悪役令嬢ですが最強ですよ？？

6歳

空気の重さ

重い……。
戦ってた時は羽が生えたように軽かったのに、今は重いです。

理由はわかってますよ。
気分ですよ！！
いや、まぁ騎士団長に呼ばれるまではまぁわかる。

でもさ！なんで馬車の中に入ってくるの！？
外守ってよ！いや、それかなんか話してよ！めっちゃ静かで気まずいでしょうが！

「えっと、今日は天気がいいですね。」

「そうですね。曇っていますけれど。」

曇ってるのかよ！！
戦いの事ばかり考えてたから天気見てなかったよ！
うち今恥ずかしすぎるでしょ！

どれもこれもこの団長のせいだ！
私の兄様も、ルークも、お父様もかっこいいほうだと思ってますよ。
実際もてますしね。

でもこの団長もかっこいいんです！
金髪のショートカットに翠色の目どことなく溢れる色気！
こんな人が目の前にいたらどうします？

何も話せませんよね！？

「あの、失礼を承知で聞くのですが、なぜリリア様は剣を握るのですか？
あなたは守られている立場のはずですよね？」

「(いきなりそんなこと聞きます？！仮にも乙女ですよ！)
そうですね、私はお互いが支え合う関係でいたいんですよ。
私のせいで誰かが命を落とすのは見ていられません。
だったら一緒に戦って生きる確率をあげた方がいいですわ。」

それは半分だけ、もう半分はただ単純に戦いが好きなのだ。
いえない！

「そうなのですか。リリア様は他の方達と違うのですね」

「守られてるということはそれだけ護衛の事を信頼していると言うことにもなりますが、私は尚更その人を見捨てません。
信頼しているからこそ背中を任せたいものです
そうではありませんか？」

「…そうですね。そういう信頼もありますね。 
無礼をお許しください」

「いいですよ。」

そこから会話はないがさっきのように重い空気ではなく、暖かい安心できる空気になっていた。


その頃リリーのお父様はひと足先に城に行って王様に何事かと怒鳴りはしないが、感情の入っていない声で崖っぷちまで追い詰めていた。