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Discipline3:セックス合宿で教え込まれる性奴の作法と絶頂の至福
第五話 嫉妬しあう二匹の牝
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ナターシャは拘束具、目隠し、ボールギャグの全てから解放され、フレンチメイド服姿に戻ると拓海に向かってカーテシーを行ってお礼を言う。
「ナータの願いをかなえてくださっテ、ありがとうございマス、マスター」
先程までとは打ってかわって、表情には余裕が見られ、服装やセリフの破廉恥さにもかかわらず、その挨拶には優雅さと上品さが感じられた。
「お前はもうナータではないだろう?」
拓海は間接的な言い回しで、俺達はもう別れたはずだろう、とナターシャを諭す。
「はい、それは十分理解していマス・・・でも・・・ワタシが芽美とマスターへの気持ちを整理できるまで、もう少しだけナータでいさせてくださいマセ。今回のお話は急すぎましたカラ・・・それに、そのほうが・・・」
ナターシャは最後まで言わずに意味ありげに芽美へ視線を送る。
―そのほうが、芽美の調教も捗る、か・・・そうだろうな・・・しかし・・・―
拓海はナターシャの視線の意味を理解し内心同意する。芽美の調教は拓海とナターシャが二人で調教師を務め、飴と鞭の役割分担をして行なう計画だ。
ナターシャが『ムチ』で拓海が『アメ』。拓海が極めて厳しい調教を行なうナターシャから芽美を守ることで自分への信頼感と依存心を醸成し、拓海の調教を芽美が自ら選ぶようにしてしまおうというものだった。
しかし芽美が二人の真の関係を知ってしまったからには作戦を変更する必要がある。調教師は拓海一人で、ナターシャと芽美の二人は調教を受けるセックス奴隷―ただしナターシャのほうが優秀なベテランで芽美は新米―という位置づけになるからだ。
同じ立場であれば、女の競争心や嫉妬心を煽ってやればムキになって奴隷への道をひた走るだろう。問題はナターシャのほうが遥かに先、ゴール間近まで到達してしまっていることだ。
芽美をマインドコントロールし、『拓海ご主人様のマゾ牝奴隷として生きることが自分の幸せ』という結論に芽美自らの思考で達したかのように思わせて、性的な悦びを感じながら能動的に奉仕する性奴隷に仕立て上げることが拓海の狙いである。
そのために、ナターシャの豊富な知識やテクニックを競争の中で上手く芽美に身につけさせたい。しかしナターシャが嫉妬心から教えることを拒み、芽美があまりにも優秀すぎる奴隷と比較されることに疲れてしまえば、命じられた奉仕にイヤイヤ応じるだけの魅力のないダッチワイフになってしまう。
―まぁ、そうなってしまったら、AVにでも出演させつつ風俗で働いてもらって、飽きられたらアラブか中国の日本女好きの金持ちにでも売り払えばいいか―
そんな結論に達した拓海に、悩んでいるなら勝機があると読んだナターシャは、拓海に抱きつき、豊満な胸を押し付けながら切々と訴える。
「ワタクシはこの秋には帰国してしまいマス。それまではアナタ様の恋人『ナータ』でいさせてくださいマセ。もともとそういう約束だったじゃありまセンカ。帰国してしまえバ、おそらく二度と会うことはないでショウ。だからワタクシに忘れられない思い出をもっとくださいマセ」
拓海の頭の中が芽美の調教方針からナターシャとの思い出に切り替わる。
拓海とナターシャの付き合いは長い。知り合ってから恋人になるまで2年、恋人になってから昨年秋に別れるまで5年、合計7年以上の付き合いだ。
東京出身で東京で暮らし続けていながら周囲になじめず異邦人めいた雰囲気を持つ拓海と、文字通りの異邦人であるナターシャとはウマがあった。性格的な相性もセックスの相性もばっちりだった。
ナターシャとの結婚を考えることもあった拓海だが、その間、実際に求婚することはなかった。その理由は二つ。
ひとつはナターシャが自分を騙して借金をさせ体を売らざるを得なくさせた日本人や、自分を金で買う日本人、外国人として偏見をもって接してくる日本人、自分が近づいていっても距離をとって親しくなれない日本人として『日本人』と『日本』という国を嫌っていて母国に帰る予定であること。
もうひとつは、芽美にはそれらしいことを言って誤魔化しているが、拓海の精子から子どもができる可能性が極めて低く、子ども好きなナターシャにふさわしくないと拓海が思ったからである。自分の精子が子孫を残す力が微弱なことをナターシャに打ち明ける勇気を拓海はこれまで発揮できていなかった。
そんなことを思い返している拓海にナターシャが止めをさす。
「ナータでいさせてくれるあいだは、ゴムなしでセックスしてかまわないワ」
ソープの仕事をしているナターシャだが、避妊についてはしっかり対策していた。ピルを服用するだけでなくコンドームも必ずつけてセックスさせていた。そんな彼女がコンドームなしでのセックスを許すのはいったいどういうわけなのか?
