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Discipline6 南の島での聖淫なる婚姻儀式
第一話 順風満帆
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「むふふふふん♪」
「あんた、なにさっきからずっとニヤニヤしてるのよ?」
「そうそう、気持ち悪がって男性陣が寄って来ないから止めてくれないかなぁ?」
プールサイドのディッキチェアでトロピカルドリンクを飲みながら、つい鼻歌を漏らしてしまった芽美に里奈と美咲の厳しい突っ込みが入る。とはいえ二人とも顔は笑っている。幸せそうな芽美をちょっとからかおうとしているだけだ。
「えっ?わたし、そんなに変?」
「そうね、『お前はチェシャ猫の生まれ変わりか!』って突っ込みたくなるくらいニヤニヤしっぱなしだわ。笑い顔だけ宙に残して消える前に一言言ってね?怖いから」
「8月入ってすぐ、寂しそうなSNSメッセ寄こしたり死にそうな声で電話してきたりしたから、なんかあったのかと慌てて美咲とスケジュール調整して12日に飲みに誘ってみたら妙にハイテンションだったじゃない。まあ女の子だし体調とかで妙に落ち込んだり元気になったりすることもあるかとあのときはスルーしたんだけどね。今日は、あのときより落ち着いてはいるようだけれど・・・」
「キモさは今日のほうが勝っているわね!」
毒舌の美咲がクールな表情でグサリと直球でとどめを刺す。
「それで、今日はなに?またなにか良いことでもあったの?」
「それより、そもそもあんた、なんでそんなに日焼けしてるの?」
「ふふん、それはね・・・」
今日は8月25日木曜日。場所はホテルニューオータニのガーデンプール。芽美たち三人は流行の夏季限定開催「ナイトプール」に遊びに来ていた。
12(金)に3人で集まって飲んだときに『夏といえば海よ!海!三人で行こうよ!』と酔っ払った芽美が強く主張し、里奈も賛同したのだが、お嬢様育ちの美咲が『東京近郊の汚い海なんてイヤ!』と反対した。
それならプールはどうかという美咲の提案で、仕事の後でも行けるこのサマーイベントを試してみようということで落ち着いた。反対するだけではなく対案をきちんと出すところが美咲の頼れるところだ。
お盆明けにさっそく繰り出す予定だったのだが、芽美と美咲が生理だったり天気がずっと雨模様だったりで伸び伸びになり、久しぶりの快晴の今日、ついに実施の運びとなった。
午後7時を過ぎた今でも空に雲はなく気温は28度近くあり、風は南からの微風だから水着でプールサイドのデッキチェアに寝そべっていても全然寒くはないし、日焼けしないぶん、女性には泳ぐのにちょうどよい環境となっている。
実際、客層の中心は20~30代の女性グループだ。女子学生らしき姿が見られないのは、割引制度を活用しても利用料金が学生には高額だからだろう。
続いて多いのが、そうした女性たち狙いと思われる男性客グループ。DJが乗りの良い音楽をかけていてクラブのような雰囲気を醸しだしているため気軽に声をかけやすいようで、あちこちでナンパの光景が見られる。
そうした中に混じって、カップルやホテル宿泊客と見られる外国人家族の姿がちらほら。
その中でも芽美たち3人は目立っていた。
外国人も顔負けのグラマーなスタイルの里奈は挑発的な真っ赤なビキニで迫力満点。背が高くスレンダーなモデル体型の美咲は光沢のあるパープルゴールドのチューブトップビキニで、その身体は清楚な美貌と対照的な妖しい色気を放っている。
二人に比べれば背も小さく子どもっぽい芽美は白いレース編み風の可愛らしいビキニだが、Tバック風の紐付きパンツが艶やかなセクシーさを醸しているだけでなく、ぽってりとした唇と大きく丸みを帯びた美尻が男達の目を惹きつける。
三人にナンパのお声がかからないのは芽美がニヤニヤして気持ち悪いからではなく、三人のレベルが高すぎて気後れしてしまうからだ。
「いつまでもこうやっていても仕方ないわね、出陣するわよ美咲!」
「そうね、せっかく来たんだし、もう少し泳ぎたいわ」
ドリンクを飲み終わった二人は芽美を置いて先に泳ぎに行ってしまう。ずっと話をしていて口をつける暇がなかった芽美も残りをぐっと飲み干して立ち上がり、二人を追ってプールに向かう。するとそこに脇から近づいてきた男から声がかかる。
「その水着かわいいね」
―え?わたしのこと?―
芽美は驚いて立ち止まった。あの二人と一緒にいて自分がナンパされたのは初めての経験だった。見ると20代後半ぐらいの引き締まった体つきの男が芽美の白ビキニを指差している。立ち止まった芽美に男はさらに声をかける。
「泳ぐのもいいけど、あっちで僕らと踊らない?女の子が足りなくて困ってるんだ」
男が顔を向けた方角を見ると、男二人がBGMに合わせて踊っていた......二人で社交ダンスを。
「ふふ、女の子いなくても大丈夫そうだから、友達と泳いでくるわ」
「じゃあ、泳ぎ着かれたら一緒に飲もうよ。ドリンク3人分ごちそうするからさ!」
「わたしだけじゃ決められないから、2人がOKしたらね?」
「オッケー、それまで俺達も泳ぐことにするわ」
男はそう言って踊っている二人を連れてくると芽美の後を追ってプールに入り、芽美を通じて里奈と美咲にも声をかけ、6人で水中鬼ごっこをして遊んだ。
プールサイドに上がり約束どおりカクテルと軽食をご馳走になった後、もうひと泳ぎしてプールから上がった。ダイニングバーに移動して本格的に飲もうということで話がまとまったからだ。
しかし芽美は用があるからと断った。芽美に声をかけてきた男が残念そうにしていたからSNSを交換して別れた。
ホテルを出て別れるとき里奈と美咲からこんなことを言われた。
「芽美、声をかけやすくなったわよね、やわらかい笑顔で」
「前は知らない男から声かけられると警戒心あらわなキツイ表情浮かべてたのに」
「それに大胆にもなったし。今日の水着、一見清楚に見えてなかなかセクシーだったわよ。やるようになったわねメグ!」
「歩き方だって、お尻をぷりぷり振っちゃって、誘ってオーラを振りまいてたし」
「芽美ねらいのあの男にしっかりアピールしておくから、任せておいて!」
「「だからお土産よろしくっ♪」」
「・・・はいはい・・・」
厳しい二人がやけに褒めてくると思ったらそういうことかと納得して目的地に向かう。それでも採点の辛い二人に褒められたのは嬉しかった。
―いけない、またニヤニヤしちゃった―
通りすがりの中年女性が気持ち悪そうな顔で見ていることに気づき表情をあわてて引き締める。それも仕方ない、拓海が帰ってきてからの芽美の生活はこれまでにないほど順風満帆なのだから。
拓海さんという素敵な恋人(芽美の意識では)ができた。ちょっとエッチでかなり変態だけど、会ってセックスだけではなくデートにもちゃんと連れて行ってくれるし、困っていれば手伝ってくれたりもする。おかげで懸案だった自動車免許の取得もできたし、仕事が忙しいときは書類作成などできることをやってくれる。
11(木)の祭日も『山の日』だからと奥多摩に連れ出してくれた。天気はあいにく曇りだが真夏のハイキングにはちょうど良かった。
暑さしのぎに少しだけ水遊びもした。多摩川上流の水はとても澄んでいて、長時間浸かっていられないほど冷たかった。
奥多摩駅近くの町営温泉露天風呂に浸かり、帰りの電車内で拓海さんに寄りかかってウトウトしながら帰宅した。
仕事はあいかわらず忙しかったが、彼とのバカンスを目標に頑張ることができた。また優斗からの依頼で調査のためたくさん話しかけたことから奈央先輩と親しくなってしまった。リーダー的な立ち位置の奈央先輩を通じて他の先輩方とも仲良くなり、職場の居心地がよくなった。
