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七英雄
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「ギルムを出しなさい! この街にいるのは分かっているのよ!」
ハンターギルドで、ピンク色の髪をした美しい身なりのお嬢様のような女が、大声で受付嬢に食って掛かっている。
「だから何度も言ってますように、ギルムという人はハンター登録をしていません。それに、アイテムの買取記録もありません!」
ピンク髪の女は大きな胸をブルンと震わせ振り返りハンターギルドにいる全員に向かって大声を上げる。
「名前はギルム、ポーターをやっていますわ! これと言った特徴のない普通顔の男よ! 隠すとためにならないわよ!」
偶然居合わせたハンターたちが一斉に彼女に視線を移す。何処からともなくいい香りがあたりに漂うとハンターたちは次々に声を上げる。
「こんな美人に探されるなんてなんて運のいいやつだ!」
「たまらねぇぜあの胸に、あの尻!」
「ギルム? ポーターにそんな奴いたか?」
ギルド内はザワザワ騒ぎ出すと、その騒ぎを聞きつけてハンターギルドのマスターが奥から出てきた。
「いってぇ何の騒ぎだ!」
ギルドマスターが乱暴に扉を開けながら怒鳴り込んできた。しかし、ピンク髪の女を見た途端に態度を急変させた。
「これはこれは、七英雄のブリージア様ではないですか。今日はどのような御用で……」
七英雄とは、最強のハンターと名高いチーム[破滅の剣]のメンバー7人の通り名だ。この通り名がついたのは、魔物が延々とダンジョンの外に湧き出る、[スタンピードのダンジョン]をクリアして、国を救ったからである。
しかし、[破滅の剣]の7人はその呼び名を良しとしていない。
「その呼び名は、やめなさい! 私達[破滅の剣]は、8人で一つのチームよ! 二度と7人なんて言わないでちょうだい!」
彼女の言う通り[破滅の剣]は、8人で人チーム7人の戦闘職とひとりのポーターで構成されていた。しかし7英雄と名前が売れだしたころにポーターである彼は、行方をくらませたのである。
「とにかく! ポーターのギルムがどこにいるか教えて頂戴!」
ギルドマスターは、受付に目配せすると、受付は首を横に振り、そんな人はいないと知らせる。
「申し訳ありません登録されている方にその様な方はいません……」
フリージアは、自分が何者か知っているギルドマスターの言葉を聞き、本当に登録していないと気がついた。
そして一枚の紙を取り出しギルムの似顔絵を描いていく。その絵は見事で、本人を知っている人がいれば、まるで生き写しだと褒めるほどそっくりだった。
「私の最愛の人を探しています! 名前はギルムです。どなたか、ご存知ありませんか?」
そっくりな似顔絵をハンターたちに見せて回る。
ハンターたちも可愛い娘の要求に答えようと、眉間にシワを寄せて必死に記憶をたどっている。
しかし彼女も言っていたように、特徴がないのが特徴と言わしめる顔のせいで問題が発生する。
「こいつは、八百屋のせがれじゃないか?」
「いや、武器屋の親父だろ?」
「ちがうって、娼館の受付の男だ」
「いやいや、北の農家の3男だろ?」
どこにでもいる顔とはよく言ったもので、実際にどこでもいるようで、別人の情報が多数出る。
フリージアは、少々考え込むと絵にいろいろと物を追加していく。
大きなカバン、トランクケース、折りたたみの椅子と机……。そして、新聞を書き込んだときだった。
「「「買取屋のおっさんだ!」」」
ハンターたちは声を揃えてフリージアが探している人物を特定した。
「買取屋? なんですの? それは?」
フリージアは、聞いたことない商売に疑問の声を上げた。するとギルドマスターが納得したように話し始めた。
「この人は、買取屋と言ってダンジョン内で素材を買い取っている男だ。だからハンターでも商人でもない。どちらのギルドにも記録は無いと思う」
マスターがフリージアに話す影で、ハンターたちはおっさんの正体が伝説のハンターチームのポーターだと知りやっぱり一人で敵を叩き潰せるほど強かったんだと納得した。
だが、フリージアが大声を上げたことで、その考えは吹き飛んだ。
「ギルムがひとりでダンジョンに!? ギルムはすごく弱いから魔物に見つかったら死んでしまうわ! すぐに助けに行かないと! 待っててね最愛の人!」
嵐のような女フリージアは、大きな疑問といい香りを残して去っていった。
「買取屋の正体がわかったと思ったら、よけい謎が増えた。弱いってのはどういうことだ?」
ダンジョン内でも無事に過ごせる疑問は結局解決せず、謎は更に深まっていった。
本人に力はない……しかしドラゴンを一撃で倒している。
スッキリしたと思いきや、ハンターたちが買取屋のおっさんについてあれこれ考える日々はまだ続きそうだ。
◆
「おい! 聞いたか七英雄の美人が買取屋を追っかけて、この街に来たって」
酒場では相変わらず買取屋の話で盛り上がっている。
「もちろん知ってるぜ! 俺はその場にいたからな!」
話しを振った男は目撃者がいたことにより話の主役を奪われたが、詳しく聞きたいのでそのまま目撃談を聞くことにした。
「おっさんは、伝説のハンターチーム[破滅の剣]のポーターだったんだ!」
「「「なっ、なんだってー!?」」」
その話を初めて聞いた酒場の客たちは、驚きの声を上げた。[破滅の剣]が8人だったこと、本人たちが、七英雄という言葉を嫌っていること……。
そして一番大きな衝撃を与えたのが、巨乳の美人お嬢様が買取屋のおっさんを最愛の人と言って探しているといことだった。
買取屋のおっさんが、謎解きの対象から、うらやましくも腹立たしいい対象になりかけたとき、さらなる一言で皆首をひねった。
「おっさんは伝説のチームのポーターだけど戦闘力0でめちゃくちゃ弱いらしいぞ……」
みんなが首をひねり、どうにか想像力を働かせるも、さっぱりこれだという予想すら出ない。
そんな中ひとりの中年男だけが、コップを持つ手をガタガタと震えさせていた。
「逃げなきゃ……」
そう、ひとりごちると、机に代金を置いて急いで酒場から早足で、出ていった。
ハンターギルドで、ピンク色の髪をした美しい身なりのお嬢様のような女が、大声で受付嬢に食って掛かっている。
「だから何度も言ってますように、ギルムという人はハンター登録をしていません。それに、アイテムの買取記録もありません!」
ピンク髪の女は大きな胸をブルンと震わせ振り返りハンターギルドにいる全員に向かって大声を上げる。
「名前はギルム、ポーターをやっていますわ! これと言った特徴のない普通顔の男よ! 隠すとためにならないわよ!」
偶然居合わせたハンターたちが一斉に彼女に視線を移す。何処からともなくいい香りがあたりに漂うとハンターたちは次々に声を上げる。
「こんな美人に探されるなんてなんて運のいいやつだ!」
「たまらねぇぜあの胸に、あの尻!」
「ギルム? ポーターにそんな奴いたか?」
ギルド内はザワザワ騒ぎ出すと、その騒ぎを聞きつけてハンターギルドのマスターが奥から出てきた。
「いってぇ何の騒ぎだ!」
ギルドマスターが乱暴に扉を開けながら怒鳴り込んできた。しかし、ピンク髪の女を見た途端に態度を急変させた。
「これはこれは、七英雄のブリージア様ではないですか。今日はどのような御用で……」
七英雄とは、最強のハンターと名高いチーム[破滅の剣]のメンバー7人の通り名だ。この通り名がついたのは、魔物が延々とダンジョンの外に湧き出る、[スタンピードのダンジョン]をクリアして、国を救ったからである。
しかし、[破滅の剣]の7人はその呼び名を良しとしていない。
「その呼び名は、やめなさい! 私達[破滅の剣]は、8人で一つのチームよ! 二度と7人なんて言わないでちょうだい!」
彼女の言う通り[破滅の剣]は、8人で人チーム7人の戦闘職とひとりのポーターで構成されていた。しかし7英雄と名前が売れだしたころにポーターである彼は、行方をくらませたのである。
「とにかく! ポーターのギルムがどこにいるか教えて頂戴!」