「それは俺が膣内射精をしてもいいってこと?」
「ダー(イエス)」
「ピルを飲んでるから妊娠することはないだろうけど、どういう心境の変化だい?」
「思い出づくりデス。考えてみたらマスターとはゴムありのセックスしかしたことがなくて、マスターのシャセイを直接感じてみたいナって。それに・・・」
「それに?」
「メグはもうマスターの膣内射精を経験してるカラ、悔しくテ・・・」
これには拓海も、いつ終わるともわからない二人のラブトークをイヤイヤ聴いていた芽美も驚いた。拓海はナターシャの芽美への対抗心に。芽美は自分がこの女に悔しい気持ちを起こさせることができたことに。
―なるほど、俺から見ればナターシャのほうが優れているのは明らかなのだが、嫉妬による俺の命令回数以上の鞭打ちといい、ナターシャの心にはそれほどの余裕はないということか。芽美をナターシャ以上に大事にしたり、ナターシャが経験していないことを経験させて劣等感を感じさせれば、ナターシャは芽美を堕とすよいスパイスになりそうだ。ただナターシャを傷つけることはしたくない・・・加減を慎重に見極めないといけないな・・・―
―この女、拓海さんにこんなにも愛されているのに私に嫉妬するなんて馬鹿じゃないの。見た目は強気の自信家ぽいけど、中身は男の自分への気持ちに自信が持てない恋する女の子って感じ?いや女の子じゃないわ、おばさんね。こんなか弱いおばさんなら、私がつけ込むスキがありそうだわ。どうにかしてこの女から拓海さんを奪って苦しませてやりたい・・・どうせ私はこの境遇から逃げられないのだから、開き直って拓海さんの理想の奴隷になってやる。そうすれば拓海さんはきっと私のほうを気に入って、この女をないがしろにするようになる。そのときの顔が見ものだわ・・・―
拓海が新たな姦計をめぐらせている一方で、光を失っていた芽美の瞳に黒い嫉妬の炎が灯る。図らずも拓海と芽美の利害関係は一致し、ナターシャに対して共同戦線を張るかたちになった。
芽美がナターシャに勝利を収めることができてもできなくても、結果が出るまで二人の奴隷を自在に操ることができる拓海には好都合な展開だ。
芽美はナターシャだけでなく拓海を苦しめることは考えなかったのか。考えてはいたが、それはナターシャから拓海を奪った後にゆっくり考えればよいという、問題の先送りをしていた。
拓海からアブノーマルな快楽を与えられはしても、耐えられないほど酷いことをされたり傷つけられたりしてはいない。ナターシャへの熱い気持ちを聞かされたのはショックだったが、きっぱりと別れていることは確かで、二股をかけようとしたわけでもない。そもそも、今日までの短いながらも内容の濃い調教で、すでに芽美の心身には拓海への隷属の楔が簡単には抜けない強度で打ち込まれてしまっている。
つまるところ、芽美にとって邪魔なのはナターシャだ。この女さえいなくなれば拓海を独占できる、二人だけの淫靡な世界を愉しめるというのが新人マゾ牝奴隷候補の心の奥の本音なのだ。
「わかったよ、ナータ」
拓海の発言にナターシャの顔がほころび、芽美が顔をしかめる。
「スパシーバ、タクミ」
恋人関係にあった時と同様のセリフを言い、再度抱きついてこようとするナターシャ。しかし拓海は彼女ををやんわりと引き離し、芽美を一瞥するとナターシャに視線を戻しこう言い聞かせる。
「だが、俺達はもう別れているし、俺達の考えが変わらない以上、恋人同士に戻るわけにもいかない。建前上、新しい『恋人』の芽美もいるしな。だから俺が言えるのはこれだけだ。恋人としてではなく、芽美と同じ立場としてなら『ナータ』でいさせてやろう。俺の性奴隷としてなら。そうじゃないと、こんな風に扱われている芽美の立場がないだろう?」
拓海はそう言いながら裸で変形四つん這いで拘束されたままの芽美に近づき、優しく頭をなでる。それに呼応して、芽美は挑戦的な視線をナターシャにあびせて挑発する。その視線を真っ向から受け止め睨み返したナターシャは、拓海に視線を移して哀しげに瞳を瞬かせて言う。
「そうですネ。それでかまいまセン、マスター」
「それなら、今後は俺のことはマスターではなく、芽美同様『ご主人様』と呼ぶように」
「・・・わかりました、ごシュジンサマ」
「お前は芽美と同じセックススレイブの身分だから、調教時の二人の立場に優劣はないぞ」
「・・・はい」
厳しい言葉の連続に耐えられずうつむいてしまうナターシャ。それを見た拓海は芽美から離れて彼女の両肩に手を置く。驚い彼女が顔を上げると、そのブルーの美しい瞳に負けない力を込めて見つめてこう語りかける。
「だが、この家の普通の生活では、お前の立場のほうが上だ。食事や料理、洗濯だけなく、金銭面も含め、この家の全てを取り仕切る女家令だからな。それに、お前のほうがあの新米セックス奴隷よりも遥かに経験豊富で、絶妙なセックステクニックを持ち、何より俺のことをよくわかっているのも事実だ。だからお前の身体と性技で俺のことを恋人だった頃と同じように愉しませて欲しい。このメスを調教するときには頼れるパートナーとして俺を助けて欲しい。期待しているよ、俺の美しい金髪巨乳マゾ奴隷メイドさん?」
そして、今度は拓海のほうから、ナターシャのグラマラスな肉体の背中に両腕を回し、力を強く込めて抱きしめる。その強さに息苦しさと自分への真摯な気持ちを感じながら、彼女もまた拓海を力を込めて抱きしめ返し喜びをあらわす。二人の唇は自然と触れあい、気持ちのこもった熱いキスに発展する。それは二人にとって、別れを決めた半年前に交わして以来のものだった。
キスの最中、ナターシャがチラリと芽美に視線を向けると悔しそうにこちらを見ている芽美と目が合う。
優越感にひたりながら、ますます情熱的にキスを続けるナターシャ。そのキスに同じく情熱的に応えて芽美を一緒に煽りながら、拓海はニヤリとして心中でこううそぶく。
ー二人を煽りすぎて刺されるようなことにならないよう気をつけないとなー
芽美が刺すような視線でにらみつけているにもかかわらず、二人はキスを悠々と続けていて止める気配がない。二人が自分をのけ者にして甘い雰囲気に浸っていることに耐えられなくなった芽美が叫ぶ。
「ウウッ、ウウッー!」(いいかげんにして!)
