35 / 159
王立魔法学園編3年生
035-研究室と発明
しおりを挟む
魔道具――製造や使用に魔力を使ったもの。ポーションなどの薬品、冷蔵庫などの日用品、つえなどの武器などの総称。
私は3年生になり春から魔道具研究科で、魔道具について詳しく知った。私には日用品部門が一番向いてると思い、この夏から日用品部門で学ぶことにした。
魔道具の日用品は冷蔵庫やコンロなどがある。例えば冷蔵庫は氷の魔石で冷やしている。氷の魔石は水属性の魔道士が魔力を充填できる。コンロはもちろん火属性です。基本一定の効果を発生する魔石を中心に構成されている物が大半だった。
そう……魔法を使えない弊害は、ここでも現れたのです。唯一動かせる無属性の魔道具は2年生で作った魔力で回るコマだけです。私は頭を抱えた……。なんと研究開発は基本魔石ベースで行われていて、無属性の魔道具は誰も研究していない分野だったのです。
「ま……まぁ……。無属性で使えるものが作れれば、誰でも使える便利な物だからきっと、革命がおきると思う! だから頑張って!」
どの魔石も使えない私は苦笑いした。教師陣に情けをかけてもらい、6畳ほどの広さの倉庫だったところを研究所として与えられた。
初めて自分で好き勝手できる部屋を手に入れてテンションが上った! 私は研究を放り出して、まず部屋の改造に着手した。石の床は冷たいので、木箱と板材を買ってきて膝の高さほどまで床の底上げをした。そして、フローリングのように板張りにして、その上に厚手のカーペットを敷き土足禁止の部屋を作りました。
う~ん快適! 床に寝転がるなんでずいぶん久しぶりですわ~。次に円卓の脚を切断しちゃぶ台のようにして部屋に置く。さらに周りに水晶用の小さい布団を座布団として配置する。
できた! 理想のくつろぎ空間! これから始まるダラダラ生活! じゃなかった! 研究をしなくちゃ!
とりあえず無属性魔道具にできる事をまとめてみる。魔力が渦状の魔力回路を流れることでちょっとした回転エネルギーを得る。代表品は魔力コマ……おもちゃである……。後は水の増減ぐらいしかないのである。
まず私が目をつけたのは回転だ! そう前世の知識には回転を使った機械がいっぱいある! 確かにある、けれども女子高生がそんな機械の構造知ってるわけない!
車を作ろうと努力してみたけど、回転力が弱すぎてまったく動かない……。小さいものなら動くからと腕時計を思い浮かべましたが、精密機械は作れないし構造もわからない……。
詰んだ! 結局できたのは、真っすぐ走るだけのミニカーだけだった。
次は、水の増加だ魔力測定の爆発力をなにかに利用できないかと考えた。金属の筒に小さな穴を開け、握るところを付けた。中に水を入れて、それを魔力で急激に増やして水を勢いよく吹き出させる。
そう! 水鉄砲です。
現在研究所には、生活に何の役にも立たない水鉄砲とミニカーそして、アイデアの尽きた私が床に転がっています。
途方に暮れているとコンコンコン! と扉をノックする音が聞こえた。
「どなたですか?」
「アリッサよ、マルレここにいるの?」
「開いてるので、どうぞお入りになって」
私は寝転がったまま、入室の許可を出した。アリッサは底上げされた床と、脱ぎ捨てられた靴を見て困惑している。
「え? なにこれ?」
「ここは靴を脱いで上がってくださいね。わかりやすく言うと部屋全体がベッドになってるようなものですわ」
「へぇこの部屋は面白い作りだね」
そういいながら、自然に座布団を一枚引き寄せるとその上に座った。
「私が作りました! 快適ですよ!」
「そうみたいね……っていい加減に起き上がったら?」
「ごめんなさいくつろぎすぎたわね」
私は体を起こし円卓の横に座る。
「で? なにか用事でも?」
「マルレが一人で無属性魔道具を研究しているって知ってさ~。どうなってるのか気になって見に来たのよ」
「そうですか……。アイデアが尽きたので転がってましたわ」
「ええ……。それで何か作れたの?」
私は、そこら辺に転がってた車の模型を手に取り、魔力を込めて床を走らせた。
「へぇ面白いね~。でも、これ……生活の役に立たないね……」
「そうなんですよ……。次にコレなんですが、中に水を入れてそれを魔力で増やして飛び出させる物ですわ」
「水鉄砲ねぇ……。これもおもちゃだね」
「そうですわ、これもおもちゃです。完全に行き詰まってます」
「そうね……。じゃあ元となる動力の開発からじゃない?」
「たしかにそうですが……。それができれば苦労しませんわ」
「例えば……無属性の魔力を注いで変化するのって水だけなの?」
「え?」
考えても見ませんでしたわ! これは調べる価値がありそう!
