪から伸びる鎖の反対側の先を中央のポールに引っ掛けると、口の箇所だけ開いた黒いマスクを被る。最近「お前はただの“cunt”(オマンコ)なのだから顔が見える必要はないだろう」と言われ被るように命じられた。
被っていても途中からはずされることが多く、それでなくとも、女のプライドからも入念なメイクは欠かせない。ご主人様から彼女の顔は見えないが、薄い布地なので彼女からはマスク越しにうっすらと見える。
ポールより奥、最奥の壁に掛かっている映像モニターがよく見える位置に移動し、赤いピンヒールを履く。モニター側に頭、調教部屋のドアのほうに尻を向けて四つん這いになって頭を床につけて両手を背中に回して組むと、自慢の美巨尻を高々と掲げて準備完了。
マゾ牝奴隷妻は、時折頭を上げて焼印のシーンがリピート上映されるモニターに目をやりながら、性奴隷の口上を愛をささやくように気持ちを込めて甘く淫らに繰り返し唱えて股間をぐしょぐしょに濡らしつつ、ご主人様の帰宅を従順に待ち続ける。
愛するご主人様♪
今夜もマゾの私をお好みのままに奴隷調教してくださいませ♪
SMセックスの快楽で
ふだん上品ぶっている私に
メスの自覚を叩き込んでくださいませ♪
いつでもどこでもどんなときでも
淫らなわたしのお口・牝穴・お尻の穴を自由にお使いいただき
何度でも気持ち良く射精してくださいませ
それが処女を捧げてマゾ牝奴隷の契約を結び
牝妻降誕の儀の試練を乗り超え
悦楽の女神の名前を烙印されたわたくし
桐原・ヘドネー・芽美の幸せでございます
カチャリと音がして室内に灯りが漏れ入り空気が乱れるを感じるとすぐに元に戻るが人の気配を感じる。ご主人様がご帰宅されたよう。
でも、顔を上げて視線を向けたり話しかけたり命令なしに勝手な行動をすることは禁じられている。芽美はじっとしたまま詠唱を続ける。
ご主人様であろう人物は早足で芽美に近づいてくると尻の焼印を手のひらで一往復だけ優しく撫でさする。芽美にはその感触だけでご主人様であることがわかり、嬉しさに身体をピクリと震わせる。
ずっと繰り返されてきた赤い首輪と香油とGymnopédieと詠唱による自己暗示の効果は抜群で、すでに芽美は激しく発情しきってご主人様に性欲処理の道具として使われるのを今か今かと待ち望んでいる。
背中で人差し指同士を引っ掛けたて繋いだ状態の芽美の両手にご主人様が指を当てる。命令に背いて股間に手をやっていないかチェックするためだ。
マゾ牝奴隷妻となって同棲を始めた芽美は、この体勢で初めて待機させられたとき、ご主人様の帰りを待ちきれずに股間に手を伸ばして激しくオナニーして絶頂してしまった。
一本鞭の懲罰を受け貞操帯を嵌めて待つことが命令に加えられたのだが、それでも手を股間に伸ばして貞操帯の上からクリトリスを愛撫してしまうのを止められなかった。
そこで拓海は一本鞭とグリセリン浣腸というダブルのさらに厳しい懲罰を与えた。そして両手を組んで待つことも待機姿勢の条件として加え、「手に愛液の匂いがするようなオナニーの証拠があれば罰として1ヶ月間お前を犯さず、その間は真理愛か誰か他の女で性欲を処理する」と宣言され、ようやく待機中のオナニーを我慢できたという経緯があった。
四つん這いで頭を下げ尻を高くかかげた姿勢の女から貞操帯がはずされる、いや漏れ出る愛液でデルタゾーンにネチネチと張り付いているから“剥がされる”というほうが正しい表現だろうか。二穴に残る二本のディルドがご主人様の手でぐねぐねと動かされる。芽美は「あん、あん♡」と溜息をつきながらも詠唱をやめない。やめろとは命じられていないから。
「ヘドネー、今日はどんな順番で使われたい?」
―ああ、今日は質問したいご気分なのね―
ご主人様はそのときの気分次第で無言で挿入してくることもあれば、このように尋ねてくることもあった。だがマゾ牝奴隷妻としての返事は決まっている。
「ご主人様のお望みのままに使用してくださいませ」
続いて次の質問。
「ヘドネー、今日はどこに出されたい?」
答えはもちろん一緒。
「ご主人様のお望みのままに射精してくださいませ」
芽美は本心では口内でも直腸内でもなく、膣内に射精して欲しかった。まだ口に出したことはないが、妊娠したら拓海の子どもを生んでもいいと思っていた。拓海の精子では妊娠する可能性が極めて小さいとのことだから、できるだけたくさん子宮内に精液を注いで欲しいと思っていた。
芽美にそんな気持ちが芽生えたのは、あの旅行の後からだ。日本では正式に認められないとはいえ、あの“国”で拓海ご主人様と自分は確かに結婚した。結婚しても子どもを作らない夫婦もいるが、拓海に調教されるまで保守的な性行為・貞操観念の持ち主だった芽美にとって、結婚とはやはり、愛する夫の子どもを生み育てるためにするものであり、不本意ながら、今や芽美は拓海のことを愛してしまっていたから彼との子どもが欲しいという気持ちは純粋で偽りはなかった。
加えて最近、子どもが欲しいという理由が増えた。10月中旬頃、芽美のメールアドレスに気になるメールが届いていたのだ。フリーアドレスで迷惑メールに分類されていたせいで、気づくのが数日前まで遅れてしまった。
迷惑メールに分類されても中には重要なものもあったりするので、2週間に一度程度の間隔でタイトルと送り主のアドレスをさっと確認するようにしている。そのチェックにとあるメールが引っかかった。
まずタイトルにmegumiugakiという自分のフルネームが入っていた。続いてアドレスをみると見たことのないアドだが、.ruというドメインが気になり調べるとロシアのものであることがすぐにわかった。ロシアに住んでいて自分のフルネームを知っている人物といえばナターシャしかいない。
慌てて本文を開けてみると文字化けしていて読めない。ロシア語が表示できるよう設定したら読めるようにはなったが、ロシア語で書かれた文章の意味がわからない。
長々と書かれた文を自動翻訳にかけてみても、例によって意味不明な日本語訳。一つひとつの単語の意味から調べようとしても、辞書の引き方からしてわからない。
ロシア語がわかる知り合いなんて拓海ご主人様しかいないし、彼に見せることには不安を感じる。
ネットでロシア語の文法の基本を調べ、四苦八苦して解読し、ようやくこのような内容であることがわかった。
―私は女としての賭けでライバルであるあなたに勝った。あなたから拓海を奪うのは申し訳ないが、せめて私の生活が落ち着くまで拓海の面倒を見て一緒に暮らすことで彼との思い出を作ってほしい―
そんな文章に続いて、拓海に代わって家事をこなし仕事を手伝うときの注意事項とセックスのときのアドバイス、セックステクニックのポイントなどが詳しく記されているようだった。
全体を通じて自分の翻訳にまったく自信が持てず、あまりの難解さに途中から翻訳自体を諦めてしまったが、最初の一文だけはほぼ正しく訳せたと芽美は思う。その婉曲な表現の意味するところは恐らく・・・。
恐怖に駆られた芽美はそのメールをゴミ箱に放り込み完全に消去すると、ナターシャに負けないよう愛の結晶を願ってご主人様の性的な欲求に全身全霊で応え、慎みを忘れてこれまで以上にセックスの快楽に溺れていった。
その背景には、芽美が島国での試練の儀式を最高評価で乗り越え、テアー(女神)認定され、「ヘドネー」という性的快楽を司るギリシャ神話の女神の名前であり古代ギリシャ語で“悦楽”を意味する新たな名前を獲得したことも大きく影響している。
一言で言うならば、「三つ子の魂百まで」そして「名は体を表す」ということわざの通りということだ。
すなわち、芽美という名前には25年間の人生で培われた性に関する良識や自制心が篭もっている。拓海は芽美をマゾ牝奴隷“メグ”と呼ぶことで、それらの抑制心から解き放とうと試みたが「三つ子の魂百まで」というとおり、それには限界があった。
しかし、芽美は『ヘドネー=悦楽』という自らの力で獲得した新しい名前を呼ばれると、尻に刻まれた烙印が熱をもって疼きだし、心中で女神ヘドネーが「もっと淫らになっていいの」「もっと情熱的になっていいの」「もっと自由になっていいの」と語りかけてくる幻覚に襲われる。
そして「名は体を表す」というとおりに、“芽美”としての限界を突破して自らの性的欲望を100%解放し、思う存分セックスの快楽を堪能し悦びを赤裸々に表現することができてしまうのだった。
そういうわけで芽美は膣内射精を望んでいたが、拓海ご主人様は気まぐれだった。帰国した直後の一ヶ月間はお互いに忙しくて週末を含めて会う時間を作れずにセックスの回数も少なかった。しかし同棲を始めてからは1ヶ月経過していないにもかかわらず、すでに結構な性的接触を重ねていた。
どこに射精したかを正確に記録しているわけではないが、芽美の記憶だと一番多い射精場所は口内、次が膣内、そして直腸内、その他(顔、腹、背中)の順番で、ざっくりいうと4:3:1:2の割合だった。
口内が一番なのは、仕事の休憩中やドライブの途中、朝立ちの解消など、ちょっとした合間にフェラを命じられることも多いから納得の割合だ。
直腸内への射精が少ないのはアナルセックスの回数自体が少ないことに起因する。あれだけ時間をかけてアナル開発しアナル処女を奪ったのにと不思議に思い尋ねたところ、嫌いではないが、準備や後の処理の面倒くささや、衛生上の問題で最後のお掃除フェラをさせられないなど他の行為に制限がかかったりするから敬遠してしまうとのこと。
その他の割合は多めにみて2割という数字。となれば、口内の割合を減らして膣内を増やすのが最も効果的ということになる。
そういうわけで、芽美はいつでもすぐにヴァギナにご主人様の男根を迎え入れられるような服装をし、ヘドネーと呼ばれるとすぐにヴァギナを濡らす自己暗示を必死にかけた。
また、挿入されたときにそのまま射精に導けるように、膣トレーニングで締めつけを強めた。
そして本番では、これまで以上に淫らな嬌声を上げ、甘い言葉で種付けをねだり、正常位や対面座位のときは手足をぎゅっと絡ませ後背位のときは尻を淫らにうねらせ騎乗位のときには腰を激しく振ってそのまま射精に導こうとするのだった。
―今日は相当イラついていらっしゃるけれど、どうなさるおつもりなのかしら?―
そんなことを思いながら詠唱を続けていた芽美の2穴からディルドが力任せに引き抜かれると尻の肉を両手でわしづかみにされて左右に広げられる。その中心のぱっくりと開いてもの欲しげにヒクヒクと蠢いている牝穴に、拓海のコマンド命令が聞こえると同時にいきり立つ剛直が勢いよく突き込まれ、芽美は思わず大きな嬌声を上げる。
「Cry!」
「ああんっ!」
マゾ牝奴隷妻は両手を背中で組み頭を床につけて尻を捧げるように掲げた後背位の屈辱的な姿勢で激しく責め立てられ喘ぎながらも、黒いマスクから唯一見えている真紅のルージュが塗られたぽってりとした魅力的な唇を開いて必死に淫らなセリフを紡ぐ。
ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!
「あん、あん、あんっ!ご主人さまっ!今日もマゾ牝奴隷妻ヘドネーの牝穴を使っていただいてありがとうございますっ!」
ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!
「あん、あんっ!牝妻ヘドネーのっ・・・あんっ・・・今日の使い心地はいかがかしら・・・あんっ!」
その答えに抜き差しをますます激しくさせる拓海。
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
「あっ!あっ!あっ!・・・イイ、わたくしも気持ちイイですわっ・・・ご主人さまぁっ♡・・・アアン、アアン、アアーンっ!♡」
ジュブジュブジュブーッ!ジュブジュブジュブーッ!
拓海の突きに早さだけでなく深さが加わり、芽美は心中で悦楽の女神ヘドネーの幻の声を聴き、女神の許しを得て慎みを忘れて品のないセリフを声高に口にしてご主人様の興奮を煽りたてる。
「アアン、アアン!♡・・・すてきっ・・ご主人様のオチンポっ!・・・イイわっ、オマンコすごくイイっ!・・・ご主人様の逞しいオチンポで激しく犯されてっ・・・とってもイイですわっ!・・・アアーン、きもち、イイわーッ!♡」
叫びながら自慢の美巨尻を小刻みに揺すりたてて内部の剛直を刺激し、さらに膣壁を締めたり緩めたりして射精を促す。
「おっ、いいぞヘドネー!」
ジュブーッ、ジュブーッ、ジュブーッ!ジュブーッ、ジュブーッ、ジュブーッ!
両手を尻肉から離して肉棒と肉壷だけで接する状態で、深くゆっくりとしたストロークで芽美の尻の動きと膣トレーニングの成果を楽しんだ後、腰を掴み高速ピストン。
ジュブジュブジュブジュブジュブジュブッジュブッ!
「アッアッアッアッアッアッアッアッアッアッアッ!」
ジュブーッ!