その叫びはボールギャグのせいで動物がうなり声を上げているようにしか聞こえず、何を言っているのか全くわからない。が、拓海はこれを利用してやろうと唇を離し、ナータの腰を抱いたまま言う。
「おや、芽美が私も早くお仕置きしてください、と訴えてきているぞ、ナータ?」
「あんなメスのいうことを聞いてやる必要なんてありませんワ、奴隷なのですから。ご主人様の好きなようにかまってやればよいのデス。それよりも、久しぶりにワタクシの身体を愉しんでみてはいかがですか?アナタ様の金髪巨乳マゾ奴隷メイドが、あのメスにはない大きなバストや磨き上げたテクニックで気持ちよくして差し上げますワ」
久しぶりのキスで発情したナターシャは、98センチHカップの巨大な乳房を拓海に押し付けて誘惑する。
「いや、このセックス合宿は、芽美の調教を進めることが目的だからな」
拓海はこう言うとナターシャは不機嫌そうになるが、芽美が聞き取れない小声で拓海がぼそぼそとささやくと機嫌を直し、芽美に嫌な笑顔を向けると調教部屋奥の倉庫に姿を消し、がさごそと音をたてる。拓海に指示されて何かを探しているようだ。
二人だけになったところで拓海が言う。
「さて芽美、これからお前を俺の理想のマゾ牝奴隷として厳しく躾けていこうというわけだが・・・」
ここでいったん言葉を切り、芽美のすぐそばまで来ると、小声でささやく。
「ナターシャが俺の想定以上にお前の調教に関わることになってしまった、申し訳ない」
拓海は頭を軽く下げて謝罪し、続ける。
「そのために、一つ大きな懸念材料が生まれてしまった。その対策をすると今後の調教プログラムを大きく変更しなければならないのだが、それはお前がその対策を望むか否かによるんだ。だから彼女が戻る前にお前の意見を聞いておきたくてな」
意味がわからず質問したくても、ギャグのせいで不可能な芽美は目で先をうながす。
「ナータがお前にかなりの嫉妬心を抱いているのはわかるだろう?そんな女にお前への懲罰を許可すると、自制できずに今日以上にお前を傷つけてしまいそうでならないんだ」
痛ましそうな表情で芽美の背中のミミズ腫れに慎重に触れる。
「お前を傷つけることは俺の本意ではなく、アイツがお前をお仕置きすることを禁じたい。しかし、俺が一方的にお前の味方をすれば、アイツはますますお前に嫉妬して、俺のいないときにお前に何をするかわからなくて怖いんだ・・・鞭のほかにも色々あるからね・・・乳首やクリトリスにピアッシングとか・・・焼印を押したりとか・・・」
女の怖さを職場でいやというほど実感している芽美は首肯して共感を示す。
「だから、俺がいないときでも、せめて羞恥系のお仕置き、例えば言葉で辱めたり、恥ずかしい格好をさせたりするようなことをするのは許可しようと思う、時にはアイツも同じお仕置きを受けることを条件に。その代わり、鞭打ちのような暴力・苦痛系のお仕置きをアイツが自己判断で勝手にお前に行なうのは一切禁止にして、それを守れなければアイツがお前にした以上の恥ずかしいお仕置きを与えることにする。アイツは痛いお仕置きより恥ずかしいお仕置きのほうが苦手だからな。それでどうかな、メグ?」
芽美は考える。
―ナターシャさんはたしかに嫉妬深いわ。拓海さんのいないときに鞭打たれたら何回やられることやら・・・。アソコにピアスとか、まして焼印なんてありえない。それに比べたら言葉責めとか恥ずかしい格好をさせられるだけですむほうが全然まし。恥ずかしい格好っていったって、この前みたいなセクシー下着とかコスプレとかでしょう?それにしても恥ずかしいお仕置きのほうが苦手なんて本当かしら。鞭でイッたのは確かだけど・・・痛いのが好きなんて、あの女は私以上のマゾね。とにかく、ナターシャさんに鞭打たれることは真っ平だわ―