「アリッサ! あなたは、天才ですわ! こうしちゃいられません! さっそくいろいろ試してみますわ!」
「お? 元気になったみたいね。頑張ってねマルレ!」
「はい! やはり私を救ってくれるのは、アリッサですわ! 本当にありがとう!」
私はアリッサをギューっと抱きしめたあと、新しい素材を探しに魔道具研究科の中を走り回った。時には先生や生徒に、無属性の魔力に反応する物を聞き出し。時には備品倉庫にある、物に端から無属性魔力を流し込んだりした。
そして秋にはいったころ。ついに[失敗作の墓場]や[成功の種保管所]とよばれている倉庫でそれを見つけました。
それは、ポーションの開発でできた失敗作の[ピクピク汁]でした。
添えられた資料によると、これは、魔力回復ポーションだそうです。効力を強めるために魔力反応を良くした結果、空気中のわずかな魔力に反応し始めた。そのせいで、常に拡大と縮小を繰り返す不気味な液体になってしまったようです。回復効果もあまり上がらなく完全に失敗作でした。
そして、最大の欠点は、瓶などの密閉容器に入れた状態でうっかり魔力を流すと事故が起こる。水の比ではないほど膨らんで瓶が割れて中身が飛び散る欠陥でした。
はっきり言ってポーションとしては、ダメダメすぎるものでした。
しかしこれは無属性魔道具を開発している私にとってはまさに望んでいたものでした!
[ピクピク汁]は、魔力を取り込むと瞬時に体積が増え、魔力がなくなるともとの大きさに戻る。過剰に魔力を入れても増える体積は同じで、しぼむまでの時間も変わらないすごく安定した液体でした。
私は[ピクピク汁]を筒に封じ込め筒の中に入る棒付きの栓でふたをして、穴のない注射器のようなものを作った。[ピクピク汁]が漏れて大変だったが、前世で使ってた水筒のゴムパッキンを思い出して一気に解決! 無事に完成しました!
あれです! 何でしたっけ……。あのショベルカーとかの腕についてるやつ……。ピストン? いや違います……油圧なんとか……。ええと名前わかりませんわ……とにかく魔力を流すと伸び縮みする棒が完成した。
「できたわ! とにかく実験よ」
魔力を込めるとガシュン! と言う音とともに棒が伸びる。魔力を流すのをやめるとガシュン! とすぐに戻る。
ガシュン! ガシュン! ガシュン! ガシュン!
何度も伸び縮を繰り返す。耐久度もある。動作も良好!
「やったわ! 新しい動力の完成よ!」
これの名前は何にしましょうか? ピクピク汁、筒……? [ピクツ]にしましょう!
私は3年生になり春から魔道具研究科で、魔道具について詳しく知った。私には日用品部門が一番向いてると思い、この夏から日用品部門で学ぶことにした。
魔道具の日用品は冷蔵庫やコンロなどがある。例えば冷蔵庫は氷の魔石で冷やしている。氷の魔石は水属性の魔道士が魔力を充填できる。コンロはもちろん火属性です。基本一定の効果を発生する魔石を中心に構成されている物が大半だった。
そう……魔法を使えない弊害は、ここでも現れたのです。唯一動かせる無属性の魔道具は2年生で作った魔力で回るコマだけです。私は頭を抱えた……。なんと研究開発は基本魔石ベースで行われていて、無属性の魔道具は誰も研究していない分野だったのです。
「ま……まぁ……。無属性で使えるものが作れれば、誰でも使える便利な物だからきっと、革命がおきると思う! だから頑張って!」
どの魔石も使えない私は苦笑いした。教師陣に情けをかけてもらい、6畳ほどの広さの倉庫だったところを研究所として与えられた。
初めて自分で好き勝手できる部屋を手に入れてテンションが上った! 私は研究を放り出して、まず部屋の改造に着手した。石の床は冷たいので、木箱と板材を買ってきて膝の高さほどまで床の底上げをした。そして、フローリングのように板張りにして、その上に厚手のカーペットを敷き土足禁止の部屋を作りました。
う~ん快適! 床に寝転がるなんでずいぶん久しぶりですわ~。次に円卓の脚を切断しちゃぶ台のようにして部屋に置く。さらに周りに水晶用の小さい布団を座布団として配置する。
できた! 理想のくつろぎ空間! これから始まるダラダラ生活! じゃなかった! 研究をしなくちゃ!
とりあえず無属性魔道具にできる事をまとめてみる。魔力が渦状の魔力回路を流れることでちょっとした回転エネルギーを得る。代表品は魔力コマ……おもちゃである……。後は水の増減ぐらいしかないのである。
まず私が目をつけたのは回転だ! そう前世の知識には回転を使った機械がいっぱいある! 確かにある、けれども女子高生がそんな機械の構造知ってるわけない!