最後に深い突きを届きうる最深部、つまり子宮口に放つと、無言で射精。子宮内に熱い精液が大量に注がれるのを感じて芽美は嬉しそうに叫ぶ。
「アアーーーーーーーーン!♡」
ヴァギナから引き抜かれた男根はまだ8割ほどの勃起状態だった。芽美は拓海ご主人様のイライラが一度の射精ではまだ解消されていないようだと判断し、白濁した精液と愛液でベトベトに汚れている男根にお掃除フェラするのを躊躇してしまう。
するとご主人様に鎖を引っ張られ引きずられるように部屋中央まで連れて行かれ、天井から釣り下がるフックに左右の手首の拘束枷を嵌められ、するするとロープが巻かれて両手を挙げた立ち姿で吊り下げされる。足先がギリギリ床につく高さだ。
拓海は芽美にボールギャグを噛ませると背中からバラ鞭で10回ほど叩くともの足りないのか一条鞭に持ち替えて、さらに10回ほど打つ。
ヒュンと風を切る音にビシーッという皮膚を切り裂くような音が続く。尻と背中の皮膚に赤い線上の鞭の痕跡が浮かび上がる。
激しい痛みに耐えかねて芽美は体をくねらせて。ギャグの隙間から意味不明なくぐもった叫び声を上げて泣き叫び、気を失ってしまう。
それでも秘所からはこんこんと淫蜜が湧き出し、瑞々しい潤いを湛えたままだ。鞭を置き前方に移動して気絶した状態の芽美の脚を両脇に抱え、対面立位の体位で黒いマスクとギャグを装着されたままのマゾ牝奴隷妻のヴァギナに鞭打ちの嗜虐的な興奮で完全な勃起状態を回復した男根を挿入し、ゆるゆると犯す。
牝妻が意識を取り戻すと天井のフックから両手首の枷をはずし、鎖を引いて引っ張りながらモニター前のミニソファに座り、ボールギャグをはずして命じる。
「Blow job gently !」
マゾ牝奴隷妻が足元に座り込み、黒いマスクを被らされたたままフェラチオマシンと化しておしゃぶり奉仕を開始する。
ご主人様から教え込まれた基本的なテクニック、ウェブサイトやAVを見て学んだ玉石混合のテクニック、高級ソープ嬢であるナターシャの奉仕を見て盗みとったプロのテクニック、里奈や真理愛といった百戦錬磨の上級者達に尋ねて伝授された個性的なテクニック。
それらが何回もの実践の中でブラッシュアップされ、今や芽美のおしゃぶり奉仕は、拓海ご主人様好みの最適な内容にカスタマイズされている。
自分を悦ばせるためだけのオンリーワンに昇華されたフェラチオ性技を愛情を込めて駆使して献身的に奉仕する牝妻ヘドネー芽美。
しかし拓海は、傲慢にもそんな芽美を全く無視し、ソファの背もたれに身体を預け斜め上を向いて視線を遠くに向けて、クライアントへの不満や悪口・仕事の愚痴・弱音から仕事の見直しの内容・今後のスケジュールなどを延々ブツブツと呟き続ける。拓海が日ごろ鬱積した心の澱(おり)を浄化するためのカタルシスの時間なのだ。
芽美の熟達したおしゃぶりで沸き起こされる快感は大きいが、命令どおりに穏やかなレベルに抑制されているから射精に至ることはない。芽美はご主人様が内心を吐き出し今後の仕事のスケジュールをまとめ終わって呟くのを止めるまで、ずっとフェラチオ奉仕を続けなければならない。
それはいつも概ね1時間にも及び、終わり頃にはくたくたになっている。しかし芽美は実はこの時間が好きだった。なぜなら、ご主人様が愚痴や弱音を聞かせてくれるということは“妻”として認められ心理的距離が近くなったように思えるし、自分のフェラチオ奉仕がご主人様のカタルシスになっていることが“妻”として大きな役割を果たせていて、とても嬉しかったから。
「Stop!」
芽美がフェラチオを止めて顔を上げるとマスクが剥がされる。鞭打ちのときに泣いてしまったし、汗もたっぷりかいたからメイクが乱れて酷い顔に違いなくて恥ずかしい。でも、ご主人様の顔を見ると、最初の頃にあった険がとれて穏やかな表情になっている、嬉しい。
「Sitting!」
ご主人様がひざをポンポンと軽く叩き、鎖のリードをクイクイと引っ張る。芽美は命令に従いご主人様のひざに跨り屹立する男根を膣内に迎え入れてご主人様の首に両手を回して対面座位の体位で結合する。
「ありがとうヘドネー、今日も助かったよ。」
そう言って両手を背中に回してきた拓海ご主人様に抱きしめられてキスをされる。芽美はこれまでの献身を慰労されて泣き出しそうになるが、グッと堪えて大人びたセリフを述べる。
拓海が芽美をムチ打ったことを謝罪することはないし芽美がそれを酷いと思うこともない。ご主人様として当然の権利だから。
「いいえ、お役に立ててなによりですわ、ご主人様」
そしてこうつけ加えて顔を背ける。
「あまり見ないでください、化粧が乱れて恥ずかしいです・・・」
「それほど乱れてはいないから大丈夫さ。それにせっかく俺のためにばっちりメイクしてくれたのだから、ご主人様としては鑑賞してあげる責務があるのではないかな?look!」
命令されて芽美は仕方なくご主人様と視線を交差させる。
「乱れた表情もセクシーだよ、俺との情事で乱れたと思うと興奮するね。」
そう言って頬を撫でるご主人様に芽美は、やっぱり酷い顔なんだ、と思う。
「生意気そうな女を罰して奉仕させたいという俺の嗜虐的な気分を察して派手でキツめなメイクにしてくれたのだろう?メイクだけでなくファションも?」
芽美のコスチュームは穴あきバストタイプの黒レザーのビスチェ。化粧は真紅のルージュにキツめに見えるアイライン。それに金メッキの安物の大きく下品なデザインの指輪、イヤリング、ブレスレット、アンクレットをじゃらじゃらと身につけている。
「はい、お気に召していただけましたか?」
「ああ、俺の気持ちが良くわかっている。できの良いマゾメスご褒美をあげないといけないな。」
褒められた芽美は赤面しながら弾んだ声で返答する。
「お褒めいただきありがとうございます、ご主人様!」
拓海が腰をゆるゆると動かし、芽美は隷従心と悦楽で潤む双眸を拓海に向けたまま膣内を優しく刺激するご主人様の男根の感触を楽しむ。
GymnopédieのBGMの音だけが聴こえる密室で夕方のスローセックスを愉しむご主人様とマゾ牝奴隷妻。お互いに言葉を発せずとも思いは通じあっているようだ。
見つめあう二人の顔がどちらからともなく近づき、互いの口を貪り始める。BGMにピチャピチャ、クチュクチュといったディープキスの淫らな音色が混じる。
どちらからともなく口を離すと唇の間を唾液が糸を引き、ツーと床に垂れ落ちる。
「ヘドネー、どんな体位でイキたいかい?」
答えはやはり決まっている。
「ご主人様のお望みのままに」
しかし言葉とはうらはらに、芽美はご主人様の命令を待たずに膝から下り床にあおむけに横たわってそれぞれの腕でそれぞれの脚の太腿を抱えて、いわゆる“まんぐり返し”の体位になる。
何事にも本音と建前、TPOといったものがある。今はご主人様が奴隷の望みを適えてやりたい気分なのであるから、自分の願望を率直に表しておねだりすることがご主人様を満足させる行動であることを、優秀なマゾ牝奴隷妻である芽美は理解していた。
そんな芽美に、しょうのないやつだな、とでも言いたそうな表情を見せると、拓海はソファから降りて芽美に覆いかぶさり、潤いを湛えている蜜壷に逞しく屹立する男根をあてジュブジュブと沈みこませていく。
最初は浅いストロークで膣の入り口付近をカリで引っ掛けて擦るようにして刺激する。次第にストロークを深めて角度もできるだけ変えて膣内全体を突く時に亀頭で押すように、引く時にカリでめくりあげるように意識しながらまんべんなく刺激する。
そして芽美が期待しているであろう、やや中ほど上部のざらざらした箇所ーGスポットを先端で突いてはカリで擦るような規則正しい中スピードの動きに移る。
まんぐり返しの体位は両者の角度的にGスポットを責めやすく責められやすい。芽美がこの姿勢をとったのも、もちろんそのためだ。
「アーン!アーン!アーン!」
この頃には芽美は我慢できずにGymnopédieが聴こえなくなるほどの大きな嬌声を上げ続けている。
子宮口を責める前の前座としてストロークを弱め、視線の先で小さいながらもピンとそそり立って忘れないでと主張している両乳首や、包皮から顔を出して愛液で濡れ光るクリトリスを弄ってもて遊ぶ。
クリを指ではじいたり、乳首を捻ったりするたびに芽美は身体をピクリとさせてアンアン喘ぐ。
芽美の頬には赤みが差し半開きになった口元からは涎が垂れていて時々ピンクの舌がチロチロと見え隠れする。汗で前髪や耳にかかる髪がおでこや頬に張り付いている。
瞳の奥には欲情の炎が揺らめき、熱の篭もった視線をご主人様に向けている。焦らさずにもう絶頂させて欲しい、牝妻のそんな気持ちが伝わってくる。
「ご主人様をせかすなんて、躾けのなってない淫乱メスだな!」
そう言って拓海は芽美のバストをお仕置きとばかりに力任せにギュッ、ギュッと揉みしだくと、可愛い愛奴の求めに応じて、いよいよ最後の責めに移る。
「あーん、申し訳ございませんご主人様!でも、もう我慢できないのぉ~」
「わかったわかった、マゾのお前が満足するくらい乱暴に犯してやるから、俺にしっかりとつかまってちゃんと受け止めるんだぞ!」
「かしこまりましたご主人様!」
芽美は太腿から手を離すと、脚をそのまま拓海の腰に巻きつけ、両手を拓海の背中に回して抱きついて身体をしっかりと固定する。ご主人様の顔が近い。
「イク直前になったら中出しをおねだりして、イッたら俺にキスするんだ!」
「はい、ご主人さまっ!きてっ!」
芽美の返事とともに拓海の激しいストロークが開始され、剛直の先端が芽美の子宮口めがけて何度も何度も素早く突き込まれる。
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
芽美は潤んだ瞳でご主人様を虚ろに見上げ、快感の嵐に飲み込まれてただひたすらスタッカートの喘ぎ声を響かせる。
「アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!」
これまで十分に官能を燃え上がらせていた芽美の限界は早かった。心中から快感の爆発の予兆を感じ取りご主人様に告げる。
「拓海ご主人さまっ!もうすぐイキますっ!」
「どこに出して欲しいんだっ?!」
「ああッ!ごめんなさいっ!中にだしてっ!わたしの子宮めがけて射精してっ!マゾ牝奴隷妻ヘドネーに種付けして、ご主人様の子どもを孕ませてくださいませっ!」
「いくぞっ!!」
その掛け声の直後に、ズブリと深く最後の一突きが芽美の子宮口をえぐり、先端から熱い精液がドクドクと噴出する。それを受けて芽美もまた激しい絶頂に達する。
「ああっ!・・・イッ、クウウウウウウウウウウウ~!!!♥」
ご主人様にぎゅっと抱きついたマゾ牝奴隷妻の口が大きく開き、エクスタシーの叫びが発せられる。叫びが収まると、命令どおりご主人様の口に無我夢中でむしゃぶりついて舌を差し込んで舐めしゃぶる。膣内ではまだ、最後の一滴まで精液を搾りとろうと膣壁がキュウキュウと愛しい男根を締め付け襞がやわやわとまとわりついている。
その間もドクリ、ドクリと射精が断続的に続く。想定外の芽美の種付けおねだりのせいで、拓海の射精時間も量も、いつもより遥かに多かった。
射精が終わり、拓海がペニスを引き抜き芽美の隣に自分の身体を横たえる。
「はぁ」「ふぅ」
二人で同時に満足そうな溜息をつき、目をあわせて再び同時に笑う。
「「ふふふ」」
室内に響く音がGymnopédieのBGMだけとなり、穏やかさが戻っている。
「俺の子どもが欲しいのかい?前は絶対やだ、死んでやるとか言っていたくせに?」
「ご主人様のいじわるっ!前とは立場がちがいますわっ!妻となったのですからご主人様の子どもが欲しくてもおかしくはありませんっ!」
照れくささを誤魔化そうと早口で述べ立てる芽美。
「そっか、できるといいな・・・」
そういうご主人様の口調は寂しげで、芽美は気まずい空気を変えようと身を起こし、無言でお掃除フェラを開始するのだった。
しばらく休んだ後、拓海は芽美のムチの傷を治療してから風呂に入り、事務所でイベント計画書の修正に入る。
芽美は調教部屋内の片付けと清掃をした後、風呂に入るがムチの傷に配慮してシャワーだけにとどめ、夕食の準備をする。買い物に行く時間がなかったから、ありものの食材を使い、簡単にできて短時間で食べられるミートソースパスタと缶詰のポタージュスープ、野菜サラダ、冷凍食品の春巻きというメニュー。
二人で夕食を取ると拓海はすぐに仕事に戻り、芽美も食器の片づけを終えると拓海の仕事を手伝う。
深夜2時をまわった頃、修正がようやく終わると、疲れきった二人はそそくさと寝る仕度をして天蓋付きベッドに並んで横たわるとすぐに眠りに落ちた。
水曜日。
ご主人様は7時に起きると、時間がないからと朝食を取らずに慌しく車で出張に出かけた。栃木県内だが明日も打ち合わせが続くから、帰りはおそらく明日の夜になるとのこと。
二度寝して目覚めると10時。天気が良いので布団を干して洗濯機を回してから朝食。一人なのでフレンチトーストを焼いて紅茶を飲む。洗濯物を干し終わると事務所の配達物や留守番電話、メール・FAXをチェックする。残念ながらご主人様に緊急に連絡する必要性のある案件はなかった。浴室と寝室、ダイニングキッチンの清掃に入る。
終えたときに午後2時をまわっていた。お腹が空いたので、肉と野菜がとれて夜も食べられる豚汁を作り、冷凍しておいたご飯を温めて食べる。
午後3時。10月下旬ともなれば日が落ちるのはあっという間だから、干していた布団と洗濯物を取り込む。秋晴れの乾燥したお天気だったため、しっかりと乾いていた。寝室に布団を運びベッドメイキングし、洗濯物を畳んでしまい、ワイシャツにアイロンがけをする。事前の連絡なしに事務所に来客があることはまずないから、事務所のドアに鍵をかけて放っておけばいいと言われている。
午後4時。事務所でご主人様に頼まれた資料作成。急ぎではないから時間ができたときにやるように指示されている。マゾ牝奴隷妻としての芽美の仕事の優先順位は①ご主人様の性欲処理②家事③事務所の雑務④仕事のサポートという順番だ。
午後5時。事務所のPCを使ってのんびり資料作成をしていると、優斗からSNSメッセージが届いた。『また振られてしまいました!今晩ヤケ酒につきあってくれませんか?(泣)』という内容。奴隷妻となって帰国してからも、彼とはご主人様の了承を得て定期的にメッセージ交換をしている。温泉宿でのことも罪の意識に駆られてこわごわ打ち明けてみたが、ご主人様はそんな理由なら仕方ないと笑って許してくださった。