コクリ。すぐに結論をだした芽美の首が大きく縦に動く。十分に考えて結論を出したと思う芽美だが、それは合理的な判断というより、拓海がナターシャより自分に配慮してくれた嬉しさによる感情的なものだ。
拓海の発言を冷静に受け止めれば芽美が懸念すべき点はいくつもある。羞恥系のお仕置きには、言葉攻めやコスプレ以外にも色々あること。拓海が鞭打ったりすることは禁じていないこと。契約書では拓海が芽美の身体に傷が残るプレイは禁じられているが、拓海がナターシャに命じてピアシングさせたり焼印を押すことは、グレーな範疇だが行なえること。
後々、芽美はこのとき安易にうなづいてしまったことを大いに後悔することになる。拓海の本音はこのようなものであったのだから。
『俺の分析では、芽美はどんな調教でも性的興奮に結びつけることのできる素晴らしいマゾの素質がある。しかし、せっかくナターシャが参加することになったのだから、彼女とは違う特性をもつ奴隷に調教するのも一興か。
ナターシャのグラマーな肉体には縄やボンデージ衣装は似合うが、制服のようなコスプレはあまり似合わない。外国人らしく、最初の頃はセックスの最中に主導権を握ろうとして生意気だったから激しく鞭打ったりしたものだ。そのせいで暴力・苦痛系のプレイが好きな重度のマゾになってしまったのは嬉しい誤算だった。タトゥやボディピアスにも抵抗しなかったしな。
肉食系の痴女で、いつでもどこでも積極的に誘ってきて、フェラチオしてくれたり、騎乗位でデカパイをぶるんぶるん揺らして腰を振ってくれたり、自分が感じていることや隠語を大声で言ってくれたりするのは素晴らしい。だがそれは自分が気持ちよくなるためで、俺を気持ちよくしようという奉仕の精神が乏しかったのが残念だ。
ただ妙に潔癖だったり恥ずかしがりだったり慎重だったりして、やらせてもらえないプレイも多かった。ローターやバイブなどのアダルトグッズを使うことは嫌いでオナニーも見せてはくれなかった。だからアナルの開発も無理でアナルセックスは不可能だった。一緒にお風呂に入ったこともないし、外出するときの服装は露出の少ないものが多くて、屋外や他人のいる場所ではキス以外は許してくれなかった。コンドームなしの挿入も禁止で、中出しなんてあり得なかった。
となると、芽美には・・・オーガスムの快感を覚えてセックス好きになってもらうのが大前提ではあるが・・・フェラチオ好きな俺としては、これもナターシャレベルになってもらうとして・・・ナターシャとは違う、アダルトグッズ好き・コスプレ好き・アナルセックス好き・露出好き・屋外セックスが好き・中出しされるのが好き、こんなセックス奴隷になってもらうとするか。
最も大事なのは、自分が気持ちよくなることよりも俺が気持ちよくなることを優先し、俺が満足して射精することに幸せを感じて口内射精や膣内射精されたときに一緒にイケる、奉仕好きで精神的マゾ性の強い奴隷になってもらうことだ。ナターシャは遠慮なく自分だけ先に達してしまうこと多かったからな。慎み深く奉仕好きな芽美なら期待できる。まったく、セックス奴隷として素晴らしい素質だぜ。
芽美にナターシャの特性を仕込んで俺の理想のセックス奴隷として完成させるのは、ナターシャが帰国した後にのんびりやればいいだろう』
芽美を自分だけのセックス奴隷に貶めることに拓海が偏執するのはなぜか?