車を作ろうと努力してみたけど、回転力が弱すぎてまったく動かない……。小さいものなら動くからと腕時計を思い浮かべましたが、精密機械は作れないし構造もわからない……。
詰んだ! 結局できたのは、真っすぐ走るだけのミニカーだけだった。
次は、水の増加だ魔力測定の爆発力をなにかに利用できないかと考えた。金属の筒に小さな穴を開け、握るところを付けた。中に水を入れて、それを魔力で急激に増やして水を勢いよく吹き出させる。
そう! 水鉄砲です。
現在研究所には、生活に何の役にも立たない水鉄砲とミニカーそして、アイデアの尽きた私が床に転がっています。
途方に暮れているとコンコンコン! と扉をノックする音が聞こえた。
「どなたですか?」
「アリッサよ、マルレここにいるの?」
「開いてるので、どうぞお入りになって」
私は寝転がったまま、入室の許可を出した。アリッサは底上げされた床と、脱ぎ捨てられた靴を見て困惑している。
「え? なにこれ?」
「ここは靴を脱いで上がってくださいね。わかりやすく言うと部屋全体がベッドになってるようなものですわ」
「へぇこの部屋は面白い作りだね」
そういいながら、自然に座布団を一枚引き寄せるとその上に座った。
「私が作りました! 快適ですよ!」
「そうみたいね……っていい加減に起き上がったら?」
「ごめんなさいくつろぎすぎたわね」
私は体を起こし円卓の横に座る。
「で? なにか用事でも?」
「マルレが一人で無属性魔道具を研究しているって知ってさ~。どうなってるのか気になって見に来たのよ」
「そうですか……。アイデアが尽きたので転がってましたわ」
「ええ……。それで何か作れたの?」
私は、そこら辺に転がってた車の模型を手に取り、魔力を込めて床を走らせた。
「へぇ面白いね~。でも、これ……生活の役に立たないね……」
「そうなんですよ……。次にコレなんですが、中に水を入れてそれを魔力で増やして飛び出させる物ですわ」
「水鉄砲ねぇ……。これもおもちゃだね」
「そうですわ、これもおもちゃです。完全に行き詰まってます」
「そうね……。じゃあ元となる動力の開発からじゃない?」
「たしかにそうですが……。それができれば苦労しませんわ」
「例えば……無属性の魔力を注いで変化するのって水だけなの?」
「え?」
考えても見ませんでしたわ! これは調べる価値がありそう!
「アリッサ! あなたは、天才ですわ! こうしちゃいられません! さっそくいろいろ試してみますわ!」
「お? 元気になったみたいね。頑張ってねマルレ!」
「はい! やはり私を救ってくれるのは、アリッサですわ! 本当にありがとう!」
私はアリッサをギューっと抱きしめたあと、新しい素材を探しに魔道具研究科の中を走り回った。時には先生や生徒に、無属性の魔力に反応する物を聞き出し。時には備品倉庫にある、物に端から無属性魔力を流し込んだりした。
そして秋にはいったころ。ついに[失敗作の墓場]や[成功の種保管所]とよばれている倉庫でそれを見つけました。
それは、ポーションの開発でできた失敗作の[ピクピク汁]でした。
添えられた資料によると、これは、魔力回復ポーションだそうです。効力を強めるために魔力反応を良くした結果、空気中のわずかな魔力に反応し始めた。そのせいで、常に拡大と縮小を繰り返す不気味な液体になってしまったようです。回復効果もあまり上がらなく完全に失敗作でした。
そして、最大の欠点は、瓶などの密閉容器に入れた状態でうっかり魔力を流すと事故が起こる。水の比ではないほど膨らんで瓶が割れて中身が飛び散る欠陥でした。
はっきり言ってポーションとしては、ダメダメすぎるものでした。
しかしこれは無属性魔道具を開発している私にとってはまさに望んでいたものでした!
[ピクピク汁]は、魔力を取り込むと瞬時に体積が増え、魔力がなくなるともとの大きさに戻る。過剰に魔力を入れても増える体積は同じで、しぼむまでの時間も変わらないすごく安定した液体でした。
私は[ピクピク汁]を筒に封じ込め筒の中に入る棒付きの栓でふたをして、穴のない注射器のようなものを作った。[ピクピク汁]が漏れて大変だったが、前世で使ってた水筒のゴムパッキンを思い出して一気に解決! 無事に完成しました!
あれです! 何でしたっけ……。あのショベルカーとかの腕についてるやつ……。ピストン? いや違います……油圧なんとか……。ええと名前わかりませんわ……とにかく魔力を流すと伸び縮みする棒が完成した。
「できたわ! とにかく実験よ」
魔力を込めるとガシュン! と言う音とともに棒が伸びる。魔力を流すのをやめるとガシュン! とすぐに戻る。
ガシュン! ガシュン! ガシュン! ガシュン!
何度も伸び縮を繰り返す。耐久度もある。動作も良好!
「やったわ! 新しい動力の完成よ!」
これの名前は何にしましょうか? ピクピク汁、筒……? [ピクツ]にしましょう!
0
お気に入りに追加
414
あなたにおすすめの小説
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
愛していました。待っていました。でもさようなら。
彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。
やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる