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Discipline6 南の島での聖淫なる婚姻儀式
第二話 南の島へ
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9月1日木曜日の早朝、芽美は迎えにきた拓海の自家用車レクサスRXの助手席に乗り込んだ。荷物はやや大きめのボストンバッグ一つでスーツケースはない。拓海からパスポートと往復の服さえあれば大丈夫と言われて最小限の荷物に留めている。その代わり拓海の荷物として大きなスーツケースが二つ積んである。
芽美の服装は、トップスは白いインナーの上に、七分袖Vネックの白と黒のボーダーのプルオーバー、ボトムスはデニムのガウチョパンツで、靴は2バンドの白いウェッジサンダルを履いている。飛行機での長旅に備えて、色合いで涼しげに見えるよう配慮しつつ、全体的にゆったりとした暖かめの服装とした。メイクも控えめだ。
つばの広い帽子とサングラスは向こうでの陽射しを考えてだろう。顔や露出している素肌はほどよく小麦色に日焼けして芽美の新たな魅力を引き出している。
そんな芽美にこんなことを言う拓海。
「その服装だと飛行機内でセックスしにくいじゃないか!」
「えっ!するんですか?!飛行機が飛んでる最中に??」
「もちろんだ!・・・と言いたいところだが今回は控えておくか。向こうについたら“初夜”が待っているからな」
「今回はって、まさか本当にしたことがあるの?!」
「さあな」
「む~」
「それは冗談として、今日も可愛いぞメグ。いつもと違った印象で新鮮だ」
「そういえば最近はずっとご主人様の前ではスカートかショートパンツでしたからね」
「機内はエアコンがきついから。10時間も乗ってることを考えたら長袖長ズボンのほうが冷えなくていいからな。この様子だと今日の東京は暑くなりそうだが、昼前にはもう空の上だから」
「そうなんですか?それで結局どこに行くんですか?そろそろ教えてくださいよ~」
「どうせ成田に着いたらすぐにわかるんだから、もう少しだけ待て」
「はーい、わかりましたぁ」
そういうと芽美はサングラスをかけ帽子を目深に被り寝る体勢になると、すぐにスヤスヤと眠ってしまった。実は、興奮のあまり昨夜はよく眠れていなかった。眠りに落ちる速さと眠りの深さは拓海を深く信頼していることの表れだ。
「ほら着いたぞ。荷物を下ろしたら車を留めてくるから出発ロビーで待っていてくれ」
小一時間ほど熟睡して目をこすると、ちょうど空港に着いたところだった。
「はーい」
大きなスーツケースを二つと芽美のボストンバッグを載せたカートと一緒にしばらく待っていると拓海がやってきて、カートを押して航空カウンターに移動していく。着いたところは。
「スリランカ航空?」
「そう。行き先はモルディブさ!」
ドヤ顔で行き先を発表する拓海。しかし芽美の反応はいまひとつ。
「へーそうなんだ」
「もしかして知らないのか?」
「うん。だってわたし、海外なんて、まだハワイにしか行ったことないもの」
「そうだったか・・・」
拓海はがっくりした表情を浮かべる。
「話はあとにして、とりあえずチェックインしよう」
「モルディブはインド亜大陸の南西、赤道直下に位置する26の環礁(環状のサンゴ礁)内の約1200の小さな島々からなる国だ」
チェックインを終えた二人は、しばらく食べれなくなるからという拓海の主張で朝食に寿司を選んで食べながら話の続きをしている。
「インド?スリランカ航空を使うってことは、スリランカっていう国の近くなんじゃないの?」
「スリランカはインドの南東の大きな島、セイロン島にあるモルディブに一番近い国だよ。この国の首都、コロンボ経由で行くことになる」
「ふーん、直行便じゃないんだ」
「ああ。昔はあったらしいけど数年前に廃止された。観光客に自国にも立ち寄ってもらってお金を落としていって欲しいってことなんじゃないかな。今回は寄らないが」
「そっか。話をそらせてゴメンね」