あれから悠真が近寄らなくなったことは寂しいが、怪我の功名というべきか、いささかエキセントリックな性格で苦手としていた悠真の母親と話す回数が少なくなりストレスが減った。
ナターシャという女として目標にすべきライバルもできた。拓海さんから遠く離れてしまえば、彼女とは友達になれそうな気がする。
千佳先輩と比べて距離があった里奈や美咲とも、親友といえるくらい仲良くなった。
優斗という気が置けない年下の男友達やイタリア人のメールフレンドもできた。そして今日もまた男の知り合いが増えた。孝さんは最近またしつこくなってイライラさせられるけど。
そういえば千佳先輩と最近会っていない。妹の琴美や父から連絡がない。夏だしきっと忙しいのだろう。母から連絡がないのはあいかわらずだ。
健康状態は心身ともに良好。セックスライフだって最高に充実している。
7(日)の夜にはあのあと、拓海さんは疲れているのに「寂しくさせたから」と言って、いつもの週末調教開始時のように私を浴室で丹念に磨きあげると、途中を省略して、調教の終わりの時のように、寝室の天蓋付きベッドで恋人のように抱いてくれた。
8(月)は“お休み”。
9(火)はWEBカメラの前でオナニー、といっても二人でしているようなものだ。
10(水)はナターシャのいなくなったオメガで拓海さんに“専属高級ソープ嬢”として御奉仕セックス。一緒に帰って拓海さんはお泊り。
11(木)は奥多摩ハイクからの電車の中で膣内にローターを入れられて帰宅。それがいつものオナニー代わり。
12(金)の里奈たちとの飲み会の後から14(日)の夜までは11回目の週末調教。拓海から“ご主人様”として欲望のままに犯され、“マゾ牝奴隷婚約者”としてそれを享受し、本能のままに肉欲を貪った。日曜日の午後は二人でウェディングドレスを見に行った。
15(月)も“お休み”。
16(火)はWEBカメラの前でオナニー。
17(水)はオメガで2回目の“専属高級ソープ嬢”御奉仕。
18(木)~23(火)は生理がきてしまって“お休み”。
そして、昨日の24(水)は・・・・・。
と、ここで目的の日焼けサロンに到着し、回想を中断。受付を済ませてマシンに全裸で横たわる。拓海の指示により、ビーチリソートへの長期旅行の前にプレタンニング(肌の下地作り)をしておくためだ。
「日焼けが肌に良くないことはわかっているが、せっかく南の島に行くのだから褐色に日焼けしたお前を見てみたい。だが陽射しが強すぎるから、いきなり焼いたら大変なことになってしまう、というわけでこれ」
と5枚つづりのチケットを渡されたのが7(日)の夜。
「一番弱いマシンで1回20分程度くるくる回りながら全身くまなく焼くことを旅行までに5回繰り返すように」
とのことで今日は4回目。9月1日(木)の出発日までにもう一度通う予定。
日焼けの理由から、必然的に拓海との海外ビーチリゾートバカンスのことを二人に話した結果が、先ほどのお土産請求。ちょっと自慢げだったかな、と反省する。
ー旅行前の今週末の調教はお休みだったわねー
―だけど有給あんまり残ってないから、お休みを確保するために明後日27の土曜日は先輩に代わって出勤、だから日曜日に準備と買い物を済ませないと―
―でも拓海さんはパスポートだけ用意しておけばいいぞ、あと、日焼けサロンにちゃんと通っておけよって―
―きっとまたエッチなこと考えてるんだろうな、昨日だってあんなこと言ってたし―
日焼けマシンの中でごろごろ回転しながらそんな思いをめぐらせていると、頭の中に自然とさきほどの回想の続きが再現される。
昨日はオメガでの3回目、最後の拓海ご主人様への“専属高級ソープ嬢”御奉仕だった。思い出すとエッチな気持ちになってしまいそうなので、気持ちを海外旅行に向ける。