―そういえば、院試の合格祝いがのびのびになっていたわね―
9月の上旬に合格発表があったらしく、帰国した芽美に弾んだ声で電話をしてきて合格したことを告げられた。その時にお祝いしてあげると約束してしまったのだが、忙しくて忘れてしまっていた。そんな後ろめたさとご主人様が不在の寂しさもあり、優斗のヤケ酒に付き合うことにする。
『かわいそうだから付き合ってあげるわ、合格祝いも忘れてないから。失恋の傷が癒えた頃に改めてお祝いしてあげる』と返信し、ご主人様にも『優斗君がまた振られたそうなので、今晩ヤケ酒に付き合ってきます』と事前にメールしておく。ついでに妹の琴美にもSNSメッセージで『元気?最近どうしてる?』と送ってみる。
優斗とご主人様からはすぐに返信が来た。ご主人様からは簡潔に『了解、慰めてあげなさい、キスまでなら許可する』とのどこまで本気なのかわからない返事。
優斗からは『ありがとうございます!午後7時に銀座の○○というお寿司屋さんで待ってます!』という内容。お店は有名な高級お寿司屋さんだ。おそらくデートの後で二人で一緒に行く予定で予約を入れておいたのだろう。『わかった、でも私とのデート代は高いわよ?よろしくね♡』と冗談まじりに返信すると『わかってますよ、僕が奢ります』とのこと。ちょっとムッとしているとすぐに訂正が届いた。
『わかってます、は失礼でしたね(汗)お忙しいところを急に来ていただいてヤケ酒におつきあいしていただくのですから、僭越かもしれませんが僕がご馳走させていただきますよ←これでどうですか?』
―うん、彼もわかってきたわね―
『いいんじゃないかな♪でも、あんまりへりくだりすぎるのも慇懃無礼になっちゃうから気をつけて!じゃあ後で』と返信し、5時半を過ぎているから急いで出かける準備に入る。
琴美からの返事はなく既読もつかない。今年度から就職した妹は会社が終わる定時が午後5時半だったから忙しいのかもしれないと自分を慰める。
帰国してから琴美と会ったのは一度だけ。忙しさにかまけて連絡を怠っていて、保育施設を辞めるときもSNSで簡単に伝えた。すると琴美から電話がかかってきて会って理由を説明して欲しいと言われたので、会って事情を説明したところケンカになってしまった。
その後こちらから電話をかけて再度話したが、なんだか他人行儀でよそよそしかっただけでなく、困惑しているようでもあった。それ以来、妹とは話していない。
そういえば仲の良くない母はもちろん、父とも話をしていなかった。家族以上に大事な人ができれば話す機会が減るのは自然なことだと思い、気にはならなかった。
午後7時を少しまわったところで待ち合わせの寿司屋につくと優斗がカウンターで待っていた。彼の服装は、Vネックの白と濃い緑色のボーダー柄のセーターに赤茶色のタイトストレートパンツを合わせ、Vネックからは黒いインナーが覗いている。
いっぽう薄手のクリーム色のコートを脱いで隣に腰掛けた芽美の服装は、Vネックの白とオレンジ色のボーダー柄のセーターにボルドー色のサーキュラースカート。首にはペルシャ柄の薄いオレンジ色のスカーフを巻いているが、優斗の頭の位置からだとVネックの内側の胸の谷間が覗けてしまえそうだ。
Vネックボーダーセーターといい、上下の色合いといい、期せずしてペアルックの装いになってしまっていて、芽美は彼とは気が合うと親近感を感じる。
酔って失恋話ができるようなお店ではないので、ビールを1杯注文し優斗のお勧めに従い握りを10カン美味しくいただくと、会計を(優斗がカードで)済ませそそくさと店を出て、芽美が女子会で何度か利用したことのあるカジュアルなダイニングバーに移動。ようやくリラックスして優斗の話を聴くことができるようになった。
話をまとめると、優斗が芽美の先輩に振られた理由は大きく3つあった。一つには、優斗が彼女の話をあまり聞かずに自分の興味ある話、植物の話ばかりしてうんざりされたこと。二つには、優斗が彼女のルックスや服装よりもFカップの大きなバストにばかりに注目して性欲の対象としか見ていないように思われていたこと。三つめ、振られる直接のきっかけとなったのは、大学院に合格して来年4月に関西に引っ越すことを今日の昼間に初めて彼女に伝えたことだった。
「優斗に悪気がないことを私は知っているけれど、先輩としては、自分のバストにしか興味がなくて、仮にエッチをするような深い関係になったとしても来年4月には遠くに行ってしまうのなら、単にヤリ捨てできる女の子を欲しがっているだけに感じられたのかもしれないわ。先輩のことはきっぱり諦めて、君のことをちゃんとわかってくれる女の子を見つけなさい、わたしのようにね、なーんて」
「えー、芽美おねーさんみたいな痴女はいやだなー」
「なに言ってるの、清純そうな女だって内心では何を考えているかわかったものじゃないわよ。それにバストばかりみて振られた変態君に言われる筋合いはないわねぇ?」
「それはそうですけど・・・僕はべつに芽美おねーさんみたいな貧乳タイプも嫌いじゃないですですけど・・・まだ新しい恋愛をする気になんてなれないんでしょう?」
「失礼な!これでもCカップはあるのよ、それもDに近い!小柄でトップバストが84センチしかないから大きくはないけれど・・・新しい恋愛は、そうねぇ・・・」
彼氏を事故で失ったとウソをついていることが心苦しく言葉を濁し話題を転換する芽美。
「まぁ、暗い話は止めておいて合格祝いの件を相談しましょう。旅行のあと引越しと転職をしてようやく落ち着いてきたところなの。そのせいで君に恋愛のアドバイスをする余裕もなくて・・・もう少ししたら時間が読めるようになると思うから月が替わったら私から提案するから、連絡を楽しみに待っててね?」
「わかりました!そういえば海外旅行に行ってたんですね?酷いなぁ、お土産期待してたのに・・・」
「あれ?私達ってそんな親しい間柄だったっけ?」
「ああっ、冷たいな~、で、どこへ行ってきたのですか?」
「よくぞ聞いてくれました!実はね・・・」
芽美のモルディブ旅行の話(女友達との旅行とウソをつき婚姻儀式のことは隠した)から優斗のタヒチ旅行の話になり、南の島の植物の話になり、おみやげの紅茶の話から植物の話になり、結局は優斗が植物の話を芽美のその場限りの興味本位の質問のままに語ることになった。
最初の出会いで強引に優位に立ったため、芽美にとって優斗は先輩風を吹かせて気楽に話せる心地良い異性だった。優斗への気持ちに好意はあっても恋愛感情ではなく、頼りない弟を見守り支える姉のような感情だった。だからこそ優斗の身体に気楽に触れることができた。
酔いが深まるに連れて優斗に身体を寄せて肩や太ももに触れるようになり、帰り際に「芽美おねーさんがこうして慰めてあげるから元気出しなさいねっ!」と言って優斗を抱きしめて頬にチュッとキスをした。
芽美にとって、その行為に冗談交じりの慰め以上の深い意味はなかった。だから、未だ童貞でやや思い込みの激しい優斗がその行為をどのように受け止めるのか気がつくことはできなかった。
優斗と有楽町駅で別れて夜11時半過ぎに帰宅すると、ご主人様に今夜のことを報告してシャワーを浴びて眠りに落ちた。
木曜日。
曇り。朝起きるとご主人様に電話し帰りの予定を尋ねる。深夜になるとのこと。夜は美咲と里奈の飲み会の予定があることを事前に話してあったが、そういうわけで早く帰る必要はない、存分に楽しんでこい、と言われる。
朝食を簡単に済ませると、午前中は部屋の清掃。夕方から雨の予報だったので昼に食材の買い物に出かける。ついでに外食で昼食をすませる。
帰宅すると事務所の清掃と雑務を処理し、昨日とりかかった資料作成を終わらせる。時計を見ると午後4時を過ぎている。外を見ると雨が降り始めている。
待ち合わせは新宿に午後6時。ゆっくりと外出準備をする。今日集まる目的は、ハロウィンのコスプレ衣装の購入と当日の打ち合わせ。過去レイヤーだった美咲の提案で渋谷のハロウインにコスプレで参加し、そのままクラブのハロウィンパーティに流れようという計画だった。
ドンキや東急ハンズ、それにオタク向けの妖しげなコスプレショップなどを回りどんな衣装があるか下見をし、居酒屋で飲み食いしながらスマホで通販サイトをチェック。 喧々諤々(けんけんがくがく)の話し合いの結果、セーラー○ーンのコスプレをすることになった。美咲のレイヤー時代の友人が二人参加するため、5人で統一がとれ女の子なら誰もが憧れたことがあるメジャーな作品という理由で絞られた。
モデル体型の美咲や肉感的なスタイルの里奈ならあのアニメのコスプレも似合うと思うけれど、芽美は自信がなかった。しかしご主人様にこっそりメールで相談したら『今のお前なら大丈夫、やりなさい』との御命令が下ってしまった。『イベントプロデュースの仕事に携わる人間として、ハロウィンイベントに参加する側の実体験を参考までに知りたい』ともっともらしく理由をつけられてしまえばやらざるを得ない。
誰がどの戦士のコスプレをするかでひと悶着あったが、芽美はセーラー○ィーナスに決まった。私はこれしかできない、他の戦士なら参加しないと強く主張したからだ。 ご主人様から『セーラー○ィーナスが一番似合いそうだな』とのメールがきたせいである。ご主人様がそうおっしゃるなら自信がもてた。
衣装購入については経験者の美咲達に任せることにして解散。メジャーなセー○ー戦士のコスプレなら豊富にあるからサイズがぴったりで安くていい衣装が揃えられるだろうとのことだ。ご主人様に報告したら喜びそう、そんな風に思いながら深夜0時少し前に帰宅した。
ご主人様から午前1時頃に戻るとのメールが入っていた。ご帰宅を待って一緒にお風呂に入ることにする。
『夜9時を過ぎたら、できるだけマゾ牝奴隷妻にふさわしい格好でいるように』
そんな風に命じられているから、お風呂の準備をすると、メイクを直し全裸になって赤い首輪とスレイブリングを嵌める。髪は邪魔にならぬようアップにしてまとめる。
それだけでは寒いので厚手の純白のガウンを羽織ってダイニングキッチンでハーブティを飲みながらぼんやりと過ごす。
ふと時計を見たら深夜0時55分。玄関に移動して、ご主人様のご帰宅を耳をすませてお待ちする。
チリンチリーンという音がドアの外から聞こえる。防犯対策で、事務所の玄関ドアが開けられると自動的に、事務所内に鈴の音を模した大きな電子音が流れ、明るい天井照明が一時的に点灯する仕組みとなっている。
防犯カメラで確認するとご主人様だ。なにやら慌てているご様子。芽美も慌ててガウンを脱ぐと、玄関の取継(とりつぎ)に全裸に赤い首輪だけの姿で正座する。
カチャッ。ドアが外側に半分ほど開いてご主人様が体を滑り込ませるように入ってくる。
「お帰りなさいませご主人様」
芽美はそう言うと三つ指をついてお辞儀をして顔を上げて笑顔を向ける。
「ただいま」
ご主人様は急いで玄関ドアを閉めると身体を揺らしながら落ち着きのない動きで革靴を立ったまま脱ごうとするが、紐がひっかかり固結びになってしまって脱げない。焦るご主人様を不思議に思い質問する。
「どうかしましたか、ご主人様?」
「ああ、さっきからトイレに行きたくてな。お前がそうやって俺の帰りを待ってるだろうと思ったから、遅れないよう高速のSAで休憩せずに飛ばしてきた。雨が降っていて面倒だったし、なにより一刻も早く帰宅してお前の顔を早く見たかった。でも、もう我慢の限界だから、お前の出迎えをありがたく受け止める余裕がないよ、スマン。」
そう言うと、しゃがみこんで下を向いて固く結ばれてしまった靴の紐をほどこうと四苦八苦する。
―なんだ、そんなことか―
「嬉しいことをおっしゃってくださいますね、ご主人様は・・・それなら、こちらにどうぞ♪」
芽美はご主人様に膝立ちでにじり寄ると、笑顔で口をアーンと開く。
「いいのかい、ヘドネー?」
「もちろんですわ、ご主人様。調教の最初の頃、わたしのを飲んでいただいたことはよく覚えていますもの。ご主人様にしていただいたことを、マゾ牝奴隷妻がお返しにしてさしあげるだけのことですわ。靴紐を解くのは後回しにして、お早くどうぞ」
そう説明し終えると、再度口を大きく開きご主人様に笑顔を向ける。拓海は立ち上がりチャックを下げるとだらんと垂れたペニスを取り出し芽美の口内につっこむ。
「いつもと違って勃起していなくて柔らかいから、根元までしっかり咥えて口から漏らさないようにしてくれよ」
芽美が軽くうなづき、しっかりと根元まで咥え込んだのを見て一言。
「出るぞっ!」
口内に注がれる液体を、奴隷妻はゴクゴクと躊躇なく飲み込んでいく。
芽美は4月上旬に拓海に飲まれたときから、遅かれ早かれ、ご主人様のそれを強制的に飲まされる日が来ることを覚悟していた。しかし芽美の予想に反し、その時はいつまで経っても来なかった。そして今日、自ら望んで嚥下している。
―飲尿という行為は、愛好者にとっては相手自身を全面的に受け入れ、相手のすべてをあらゆる感覚で感じられる最高の行為なんだよ―
ご主人様がおっしゃった通りだった。芽美の心中は、ご主人様の全てを受け入れている喜びで一杯だった。ご主人様にようやく行為のお返しができた。さらにこれからはご主人様の性欲処理だけでなく“便器”としてもお役に立つことができるのだ。拓海には、飲尿しながら自分を見上げる芽美の瞳の中に、被虐の恍惚の光が輝いているのが見えた。
口内に注がれる勢いが弱くなり、断続的に吐き出されるだけになり、雫が垂れるだけになり、完全に停止する。芽美がペニスから口をはなす。
「終わったよヘドネー。助かった。ありがとう。」
「どういたしまして、これからも困ったときはおっしゃってくださいねご主人様。」
「そうかい?ならもうひとつ困ったことがあるんだが?」
「はい?なんでしょう?」
首をやや斜めに傾け、恍惚とした表情のままご主人様を見上げる愛奴。
「尿意が落ち着いたら、お前が飲んでくれたことで今度はエッチな気分が昂ぶってきてしまってね。そのまま抜いてくれないか?」
そう話している間にだらんと垂れていたペニスがみるみるうちに勃起し逞しさを増していく。
「もちろんですわ♪いつでもどこでもどんなときでも、淫らなわたしのお口・牝穴・お尻の穴を自由にお使いいただき何度でも気持ち良く射精していただくことが、マゾ牝奴隷妻ヘドネーの幸せなのですから♡」
芽美は愛らしく微笑むと、目の前の剛直に向かって嬉しそうに丸めた朱唇を近づける。
チュッ、チュッ・・・ペロリ、ペロリ・・・チュプッ、チュプッ、ジュポ、ジュポ、ジュポ・・・ジュボッジュボッジュボッ・・・ジュボジュボジュボジュボジュボッ!
「うっ!」
ご主人様のうめき声と口内の男根の最大限の猛々しさに射精の予兆を感じとり、竿を半ばまで含んだタイミングで動きを止め裏筋に舌を絡ませて喉奥を直撃しないよう角度を調整し、目を瞑って亀頭の先端から勢いよく吐き出される欲望のエキスに神経を集中する。
口内にある程度溜まると、喉を大きく動かしまとめて嚥下していく。そのほうが大好物のご主人様の美味しいザーメンミルクの味と触感を深く味わうことができるから。
身体がときおり軽く痙攣している。ご主人様の精液をご馳走になることで軽く絶頂しているのだ。
口内の男根の脈動が完全に収まるのを待って口を離し、かがみこんでご主人様の靴紐を器用に手早くほどいて何事もなかったのように立ち上がる。
「お風呂が沸いています。一緒に入って早く寝ましょうね、ご主人様♪」
そういうと拓海の手をとり、手をつないだままダイニングキッチンを抜け階段を上がって浴室に消えていく。
金曜日。
曇り。昨日の夕方から降り始めた雨は明け方には止んだようだが厚い雲がまだ残っていてどんよりした天気。二人が起床したのは午前10時すぎ。一昨日昨日でひと仕事終えて余裕があり、昨夜寝たのも午前2時半と遅かったから、午前中は休みにすることに決めた。
芽美は目が覚めてもごろごろしているご主人様をおいてベッドから抜け出すと、朝食の仕度を開始する。一昨日の豚汁が余っていることを思い出し、時間もあるので和食にしようと米をといで炊飯器のスイッチを入れる。メインのおかずは紅鮭の切り身。焼いている最中に大根をおろし、厚焼き玉子を作り、ほうれん草を茹でてお浸しにする。
起き出してきて、寝ぼけ眼とぼさぼさ頭でテーブルに座ったご主人様に顔を洗って出直すよう命じると(日常生活面での権限は芽美のほうが高い)、洗面所から戻ってくるご主人様に熱い日本茶を出し体内からも目を覚まさせる。
ご飯が炊き上がり紅鮭が焼きあがるタイミングを見計らって豚汁を温め完成。二人で一緒に食べながら今日の午後から日曜日の夜までの予定を話し合う。
今日の午後はご主人様の所有物であるこの雑居ビルの管理会社の営業と管理員との面談とビル各階の巡回・点検。
管理会社に任せきりで言いなりになっていては利益が上がらず問題が発生しても対処が遅れて面倒になるだけらしく、基本毎週1回、こうした時間を設けているそうだ。
芽美も同席して話を聞いて、現場を見て勉強するよう命じられる。
天気予報によれば、土曜日は晴れるが日曜日には再び雲に覆われ雨。紅葉を見に行くには少し早いし、ご主人様が来週末は仕事(栃木県でのイベント本番だから現地で立ち会うことになる)でつぶれるから、この週末はのんびり過ごしたいということで、特別な予定は入れずに過ごすことになった。ということは、そういうことだ。
午後の仕事を予定通りに終えると、芽美は流行しているアニメ映画を見に連れて行かれた。仕事柄、流行モノは一通り押さえておかないとまずいらしい。有楽町で映画を見て焼肉屋で食事して帰宅。マゾ牝奴隷妻が待ち望む週末のSM調教セックスがスタートする。
芽美がテアー(女神)の称号を獲得してヘドネー(悦楽)という名前を与えられてマゾ牝奴隷妻に昇格してからも、週末調教の大まかな段取りは変わらなかった。
根拠となるSMパートナー契約書は10月初頭にお互いの合意のもとに修正点なく更新されていた。それに基づいて全ての性行為が記録され、ヴァギナの変化も写真で記録され続けている。芽美に絶頂を迎えさせる回数も、これまでと同じく一回のプレイあたり2回までに抑制されている。
変わったこともある。食事の仕度や拓海が寝ているときの芽美の監視などナターシャが行なっていたサポート要員として、真理愛が雇われた。監禁調教部屋内では、儀式を経て完全に吹っ切れた芽美が性行為の快感を自ら貪欲に追及するようになり、プレイの内容が過激さを増した。
緊縛、蝋燭、真理愛を加えての3Pがすでに実施され、今後は本格的な緊縛・吊り、全裸に赤い首輪だけの姿での深夜の野外露出プレイ、マスクを被った状態で性行為のWEB公開などが候補にあがっている。そして今回は、クリトリスへのピアッシング。
土曜日の夜、拓海の手によって芽美のクリトリスにニードルでピアス穴が開けられ、そこに小さな銀色の鈴が装着された。芽美が納得して受け入れたことではあるが、痛みが激しすぎてセックスはもちろん動くことも厳しかった。
しかし丸1日身体を休ませると何とか回復した。日曜日の夕方、拓海は芽美を連れて近所の蕎麦屋におもむく。静かな監禁調教部屋内で芽美が歩くときにリンリンという、かすかな鈴の音が聞こえる。この音が外出時にはどの程度聴こえるかの検証だ。
検証の結果、屋外ではその小さな音は多くの場合、街の騒音や風の音に遮られて聴こえないことがわかった。
「ふふ、これで安心して外出できるな、ヘドネー?」
「こんなピアスをつけさせるなんて酷いご主人様ですわ」
戻ってきて興奮したマゾ牝奴隷妻のおねだりに応えて、二人は天蓋つきベッドで後背位でセックスしている。拓海が突きを放つたびに股間の小さな銀色の鈴がリン、リンと音を立て芽美の被虐心を高める。数分後、防音性能の低い寝室であるにも関わらず、堪えきれずに大声で叫びながらあえなく絶頂に達して、奴隷妻は恥ずかしがりながらも幸せな気分に浸るのだった。
このように、芽美は今、拓海ご主人様のマゾ牝奴隷妻『桐原・Ἡδονή・芽美』として隷従心と愛欲心が満たされた幸福な毎日を過ごしている。
まず、拓海の住居の家事を手伝うことになった。きっかけは帰国して10日後の週末に芽美が訪れたとき(帰国して最初の週末は二人とも忙しかった)、あまりにも散らかっていたことによる。
もともと“妻”となった自分が家事をやるのは当然と思い、帰国する飛行機内でナターシャがどうやっていたのかを拓海ご主人様に質問してみた。すると実はナターシャが給料をもらわずに家事をやっていたこと、その代わりに4階の部屋を格安で借りていたことが判明した。
「そんな近くに住んでいたなんて、同棲していたようなものじゃない!」
ファーストクラスの静かなスペースに芽美の怒りの声が響きわたった。ナターシャにライバル意識を持つ芽美は自分がその部屋に住むと主張したが、その部屋はすでに割の良い家賃を払う上客と契約済みとのことで泣く泣く諦めた。そんなこともあり、芽美が拓海の住居に半同棲状態になるのに時間はかからなかった。
夕食を作って一緒に食べて片付ければ、それだけで相応の時間がかかる。それだけでなく芽美が残業で遅くなることもあったし、拓海が帰宅するのは残業した芽美以上に遅く、深夜になることも多かった。夕食を作りに寄れないときには、朝食を作るために早起きして出勤前に立ち寄ることにしていたから、芽美が泊まっていくようになるのは自然な成り行きだった。
旅行前までは、拓海の住居に泊まる日取りは週末だけ、それも「メグの憩いの部屋」に監禁された状態で過ごしていた。それがこのように平日も頻繁に泊まるようになり、そのときは天蓋付きベッドで拓海と一緒に寝ることになった。
食事だけでなく、掃除と洗濯も本格的にこなそうと努めたが、限界があった。拓海の住居は贅沢な寝室と広い浴室、調教部屋、それ以外のキッチンや居間、トイレなどもあって一人暮らしにしては広く、加えて二部屋以上の事務所スペースもあった。いっぽう平日の夜、拓海の帰宅前に芽美が仕事を終えてから訪れてやれる清掃は限られていた。
洗濯は、もちろん洗濯機も乾燥機もあったが、乾燥機の使えない衣類や布団もあれば、アイロンがけが必要なものもあった。それにせっかく広いバルコニーがあるのだから、芽美としてはできるだけ日光にあてて干したかった。働いていれば週末にまとめてやることになるのだろうが、芽美は“週末のお楽しみ”を掃除と洗濯で潰したくなかった。
ナターシャがこなしていたのは家事だけではない。拓海の仕事の事務的なサポートもしていた。彼女にライバル意識を持つ芽美はそれもこなそうとしたが、保育施設でフルタイム勤務している身では時間的に不可能だった。
それでもがんばって無理な生活を続けたあげく、九月末に体調を崩して寝込んでしまった芽美は、迷惑をかけてしまったご主人様に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。思案したあげく体調が良くなると拓海にこんな提案をした。
「保育施設を辞めて、アルバイトをしながらナターシャさんがやっていたような仕事をこなします。」
拓海は反対した。せっかく働きながら勉強して資格試験に合格して獲得した職場を辞するのは、すぐに後悔することになるのではと言って。
芽美はこう即答した。
「面倒をみる対象が、子どもたちからご主人様に代わるだけよ。人一倍我儘でいい年なのに子どもっぽいご主人様の面倒を見るのはたくさんの子どもたちの面倒を見る以上に大変ですから、やり甲斐ありますし。それに・・・」
拓海の股間に手をやって、色っぽい目つきで上目づかいに見上げながら、こんなことを付け加える。
「ナターシャさんもいなくなりましたし、わたしも“妻”となったのですから、こちらのほうのお世話も、これまで以上にたっぷりとして差し上げないといけないもの。」
帰国して以後、普段、芽美はできるだけ大人びた上品な口調で話そうと努力していた。そのほうが妻らしいと思って。もっとも、夜の営みのときにはすぐに地が出てしまうのであるが。
保育士の仕事に未練は感じなかった。保育の仕事を選んだ理由は、子どもが好きというより、たくさんの子どもたちに頼られ先生と言ってもらうことで寂しさと自尊心を満たしかっただけのことに今の芽美は気がついていた。それよりご主人様にお仕えするほうが気持ちが高まり幸せを感じることができる。
拓海は自分に忠誠を尽くそうとする芽美の返答内容に満足した。
「わかった。期待しているよ、桐原・ヘドネー・芽美」
「はい、期待に応えてみせますわ、ご主人様!」
こうして保育施設を辞め10月から拓海の住居で同棲を始めた芽美は“マゾ牝奴隷妻”としてこんな一週間を過ごしていた。
月曜日。
天気は快晴で陽射しが暖かい。7時に起床すると、まずシャワーを浴びて身だしなみを整える。ご主人様には常にきれいでセクシーな自分を見て欲しいから。清楚なメイクと服装だが口紅は色濃く、胸ぐりは深くボトムスは常にミニスカート系。マニキュアとペディキュアもしっかりと塗っている。左手薬指にはスレイブリング。アクセサリーはそれだけ。目元の上手なメイクが美女に見られる秘訣だから、アイラインを時間をかけて引き眉毛や睫毛をマスカラやビューラーその他を使用して丁寧に整える。さらにカラコンで瞳を外国人風の翠色に変えているのが密かな芽美のこだわりだ。
鏡で身だしなみを確認すると朝食の準備と洗濯を開始。トーストにハムエッグに野菜サラダとスープといった簡単な洋食メニュー。調理途中でご主人様を起こし、シャワーを浴びているうちに調理を終わらせ一緒に食事。二人で一息つき、9時になるとご主人様は事務所で仕事を始める。芽美は玄関先でお見送り。
9時過ぎ。朝食の片付けを終えた芽美は次の家事にうつる。洗濯物を干し終わると室内の掃除と片付け、布団干し。週末の情事の翌日で寝室も調教部屋も浴室も乱れているから時間がかかる。
終わる頃には昼食の準備の時間。ご飯が炊き上がるとご主人様に連絡を入れる。仕事を切り上げるタイミングにあわせてボリュームのある肉料理を仕上げて一緒に昼食。拓海が昼寝をする間に後片付け。30分経過すると寝起きのコーヒーを用意し起こす。
外出するご主人様から事務作業の指示を仰ぎ、午後は事務所でデスクワークと来客対応。夕方になると洗濯物を取り込んで、午後5時を過ぎると事務所を閉め、拓海の帰宅時刻と夕食の必要性を電話で確かめてから買い物に出かける。
帰宅して夕食の下ごしらえを終えると、テレビをみたりメールやSNSの返信をしたりしながらご主人様の帰宅を待つ。
午後9時過ぎ。ご主人様からもうすぐ帰宅するとの電話がくるとメイクを整えメイド服に着替えて、浴槽にお湯を溜め始める。
帰宅したご主人様と一緒に入り、高級ソープ・オメガで鍛えたテクニックで自分の身体を使ってご主人様の身体を洗う。
先に上がって夕食の仕上げ。夜は焼き魚や煮物、酢の物、和え物など和風のさっぱり系の品目をそろえている。
風呂からあがったご主人様と夕食をとった後、後片付けを済ませデザートとドリンクを持って上階の居間でくつろいでいるご主人様の所へ。
メイド服を脱ぎご主人様に儀式にを乗り越え女神認定されたご褒美のダイヤ付きの赤い首輪をつけていただくと、その姿でお酒を飲みながら一緒に音楽を聞いたりDVDを見たりしてリラックスした楽しい時間を過ごす。
深夜0時になると寝る支度をして大きなベッドで一緒に就寝。ヴァギナ休息日の月曜日だからエッチはなし。
火曜日。
曇りがちな寒い天気。朝は月曜日と変わらない。しかし朝からご主人様が外出してしまったため、家事を終えた芽美は昼食を簡単にすませ、午後からは事務所で指示された書類作成とデータ入力をしながらお留守番。
午後3時。ご主人様からお電話が。
「ヘドネー、“準備”して待ってろ!1時間ほどで帰宅する!」
「かしこまりました、ご主人様」
だいぶイラついている様子。おそらく、クライアントさんからクレームがあったか、面倒な仕事を押し付けられたかのどちらかだろうと芽美は思う。
そんなご主人様とは対照的に芽美の返事が弾んでいるのはご主人様のストレス発散の道具として“使って”いただけるからだ。ご主人様がヘドネーと呼ぶのがそのサイン。
帰国して以降、ご主人様から日常では『芽美』、性行為のときには『ヘドネー』と呼ばれることが多くなった。旅行前までは『メグ』と呼ばれることが多かったが正式な妻となった私には子どもっぽいくてふさわしくないからとあまり使われなくなった。
『お前』と呼ばれることは時々ある。こう呼ばれることを嫌う女性もいるようだが芽美は好きだった。ご主人様がご自分のことを『俺』と表現するのだから対応する呼び方としては『お前』が正しいし、親しさが込められているようにも思う。
芽美も呼び方を変えた。まずご主人様について。旅行前までは日常では『拓海さん』、二人だけのときや性行為時には『拓海ご主人様』『ご主人様』と呼んでいたが、今は人前では『あなた』、二人だけのときや性行為時には『ご主人様』と呼んでいる。『拓海ご主人様』と呼ぶのをやめたのは、拓海だけが唯一の絶対的な『ご主人様』だから。
一方自分のことは性行為時には『わたし』『ヘドネー』、日常では『わたくし』と表現することが多い。
書類などに名前を記入するとき、公的な書類以外は『桐原 Ἡδονή 芽美』と記入する。名字だけなら『桐原』。
第三者に対しては、『夫』『妻』を使用している。例えば、二人で一緒に外出しているときにそれぞれの友人に偶然会って初めて紹介するような場合には、「俺の『妻のヘドネー芽美』」「わたくしの『夫の拓海様』」と表現する。ヘドネーの呼称に疑問を持たれたときには、洗礼名のようなものだと返答する。拓海様の『様』については一瞬怪訝な表情を浮かべる人もいるが、旦那を立てる古風な女性と思われるほうが多い。