「いや、関係なくもないからな。それでモルディブの話にもどるが、主な産業は漁業と観光業で、サンゴ礁の発達した美しいビーチやダイビングスポットを目当てに世界各国から、一年中多くの観光客が訪れる」
「沖縄みたいに海がきれいってこと?」
「いやいや、沖縄以上だよ!」
「ご主人様、そんなにハードル上げちゃって大丈夫?すっごく期待しちゃうよ?」
「ああ、期待していてくれ。それにもう一つ大きな特色がある」
「なになに?」
「人が住んでいる約200の島のうち、90前後が観光客が訪れることができるリゾート島なんだが、1周徒歩20分程度の小さな島に、リゾートホテルが1軒だけしかないんだよ。観光客が少ないから、運が良ければ白砂のビーチを独り占めできたりもするぞ?」
「えっ、ほんと?!」
「そうさ、期待していいぞ」
「うんっ♪しちゃうしちゃうっ!」
「ただ沖縄とちがって監視員もいないし遊泳区域を示すネットもないから、一人でどんどん沖へ行ったら、流されて大変なことになるからな」
「あー、そんなこともあり得るのね。気をつけまーす」
「それに食事もそれなりだし、観光施設もないからな」
「海以外は期待するなってこと?」
「そういうこと。だが到着したら、この海の素晴らしさだけで十分だと実感するさ」
「わかった!楽しみにしてる♪」
食後、免税店を冷やかしたりお茶を飲んだり離陸する飛行機を眺めたりしているうちに搭乗時刻を迎えて機内へ。
「エコノミーかぁ。ご主人様のことだからビジネスかな♪と期待してたのになぁ」
「すまんすまん。諸々の準備や現地の宿の手配に金をかけすぎてしまったんだよ。夏休みとシルバーウィークの間で席も空いてるだろうし、向こうに着いたらビーチでのんびり過ごすだけだからと節約させてもらった」
冗談のつもりで言ったのにご主人様に素直に受け止められてしまい、すまなそうに返答され焦る芽美。周囲を見回すと確かに乗客が少ない。ハネムーンとおぼしき初々しいカップル。ダイビング目的と見られる日焼けした一人旅の男性。スリランカ人のビジネスマン。それらの乗客が窓際の席にちらほら見られるだけで二人が座っている中央のシートの近く、前後左右斜めには誰もいない。芽美たちが一列使って横になることさえできそうだ。
―これなら大丈夫かな―
「ごめんなさい、冗談のつもりだったの。ご主人様と一緒に海外旅行に行けて、芽美、とっても嬉しいのにひねくれたことを言ってしまいました」
隣の席の拓海に体をぴたりと寄り添わせて頬に軽くキス。そして耳元でこうささやく。
「明かりが消えてみんな寝静まったら、おわびにお口で御奉仕して差し上げますから、生意気なマゾ牝奴隷を許してくださいね」
芽美が拓海と最後にセックスをしたのは24(水)。そのあとの週末調教も昨日の自宅奉仕も旅行前に仕事を片付けるのに忙しくて中止されていたから、セックス奴隷として開発されつくした芽美はご主人様の肉棒に飢えていた。
股間に手を伸ばし、ぽってりした唇を小さく開いて、いまにもおしゃぶりを始めたそうな淫乱牝。
しかし拓海に制されてしまう。
「1週間ぶりに俺も早くお前のフェラを堪能したいさ。だけどな、深夜に到着して翌日にはもう“結婚式”だ。水上コテージで“初夜”を迎えて、“妻”となったお前にウェディングドレス姿でたっぷり奉仕してもらいたい。俺も“夫”として“妻”のお前をたっぷりと気持ちよくさせるから。だから、もう少しの辛抱だよ、メグ?」
「うん・・・そうね」
“妻”となった自分がウェディングドレス姿で犯されることを想像して恥ずかしげに顔を赤らめ、渋々納得する。そんな“婚約者”の気をさらにそらすために、拓海は続けてこんな頼みをする。
「離陸したら俺も一眠りするから、食事のときに起こしてくれ」
「かしこまりましたご主人様、ぐっすり眠って疲れを癒してね♪」
「それと、おそらく帰りの席はファーストクラスになると思うぞ?お前次第ではあるが、まあ大丈夫だろう」
「え?どういう意味ですか?」
「それは着いてからのお楽しみ。さ、俺は眠いんだ…さん、に、いち、グゥ…」
