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三章 〈統一杯〉の亡霊
22話 異世界三つの値
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「やっぱり、見張ってて良かったよー。もう、流石にやりすぎじゃないのかな?」
ケインの薙刀は、俺の眉間に触れるか触れないかの位置で静止していた。否、正確に表現するならば当たっていた。
皮一枚引き裂かれたのか、一滴の血が鼻筋を流れていく。
いや、ケインは間違いなく俺を殺すつもりだった。その証拠に今も薙刀に力を込めて俺の脳を貫こうとしている。だが、腕のいいパントマイムのように薙刀が宙で固定されている。
何が起こっているのかと目を丸くする俺の視線に、ケイン以外は誰も映っていない。にも関わらずに攻撃を止めている。
でも、そうか――誰もいない訳じゃない。
溜息と共に吐き出した声は、俺にも聞こえた。
そして声はアイリさんのものだった。
「アイリ……。なんで、お前がこんな所にいるんだよ!」
ケインは武器を振るうのを諦めたのか、背後にある大きめな樹木を睨んだ。
「へへへー」
暗闇に似合わない笑い声を上げながら、ひょっと木影から顔を覗かせるアイリさん。月光でもアイリさんの深紅の髪は目立っていた。
彼女の手には竿のような細い棒が握られており、先端には微かに月光を反射する糸があった。一本の糸を使って薙刀を絡め、動きを封じていたようだ。
そんなことって出来るんだな……。
「ケインは直ぐ顔に出るからねー。あの後、あの女に、なにか言われたんでしょ?」
「……」
「で、何か良くないことが起こりそうだったから、私はずっと見張っていたのー。私の予感はズバリ的中だねー」
ヒュンと手に握っていた棒を振るうと、ケインの薙刀から絡めた糸が解れていく。固定を解くのはいいが、ケインが薙刀を握ったままで、まだ目の前に刃が突きつけられている。
せめて俺が逃げるまで固定していてくれと思うが、ケインはもう俺を殺す意思はないようで、薙刀の刃を天に向けた。
取り敢えず助かった……。
身の安全が分かると、抑えていた理不尽な怒りが体の内側から湧き出る。その怒りの一つをまずはアイリさんにぶつけた。
「いや、見張ってたなら、ケインが家に忍び込んだところで止めてくださいよ! そのお陰て一度殺されちゃいましたから!」
「でも、ほら。もしかしたら、ケインがリョータのことを好きなのかも知れないと思って……。私は人の恋は応援するよ!」
「そんなわけあるか!」
俺は叫ぶ。
自分のことを棚に上げて。
「うん。私も行くならサキヒデだと思ってたから、迷ったんだけどね~」
「そこは否定しないですよ! むしろ同意です!!」
まあ、こうして助けて貰ったからアイリさんの文句はこの辺で止めて置こう。
俺はゆっくりと立ちあがり、アイリさんの後ろに回った後に、
「ケイン。自分が何したか分かってるのか!?」
語気を強めて俺を殺した相手に言う。
小物臭漂う行為ではあるが、俺は小物なので気にしない。
「そーだよ。リョータの経験値は順番で決められてるんだからさー。守らないとね!」
そう。アイリさんの言う通り、俺を殺して経験値を得るには順番を待つ必要があるのだ。
カラマリ領の兵士人員は多い。正直、週に二回じゃ、全然足りないが、〈戦柱(モノリス)〉から生み出される分身は、三日に一度だ。
すなわち、週に二回がどう頑張っても数を保てるサイクルである。
それ以上のペースで殺されると、上限30人の数は減っていき、最終的に俺は復活できなくなってしまう。
まあ、正直、俺は最終的に生き返れば、最悪、一日に何度殺されても構わないのだけれども、参謀様は違う。
几帳面な男はカラマリ領の戦力を全て把握しており、誰が、いつ、俺を殺してレベルを上げるのかを計画立てていた。
そのペースを乱すと、五月蠅いこと、五月蠅いこと。小姑の如く小言が湧いてくる。
俺にまで、「何故、殺されたのですか?」と文句を言ってくる始末だ。
いやいや、殺される時、俺は両手両足を繋がれた状態だ。どうやって抵抗すればいいのか、是非とも教えて欲しいのだが、反論するとまた面倒くさいことになるので、「すいません」と頭を下げることにしている。
まさか、現実世界で身に着けたスキルが役に立つとは!
社会で手にした経験は、異世界でも役に立つよ!