家事も仕事のサポートも大事だが、夫でありご主人様である拓海の性欲処理は、マゾ牝奴隷妻である彼女にとって最も神聖な仕事だ。いや、単に性欲を“処理”するだけでは十分に役割を果たしているとは言えない。己の肉体をご主人様に思うままに使っていただいて好きなように射精していただいて性的満足感を存分に抱かせ、それによって日頃のストレスを霧散していただくまでがマゾ牝奴隷妻の役割。
その役割をしっかりと果たせたとき、芽美もまた大きな精神的満足感を得ることができた。そのためにはご主人様に自分への余計な気をつかわせてはならず、入念な準備が必要だ。
調教部屋のエアコンをオンにした後、軽くシャワーを浴びるために浴室へ行き服を脱ぐ。帰宅まで30分なら省略するが1時間なら女の嗜みとして浴びることにしている。
それでも時間がないから髪は洗わない。今の髪型はご主人様の好みに合わせて黒のストレートロング。伸ばし始めて間もないがそこそこの長さはある。
その髪を邪魔にならないようアップにまとめると、同棲を初めてから装着するようになった貞操帯を慎重にはずす。
PVCレザー製のTバックの形状のそれは、黒を基調に白いラインが枠を縁取り前後左右をストラップで留めるだけのシンプルなデザインで、鍵はつけられていない。
簡単に脱げそうなのに時間がかかっているのは、内側に向けて拓海の勃起状態のペニスを模ったグロテスクな黒いディルドが装着されているから、それもヴァギナ用とアヌス用の2本。
前の穴からむわりとした淫臭を放ちながらねっとりと糸を引いて取り出されるディルド。それに比べ後ろの穴から取り出されたディルドがあまり汚れていないのは、いつでもアナルセックスが可能なように芽美が適宜自分で腸内をきれいにしているからだ。
2本のディルドを取り外して洗うと、自分も5分でさっとシャワーを浴び身体の汚れを落とすと裸のまま脱衣所の隣の小さなメイクスペースへ移動し鏡を見ながらどんな身だしなみにするか検討。考えている時間はない。
アップにした髪を今日はポニーテールにまとめる。ご主人様の好きな髪形のひとつであり、簡単にセットできるから。ご主人様が荒々しい御気分なのであれば、生意気で下品でセックス好きそうな女を屈服させて犯したいのでは?そう考えてコスチュームは穴あきバストタイプの黒レザーのビスチェだけにする。
その代わり、真紅のルージュにキツめに見えるアイラインを引き、金メッキの安物の大きく下品なデザインの指輪を両中指に嵌め、同系統のイヤリング、ブレスレット、アンクレットを身につけて下品さをたっぷりと表現。
鏡を見て赤い首輪を嵌めながら、このファッションだと髪は下ろしたほうが似合うと考え直し、髪をまとめていたゴムをはずして後方に垂らす。洗ったディルドに潤滑ローションを塗り貞操帯につけて再装着する。寝室を通って監禁調教部屋へ移動。
温かく適度な湿気が保たれた調教室内に入ると仄かな明かりが灯る。部屋の奥に行くとGymnopédieをBGMに流し、自分がご主人様に犯されている様々な映像データの中からお気に入りのシーンを選んで無音で上映する。ご主人様に処女を奪われたとき、初めて絶頂を迎えたとき、温泉の帰りの野外プレイ、アナルヴァージンを捧げたときなど、多々ある思い出深いシーンの中で彼女の一番のお気に入りは、南の島での儀式でご主人様に焼印を押されたときのシーンだ。今回もそれを流す。
部屋の中央に戻ると、左足首・右足首・左手首・右手首の順にフックのついた金属製の拘束枷を嵌める。
続いて「nubile cunt・・・, luscious cunt・・・, sopping cunty・・・,rammy cunty・・・」と呟きながら香油“Tacki for prudish Meg”を両腕両脚・尻・バストなどの露出している箇所に軽く塗りこむ。
最後に左尻肉の『Ἡδονή 』(ヘドネー)の焼印のある箇所を愛しげにさすり、入念に塗りこんでマッサージを終える。
首輪から伸びる鎖の反対側の先を中央のポールに引っ掛けると、口の箇所だけ開いた黒いマスクを被る。最近「お前はただの“cunt”(オマンコ)なのだから顔が見える必要はないだろう」と言われ被るように命じられた。
被っていても途中からはずされることが多く、それでなくとも、女のプライドからも入念なメイクは欠かせない。ご主人様から彼女の顔は見えないが、薄い布地なので彼女からはマスク越しにうっすらと見える。
ポールより奥、最奥の壁に掛かっている映像モニターがよく見える位置に移動し、赤いピンヒールを履く。モニター側に頭、調教部屋のドアのほうに尻を向けて四つん這いになって頭を床につけて両手を背中に回して組むと、自慢の美巨尻を高々と掲げて準備完了。
マゾ牝奴隷妻は、時折頭を上げて焼印のシーンがリピート上映されるモニターに目をやりながら、性奴隷の口上を愛をささやくように気持ちを込めて甘く淫らに繰り返し唱えて股間をぐしょぐしょに濡らしつつ、ご主人様の帰宅を従順に待ち続ける。
愛するご主人様♪
今夜もマゾの私をお好みのままに奴隷調教してくださいませ♪
SMセックスの快楽で
ふだん上品ぶっている私に
メスの自覚を叩き込んでくださいませ♪
いつでもどこでもどんなときでも
淫らなわたしのお口・牝穴・お尻の穴を自由にお使いいただき
何度でも気持ち良く射精してくださいませ
それが処女を捧げてマゾ牝奴隷の契約を結び
牝妻降誕の儀の試練を乗り超え
悦楽の女神の名前を烙印されたわたくし
桐原・ヘドネー・芽美の幸せでございます
カチャリと音がして室内に灯りが漏れ入り空気が乱れるを感じるとすぐに元に戻るが人の気配を感じる。ご主人様がご帰宅されたよう。
でも、顔を上げて視線を向けたり話しかけたり命令なしに勝手な行動をすることは禁じられている。芽美はじっとしたまま詠唱を続ける。
ご主人様であろう人物は早足で芽美に近づいてくると尻の焼印を手のひらで一往復だけ優しく撫でさする。芽美にはその感触だけでご主人様であることがわかり、嬉しさに身体をピクリと震わせる。
ずっと繰り返されてきた赤い首輪と香油とGymnopédieと詠唱による自己暗示の効果は抜群で、すでに芽美は激しく発情しきってご主人様に性欲処理の道具として使われるのを今か今かと待ち望んでいる。
背中で人差し指同士を引っ掛けたて繋いだ状態の芽美の両手にご主人様が指を当てる。命令に背いて股間に手をやっていないかチェックするためだ。
マゾ牝奴隷妻となって同棲を始めた芽美は、この体勢で初めて待機させられたとき、ご主人様の帰りを待ちきれずに股間に手を伸ばして激しくオナニーして絶頂してしまった。
一本鞭の懲罰を受け貞操帯を嵌めて待つことが命令に加えられたのだが、それでも手を股間に伸ばして貞操帯の上からクリトリスを愛撫してしまうのを止められなかった。
そこで拓海は一本鞭とグリセリン浣腸というダブルのさらに厳しい懲罰を与えた。そして両手を組んで待つことも待機姿勢の条件として加え、「手に愛液の匂いがするようなオナニーの証拠があれば罰として1ヶ月間お前を犯さず、その間は真理愛か誰か他の女で性欲を処理する」と宣言され、ようやく待機中のオナニーを我慢できたという経緯があった。
四つん這いで頭を下げ尻を高くかかげた姿勢の女から貞操帯がはずされる、いや漏れ出る愛液でデルタゾーンにネチネチと張り付いているから“剥がされる”というほうが正しい表現だろうか。二穴に残る二本のディルドがご主人様の手でぐねぐねと動かされる。芽美は「あん、あん♡」と溜息をつきながらも詠唱をやめない。やめろとは命じられていないから。
「ヘドネー、今日はどんな順番で使われたい?」
―ああ、今日は質問したいご気分なのね―
ご主人様はそのときの気分次第で無言で挿入してくることもあれば、このように尋ねてくることもあった。だがマゾ牝奴隷妻としての返事は決まっている。
「ご主人様のお望みのままに使用してくださいませ」
続いて次の質問。
「ヘドネー、今日はどこに出されたい?」
答えはもちろん一緒。
「ご主人様のお望みのままに射精してくださいませ」
芽美は本心では口内でも直腸内でもなく、膣内に射精して欲しかった。まだ口に出したことはないが、妊娠したら拓海の子どもを生んでもいいと思っていた。拓海の精子では妊娠する可能性が極めて小さいとのことだから、できるだけたくさん子宮内に精液を注いで欲しいと思っていた。
芽美にそんな気持ちが芽生えたのは、あの旅行の後からだ。日本では正式に認められないとはいえ、あの“国”で拓海ご主人様と自分は確かに結婚した。結婚しても子どもを作らない夫婦もいるが、拓海に調教されるまで保守的な性行為・貞操観念の持ち主だった芽美にとって、結婚とはやはり、愛する夫の子どもを生み育てるためにするものであり、不本意ながら、今や芽美は拓海のことを愛してしまっていたから彼との子どもが欲しいという気持ちは純粋で偽りはなかった。
加えて最近、子どもが欲しいという理由が増えた。10月中旬頃、芽美のメールアドレスに気になるメールが届いていたのだ。フリーアドレスで迷惑メールに分類されていたせいで、気づくのが数日前まで遅れてしまった。
迷惑メールに分類されても中には重要なものもあったりするので、2週間に一度程度の間隔でタイトルと送り主のアドレスをさっと確認するようにしている。そのチェックにとあるメールが引っかかった。
まずタイトルにmegumiugakiという自分のフルネームが入っていた。続いてアドレスをみると見たことのないアドだが、.ruというドメインが気になり調べるとロシアのものであることがすぐにわかった。ロシアに住んでいて自分のフルネームを知っている人物といえばナターシャしかいない。
慌てて本文を開けてみると文字化けしていて読めない。ロシア語が表示できるよう設定したら読めるようにはなったが、ロシア語で書かれた文章の意味がわからない。
長々と書かれた文を自動翻訳にかけてみても、例によって意味不明な日本語訳。一つひとつの単語の意味から調べようとしても、辞書の引き方からしてわからない。
ロシア語がわかる知り合いなんて拓海ご主人様しかいないし、彼に見せることには不安を感じる。
ネットでロシア語の文法の基本を調べ、四苦八苦して解読し、ようやくこのような内容であることがわかった。
―私は女としての賭けでライバルであるあなたに勝った。あなたから拓海を奪うのは申し訳ないが、せめて私の生活が落ち着くまで拓海の面倒を見て一緒に暮らすことで彼との思い出を作ってほしい―
そんな文章に続いて、拓海に代わって家事をこなし仕事を手伝うときの注意事項とセックスのときのアドバイス、セックステクニックのポイントなどが詳しく記されているようだった。
全体を通じて自分の翻訳にまったく自信が持てず、あまりの難解さに途中から翻訳自体を諦めてしまったが、最初の一文だけはほぼ正しく訳せたと芽美は思う。その婉曲な表現の意味するところは恐らく・・・。
恐怖に駆られた芽美はそのメールをゴミ箱に放り込み完全に消去すると、ナターシャに負けないよう愛の結晶を願ってご主人様の性的な欲求に全身全霊で応え、慎みを忘れてこれまで以上にセックスの快楽に溺れていった。
その背景には、芽美が島国での試練の儀式を最高評価で乗り越え、テアー(女神)認定され、「ヘドネー」という性的快楽を司るギリシャ神話の女神の名前であり古代ギリシャ語で“悦楽”を意味する新たな名前を獲得したことも大きく影響している。
一言で言うならば、「三つ子の魂百まで」そして「名は体を表す」ということわざの通りということだ。
すなわち、芽美という名前には25年間の人生で培われた性に関する良識や自制心が篭もっている。拓海は芽美をマゾ牝奴隷“メグ”と呼ぶことで、それらの抑制心から解き放とうと試みたが「三つ子の魂百まで」というとおり、それには限界があった。
しかし、芽美は『ヘドネー=悦楽』という自らの力で獲得した新しい名前を呼ばれると、尻に刻まれた烙印が熱をもって疼きだし、心中で女神ヘドネーが「もっと淫らになっていいの」「もっと情熱的になっていいの」「もっと自由になっていいの」と語りかけてくる幻覚に襲われる。
そして「名は体を表す」というとおりに、“芽美”としての限界を突破して自らの性的欲望を100%解放し、思う存分セックスの快楽を堪能し悦びを赤裸々に表現することができてしまうのだった。
そういうわけで芽美は膣内射精を望んでいたが、拓海ご主人様は気まぐれだった。帰国した直後の一ヶ月間はお互いに忙しくて週末を含めて会う時間を作れずにセックスの回数も少なかった。しかし同棲を始めてからは1ヶ月経過していないにもかかわらず、すでに結構な性的接触を重ねていた。
どこに射精したかを正確に記録しているわけではないが、芽美の記憶だと一番多い射精場所は口内、次が膣内、そして直腸内、その他(顔、腹、背中)の順番で、ざっくりいうと4:3:1:2の割合だった。
口内が一番なのは、仕事の休憩中やドライブの途中、朝立ちの解消など、ちょっとした合間にフェラを命じられることも多いから納得の割合だ。
直腸内への射精が少ないのはアナルセックスの回数自体が少ないことに起因する。あれだけ時間をかけてアナル開発しアナル処女を奪ったのにと不思議に思い尋ねたところ、嫌いではないが、準備や後の処理の面倒くささや、衛生上の問題で最後のお掃除フェラをさせられないなど他の行為に制限がかかったりするから敬遠してしまうとのこと。
その他の割合は多めにみて2割という数字。となれば、口内の割合を減らして膣内を増やすのが最も効果的ということになる。
そういうわけで、芽美はいつでもすぐにヴァギナにご主人様の男根を迎え入れられるような服装をし、ヘドネーと呼ばれるとすぐにヴァギナを濡らす自己暗示を必死にかけた。
また、挿入されたときにそのまま射精に導けるように、膣トレーニングで締めつけを強めた。
そして本番では、これまで以上に淫らな嬌声を上げ、甘い言葉で種付けをねだり、正常位や対面座位のときは手足をぎゅっと絡ませ後背位のときは尻を淫らにうねらせ騎乗位のときには腰を激しく振ってそのまま射精に導こうとするのだった。
―今日は相当イラついていらっしゃるけれど、どうなさるおつもりなのかしら?―
そんなことを思いながら詠唱を続けていた芽美の2穴からディルドが力任せに引き抜かれると尻の肉を両手でわしづかみにされて左右に広げられる。その中心のぱっくりと開いてもの欲しげにヒクヒクと蠢いている牝穴に、拓海のコマンド命令が聞こえると同時にいきり立つ剛直が勢いよく突き込まれ、芽美は思わず大きな嬌声を上げる。
「Cry!」
「ああんっ!」
マゾ牝奴隷妻は両手を背中で組み頭を床につけて尻を捧げるように掲げた後背位の屈辱的な姿勢で激しく責め立てられ喘ぎながらも、黒いマスクから唯一見えている真紅のルージュが塗られたぽってりとした魅力的な唇を開いて必死に淫らなセリフを紡ぐ。
ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!
「あん、あん、あんっ!ご主人さまっ!今日もマゾ牝奴隷妻ヘドネーの牝穴を使っていただいてありがとうございますっ!」
ジュブッ!ジュブッ!ジュブッ!
「あん、あんっ!牝妻ヘドネーのっ・・・あんっ・・・今日の使い心地はいかがかしら・・・あんっ!」
その答えに抜き差しをますます激しくさせる拓海。
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
「あっ!あっ!あっ!・・・イイ、わたくしも気持ちイイですわっ・・・ご主人さまぁっ♡・・・アアン、アアン、アアーンっ!♡」
ジュブジュブジュブーッ!ジュブジュブジュブーッ!
拓海の突きに早さだけでなく深さが加わり、芽美は心中で悦楽の女神ヘドネーの幻の声を聴き、女神の許しを得て慎みを忘れて品のないセリフを声高に口にしてご主人様の興奮を煽りたてる。
「アアン、アアン!♡・・・すてきっ・・ご主人様のオチンポっ!・・・イイわっ、オマンコすごくイイっ!・・・ご主人様の逞しいオチンポで激しく犯されてっ・・・とってもイイですわっ!・・・アアーン、きもち、イイわーッ!♡」
叫びながら自慢の美巨尻を小刻みに揺すりたてて内部の剛直を刺激し、さらに膣壁を締めたり緩めたりして射精を促す。
「おっ、いいぞヘドネー!」
ジュブーッ、ジュブーッ、ジュブーッ!ジュブーッ、ジュブーッ、ジュブーッ!
両手を尻肉から離して肉棒と肉壷だけで接する状態で、深くゆっくりとしたストロークで芽美の尻の動きと膣トレーニングの成果を楽しんだ後、腰を掴み高速ピストン。
ジュブジュブジュブジュブジュブジュブッジュブッ!
「アッアッアッアッアッアッアッアッアッアッアッ!」
ジュブーッ!
最後に深い突きを届きうる最深部、つまり子宮口に放つと、無言で射精。子宮内に熱い精液が大量に注がれるのを感じて芽美は嬉しそうに叫ぶ。
「アアーーーーーーーーン!♡」
ヴァギナから引き抜かれた男根はまだ8割ほどの勃起状態だった。芽美は拓海ご主人様のイライラが一度の射精ではまだ解消されていないようだと判断し、白濁した精液と愛液でベトベトに汚れている男根にお掃除フェラするのを躊躇してしまう。
するとご主人様に鎖を引っ張られ引きずられるように部屋中央まで連れて行かれ、天井から釣り下がるフックに左右の手首の拘束枷を嵌められ、するするとロープが巻かれて両手を挙げた立ち姿で吊り下げされる。足先がギリギリ床につく高さだ。
拓海は芽美にボールギャグを噛ませると背中からバラ鞭で10回ほど叩くともの足りないのか一条鞭に持ち替えて、さらに10回ほど打つ。
ヒュンと風を切る音にビシーッという皮膚を切り裂くような音が続く。尻と背中の皮膚に赤い線上の鞭の痕跡が浮かび上がる。
激しい痛みに耐えかねて芽美は体をくねらせて。ギャグの隙間から意味不明なくぐもった叫び声を上げて泣き叫び、気を失ってしまう。
それでも秘所からはこんこんと淫蜜が湧き出し、瑞々しい潤いを湛えたままだ。鞭を置き前方に移動して気絶した状態の芽美の脚を両脇に抱え、対面立位の体位で黒いマスクとギャグを装着されたままのマゾ牝奴隷妻のヴァギナに鞭打ちの嗜虐的な興奮で完全な勃起状態を回復した男根を挿入し、ゆるゆると犯す。
牝妻が意識を取り戻すと天井のフックから両手首の枷をはずし、鎖を引いて引っ張りながらモニター前のミニソファに座り、ボールギャグをはずして命じる。
「Blow job gently !」
マゾ牝奴隷妻が足元に座り込み、黒いマスクを被らされたたままフェラチオマシンと化しておしゃぶり奉仕を開始する。
ご主人様から教え込まれた基本的なテクニック、ウェブサイトやAVを見て学んだ玉石混合のテクニック、高級ソープ嬢であるナターシャの奉仕を見て盗みとったプロのテクニック、里奈や真理愛といった百戦錬磨の上級者達に尋ねて伝授された個性的なテクニック。
それらが何回もの実践の中でブラッシュアップされ、今や芽美のおしゃぶり奉仕は、拓海ご主人様好みの最適な内容にカスタマイズされている。
自分を悦ばせるためだけのオンリーワンに昇華されたフェラチオ性技を愛情を込めて駆使して献身的に奉仕する牝妻ヘドネー芽美。
しかし拓海は、傲慢にもそんな芽美を全く無視し、ソファの背もたれに身体を預け斜め上を向いて視線を遠くに向けて、クライアントへの不満や悪口・仕事の愚痴・弱音から仕事の見直しの内容・今後のスケジュールなどを延々ブツブツと呟き続ける。拓海が日ごろ鬱積した心の澱(おり)を浄化するためのカタルシスの時間なのだ。
芽美の熟達したおしゃぶりで沸き起こされる快感は大きいが、命令どおりに穏やかなレベルに抑制されているから射精に至ることはない。芽美はご主人様が内心を吐き出し今後の仕事のスケジュールをまとめ終わって呟くのを止めるまで、ずっとフェラチオ奉仕を続けなければならない。
それはいつも概ね1時間にも及び、終わり頃にはくたくたになっている。しかし芽美は実はこの時間が好きだった。なぜなら、ご主人様が愚痴や弱音を聞かせてくれるということは“妻”として認められ心理的距離が近くなったように思えるし、自分のフェラチオ奉仕がご主人様のカタルシスになっていることが“妻”として大きな役割を果たせていて、とても嬉しかったから。
「Stop!」
芽美がフェラチオを止めて顔を上げるとマスクが剥がされる。鞭打ちのときに泣いてしまったし、汗もたっぷりかいたからメイクが乱れて酷い顔に違いなくて恥ずかしい。でも、ご主人様の顔を見ると、最初の頃にあった険がとれて穏やかな表情になっている、嬉しい。
「Sitting!」
ご主人様がひざをポンポンと軽く叩き、鎖のリードをクイクイと引っ張る。芽美は命令に従いご主人様のひざに跨り屹立する男根を膣内に迎え入れてご主人様の首に両手を回して対面座位の体位で結合する。
「ありがとうヘドネー、今日も助かったよ。」
そう言って両手を背中に回してきた拓海ご主人様に抱きしめられてキスをされる。芽美はこれまでの献身を慰労されて泣き出しそうになるが、グッと堪えて大人びたセリフを述べる。
拓海が芽美をムチ打ったことを謝罪することはないし芽美がそれを酷いと思うこともない。ご主人様として当然の権利だから。
「いいえ、お役に立ててなによりですわ、ご主人様」
そしてこうつけ加えて顔を背ける。
「あまり見ないでください、化粧が乱れて恥ずかしいです・・・」
「それほど乱れてはいないから大丈夫さ。それにせっかく俺のためにばっちりメイクしてくれたのだから、ご主人様としては鑑賞してあげる責務があるのではないかな?look!」
命令されて芽美は仕方なくご主人様と視線を交差させる。
「乱れた表情もセクシーだよ、俺との情事で乱れたと思うと興奮するね。」
そう言って頬を撫でるご主人様に芽美は、やっぱり酷い顔なんだ、と思う。
「生意気そうな女を罰して奉仕させたいという俺の嗜虐的な気分を察して派手でキツめなメイクにしてくれたのだろう?メイクだけでなくファションも?」
芽美のコスチュームは穴あきバストタイプの黒レザーのビスチェ。化粧は真紅のルージュにキツめに見えるアイライン。それに金メッキの安物の大きく下品なデザインの指輪、イヤリング、ブレスレット、アンクレットをじゃらじゃらと身につけている。
「はい、お気に召していただけましたか?」
「ああ、俺の気持ちが良くわかっている。できの良いマゾメスご褒美をあげないといけないな。」
褒められた芽美は赤面しながら弾んだ声で返答する。
「お褒めいただきありがとうございます、ご主人様!」
拓海が腰をゆるゆると動かし、芽美は隷従心と悦楽で潤む双眸を拓海に向けたまま膣内を優しく刺激するご主人様の男根の感触を楽しむ。
GymnopédieのBGMの音だけが聴こえる密室で夕方のスローセックスを愉しむご主人様とマゾ牝奴隷妻。お互いに言葉を発せずとも思いは通じあっているようだ。
見つめあう二人の顔がどちらからともなく近づき、互いの口を貪り始める。BGMにピチャピチャ、クチュクチュといったディープキスの淫らな音色が混じる。
どちらからともなく口を離すと唇の間を唾液が糸を引き、ツーと床に垂れ落ちる。
「ヘドネー、どんな体位でイキたいかい?」
答えはやはり決まっている。
「ご主人様のお望みのままに」
しかし言葉とはうらはらに、芽美はご主人様の命令を待たずに膝から下り床にあおむけに横たわってそれぞれの腕でそれぞれの脚の太腿を抱えて、いわゆる“まんぐり返し”の体位になる。
何事にも本音と建前、TPOといったものがある。今はご主人様が奴隷の望みを適えてやりたい気分なのであるから、自分の願望を率直に表しておねだりすることがご主人様を満足させる行動であることを、優秀なマゾ牝奴隷妻である芽美は理解していた。
そんな芽美に、しょうのないやつだな、とでも言いたそうな表情を見せると、拓海はソファから降りて芽美に覆いかぶさり、潤いを湛えている蜜壷に逞しく屹立する男根をあてジュブジュブと沈みこませていく。
最初は浅いストロークで膣の入り口付近をカリで引っ掛けて擦るようにして刺激する。次第にストロークを深めて角度もできるだけ変えて膣内全体を突く時に亀頭で押すように、引く時にカリでめくりあげるように意識しながらまんべんなく刺激する。
そして芽美が期待しているであろう、やや中ほど上部のざらざらした箇所ーGスポットを先端で突いてはカリで擦るような規則正しい中スピードの動きに移る。
まんぐり返しの体位は両者の角度的にGスポットを責めやすく責められやすい。芽美がこの姿勢をとったのも、もちろんそのためだ。
「アーン!アーン!アーン!」
この頃には芽美は我慢できずにGymnopédieが聴こえなくなるほどの大きな嬌声を上げ続けている。
子宮口を責める前の前座としてストロークを弱め、視線の先で小さいながらもピンとそそり立って忘れないでと主張している両乳首や、包皮から顔を出して愛液で濡れ光るクリトリスを弄ってもて遊ぶ。
クリを指ではじいたり、乳首を捻ったりするたびに芽美は身体をピクリとさせてアンアン喘ぐ。
芽美の頬には赤みが差し半開きになった口元からは涎が垂れていて時々ピンクの舌がチロチロと見え隠れする。汗で前髪や耳にかかる髪がおでこや頬に張り付いている。
瞳の奥には欲情の炎が揺らめき、熱の篭もった視線をご主人様に向けている。焦らさずにもう絶頂させて欲しい、牝妻のそんな気持ちが伝わってくる。
「ご主人様をせかすなんて、躾けのなってない淫乱メスだな!」
そう言って拓海は芽美のバストをお仕置きとばかりに力任せにギュッ、ギュッと揉みしだくと、可愛い愛奴の求めに応じて、いよいよ最後の責めに移る。
「あーん、申し訳ございませんご主人様!でも、もう我慢できないのぉ~」
「わかったわかった、マゾのお前が満足するくらい乱暴に犯してやるから、俺にしっかりとつかまってちゃんと受け止めるんだぞ!」
「かしこまりましたご主人様!」
芽美は太腿から手を離すと、脚をそのまま拓海の腰に巻きつけ、両手を拓海の背中に回して抱きついて身体をしっかりと固定する。ご主人様の顔が近い。
「イク直前になったら中出しをおねだりして、イッたら俺にキスするんだ!」
「はい、ご主人さまっ!きてっ!」
芽美の返事とともに拓海の激しいストロークが開始され、剛直の先端が芽美の子宮口めがけて何度も何度も素早く突き込まれる。
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!ジュブジュブジュブッ!