楽しいことを考えていると時間はあっという間に過ぎる。旅行に出発する日が来るのも芽美が驚くほど早かった。
「あんた、なにさっきからずっとニヤニヤしてるのよ?」
「そうそう、気持ち悪がって男性陣が寄って来ないから止めてくれないかなぁ?」
プールサイドのディッキチェアでトロピカルドリンクを飲みながら、つい鼻歌を漏らしてしまった芽美に里奈と美咲の厳しい突っ込みが入る。とはいえ二人とも顔は笑っている。幸せそうな芽美をちょっとからかおうとしているだけだ。
「えっ?わたし、そんなに変?」
「そうね、『お前はチェシャ猫の生まれ変わりか!』って突っ込みたくなるくらいニヤニヤしっぱなしだわ。笑い顔だけ宙に残して消える前に一言言ってね?怖いから」
「8月入ってすぐ、寂しそうなSNSメッセ寄こしたり死にそうな声で電話してきたりしたから、なんかあったのかと慌てて美咲とスケジュール調整して12日に飲みに誘ってみたら妙にハイテンションだったじゃない。まあ女の子だし体調とかで妙に落ち込んだり元気になったりすることもあるかとあのときはスルーしたんだけどね。今日は、あのときより落ち着いてはいるようだけれど・・・」
「キモさは今日のほうが勝っているわね!」
毒舌の美咲がクールな表情でグサリと直球でとどめを刺す。
「それで、今日はなに?またなにか良いことでもあったの?」
「それより、そもそもあんた、なんでそんなに日焼けしてるの?」
「ふふん、それはね・・・」
今日は8月25日木曜日。場所はホテルニューオータニのガーデンプール。芽美たち三人は流行の夏季限定開催「ナイトプール」に遊びに来ていた。
12(金)に3人で集まって飲んだときに『夏といえば海よ!海!三人で行こうよ!』と酔っ払った芽美が強く主張し、里奈も賛同したのだが、お嬢様育ちの美咲が『東京近郊の汚い海なんてイヤ!』と反対した。
それならプールはどうかという美咲の提案で、仕事の後でも行けるこのサマーイベントを試してみようということで落ち着いた。反対するだけではなく対案をきちんと出すところが美咲の頼れるところだ。
お盆明けにさっそく繰り出す予定だったのだが、芽美と美咲が生理だったり天気がずっと雨模様だったりで伸び伸びになり、久しぶりの快晴の今日、ついに実施の運びとなった。
午後7時を過ぎた今でも空に雲はなく気温は28度近くあり、風は南からの微風だから水着でプールサイドのデッキチェアに寝そべっていても全然寒くはないし、日焼けしないぶん、女性には泳ぐのにちょうどよい環境となっている。
実際、客層の中心は20~30代の女性グループだ。女子学生らしき姿が見られないのは、割引制度を活用しても利用料金が学生には高額だからだろう。
続いて多いのが、そうした女性たち狙いと思われる男性客グループ。DJが乗りの良い音楽をかけていてクラブのような雰囲気を醸しだしているため気軽に声をかけやすいようで、あちこちでナンパの光景が見られる。
そうした中に混じって、カップルやホテル宿泊客と見られる外国人家族の姿がちらほら。
その中でも芽美たち3人は目立っていた。
外国人も顔負けのグラマーなスタイルの里奈は挑発的な真っ赤なビキニで迫力満点。背が高くスレンダーなモデル体型の美咲は光沢のあるパープルゴールドのチューブトップビキニで、その身体は清楚な美貌と対照的な妖しい色気を放っている。
二人に比べれば背も小さく子どもっぽい芽美は白いレース編み風の可愛らしいビキニだが、Tバック風の紐付きパンツが艶やかなセクシーさを醸しているだけでなく、ぽってりとした唇と大きく丸みを帯びた美尻が男達の目を惹きつける。
三人にナンパのお声がかからないのは芽美がニヤニヤして気持ち悪いからではなく、三人のレベルが高すぎて気後れしてしまうからだ。