「しょうがないだろ……。こうでもしないと、俺に順番は回ってこないんだからさ!」
ゲームをやったことある人ならば経験したことがあるだろうが、レベルは終盤になればなるほど上がり辛い。サキヒデさんはそのことを考慮し、高レベルの主戦力5人は、現状、サイクルから外していた。
その件に関しては、俺がサキヒデさんと同じ立場でも、同じことをするだろうから、何とも言えない。
少数での戦だけなら、主力のレベルだけ上げ続ければいいだろう。
しかし、〈戦柱(モノリス)〉の指令はそればかりではない。むしろ、全員のレベルを底上げした方が有利に進めるモノばかりなのだ。
「俺が速く強くなるにはこれしかないんだよ……」
「違うでしょー? 私たちは技術値を上げるんだよ? それが強くなるための一歩だよ」
「知ってるよ! でも、強くなってるか分からないだろうが!」
この世界で強さを決めるのは三つの値があった。
まず一つ。
俺が最も関わっている経験値。
これは、人のレベルに直結しているようで、誰しもが平等に与えらた数字である。レベルの高さ=強さならば、俺はもっと活躍できたのだろうが、どうやら異世界もそんなに甘くなかった。
何故ならば、二つ目の値――個人値があるからだ。
これは、ハクハ領の長、シンリを例に出すと分かりやすいだろう。未知の武器を持っていたとはいえ、カナツさんとクロタカさんと互角に戦っていた化け物。
レベルは二人の方が高かったにも関わらずに対等。
その理由は、シンリが生まれ持った個人値が高いからである。
言うなれば生まれ持った才能。
正直、才能ばかりはどうしようもないというのは、異世界でも常識のようだった。
まあ、生まれ持った才能に太刀打ちできないのは俺の世界でも同じか。
目に見えるレベルがある分、異世界の方が救われていると考えよう。
で、三つ目が技術値。
これも言ってしまえば、経験値と一緒じゃんと言われそうではある。だが、残念なことに俺を倒してもこの値ばかりは手に入らない。
俺を殺すのに技術も何も必要ないからな。
分かりやすく、この三つの数値を俺の世界で例えるとしたら――そうだな。
やっぱりスポーツがいいだろう。
メジャーな野球で例えてみよう。
まずは個人値から。
これは体格やセンスのことを指す。生まれ持った身長や骨格ばかりは変えることは出来ない。天武のモノだ。
そして技術値。
これは単純にトレーニングで手に入るものだ。筋トレや素振り、バッティング練習で手に入る技術や筋肉である。努力した分だけ帰ってくる。
誰しもが平等に持つ値だ。
そして最後が経験値。
経験値は俺にとって一番重要な部分だから、最初に説明をしたかったんだけど、こればっかりは例えが見つけにくいので後に回した。
後に回してもいい例えは浮かばなかったのだけど。
野球で例えるなんて言ってみたが、答えはなかった。
見切り発車も度が過ぎた。
それでも、どうしても説明しろと言うのであれば――レベルは現実に無いものだ。と言うしかない。
訓練でも生まれ持ったものでもない。
現実には存在しない値(もの)だ。
レベルが上がれば強くなる。
それだけのこと。
ゲームでしか存在しない。
尚、攻撃力や防御力やらのレベルアップによる上昇率は、個人値に関係するらしく、同じレベルでも人によって強さは異なるらしい。
某人気モンスターゲームで言えば、雑魚モンスターでも、レベルが100あればレベル50の伝説モンスターを倒せるかもしれない程度の理解を持ってもらえれば、レベルに関しては充分である。
やっぱり、俺の能力は微妙じゃん。
と、思うのだけれど、眼に見えて、素早く強くなれることは魅力的らしい。
誰だって結果が分からずに努力し続けるのはきついもんな。
個人値に至っては生まれ持ったものなわけだし。
現にケインは耐えれなくなって俺を殺しに来たのだから。
「こんなところで足止め喰らってたら、また、いつ姿を消すか分からないんだよ。このチャンスを逃せないんだよ」
「やっぱりそうなんだね」
どうやら、アイリさんは何故、ケインが俺を殺しに来たのかを理解したようだが、俺はさっぱりである。
この世界に来て4か月。
最近は戦にも顔を出して濃い日々を過ごしたと思っていたが、まだまだ、知らないことが多いようだ。
そんな俺を気遣ってかアイリさんが言う。
「ケインはね――〈紫骨の亡霊〉に両親を殺されたのよ」
仇を撃つために強くなろうとしているのだと。
ケインの薙刀は、俺の眉間に触れるか触れないかの位置で静止していた。否、正確に表現するならば当たっていた。
皮一枚引き裂かれたのか、一滴の血が鼻筋を流れていく。
いや、ケインは間違いなく俺を殺すつもりだった。その証拠に今も薙刀に力を込めて俺の脳を貫こうとしている。だが、腕のいいパントマイムのように薙刀が宙で固定されている。
何が起こっているのかと目を丸くする俺の視線に、ケイン以外は誰も映っていない。にも関わらずに攻撃を止めている。
でも、そうか――誰もいない訳じゃない。
溜息と共に吐き出した声は、俺にも聞こえた。
そして声はアイリさんのものだった。
「アイリ……。なんで、お前がこんな所にいるんだよ!」
ケインは武器を振るうのを諦めたのか、背後にある大きめな樹木を睨んだ。
「へへへー」