一義的な理由が拓海の女の趣味と性的嗜好にあることは間違いない。惚れた女を徹底的にSM調教し、ご主人様である己の気分のままに犯され望むまま奉仕を行なうことに幸せを見出す『マゾ牝奴隷』に堕とすことがこの男にとっての女の愛し方だ。
しかしただそれだけではなく、拓海が芽美を愛し、同時に憎んでいることが本質にある。拓海の歪んだ女の愛し方も、芽美への愛憎の複雑な感情も、20代の頃、芽美に瓜二つの女性と深く関わったことに由来する。
それがどのような関わりであったのか、拓海は調教が完了する前には打ち明けるつもりだ。しかし今はまだ時期尚早と考えていた。同情と贖罪の気持ちを芽美に起こさせることは間違いなく、それで芽美をモノにすることは大人の男としてのプライドが許さなかった。
拓海と芽美に瓜二つの女性との関わりについては2人の女性が知っている。一人はナターシャであり、拓海と付き合うことになったときにさらりと聞かされている。
もう一人は芽美の親友の森永千佳。実は拓海と千佳とは、彼女がまだ高校生だった頃の3年間、男女の深い関係にあった。健全な恋愛関係ではなく、かといって援助交際のような不法・不道徳な関係でもなく、病んだ共依存の関係で。拓海はこのことも調教完了前に打ち明けるつもりだ。なぜなら、二つの話はつながっているのだから。
「ナータの願いをかなえてくださっテ、ありがとうございマス、マスター」
先程までとは打ってかわって、表情には余裕が見られ、服装やセリフの破廉恥さにもかかわらず、その挨拶には優雅さと上品さが感じられた。
「お前はもうナータではないだろう?」
拓海は間接的な言い回しで、俺達はもう別れたはずだろう、とナターシャを諭す。
「はい、それは十分理解していマス・・・でも・・・ワタシが芽美とマスターへの気持ちを整理できるまで、もう少しだけナータでいさせてくださいマセ。今回のお話は急すぎましたカラ・・・それに、そのほうが・・・」
ナターシャは最後まで言わずに意味ありげに芽美へ視線を送る。
―そのほうが、芽美の調教も捗る、か・・・そうだろうな・・・しかし・・・―
拓海はナターシャの視線の意味を理解し内心同意する。芽美の調教は拓海とナターシャが二人で調教師を務め、飴と鞭の役割分担をして行なう計画だ。
ナターシャが『ムチ』で拓海が『アメ』。拓海が極めて厳しい調教を行なうナターシャから芽美を守ることで自分への信頼感と依存心を醸成し、拓海の調教を芽美が自ら選ぶようにしてしまおうというものだった。
しかし芽美が二人の真の関係を知ってしまったからには作戦を変更する必要がある。調教師は拓海一人で、ナターシャと芽美の二人は調教を受けるセックス奴隷―ただしナターシャのほうが優秀なベテランで芽美は新米―という位置づけになるからだ。
同じ立場であれば、女の競争心や嫉妬心を煽ってやればムキになって奴隷への道をひた走るだろう。問題はナターシャのほうが遥かに先、ゴール間近まで到達してしまっていることだ。
芽美をマインドコントロールし、『拓海ご主人様のマゾ牝奴隷として生きることが自分の幸せ』という結論に芽美自らの思考で達したかのように思わせて、性的な悦びを感じながら能動的に奉仕する性奴隷に仕立て上げることが拓海の狙いである。
そのために、ナターシャの豊富な知識やテクニックを競争の中で上手く芽美に身につけさせたい。しかしナターシャが嫉妬心から教えることを拒み、芽美があまりにも優秀すぎる奴隷と比較されることに疲れてしまえば、命じられた奉仕にイヤイヤ応じるだけの魅力のないダッチワイフになってしまう。
―まぁ、そうなってしまったら、AVにでも出演させつつ風俗で働いてもらって、飽きられたらアラブか中国の日本女好きの金持ちにでも売り払えばいいか―
そんな結論に達した拓海に、悩んでいるなら勝機があると読んだナターシャは、拓海に抱きつき、豊満な胸を押し付けながら切々と訴える。
「ワタクシはこの秋には帰国してしまいマス。それまではアナタ様の恋人『ナータ』でいさせてくださいマセ。もともとそういう約束だったじゃありまセンカ。帰国してしまえバ、おそらく二度と会うことはないでショウ。だからワタクシに忘れられない思い出をもっとくださいマセ」
拓海の頭の中が芽美の調教方針からナターシャとの思い出に切り替わる。
拓海とナターシャの付き合いは長い。知り合ってから恋人になるまで2年、恋人になってから昨年秋に別れるまで5年、合計7年以上の付き合いだ。
東京出身で東京で暮らし続けていながら周囲になじめず異邦人めいた雰囲気を持つ拓海と、文字通りの異邦人であるナターシャとはウマがあった。性格的な相性もセックスの相性もばっちりだった。
ナターシャとの結婚を考えることもあった拓海だが、その間、実際に求婚することはなかった。その理由は二つ。
ひとつはナターシャが自分を騙して借金をさせ体を売らざるを得なくさせた日本人や、自分を金で買う日本人、外国人として偏見をもって接してくる日本人、自分が近づいていっても距離をとって親しくなれない日本人として『日本人』と『日本』という国を嫌っていて母国に帰る予定であること。
もうひとつは、芽美にはそれらしいことを言って誤魔化しているが、拓海の精子から子どもができる可能性が極めて低く、子ども好きなナターシャにふさわしくないと拓海が思ったからである。自分の精子が子孫を残す力が微弱なことをナターシャに打ち明ける勇気を拓海はこれまで発揮できていなかった。
そんなことを思い返している拓海にナターシャが止めをさす。
「ナータでいさせてくれるあいだは、ゴムなしでセックスしてかまわないワ」
ソープの仕事をしているナターシャだが、避妊についてはしっかり対策していた。ピルを服用するだけでなくコンドームも必ずつけてセックスさせていた。そんな彼女がコンドームなしでのセックスを許すのはいったいどういうわけなのか?