「いつまでもこうやっていても仕方ないわね、出陣するわよ美咲!」
「そうね、せっかく来たんだし、もう少し泳ぎたいわ」
ドリンクを飲み終わった二人は芽美を置いて先に泳ぎに行ってしまう。ずっと話をしていて口をつける暇がなかった芽美も残りをぐっと飲み干して立ち上がり、二人を追ってプールに向かう。するとそこに脇から近づいてきた男から声がかかる。
「その水着かわいいね」
―え?わたしのこと?―
芽美は驚いて立ち止まった。あの二人と一緒にいて自分がナンパされたのは初めての経験だった。見ると20代後半ぐらいの引き締まった体つきの男が芽美の白ビキニを指差している。立ち止まった芽美に男はさらに声をかける。
「泳ぐのもいいけど、あっちで僕らと踊らない?女の子が足りなくて困ってるんだ」
男が顔を向けた方角を見ると、男二人がBGMに合わせて踊っていた......二人で社交ダンスを。
「ふふ、女の子いなくても大丈夫そうだから、友達と泳いでくるわ」
「じゃあ、泳ぎ着かれたら一緒に飲もうよ。ドリンク3人分ごちそうするからさ!」
「わたしだけじゃ決められないから、2人がOKしたらね?」
「オッケー、それまで俺達も泳ぐことにするわ」
男はそう言って踊っている二人を連れてくると芽美の後を追ってプールに入り、芽美を通じて里奈と美咲にも声をかけ、6人で水中鬼ごっこをして遊んだ。
プールサイドに上がり約束どおりカクテルと軽食をご馳走になった後、もうひと泳ぎしてプールから上がった。ダイニングバーに移動して本格的に飲もうということで話がまとまったからだ。
しかし芽美は用があるからと断った。芽美に声をかけてきた男が残念そうにしていたからSNSを交換して別れた。
ホテルを出て別れるとき里奈と美咲からこんなことを言われた。
「芽美、声をかけやすくなったわよね、やわらかい笑顔で」
「前は知らない男から声かけられると警戒心あらわなキツイ表情浮かべてたのに」
「それに大胆にもなったし。今日の水着、一見清楚に見えてなかなかセクシーだったわよ。やるようになったわねメグ!」
「歩き方だって、お尻をぷりぷり振っちゃって、誘ってオーラを振りまいてたし」
「芽美ねらいのあの男にしっかりアピールしておくから、任せておいて!」
「「だからお土産よろしくっ♪」」
「・・・はいはい・・・」
厳しい二人がやけに褒めてくると思ったらそういうことかと納得して目的地に向かう。それでも採点の辛い二人に褒められたのは嬉しかった。
―いけない、またニヤニヤしちゃった―
通りすがりの中年女性が気持ち悪そうな顔で見ていることに気づき表情をあわてて引き締める。それも仕方ない、拓海が帰ってきてからの芽美の生活はこれまでにないほど順風満帆なのだから。
拓海さんという素敵な恋人(芽美の意識では)ができた。ちょっとエッチでかなり変態だけど、会ってセックスだけではなくデートにもちゃんと連れて行ってくれるし、困っていれば手伝ってくれたりもする。おかげで懸案だった自動車免許の取得もできたし、仕事が忙しいときは書類作成などできることをやってくれる。
11(木)の祭日も『山の日』だからと奥多摩に連れ出してくれた。天気はあいにく曇りだが真夏のハイキングにはちょうど良かった。
暑さしのぎに少しだけ水遊びもした。多摩川上流の水はとても澄んでいて、長時間浸かっていられないほど冷たかった。
奥多摩駅近くの町営温泉露天風呂に浸かり、帰りの電車内で拓海さんに寄りかかってウトウトしながら帰宅した。
仕事はあいかわらず忙しかったが、彼とのバカンスを目標に頑張ることができた。また優斗からの依頼で調査のためたくさん話しかけたことから奈央先輩と親しくなってしまった。リーダー的な立ち位置の奈央先輩を通じて他の先輩方とも仲良くなり、職場の居心地がよくなった。