ギルドマスターは、受付に目配せすると、受付は首を横に振り、そんな人はいないと知らせる。
「申し訳ありません登録されている方にその様な方はいません……」
フリージアは、自分が何者か知っているギルドマスターの言葉を聞き、本当に登録していないと気がついた。
そして一枚の紙を取り出しギルムの似顔絵を描いていく。その絵は見事で、本人を知っている人がいれば、まるで生き写しだと褒めるほどそっくりだった。
「私の最愛の人を探しています! 名前はギルムです。どなたか、ご存知ありませんか?」
そっくりな似顔絵をハンターたちに見せて回る。
ハンターたちも可愛い娘の要求に答えようと、眉間にシワを寄せて必死に記憶をたどっている。
しかし彼女も言っていたように、特徴がないのが特徴と言わしめる顔のせいで問題が発生する。
「こいつは、八百屋のせがれじゃないか?」
「いや、武器屋の親父だろ?」
「ちがうって、娼館の受付の男だ」
「いやいや、北の農家の3男だろ?」
どこにでもいる顔とはよく言ったもので、実際にどこでもいるようで、別人の情報が多数出る。
フリージアは、少々考え込むと絵にいろいろと物を追加していく。
大きなカバン、トランクケース、折りたたみの椅子と机……。そして、新聞を書き込んだときだった。
「「「買取屋のおっさんだ!」」」
ハンターたちは声を揃えてフリージアが探している人物を特定した。
「買取屋? なんですの? それは?」
フリージアは、聞いたことない商売に疑問の声を上げた。するとギルドマスターが納得したように話し始めた。
「この人は、買取屋と言ってダンジョン内で素材を買い取っている男だ。だからハンターでも商人でもない。どちらのギルドにも記録は無いと思う」
マスターがフリージアに話す影で、ハンターたちはおっさんの正体が伝説のハンターチームのポーターだと知りやっぱり一人で敵を叩き潰せるほど強かったんだと納得した。
だが、フリージアが大声を上げたことで、その考えは吹き飛んだ。
「ギルムがひとりでダンジョンに!? ギルムはすごく弱いから魔物に見つかったら死んでしまうわ! すぐに助けに行かないと! 待っててね最愛の人!」
嵐のような女フリージアは、大きな疑問といい香りを残して去っていった。
「買取屋の正体がわかったと思ったら、よけい謎が増えた。弱いってのはどういうことだ?」
ダンジョン内でも無事に過ごせる疑問は結局解決せず、謎は更に深まっていった。
本人に力はない……しかしドラゴンを一撃で倒している。
スッキリしたと思いきや、ハンターたちが買取屋のおっさんについてあれこれ考える日々はまだ続きそうだ。
◆
「おい! 聞いたか七英雄の美人が買取屋を追っかけて、この街に来たって」
酒場では相変わらず買取屋の話で盛り上がっている。
「もちろん知ってるぜ! 俺はその場にいたからな!」
話しを振った男は目撃者がいたことにより話の主役を奪われたが、詳しく聞きたいのでそのまま目撃談を聞くことにした。
「おっさんは、伝説のハンターチーム[破滅の剣]のポーターだったんだ!」
「「「なっ、なんだってー!?」」」
その話を初めて聞いた酒場の客たちは、驚きの声を上げた。[破滅の剣]が8人だったこと、本人たちが、七英雄という言葉を嫌っていること……。
そして一番大きな衝撃を与えたのが、巨乳の美人お嬢様が買取屋のおっさんを最愛の人と言って探しているといことだった。
買取屋のおっさんが、謎解きの対象から、うらやましくも腹立たしいい対象になりかけたとき、さらなる一言で皆首をひねった。
「おっさんは伝説のチームのポーターだけど戦闘力0でめちゃくちゃ弱いらしいぞ……」
みんなが首をひねり、どうにか想像力を働かせるも、さっぱりこれだという予想すら出ない。
そんな中ひとりの中年男だけが、コップを持つ手をガタガタと震えさせていた。
「逃げなきゃ……」
そう、ひとりごちると、机に代金を置いて急いで酒場から早足で、出ていった。
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