「それは俺が膣内射精をしてもいいってこと?」
「ダー(イエス)」
「ピルを飲んでるから妊娠することはないだろうけど、どういう心境の変化だい?」
「思い出づくりデス。考えてみたらマスターとはゴムありのセックスしかしたことがなくて、マスターのシャセイを直接感じてみたいナって。それに・・・」
「それに?」
「メグはもうマスターの膣内射精を経験してるカラ、悔しくテ・・・」
これには拓海も、いつ終わるともわからない二人のラブトークをイヤイヤ聴いていた芽美も驚いた。拓海はナターシャの芽美への対抗心に。芽美は自分がこの女に悔しい気持ちを起こさせることができたことに。
―なるほど、俺から見ればナターシャのほうが優れているのは明らかなのだが、嫉妬による俺の命令回数以上の鞭打ちといい、ナターシャの心にはそれほどの余裕はないということか。芽美をナターシャ以上に大事にしたり、ナターシャが経験していないことを経験させて劣等感を感じさせれば、ナターシャは芽美を堕とすよいスパイスになりそうだ。ただナターシャを傷つけることはしたくない・・・加減を慎重に見極めないといけないな・・・―
―この女、拓海さんにこんなにも愛されているのに私に嫉妬するなんて馬鹿じゃないの。見た目は強気の自信家ぽいけど、中身は男の自分への気持ちに自信が持てない恋する女の子って感じ?いや女の子じゃないわ、おばさんね。こんなか弱いおばさんなら、私がつけ込むスキがありそうだわ。どうにかしてこの女から拓海さんを奪って苦しませてやりたい・・・どうせ私はこの境遇から逃げられないのだから、開き直って拓海さんの理想の奴隷になってやる。そうすれば拓海さんはきっと私のほうを気に入って、この女をないがしろにするようになる。そのときの顔が見ものだわ・・・―
拓海が新たな姦計をめぐらせている一方で、光を失っていた芽美の瞳に黒い嫉妬の炎が灯る。図らずも拓海と芽美の利害関係は一致し、ナターシャに対して共同戦線を張るかたちになった。
芽美がナターシャに勝利を収めることができてもできなくても、結果が出るまで二人の奴隷を自在に操ることができる拓海には好都合な展開だ。
芽美はナターシャだけでなく拓海を苦しめることは考えなかったのか。考えてはいたが、それはナターシャから拓海を奪った後にゆっくり考えればよいという、問題の先送りをしていた。
拓海からアブノーマルな快楽を与えられはしても、耐えられないほど酷いことをされたり傷つけられたりしてはいない。ナターシャへの熱い気持ちを聞かされたのはショックだったが、きっぱりと別れていることは確かで、二股をかけようとしたわけでもない。そもそも、今日までの短いながらも内容の濃い調教で、すでに芽美の心身には拓海への隷属の楔が簡単には抜けない強度で打ち込まれてしまっている。
つまるところ、芽美にとって邪魔なのはナターシャだ。この女さえいなくなれば拓海を独占できる、二人だけの淫靡な世界を愉しめるというのが新人マゾ牝奴隷候補の心の奥の本音なのだ。
「わかったよ、ナータ」
拓海の発言にナターシャの顔がほころび、芽美が顔をしかめる。
「スパシーバ、タクミ」
恋人関係にあった時と同様のセリフを言い、再度抱きついてこようとするナターシャ。しかし拓海は彼女ををやんわりと引き離し、芽美を一瞥するとナターシャに視線を戻しこう言い聞かせる。
「だが、俺達はもう別れているし、俺達の考えが変わらない以上、恋人同士に戻るわけにもいかない。建前上、新しい『恋人』の芽美もいるしな。だから俺が言えるのはこれだけだ。恋人としてではなく、芽美と同じ立場としてなら『ナータ』でいさせてやろう。俺の性奴隷としてなら。そうじゃないと、こんな風に扱われている芽美の立場がないだろう?」
拓海はそう言いながら裸で変形四つん這いで拘束されたままの芽美に近づき、優しく頭をなでる。それに呼応して、芽美は挑戦的な視線をナターシャにあびせて挑発する。その視線を真っ向から受け止め睨み返したナターシャは、拓海に視線を移して哀しげに瞳を瞬かせて言う。
「そうですネ。それでかまいまセン、マスター」
「それなら、今後は俺のことはマスターではなく、芽美同様『ご主人様』と呼ぶように」
「・・・わかりました、ごシュジンサマ」
「お前は芽美と同じセックススレイブの身分だから、調教時の二人の立場に優劣はないぞ」
「・・・はい」
厳しい言葉の連続に耐えられずうつむいてしまうナターシャ。それを見た拓海は芽美から離れて彼女の両肩に手を置く。驚い彼女が顔を上げると、そのブルーの美しい瞳に負けない力を込めて見つめてこう語りかける。
「だが、この家の普通の生活では、お前の立場のほうが上だ。食事や料理、洗濯だけなく、金銭面も含め、この家の全てを取り仕切る女家令だからな。それに、お前のほうがあの新米セックス奴隷よりも遥かに経験豊富で、絶妙なセックステクニックを持ち、何より俺のことをよくわかっているのも事実だ。だからお前の身体と性技で俺のことを恋人だった頃と同じように愉しませて欲しい。このメスを調教するときには頼れるパートナーとして俺を助けて欲しい。期待しているよ、俺の美しい金髪巨乳マゾ奴隷メイドさん?」
そして、今度は拓海のほうから、ナターシャのグラマラスな肉体の背中に両腕を回し、力を強く込めて抱きしめる。その強さに息苦しさと自分への真摯な気持ちを感じながら、彼女もまた拓海を力を込めて抱きしめ返し喜びをあらわす。二人の唇は自然と触れあい、気持ちのこもった熱いキスに発展する。それは二人にとって、別れを決めた半年前に交わして以来のものだった。
キスの最中、ナターシャがチラリと芽美に視線を向けると悔しそうにこちらを見ている芽美と目が合う。
優越感にひたりながら、ますます情熱的にキスを続けるナターシャ。そのキスに同じく情熱的に応えて芽美を一緒に煽りながら、拓海はニヤリとして心中でこううそぶく。
ー二人を煽りすぎて刺されるようなことにならないよう気をつけないとなー
芽美が刺すような視線でにらみつけているにもかかわらず、二人はキスを悠々と続けていて止める気配がない。二人が自分をのけ者にして甘い雰囲気に浸っていることに耐えられなくなった芽美が叫ぶ。
「ウウッ、ウウッー!」(いいかげんにして!)