あれから悠真が近寄らなくなったことは寂しいが、怪我の功名というべきか、いささかエキセントリックな性格で苦手としていた悠真の母親と話す回数が少なくなりストレスが減った。
ナターシャという女として目標にすべきライバルもできた。拓海さんから遠く離れてしまえば、彼女とは友達になれそうな気がする。
千佳先輩と比べて距離があった里奈や美咲とも、親友といえるくらい仲良くなった。
優斗という気が置けない年下の男友達やイタリア人のメールフレンドもできた。そして今日もまた男の知り合いが増えた。孝さんは最近またしつこくなってイライラさせられるけど。
そういえば千佳先輩と最近会っていない。妹の琴美や父から連絡がない。夏だしきっと忙しいのだろう。母から連絡がないのはあいかわらずだ。
健康状態は心身ともに良好。セックスライフだって最高に充実している。
7(日)の夜にはあのあと、拓海さんは疲れているのに「寂しくさせたから」と言って、いつもの週末調教開始時のように私を浴室で丹念に磨きあげると、途中を省略して、調教の終わりの時のように、寝室の天蓋付きベッドで恋人のように抱いてくれた。
8(月)は“お休み”。
9(火)はWEBカメラの前でオナニー、といっても二人でしているようなものだ。
10(水)はナターシャのいなくなったオメガで拓海さんに“専属高級ソープ嬢”として御奉仕セックス。一緒に帰って拓海さんはお泊り。
11(木)は奥多摩ハイクからの電車の中で膣内にローターを入れられて帰宅。それがいつものオナニー代わり。
12(金)の里奈たちとの飲み会の後から14(日)の夜までは11回目の週末調教。拓海から“ご主人様”として欲望のままに犯され、“マゾ牝奴隷婚約者”としてそれを享受し、本能のままに肉欲を貪った。日曜日の午後は二人でウェディングドレスを見に行った。
15(月)も“お休み”。
16(火)はWEBカメラの前でオナニー。
17(水)はオメガで2回目の“専属高級ソープ嬢”御奉仕。
18(木)~23(火)は生理がきてしまって“お休み”。
そして、昨日の24(水)は・・・・・。
と、ここで目的の日焼けサロンに到着し、回想を中断。受付を済ませてマシンに全裸で横たわる。拓海の指示により、ビーチリソートへの長期旅行の前にプレタンニング(肌の下地作り)をしておくためだ。
「日焼けが肌に良くないことはわかっているが、せっかく南の島に行くのだから褐色に日焼けしたお前を見てみたい。だが陽射しが強すぎるから、いきなり焼いたら大変なことになってしまう、というわけでこれ」
と5枚つづりのチケットを渡されたのが7(日)の夜。
「一番弱いマシンで1回20分程度くるくる回りながら全身くまなく焼くことを旅行までに5回繰り返すように」
とのことで今日は4回目。9月1日(木)の出発日までにもう一度通う予定。
日焼けの理由から、必然的に拓海との海外ビーチリゾートバカンスのことを二人に話した結果が、先ほどのお土産請求。ちょっと自慢げだったかな、と反省する。
ー旅行前の今週末の調教はお休みだったわねー
―だけど有給あんまり残ってないから、お休みを確保するために明後日27の土曜日は先輩に代わって出勤、だから日曜日に準備と買い物を済ませないと―
―でも拓海さんはパスポートだけ用意しておけばいいぞ、あと、日焼けサロンにちゃんと通っておけよって―
―きっとまたエッチなこと考えてるんだろうな、昨日だってあんなこと言ってたし―
日焼けマシンの中でごろごろ回転しながらそんな思いをめぐらせていると、頭の中に自然とさきほどの回想の続きが再現される。
昨日はオメガでの3回目、最後の拓海ご主人様への“専属高級ソープ嬢”御奉仕だった。思い出すとエッチな気持ちになってしまいそうなので、気持ちを海外旅行に向ける。
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