芽美は潤んだ瞳でご主人様を虚ろに見上げ、快感の嵐に飲み込まれてただひたすらスタッカートの喘ぎ声を響かせる。
「アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!アッ!」
これまで十分に官能を燃え上がらせていた芽美の限界は早かった。心中から快感の爆発の予兆を感じ取りご主人様に告げる。
「拓海ご主人さまっ!もうすぐイキますっ!」
「どこに出して欲しいんだっ?!」
「ああッ!ごめんなさいっ!中にだしてっ!わたしの子宮めがけて射精してっ!マゾ牝奴隷妻ヘドネーに種付けして、ご主人様の子どもを孕ませてくださいませっ!」
「いくぞっ!!」
その掛け声の直後に、ズブリと深く最後の一突きが芽美の子宮口をえぐり、先端から熱い精液がドクドクと噴出する。それを受けて芽美もまた激しい絶頂に達する。
「ああっ!・・・イッ、クウウウウウウウウウウウ~!!!♥」
ご主人様にぎゅっと抱きついたマゾ牝奴隷妻の口が大きく開き、エクスタシーの叫びが発せられる。叫びが収まると、命令どおりご主人様の口に無我夢中でむしゃぶりついて舌を差し込んで舐めしゃぶる。膣内ではまだ、最後の一滴まで精液を搾りとろうと膣壁がキュウキュウと愛しい男根を締め付け襞がやわやわとまとわりついている。
その間もドクリ、ドクリと射精が断続的に続く。想定外の芽美の種付けおねだりのせいで、拓海の射精時間も量も、いつもより遥かに多かった。
射精が終わり、拓海がペニスを引き抜き芽美の隣に自分の身体を横たえる。
「はぁ」「ふぅ」
二人で同時に満足そうな溜息をつき、目をあわせて再び同時に笑う。
「「ふふふ」」
室内に響く音がGymnopédieのBGMだけとなり、穏やかさが戻っている。
「俺の子どもが欲しいのかい?前は絶対やだ、死んでやるとか言っていたくせに?」
「ご主人様のいじわるっ!前とは立場がちがいますわっ!妻となったのですからご主人様の子どもが欲しくてもおかしくはありませんっ!」
照れくささを誤魔化そうと早口で述べ立てる芽美。
「そっか、できるといいな・・・」
そういうご主人様の口調は寂しげで、芽美は気まずい空気を変えようと身を起こし、無言でお掃除フェラを開始するのだった。
しばらく休んだ後、拓海は芽美のムチの傷を治療してから風呂に入り、事務所でイベント計画書の修正に入る。
芽美は調教部屋内の片付けと清掃をした後、風呂に入るがムチの傷に配慮してシャワーだけにとどめ、夕食の準備をする。買い物に行く時間がなかったから、ありものの食材を使い、簡単にできて短時間で食べられるミートソースパスタと缶詰のポタージュスープ、野菜サラダ、冷凍食品の春巻きというメニュー。
二人で夕食を取ると拓海はすぐに仕事に戻り、芽美も食器の片づけを終えると拓海の仕事を手伝う。
深夜2時をまわった頃、修正がようやく終わると、疲れきった二人はそそくさと寝る仕度をして天蓋付きベッドに並んで横たわるとすぐに眠りに落ちた。
水曜日。
ご主人様は7時に起きると、時間がないからと朝食を取らずに慌しく車で出張に出かけた。栃木県内だが明日も打ち合わせが続くから、帰りはおそらく明日の夜になるとのこと。
二度寝して目覚めると10時。天気が良いので布団を干して洗濯機を回してから朝食。一人なのでフレンチトーストを焼いて紅茶を飲む。洗濯物を干し終わると事務所の配達物や留守番電話、メール・FAXをチェックする。残念ながらご主人様に緊急に連絡する必要性のある案件はなかった。浴室と寝室、ダイニングキッチンの清掃に入る。
終えたときに午後2時をまわっていた。お腹が空いたので、肉と野菜がとれて夜も食べられる豚汁を作り、冷凍しておいたご飯を温めて食べる。
午後3時。10月下旬ともなれば日が落ちるのはあっという間だから、干していた布団と洗濯物を取り込む。秋晴れの乾燥したお天気だったため、しっかりと乾いていた。寝室に布団を運びベッドメイキングし、洗濯物を畳んでしまい、ワイシャツにアイロンがけをする。事前の連絡なしに事務所に来客があることはまずないから、事務所のドアに鍵をかけて放っておけばいいと言われている。
午後4時。事務所でご主人様に頼まれた資料作成。急ぎではないから時間ができたときにやるように指示されている。マゾ牝奴隷妻としての芽美の仕事の優先順位は①ご主人様の性欲処理②家事③事務所の雑務④仕事のサポートという順番だ。
午後5時。事務所のPCを使ってのんびり資料作成をしていると、優斗からSNSメッセージが届いた。『また振られてしまいました!今晩ヤケ酒につきあってくれませんか?(泣)』という内容。奴隷妻となって帰国してからも、彼とはご主人様の了承を得て定期的にメッセージ交換をしている。温泉宿でのことも罪の意識に駆られてこわごわ打ち明けてみたが、ご主人様はそんな理由なら仕方ないと笑って許してくださった。
―そういえば、院試の合格祝いがのびのびになっていたわね―
9月の上旬に合格発表があったらしく、帰国した芽美に弾んだ声で電話をしてきて合格したことを告げられた。その時にお祝いしてあげると約束してしまったのだが、忙しくて忘れてしまっていた。そんな後ろめたさとご主人様が不在の寂しさもあり、優斗のヤケ酒に付き合うことにする。
『かわいそうだから付き合ってあげるわ、合格祝いも忘れてないから。失恋の傷が癒えた頃に改めてお祝いしてあげる』と返信し、ご主人様にも『優斗君がまた振られたそうなので、今晩ヤケ酒に付き合ってきます』と事前にメールしておく。ついでに妹の琴美にもSNSメッセージで『元気?最近どうしてる?』と送ってみる。
優斗とご主人様からはすぐに返信が来た。ご主人様からは簡潔に『了解、慰めてあげなさい、キスまでなら許可する』とのどこまで本気なのかわからない返事。
優斗からは『ありがとうございます!午後7時に銀座の○○というお寿司屋さんで待ってます!』という内容。お店は有名な高級お寿司屋さんだ。おそらくデートの後で二人で一緒に行く予定で予約を入れておいたのだろう。『わかった、でも私とのデート代は高いわよ?よろしくね♡』と冗談まじりに返信すると『わかってますよ、僕が奢ります』とのこと。ちょっとムッとしているとすぐに訂正が届いた。
『わかってます、は失礼でしたね(汗)お忙しいところを急に来ていただいてヤケ酒におつきあいしていただくのですから、僭越かもしれませんが僕がご馳走させていただきますよ←これでどうですか?』
―うん、彼もわかってきたわね―
『いいんじゃないかな♪でも、あんまりへりくだりすぎるのも慇懃無礼になっちゃうから気をつけて!じゃあ後で』と返信し、5時半を過ぎているから急いで出かける準備に入る。
琴美からの返事はなく既読もつかない。今年度から就職した妹は会社が終わる定時が午後5時半だったから忙しいのかもしれないと自分を慰める。
帰国してから琴美と会ったのは一度だけ。忙しさにかまけて連絡を怠っていて、保育施設を辞めるときもSNSで簡単に伝えた。すると琴美から電話がかかってきて会って理由を説明して欲しいと言われたので、会って事情を説明したところケンカになってしまった。
その後こちらから電話をかけて再度話したが、なんだか他人行儀でよそよそしかっただけでなく、困惑しているようでもあった。それ以来、妹とは話していない。
そういえば仲の良くない母はもちろん、父とも話をしていなかった。家族以上に大事な人ができれば話す機会が減るのは自然なことだと思い、気にはならなかった。
午後7時を少しまわったところで待ち合わせの寿司屋につくと優斗がカウンターで待っていた。彼の服装は、Vネックの白と濃い緑色のボーダー柄のセーターに赤茶色のタイトストレートパンツを合わせ、Vネックからは黒いインナーが覗いている。
いっぽう薄手のクリーム色のコートを脱いで隣に腰掛けた芽美の服装は、Vネックの白とオレンジ色のボーダー柄のセーターにボルドー色のサーキュラースカート。首にはペルシャ柄の薄いオレンジ色のスカーフを巻いているが、優斗の頭の位置からだとVネックの内側の胸の谷間が覗けてしまえそうだ。
Vネックボーダーセーターといい、上下の色合いといい、期せずしてペアルックの装いになってしまっていて、芽美は彼とは気が合うと親近感を感じる。
酔って失恋話ができるようなお店ではないので、ビールを1杯注文し優斗のお勧めに従い握りを10カン美味しくいただくと、会計を(優斗がカードで)済ませそそくさと店を出て、芽美が女子会で何度か利用したことのあるカジュアルなダイニングバーに移動。ようやくリラックスして優斗の話を聴くことができるようになった。
話をまとめると、優斗が芽美の先輩に振られた理由は大きく3つあった。一つには、優斗が彼女の話をあまり聞かずに自分の興味ある話、植物の話ばかりしてうんざりされたこと。二つには、優斗が彼女のルックスや服装よりもFカップの大きなバストにばかりに注目して性欲の対象としか見ていないように思われていたこと。三つめ、振られる直接のきっかけとなったのは、大学院に合格して来年4月に関西に引っ越すことを今日の昼間に初めて彼女に伝えたことだった。
「優斗に悪気がないことを私は知っているけれど、先輩としては、自分のバストにしか興味がなくて、仮にエッチをするような深い関係になったとしても来年4月には遠くに行ってしまうのなら、単にヤリ捨てできる女の子を欲しがっているだけに感じられたのかもしれないわ。先輩のことはきっぱり諦めて、君のことをちゃんとわかってくれる女の子を見つけなさい、わたしのようにね、なーんて」
「えー、芽美おねーさんみたいな痴女はいやだなー」
「なに言ってるの、清純そうな女だって内心では何を考えているかわかったものじゃないわよ。それにバストばかりみて振られた変態君に言われる筋合いはないわねぇ?」
「それはそうですけど・・・僕はべつに芽美おねーさんみたいな貧乳タイプも嫌いじゃないですですけど・・・まだ新しい恋愛をする気になんてなれないんでしょう?」
「失礼な!これでもCカップはあるのよ、それもDに近い!小柄でトップバストが84センチしかないから大きくはないけれど・・・新しい恋愛は、そうねぇ・・・」
彼氏を事故で失ったとウソをついていることが心苦しく言葉を濁し話題を転換する芽美。
「まぁ、暗い話は止めておいて合格祝いの件を相談しましょう。旅行のあと引越しと転職をしてようやく落ち着いてきたところなの。そのせいで君に恋愛のアドバイスをする余裕もなくて・・・もう少ししたら時間が読めるようになると思うから月が替わったら私から提案するから、連絡を楽しみに待っててね?」
「わかりました!そういえば海外旅行に行ってたんですね?酷いなぁ、お土産期待してたのに・・・」
「あれ?私達ってそんな親しい間柄だったっけ?」
「ああっ、冷たいな~、で、どこへ行ってきたのですか?」
「よくぞ聞いてくれました!実はね・・・」
芽美のモルディブ旅行の話(女友達との旅行とウソをつき婚姻儀式のことは隠した)から優斗のタヒチ旅行の話になり、南の島の植物の話になり、おみやげの紅茶の話から植物の話になり、結局は優斗が植物の話を芽美のその場限りの興味本位の質問のままに語ることになった。
最初の出会いで強引に優位に立ったため、芽美にとって優斗は先輩風を吹かせて気楽に話せる心地良い異性だった。優斗への気持ちに好意はあっても恋愛感情ではなく、頼りない弟を見守り支える姉のような感情だった。だからこそ優斗の身体に気楽に触れることができた。
酔いが深まるに連れて優斗に身体を寄せて肩や太ももに触れるようになり、帰り際に「芽美おねーさんがこうして慰めてあげるから元気出しなさいねっ!」と言って優斗を抱きしめて頬にチュッとキスをした。
芽美にとって、その行為に冗談交じりの慰め以上の深い意味はなかった。だから、未だ童貞でやや思い込みの激しい優斗がその行為をどのように受け止めるのか気がつくことはできなかった。
優斗と有楽町駅で別れて夜11時半過ぎに帰宅すると、ご主人様に今夜のことを報告してシャワーを浴びて眠りに落ちた。
木曜日。
曇り。朝起きるとご主人様に電話し帰りの予定を尋ねる。深夜になるとのこと。夜は美咲と里奈の飲み会の予定があることを事前に話してあったが、そういうわけで早く帰る必要はない、存分に楽しんでこい、と言われる。
朝食を簡単に済ませると、午前中は部屋の清掃。夕方から雨の予報だったので昼に食材の買い物に出かける。ついでに外食で昼食をすませる。