「そんな嘘寝してまで話したくないならいいですよ、別に」
離陸後、拓海が眠りやすいように甲斐甲斐しくお世話した芽美も興奮が収まって一息つくとそのまま一緒に寝てしまい、二人だけ食事時間がずれて客室乗務員に迷惑をかけてしまったのは若気の至りというところ。
コロンボで乗り継ぎ、モルディブの首都マーレから高速船で環礁内を移動して遠方のリゾートアイランドに到着したときにはもう深夜だった。パスポートをチェックされた回数が多く長旅にぐったりした二人はそそくさとチェックインを済ませ、水上コテージでシャワーを浴びてすぐに大きなダブルベッドに横になり抱き合って眠った。
翌朝、明るい日差しと暑さに目を覚まされた芽美はカーテンを開けて一言。
「うわー、まぶしい!」
窓の外には、雲ひとつない空から太陽の光がさんさんと照りつけ、白砂のビーチと青く透明なサンゴ礁の海がキラキラと輝いていた。
「思ったよりたくさん人がいたわ」
午前9時過ぎ。食堂へ移動しバイキングの朝食を済ませた二人は、手をつないで島内をのんびりと散策している。
「ああ、ここは、複数のレストランや水上コテージ、スパなどがある比較的大きな島だから。お客さんも色々な国の人達がいたろう?」
「そうね、欧米人だけでなく、中国人やアラビア系の人たち、黒人もいたし、欧米人でも英語以外の言葉をしゃべっている人たちもたくさんいたわ」
「もう少し小さい島だと、ドイツ人観光客が多い島とかイタリア人が多い島とかあったりするよ」
「へー面白い。日本人が多い島もあるのかしら?」
「どうだろう?日本語が話せるスタッフがいる島はやっぱり多いんじゃないかな」
「カップルばかりなのも、そういう理由なの?」
「ああ、ここは結婚式やハネムーンにふさわしい高級施設がそろっているからね」
「でも若い女の子も多いわね・・・それもきれいな子ばかり」
「彼女達はスタッフとかパーティコンパニオンとか、ここで働いているんだよ、仕事は主に夜だったりするから昼間は遊んでられるからね」
「へーいいわね」
「採用されるには色々条件があるらしいけどな。食事はどうだった?」
「食事も想像していたより美味しかった♪」
「普通に食事するぶんには問題ないよ。焼きたてのパンも出るし、新鮮な魚を使った料理も出るし。ただレストランで追加料金を払って食べると微妙な気持ちになる。それに刺身が出ることもあるが手をつけないほうがいいぞ」
「もしかしてあたったとか?」
「ああ、カツオの刺身を喜んで食べたら翌日腹を壊して大変だった。帰る直前だからまだ良かったものの、帰国したときはふらふらだったよ」
「前は誰と来たの?・・・ナターシャさん?」
「ちがう、死別した妻だ。あとダイビングをするようになってから一人で何回か来たことがある」
「ご主人様、ダイビングするんだ?」
「綺麗な海でスノーケリングで魚を見るのが好きだったんだが、それでは飽き足らなくなってね。メグにもこれから体験ダイビングをやってもらうつもりだよ」
「えっ?それはそれで楽しみだけど、今日は、そのぅ」
「あれは夕方に予定している。日中はこの暑さだからね」
「本当にね・・・『サングラスを絶対忘れるな』って言われた意味がわかったわ」
「芽美の瞳は日本人にしては茶色っぽいからな。瞳の黒い俺でさえ眩しいと感じるのだからお前は尚更そうだろうと思っていたが、予想通りだったか」
「ずっとこんな天気が続くの?」
「実は今は雨季なんだよ。といっても日本の梅雨とは違い、ざーっとスコールが降ってすぐに止むことが多くて、何日も降り続くなんてことはない」
「そうなんだ・・・だとすると、帰国する頃には真っ黒になってそうね。肌を少し焼いてきて良かったわ。肌が焼けすぎて痛くて楽しさが半減してたかもしれないし」
「それもあるが半分は俺の趣味だ。日焼けしたメグを見てみたいっていう。だからしっかり日焼けしてくれ」
「はいはい、まったくしょうがないご主人様ですね~。それで結局、今日のスケジュールはどんな感じなの?できれば明日からの予定も知りたいな」
「そうだな・・・ちょっと待て」
拓海はそこで手に持っていた1リットルのペットボトルから水を飲み芽美に渡した。二人とも少し歩いただけで汗を流している。
「まず今日だが、これから昼まで二人で島のリーフで体験ダイビング。昼食をとって一休みしたら式の準備。芽美はスパで湯浴みとマッサージ、着付けとヘアメイクをして俺が迎えにいくまで待っていてくれ。夕方5時から、島の隅の夕日が映える水上チャペルで二人だけの“結婚式”さ。そのあとはとあるパーティに“夫婦”として出席する」
「二人だけっていっても、移動中は観光客とか働いている人たちにドレス姿を見られちゃうんでしょう?恥ずかしいなぁ」
「大丈夫、みんな慣れてるから温かく祝福してくれるよ。堂々としていればいい」
「それならいいけど・・・パーティって?」
「ああ、実は知り合いがここで結婚するんだよ。その式と披露宴に“妻”となったお前と二人で出席するのさ。妻又は婚約者、それに準じるきちんとしたパートナーがいないと参加できないから」
「ふーん、厳しいんだ、宗教的にとか?」
「いや宗教的理由ではないが・・・他人の披露宴で残念かい?」
「ううん、実は結婚式には初めて出席するの。だから楽しみ♪」
「それならよかった。でも、明日にはお前の披露宴が開かれるかもしれないぞ?」
「えっ?どういう意味?」
「サプライズイベントがあるかも?ってことさ」
「そうなんだ?なら楽しみにしておきます♪」
「そうそう。そのあとは別の島に移動して、まる3日間二人だけの“ハネムーン”をたっぷりと満喫したあと、7日水曜日の昼頃にチェックアウト。午後から空港に移動して帰国。こんな感じだね」
「ほかの島へ移動するのね?なんだか落ち着かないような・・・」
「どうしてもお前と過ごしたい素晴らしい島があるのさ。移動は昼過ぎだから、のんびりした移動になるからゆっくりできる。それに船で移動するのも楽しいぞ。来るときは夜だったから、船上からは他の船や近くの島の灯り以外は何も見えなかっただろう?大丈夫、全て俺に任せて、楽しみにしていなさい」
どうしてもお前と過ごしたい島がある、と言われて芽美の心はときめく。
「そっか、楽しみにしているね、ご主人様!」
「よし、コテージに戻って一休みしたら、体験ダイビングに行くぞ!」
「うん♪」
ビーチエントリーで島のリーフに潜るだけの体験ダイビングであったが、初めての芽美にとって、魚影が濃くサンゴ礁の発達した海中の景色は感動的だった。
芽美の服装は、トップスは白いインナーの上に、七分袖Vネックの白と黒のボーダーのプルオーバー、ボトムスはデニムのガウチョパンツで、靴は2バンドの白いウェッジサンダルを履いている。飛行機での長旅に備えて、色合いで涼しげに見えるよう配慮しつつ、全体的にゆったりとした暖かめの服装とした。メイクも控えめだ。
つばの広い帽子とサングラスは向こうでの陽射しを考えてだろう。顔や露出している素肌はほどよく小麦色に日焼けして芽美の新たな魅力を引き出している。
そんな芽美にこんなことを言う拓海。
「その服装だと飛行機内でセックスしにくいじゃないか!」
「えっ!するんですか?!飛行機が飛んでる最中に??」
「もちろんだ!・・・と言いたいところだが今回は控えておくか。向こうについたら“初夜”が待っているからな」
「今回はって、まさか本当にしたことがあるの?!」
「さあな」
「む~」
「それは冗談として、今日も可愛いぞメグ。いつもと違った印象で新鮮だ」
「そういえば最近はずっとご主人様の前ではスカートかショートパンツでしたからね」
「機内はエアコンがきついから。10時間も乗ってることを考えたら長袖長ズボンのほうが冷えなくていいからな。この様子だと今日の東京は暑くなりそうだが、昼前にはもう空の上だから」
「そうなんですか?それで結局どこに行くんですか?そろそろ教えてくださいよ~」
「どうせ成田に着いたらすぐにわかるんだから、もう少しだけ待て」
「はーい、わかりましたぁ」
そういうと芽美はサングラスをかけ帽子を目深に被り寝る体勢になると、すぐにスヤスヤと眠ってしまった。実は、興奮のあまり昨夜はよく眠れていなかった。眠りに落ちる速さと眠りの深さは拓海を深く信頼していることの表れだ。
「ほら着いたぞ。荷物を下ろしたら車を留めてくるから出発ロビーで待っていてくれ」
小一時間ほど熟睡して目をこすると、ちょうど空港に着いたところだった。
「はーい」
大きなスーツケースを二つと芽美のボストンバッグを載せたカートと一緒にしばらく待っていると拓海がやってきて、カートを押して航空カウンターに移動していく。着いたところは。
「スリランカ航空?」
「そう。行き先はモルディブさ!」
ドヤ顔で行き先を発表する拓海。しかし芽美の反応はいまひとつ。
「へーそうなんだ」
「もしかして知らないのか?」
「うん。だってわたし、海外なんて、まだハワイにしか行ったことないもの」
「そうだったか・・・」
拓海はがっくりした表情を浮かべる。
「話はあとにして、とりあえずチェックインしよう」
「モルディブはインド亜大陸の南西、赤道直下に位置する26の環礁(環状のサンゴ礁)内の約1200の小さな島々からなる国だ」
チェックインを終えた二人は、しばらく食べれなくなるからという拓海の主張で朝食に寿司を選んで食べながら話の続きをしている。
「インド?スリランカ航空を使うってことは、スリランカっていう国の近くなんじゃないの?」
「スリランカはインドの南東の大きな島、セイロン島にあるモルディブに一番近い国だよ。この国の首都、コロンボ経由で行くことになる」
「ふーん、直行便じゃないんだ」
「ああ。昔はあったらしいけど数年前に廃止された。観光客に自国にも立ち寄ってもらってお金を落としていって欲しいってことなんじゃないかな。今回は寄らないが」
「そっか。話をそらせてゴメンね」
「いや、関係なくもないからな。それでモルディブの話にもどるが、主な産業は漁業と観光業で、サンゴ礁の発達した美しいビーチやダイビングスポットを目当てに世界各国から、一年中多くの観光客が訪れる」
「沖縄みたいに海がきれいってこと?」
「いやいや、沖縄以上だよ!」
「ご主人様、そんなにハードル上げちゃって大丈夫?すっごく期待しちゃうよ?」
「ああ、期待していてくれ。それにもう一つ大きな特色がある」
「なになに?」
「人が住んでいる約200の島のうち、90前後が観光客が訪れることができるリゾート島なんだが、1周徒歩20分程度の小さな島に、リゾートホテルが1軒だけしかないんだよ。観光客が少ないから、運が良ければ白砂のビーチを独り占めできたりもするぞ?」
「えっ、ほんと?!」
「そうさ、期待していいぞ」
「うんっ♪しちゃうしちゃうっ!」
「ただ沖縄とちがって監視員もいないし遊泳区域を示すネットもないから、一人でどんどん沖へ行ったら、流されて大変なことになるからな」
「あー、そんなこともあり得るのね。気をつけまーす」
「それに食事もそれなりだし、観光施設もないからな」
「海以外は期待するなってこと?」
「そういうこと。だが到着したら、この海の素晴らしさだけで十分だと実感するさ」
「わかった!楽しみにしてる♪」
食後、免税店を冷やかしたりお茶を飲んだり離陸する飛行機を眺めたりしているうちに搭乗時刻を迎えて機内へ。
「エコノミーかぁ。ご主人様のことだからビジネスかな♪と期待してたのになぁ」
「すまんすまん。諸々の準備や現地の宿の手配に金をかけすぎてしまったんだよ。夏休みとシルバーウィークの間で席も空いてるだろうし、向こうに着いたらビーチでのんびり過ごすだけだからと節約させてもらった」
冗談のつもりで言ったのにご主人様に素直に受け止められてしまい、すまなそうに返答され焦る芽美。周囲を見回すと確かに乗客が少ない。ハネムーンとおぼしき初々しいカップル。ダイビング目的と見られる日焼けした一人旅の男性。スリランカ人のビジネスマン。それらの乗客が窓際の席にちらほら見られるだけで二人が座っている中央のシートの近く、前後左右斜めには誰もいない。芽美たちが一列使って横になることさえできそうだ。
―これなら大丈夫かな―
「ごめんなさい、冗談のつもりだったの。ご主人様と一緒に海外旅行に行けて、芽美、とっても嬉しいのにひねくれたことを言ってしまいました」
隣の席の拓海に体をぴたりと寄り添わせて頬に軽くキス。そして耳元でこうささやく。
「明かりが消えてみんな寝静まったら、おわびにお口で御奉仕して差し上げますから、生意気なマゾ牝奴隷を許してくださいね」
芽美が拓海と最後にセックスをしたのは24(水)。そのあとの週末調教も昨日の自宅奉仕も旅行前に仕事を片付けるのに忙しくて中止されていたから、セックス奴隷として開発されつくした芽美はご主人様の肉棒に飢えていた。
股間に手を伸ばし、ぽってりした唇を小さく開いて、いまにもおしゃぶりを始めたそうな淫乱牝。
しかし拓海に制されてしまう。
「1週間ぶりに俺も早くお前のフェラを堪能したいさ。だけどな、深夜に到着して翌日にはもう“結婚式”だ。水上コテージで“初夜”を迎えて、“妻”となったお前にウェディングドレス姿でたっぷり奉仕してもらいたい。俺も“夫”として“妻”のお前をたっぷりと気持ちよくさせるから。だから、もう少しの辛抱だよ、メグ?」
「うん・・・そうね」
“妻”となった自分がウェディングドレス姿で犯されることを想像して恥ずかしげに顔を赤らめ、渋々納得する。そんな“婚約者”の気をさらにそらすために、拓海は続けてこんな頼みをする。
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「かしこまりましたご主人様、ぐっすり眠って疲れを癒してね♪」
「それと、おそらく帰りの席はファーストクラスになると思うぞ?お前次第ではあるが、まあ大丈夫だろう」
「え?どういう意味ですか?」
「それは着いてからのお楽しみ。さ、俺は眠いんだ…さん、に、いち、グゥ…」
「そんな嘘寝してまで話したくないならいいですよ、別に」
離陸後、拓海が眠りやすいように甲斐甲斐しくお世話した芽美も興奮が収まって一息つくとそのまま一緒に寝てしまい、二人だけ食事時間がずれて客室乗務員に迷惑をかけてしまったのは若気の至りというところ。
コロンボで乗り継ぎ、モルディブの首都マーレから高速船で環礁内を移動して遠方のリゾートアイランドに到着したときにはもう深夜だった。パスポートをチェックされた回数が多く長旅にぐったりした二人はそそくさとチェックインを済ませ、水上コテージでシャワーを浴びてすぐに大きなダブルベッドに横になり抱き合って眠った。
翌朝、明るい日差しと暑さに目を覚まされた芽美はカーテンを開けて一言。
「うわー、まぶしい!」
窓の外には、雲ひとつない空から太陽の光がさんさんと照りつけ、白砂のビーチと青く透明なサンゴ礁の海がキラキラと輝いていた。
「思ったよりたくさん人がいたわ」
午前9時過ぎ。食堂へ移動しバイキングの朝食を済ませた二人は、手をつないで島内をのんびりと散策している。
「ああ、ここは、複数のレストランや水上コテージ、スパなどがある比較的大きな島だから。お客さんも色々な国の人達がいたろう?」
「そうね、欧米人だけでなく、中国人やアラビア系の人たち、黒人もいたし、欧米人でも英語以外の言葉をしゃべっている人たちもたくさんいたわ」
「もう少し小さい島だと、ドイツ人観光客が多い島とかイタリア人が多い島とかあったりするよ」
「へー面白い。日本人が多い島もあるのかしら?」
「どうだろう?日本語が話せるスタッフがいる島はやっぱり多いんじゃないかな」
「カップルばかりなのも、そういう理由なの?」
「ああ、ここは結婚式やハネムーンにふさわしい高級施設がそろっているからね」
「でも若い女の子も多いわね・・・それもきれいな子ばかり」
「彼女達はスタッフとかパーティコンパニオンとか、ここで働いているんだよ、仕事は主に夜だったりするから昼間は遊んでられるからね」
「へーいいわね」
「採用されるには色々条件があるらしいけどな。食事はどうだった?」
「食事も想像していたより美味しかった♪」
「普通に食事するぶんには問題ないよ。焼きたてのパンも出るし、新鮮な魚を使った料理も出るし。ただレストランで追加料金を払って食べると微妙な気持ちになる。それに刺身が出ることもあるが手をつけないほうがいいぞ」
「もしかしてあたったとか?」
「ああ、カツオの刺身を喜んで食べたら翌日腹を壊して大変だった。帰る直前だからまだ良かったものの、帰国したときはふらふらだったよ」
「前は誰と来たの?・・・ナターシャさん?」
「ちがう、死別した妻だ。あとダイビングをするようになってから一人で何回か来たことがある」
「ご主人様、ダイビングするんだ?」
「綺麗な海でスノーケリングで魚を見るのが好きだったんだが、それでは飽き足らなくなってね。メグにもこれから体験ダイビングをやってもらうつもりだよ」
「えっ?それはそれで楽しみだけど、今日は、そのぅ」
「あれは夕方に予定している。日中はこの暑さだからね」
「本当にね・・・『サングラスを絶対忘れるな』って言われた意味がわかったわ」
「芽美の瞳は日本人にしては茶色っぽいからな。瞳の黒い俺でさえ眩しいと感じるのだからお前は尚更そうだろうと思っていたが、予想通りだったか」
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「そうなんだ・・・だとすると、帰国する頃には真っ黒になってそうね。肌を少し焼いてきて良かったわ。肌が焼けすぎて痛くて楽しさが半減してたかもしれないし」
「それもあるが半分は俺の趣味だ。日焼けしたメグを見てみたいっていう。だからしっかり日焼けしてくれ」
「はいはい、まったくしょうがないご主人様ですね~。それで結局、今日のスケジュールはどんな感じなの?できれば明日からの予定も知りたいな」
「そうだな・・・ちょっと待て」
拓海はそこで手に持っていた1リットルのペットボトルから水を飲み芽美に渡した。二人とも少し歩いただけで汗を流している。
「まず今日だが、これから昼まで二人で島のリーフで体験ダイビング。昼食をとって一休みしたら式の準備。芽美はスパで湯浴みとマッサージ、着付けとヘアメイクをして俺が迎えにいくまで待っていてくれ。夕方5時から、島の隅の夕日が映える水上チャペルで二人だけの“結婚式”さ。そのあとはとあるパーティに“夫婦”として出席する」
「二人だけっていっても、移動中は観光客とか働いている人たちにドレス姿を見られちゃうんでしょう?恥ずかしいなぁ」
「大丈夫、みんな慣れてるから温かく祝福してくれるよ。堂々としていればいい」
「それならいいけど・・・パーティって?」
「ああ、実は知り合いがここで結婚するんだよ。その式と披露宴に“妻”となったお前と二人で出席するのさ。妻又は婚約者、それに準じるきちんとしたパートナーがいないと参加できないから」
「ふーん、厳しいんだ、宗教的にとか?」
「いや宗教的理由ではないが・・・他人の披露宴で残念かい?」
「ううん、実は結婚式には初めて出席するの。だから楽しみ♪」
「それならよかった。でも、明日にはお前の披露宴が開かれるかもしれないぞ?」
「えっ?どういう意味?」
「サプライズイベントがあるかも?ってことさ」
「そうなんだ?なら楽しみにしておきます♪」
「そうそう。そのあとは別の島に移動して、まる3日間二人だけの“ハネムーン”をたっぷりと満喫したあと、7日水曜日の昼頃にチェックアウト。午後から空港に移動して帰国。こんな感じだね」
「ほかの島へ移動するのね?なんだか落ち着かないような・・・」
「どうしてもお前と過ごしたい素晴らしい島があるのさ。移動は昼過ぎだから、のんびりした移動になるからゆっくりできる。それに船で移動するのも楽しいぞ。来るときは夜だったから、船上からは他の船や近くの島の灯り以外は何も見えなかっただろう?大丈夫、全て俺に任せて、楽しみにしていなさい」
どうしてもお前と過ごしたい島がある、と言われて芽美の心はときめく。
「そっか、楽しみにしているね、ご主人様!」
「よし、コテージに戻って一休みしたら、体験ダイビングに行くぞ!」
「うん♪」
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