その叫びはボールギャグのせいで動物がうなり声を上げているようにしか聞こえず、何を言っているのか全くわからない。が、拓海はこれを利用してやろうと唇を離し、ナータの腰を抱いたまま言う。
「おや、芽美が私も早くお仕置きしてください、と訴えてきているぞ、ナータ?」
「あんなメスのいうことを聞いてやる必要なんてありませんワ、奴隷なのですから。ご主人様の好きなようにかまってやればよいのデス。それよりも、久しぶりにワタクシの身体を愉しんでみてはいかがですか?アナタ様の金髪巨乳マゾ奴隷メイドが、あのメスにはない大きなバストや磨き上げたテクニックで気持ちよくして差し上げますワ」
久しぶりのキスで発情したナターシャは、98センチHカップの巨大な乳房を拓海に押し付けて誘惑する。
「いや、このセックス合宿は、芽美の調教を進めることが目的だからな」
拓海はこう言うとナターシャは不機嫌そうになるが、芽美が聞き取れない小声で拓海がぼそぼそとささやくと機嫌を直し、芽美に嫌な笑顔を向けると調教部屋奥の倉庫に姿を消し、がさごそと音をたてる。拓海に指示されて何かを探しているようだ。
二人だけになったところで拓海が言う。
「さて芽美、これからお前を俺の理想のマゾ牝奴隷として厳しく躾けていこうというわけだが・・・」
ここでいったん言葉を切り、芽美のすぐそばまで来ると、小声でささやく。
「ナターシャが俺の想定以上にお前の調教に関わることになってしまった、申し訳ない」
拓海は頭を軽く下げて謝罪し、続ける。
「そのために、一つ大きな懸念材料が生まれてしまった。その対策をすると今後の調教プログラムを大きく変更しなければならないのだが、それはお前がその対策を望むか否かによるんだ。だから彼女が戻る前にお前の意見を聞いておきたくてな」
意味がわからず質問したくても、ギャグのせいで不可能な芽美は目で先をうながす。
「ナータがお前にかなりの嫉妬心を抱いているのはわかるだろう?そんな女にお前への懲罰を許可すると、自制できずに今日以上にお前を傷つけてしまいそうでならないんだ」
痛ましそうな表情で芽美の背中のミミズ腫れに慎重に触れる。
「お前を傷つけることは俺の本意ではなく、アイツがお前をお仕置きすることを禁じたい。しかし、俺が一方的にお前の味方をすれば、アイツはますますお前に嫉妬して、俺のいないときにお前に何をするかわからなくて怖いんだ・・・鞭のほかにも色々あるからね・・・乳首やクリトリスにピアッシングとか・・・焼印を押したりとか・・・」
女の怖さを職場でいやというほど実感している芽美は首肯して共感を示す。
「だから、俺がいないときでも、せめて羞恥系のお仕置き、例えば言葉で辱めたり、恥ずかしい格好をさせたりするようなことをするのは許可しようと思う、時にはアイツも同じお仕置きを受けることを条件に。その代わり、鞭打ちのような暴力・苦痛系のお仕置きをアイツが自己判断で勝手にお前に行なうのは一切禁止にして、それを守れなければアイツがお前にした以上の恥ずかしいお仕置きを与えることにする。アイツは痛いお仕置きより恥ずかしいお仕置きのほうが苦手だからな。それでどうかな、メグ?」
芽美は考える。
―ナターシャさんはたしかに嫉妬深いわ。拓海さんのいないときに鞭打たれたら何回やられることやら・・・。アソコにピアスとか、まして焼印なんてありえない。それに比べたら言葉責めとか恥ずかしい格好をさせられるだけですむほうが全然まし。恥ずかしい格好っていったって、この前みたいなセクシー下着とかコスプレとかでしょう?それにしても恥ずかしいお仕置きのほうが苦手なんて本当かしら。鞭でイッたのは確かだけど・・・痛いのが好きなんて、あの女は私以上のマゾね。とにかく、ナターシャさんに鞭打たれることは真っ平だわ―
コクリ。すぐに結論をだした芽美の首が大きく縦に動く。十分に考えて結論を出したと思う芽美だが、それは合理的な判断というより、拓海がナターシャより自分に配慮してくれた嬉しさによる感情的なものだ。
拓海の発言を冷静に受け止めれば芽美が懸念すべき点はいくつもある。羞恥系のお仕置きには、言葉攻めやコスプレ以外にも色々あること。拓海が鞭打ったりすることは禁じていないこと。契約書では拓海が芽美の身体に傷が残るプレイは禁じられているが、拓海がナターシャに命じてピアシングさせたり焼印を押すことは、グレーな範疇だが行なえること。