帰宅すると事務所の清掃と雑務を処理し、昨日とりかかった資料作成を終わらせる。時計を見ると午後4時を過ぎている。外を見ると雨が降り始めている。
待ち合わせは新宿に午後6時。ゆっくりと外出準備をする。今日集まる目的は、ハロウィンのコスプレ衣装の購入と当日の打ち合わせ。過去レイヤーだった美咲の提案で渋谷のハロウインにコスプレで参加し、そのままクラブのハロウィンパーティに流れようという計画だった。
ドンキや東急ハンズ、それにオタク向けの妖しげなコスプレショップなどを回りどんな衣装があるか下見をし、居酒屋で飲み食いしながらスマホで通販サイトをチェック。 喧々諤々(けんけんがくがく)の話し合いの結果、セーラー○ーンのコスプレをすることになった。美咲のレイヤー時代の友人が二人参加するため、5人で統一がとれ女の子なら誰もが憧れたことがあるメジャーな作品という理由で絞られた。
モデル体型の美咲や肉感的なスタイルの里奈ならあのアニメのコスプレも似合うと思うけれど、芽美は自信がなかった。しかしご主人様にこっそりメールで相談したら『今のお前なら大丈夫、やりなさい』との御命令が下ってしまった。『イベントプロデュースの仕事に携わる人間として、ハロウィンイベントに参加する側の実体験を参考までに知りたい』ともっともらしく理由をつけられてしまえばやらざるを得ない。
誰がどの戦士のコスプレをするかでひと悶着あったが、芽美はセーラー○ィーナスに決まった。私はこれしかできない、他の戦士なら参加しないと強く主張したからだ。 ご主人様から『セーラー○ィーナスが一番似合いそうだな』とのメールがきたせいである。ご主人様がそうおっしゃるなら自信がもてた。
衣装購入については経験者の美咲達に任せることにして解散。メジャーなセー○ー戦士のコスプレなら豊富にあるからサイズがぴったりで安くていい衣装が揃えられるだろうとのことだ。ご主人様に報告したら喜びそう、そんな風に思いながら深夜0時少し前に帰宅した。
ご主人様から午前1時頃に戻るとのメールが入っていた。ご帰宅を待って一緒にお風呂に入ることにする。
『夜9時を過ぎたら、できるだけマゾ牝奴隷妻にふさわしい格好でいるように』
そんな風に命じられているから、お風呂の準備をすると、メイクを直し全裸になって赤い首輪とスレイブリングを嵌める。髪は邪魔にならぬようアップにしてまとめる。
それだけでは寒いので厚手の純白のガウンを羽織ってダイニングキッチンでハーブティを飲みながらぼんやりと過ごす。
ふと時計を見たら深夜0時55分。玄関に移動して、ご主人様のご帰宅を耳をすませてお待ちする。
チリンチリーンという音がドアの外から聞こえる。防犯対策で、事務所の玄関ドアが開けられると自動的に、事務所内に鈴の音を模した大きな電子音が流れ、明るい天井照明が一時的に点灯する仕組みとなっている。
防犯カメラで確認するとご主人様だ。なにやら慌てているご様子。芽美も慌ててガウンを脱ぐと、玄関の取継(とりつぎ)に全裸に赤い首輪だけの姿で正座する。
カチャッ。ドアが外側に半分ほど開いてご主人様が体を滑り込ませるように入ってくる。
「お帰りなさいませご主人様」
芽美はそう言うと三つ指をついてお辞儀をして顔を上げて笑顔を向ける。
「ただいま」
ご主人様は急いで玄関ドアを閉めると身体を揺らしながら落ち着きのない動きで革靴を立ったまま脱ごうとするが、紐がひっかかり固結びになってしまって脱げない。焦るご主人様を不思議に思い質問する。
「どうかしましたか、ご主人様?」
「ああ、さっきからトイレに行きたくてな。お前がそうやって俺の帰りを待ってるだろうと思ったから、遅れないよう高速のSAで休憩せずに飛ばしてきた。雨が降っていて面倒だったし、なにより一刻も早く帰宅してお前の顔を早く見たかった。でも、もう我慢の限界だから、お前の出迎えをありがたく受け止める余裕がないよ、スマン。」
そう言うと、しゃがみこんで下を向いて固く結ばれてしまった靴の紐をほどこうと四苦八苦する。
―なんだ、そんなことか―
「嬉しいことをおっしゃってくださいますね、ご主人様は・・・それなら、こちらにどうぞ♪」
芽美はご主人様に膝立ちでにじり寄ると、笑顔で口をアーンと開く。
「いいのかい、ヘドネー?」
「もちろんですわ、ご主人様。調教の最初の頃、わたしのを飲んでいただいたことはよく覚えていますもの。ご主人様にしていただいたことを、マゾ牝奴隷妻がお返しにしてさしあげるだけのことですわ。靴紐を解くのは後回しにして、お早くどうぞ」
そう説明し終えると、再度口を大きく開きご主人様に笑顔を向ける。拓海は立ち上がりチャックを下げるとだらんと垂れたペニスを取り出し芽美の口内につっこむ。
「いつもと違って勃起していなくて柔らかいから、根元までしっかり咥えて口から漏らさないようにしてくれよ」
芽美が軽くうなづき、しっかりと根元まで咥え込んだのを見て一言。
「出るぞっ!」
口内に注がれる液体を、奴隷妻はゴクゴクと躊躇なく飲み込んでいく。
芽美は4月上旬に拓海に飲まれたときから、遅かれ早かれ、ご主人様のそれを強制的に飲まされる日が来ることを覚悟していた。しかし芽美の予想に反し、その時はいつまで経っても来なかった。そして今日、自ら望んで嚥下している。
―飲尿という行為は、愛好者にとっては相手自身を全面的に受け入れ、相手のすべてをあらゆる感覚で感じられる最高の行為なんだよ―
ご主人様がおっしゃった通りだった。芽美の心中は、ご主人様の全てを受け入れている喜びで一杯だった。ご主人様にようやく行為のお返しができた。さらにこれからはご主人様の性欲処理だけでなく“便器”としてもお役に立つことができるのだ。拓海には、飲尿しながら自分を見上げる芽美の瞳の中に、被虐の恍惚の光が輝いているのが見えた。
口内に注がれる勢いが弱くなり、断続的に吐き出されるだけになり、雫が垂れるだけになり、完全に停止する。芽美がペニスから口をはなす。
「終わったよヘドネー。助かった。ありがとう。」
「どういたしまして、これからも困ったときはおっしゃってくださいねご主人様。」
「そうかい?ならもうひとつ困ったことがあるんだが?」
「はい?なんでしょう?」
首をやや斜めに傾け、恍惚とした表情のままご主人様を見上げる愛奴。
「尿意が落ち着いたら、お前が飲んでくれたことで今度はエッチな気分が昂ぶってきてしまってね。そのまま抜いてくれないか?」
そう話している間にだらんと垂れていたペニスがみるみるうちに勃起し逞しさを増していく。
「もちろんですわ♪いつでもどこでもどんなときでも、淫らなわたしのお口・牝穴・お尻の穴を自由にお使いいただき何度でも気持ち良く射精していただくことが、マゾ牝奴隷妻ヘドネーの幸せなのですから♡」
芽美は愛らしく微笑むと、目の前の剛直に向かって嬉しそうに丸めた朱唇を近づける。
チュッ、チュッ・・・ペロリ、ペロリ・・・チュプッ、チュプッ、ジュポ、ジュポ、ジュポ・・・ジュボッジュボッジュボッ・・・ジュボジュボジュボジュボジュボッ!
「うっ!」
ご主人様のうめき声と口内の男根の最大限の猛々しさに射精の予兆を感じとり、竿を半ばまで含んだタイミングで動きを止め裏筋に舌を絡ませて喉奥を直撃しないよう角度を調整し、目を瞑って亀頭の先端から勢いよく吐き出される欲望のエキスに神経を集中する。
口内にある程度溜まると、喉を大きく動かしまとめて嚥下していく。そのほうが大好物のご主人様の美味しいザーメンミルクの味と触感を深く味わうことができるから。
身体がときおり軽く痙攣している。ご主人様の精液をご馳走になることで軽く絶頂しているのだ。
口内の男根の脈動が完全に収まるのを待って口を離し、かがみこんでご主人様の靴紐を器用に手早くほどいて何事もなかったのように立ち上がる。
「お風呂が沸いています。一緒に入って早く寝ましょうね、ご主人様♪」
そういうと拓海の手をとり、手をつないだままダイニングキッチンを抜け階段を上がって浴室に消えていく。
金曜日。
曇り。昨日の夕方から降り始めた雨は明け方には止んだようだが厚い雲がまだ残っていてどんよりした天気。二人が起床したのは午前10時すぎ。一昨日昨日でひと仕事終えて余裕があり、昨夜寝たのも午前2時半と遅かったから、午前中は休みにすることに決めた。
芽美は目が覚めてもごろごろしているご主人様をおいてベッドから抜け出すと、朝食の仕度を開始する。一昨日の豚汁が余っていることを思い出し、時間もあるので和食にしようと米をといで炊飯器のスイッチを入れる。メインのおかずは紅鮭の切り身。焼いている最中に大根をおろし、厚焼き玉子を作り、ほうれん草を茹でてお浸しにする。
起き出してきて、寝ぼけ眼とぼさぼさ頭でテーブルに座ったご主人様に顔を洗って出直すよう命じると(日常生活面での権限は芽美のほうが高い)、洗面所から戻ってくるご主人様に熱い日本茶を出し体内からも目を覚まさせる。
ご飯が炊き上がり紅鮭が焼きあがるタイミングを見計らって豚汁を温め完成。二人で一緒に食べながら今日の午後から日曜日の夜までの予定を話し合う。
今日の午後はご主人様の所有物であるこの雑居ビルの管理会社の営業と管理員との面談とビル各階の巡回・点検。
管理会社に任せきりで言いなりになっていては利益が上がらず問題が発生しても対処が遅れて面倒になるだけらしく、基本毎週1回、こうした時間を設けているそうだ。
芽美も同席して話を聞いて、現場を見て勉強するよう命じられる。
天気予報によれば、土曜日は晴れるが日曜日には再び雲に覆われ雨。紅葉を見に行くには少し早いし、ご主人様が来週末は仕事(栃木県でのイベント本番だから現地で立ち会うことになる)でつぶれるから、この週末はのんびり過ごしたいということで、特別な予定は入れずに過ごすことになった。ということは、そういうことだ。
午後の仕事を予定通りに終えると、芽美は流行しているアニメ映画を見に連れて行かれた。仕事柄、流行モノは一通り押さえておかないとまずいらしい。有楽町で映画を見て焼肉屋で食事して帰宅。マゾ牝奴隷妻が待ち望む週末のSM調教セックスがスタートする。
芽美がテアー(女神)の称号を獲得してヘドネー(悦楽)という名前を与えられてマゾ牝奴隷妻に昇格してからも、週末調教の大まかな段取りは変わらなかった。
根拠となるSMパートナー契約書は10月初頭にお互いの合意のもとに修正点なく更新されていた。それに基づいて全ての性行為が記録され、ヴァギナの変化も写真で記録され続けている。芽美に絶頂を迎えさせる回数も、これまでと同じく一回のプレイあたり2回までに抑制されている。
変わったこともある。食事の仕度や拓海が寝ているときの芽美の監視などナターシャが行なっていたサポート要員として、真理愛が雇われた。監禁調教部屋内では、儀式を経て完全に吹っ切れた芽美が性行為の快感を自ら貪欲に追及するようになり、プレイの内容が過激さを増した。
緊縛、蝋燭、真理愛を加えての3Pがすでに実施され、今後は本格的な緊縛・吊り、全裸に赤い首輪だけの姿での深夜の野外露出プレイ、マスクを被った状態で性行為のWEB公開などが候補にあがっている。そして今回は、クリトリスへのピアッシング。
土曜日の夜、拓海の手によって芽美のクリトリスにニードルでピアス穴が開けられ、そこに小さな銀色の鈴が装着された。芽美が納得して受け入れたことではあるが、痛みが激しすぎてセックスはもちろん動くことも厳しかった。
しかし丸1日身体を休ませると何とか回復した。日曜日の夕方、拓海は芽美を連れて近所の蕎麦屋におもむく。静かな監禁調教部屋内で芽美が歩くときにリンリンという、かすかな鈴の音が聞こえる。この音が外出時にはどの程度聴こえるかの検証だ。
検証の結果、屋外ではその小さな音は多くの場合、街の騒音や風の音に遮られて聴こえないことがわかった。
「ふふ、これで安心して外出できるな、ヘドネー?」
「こんなピアスをつけさせるなんて酷いご主人様ですわ」
戻ってきて興奮したマゾ牝奴隷妻のおねだりに応えて、二人は天蓋つきベッドで後背位でセックスしている。拓海が突きを放つたびに股間の小さな銀色の鈴がリン、リンと音を立て芽美の被虐心を高める。数分後、防音性能の低い寝室であるにも関わらず、堪えきれずに大声で叫びながらあえなく絶頂に達して、奴隷妻は恥ずかしがりながらも幸せな気分に浸るのだった。
このように、芽美は今、拓海ご主人様のマゾ牝奴隷妻『桐原・Ἡδονή・芽美』として隷従心と愛欲心が満たされた幸福な毎日を過ごしている。
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