後々、芽美はこのとき安易にうなづいてしまったことを大いに後悔することになる。拓海の本音はこのようなものであったのだから。
『俺の分析では、芽美はどんな調教でも性的興奮に結びつけることのできる素晴らしいマゾの素質がある。しかし、せっかくナターシャが参加することになったのだから、彼女とは違う特性をもつ奴隷に調教するのも一興か。
ナターシャのグラマーな肉体には縄やボンデージ衣装は似合うが、制服のようなコスプレはあまり似合わない。外国人らしく、最初の頃はセックスの最中に主導権を握ろうとして生意気だったから激しく鞭打ったりしたものだ。そのせいで暴力・苦痛系のプレイが好きな重度のマゾになってしまったのは嬉しい誤算だった。タトゥやボディピアスにも抵抗しなかったしな。
肉食系の痴女で、いつでもどこでも積極的に誘ってきて、フェラチオしてくれたり、騎乗位でデカパイをぶるんぶるん揺らして腰を振ってくれたり、自分が感じていることや隠語を大声で言ってくれたりするのは素晴らしい。だがそれは自分が気持ちよくなるためで、俺を気持ちよくしようという奉仕の精神が乏しかったのが残念だ。
ただ妙に潔癖だったり恥ずかしがりだったり慎重だったりして、やらせてもらえないプレイも多かった。ローターやバイブなどのアダルトグッズを使うことは嫌いでオナニーも見せてはくれなかった。だからアナルの開発も無理でアナルセックスは不可能だった。一緒にお風呂に入ったこともないし、外出するときの服装は露出の少ないものが多くて、屋外や他人のいる場所ではキス以外は許してくれなかった。コンドームなしの挿入も禁止で、中出しなんてあり得なかった。
となると、芽美には・・・オーガスムの快感を覚えてセックス好きになってもらうのが大前提ではあるが・・・フェラチオ好きな俺としては、これもナターシャレベルになってもらうとして・・・ナターシャとは違う、アダルトグッズ好き・コスプレ好き・アナルセックス好き・露出好き・屋外セックスが好き・中出しされるのが好き、こんなセックス奴隷になってもらうとするか。
最も大事なのは、自分が気持ちよくなることよりも俺が気持ちよくなることを優先し、俺が満足して射精することに幸せを感じて口内射精や膣内射精されたときに一緒にイケる、奉仕好きで精神的マゾ性の強い奴隷になってもらうことだ。ナターシャは遠慮なく自分だけ先に達してしまうこと多かったからな。慎み深く奉仕好きな芽美なら期待できる。まったく、セックス奴隷として素晴らしい素質だぜ。
芽美にナターシャの特性を仕込んで俺の理想のセックス奴隷として完成させるのは、ナターシャが帰国した後にのんびりやればいいだろう』
芽美を自分だけのセックス奴隷に貶めることに拓海が偏執するのはなぜか?
一義的な理由が拓海の女の趣味と性的嗜好にあることは間違いない。惚れた女を徹底的にSM調教し、ご主人様である己の気分のままに犯され望むまま奉仕を行なうことに幸せを見出す『マゾ牝奴隷』に堕とすことがこの男にとっての女の愛し方だ。
しかしただそれだけではなく、拓海が芽美を愛し、同時に憎んでいることが本質にある。拓海の歪んだ女の愛し方も、芽美への愛憎の複雑な感情も、20代の頃、芽美に瓜二つの女性と深く関わったことに由来する。
それがどのような関わりであったのか、拓海は調教が完了する前には打ち明けるつもりだ。しかし今はまだ時期尚早と考えていた。同情と贖罪の気持ちを芽美に起こさせることは間違いなく、それで芽美をモノにすることは大人の男としてのプライドが許さなかった。
拓海と芽美に瓜二つの女性との関わりについては2人の女性が知っている。一人はナターシャであり、拓海と付き合うことになったときにさらりと聞かされている。
もう一人は芽美の親友の森永千佳。実は拓海と千佳とは、彼女がまだ高校生だった頃の3年間、男女の深い関係にあった。健全な恋愛関係ではなく、かといって援助交際のような不法・不道徳な関係でもなく、病んだ共依存の関係で。拓海はこのことも調教完了前に打ち明けるつもりだ。なぜなら、二つの話はつながっているのだから。
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