暗闇に似合わない笑い声を上げながら、ひょっと木影から顔を覗かせるアイリさん。月光でもアイリさんの深紅の髪は目立っていた。
彼女の手には竿のような細い棒が握られており、先端には微かに月光を反射する糸があった。一本の糸を使って薙刀を絡め、動きを封じていたようだ。
そんなことって出来るんだな……。
「ケインは直ぐ顔に出るからねー。あの後、あの女に、なにか言われたんでしょ?」
「……」
「で、何か良くないことが起こりそうだったから、私はずっと見張っていたのー。私の予感はズバリ的中だねー」
ヒュンと手に握っていた棒を振るうと、ケインの薙刀から絡めた糸が解れていく。固定を解くのはいいが、ケインが薙刀を握ったままで、まだ目の前に刃が突きつけられている。
せめて俺が逃げるまで固定していてくれと思うが、ケインはもう俺を殺す意思はないようで、薙刀の刃を天に向けた。
取り敢えず助かった……。
身の安全が分かると、抑えていた理不尽な怒りが体の内側から湧き出る。その怒りの一つをまずはアイリさんにぶつけた。
「いや、見張ってたなら、ケインが家に忍び込んだところで止めてくださいよ! そのお陰て一度殺されちゃいましたから!」
「でも、ほら。もしかしたら、ケインがリョータのことを好きなのかも知れないと思って……。私は人の恋は応援するよ!」
「そんなわけあるか!」
俺は叫ぶ。
自分のことを棚に上げて。
「うん。私も行くならサキヒデだと思ってたから、迷ったんだけどね~」
「そこは否定しないですよ! むしろ同意です!!」
まあ、こうして助けて貰ったからアイリさんの文句はこの辺で止めて置こう。
俺はゆっくりと立ちあがり、アイリさんの後ろに回った後に、
「ケイン。自分が何したか分かってるのか!?」
語気を強めて俺を殺した相手に言う。
小物臭漂う行為ではあるが、俺は小物なので気にしない。
「そーだよ。リョータの経験値は順番で決められてるんだからさー。守らないとね!」
そう。アイリさんの言う通り、俺を殺して経験値を得るには順番を待つ必要があるのだ。
カラマリ領の兵士人員は多い。正直、週に二回じゃ、全然足りないが、〈戦柱(モノリス)〉から生み出される分身は、三日に一度だ。
すなわち、週に二回がどう頑張っても数を保てるサイクルである。
それ以上のペースで殺されると、上限30人の数は減っていき、最終的に俺は復活できなくなってしまう。
まあ、正直、俺は最終的に生き返れば、最悪、一日に何度殺されても構わないのだけれども、参謀様は違う。
几帳面な男はカラマリ領の戦力を全て把握しており、誰が、いつ、俺を殺してレベルを上げるのかを計画立てていた。
そのペースを乱すと、五月蠅いこと、五月蠅いこと。小姑の如く小言が湧いてくる。
俺にまで、「何故、殺されたのですか?」と文句を言ってくる始末だ。
いやいや、殺される時、俺は両手両足を繋がれた状態だ。どうやって抵抗すればいいのか、是非とも教えて欲しいのだが、反論するとまた面倒くさいことになるので、「すいません」と頭を下げることにしている。
まさか、現実世界で身に着けたスキルが役に立つとは!
社会で手にした経験は、異世界でも役に立つよ!
「しょうがないだろ……。こうでもしないと、俺に順番は回ってこないんだからさ!」
ゲームをやったことある人ならば経験したことがあるだろうが、レベルは終盤になればなるほど上がり辛い。サキヒデさんはそのことを考慮し、高レベルの主戦力5人は、現状、サイクルから外していた。
その件に関しては、俺がサキヒデさんと同じ立場でも、同じことをするだろうから、何とも言えない。
少数での戦だけなら、主力のレベルだけ上げ続ければいいだろう。
しかし、〈戦柱(モノリス)〉の指令はそればかりではない。むしろ、全員のレベルを底上げした方が有利に進めるモノばかりなのだ。
「俺が速く強くなるにはこれしかないんだよ……」
「違うでしょー? 私たちは技術値を上げるんだよ? それが強くなるための一歩だよ」
「知ってるよ! でも、強くなってるか分からないだろうが!」
この世界で強さを決めるのは三つの値があった。
まず一つ。
俺が最も関わっている経験値。
これは、人のレベルに直結しているようで、誰しもが平等に与えらた数字である。レベルの高さ=強さならば、俺はもっと活躍できたのだろうが、どうやら異世界もそんなに甘くなかった。
何故ならば、二つ目の値――個人値があるからだ。
これは、ハクハ領の長、シンリを例に出すと分かりやすいだろう。未知の武器を持っていたとはいえ、カナツさんとクロタカさんと互角に戦っていた化け物。
レベルは二人の方が高かったにも関わらずに対等。
その理由は、シンリが生まれ持った個人値が高いからである。
言うなれば生まれ持った才能。
正直、才能ばかりはどうしようもないというのは、異世界でも常識のようだった。
まあ、生まれ持った才能に太刀打ちできないのは俺の世界でも同じか。
目に見えるレベルがある分、異世界の方が救われていると考えよう。
で、三つ目が技術値。
これも言ってしまえば、経験値と一緒じゃんと言われそうではある。だが、残念なことに俺を倒してもこの値ばかりは手に入らない。
俺を殺すのに技術も何も必要ないからな。
分かりやすく、この三つの数値を俺の世界で例えるとしたら――そうだな。
やっぱりスポーツがいいだろう。
メジャーな野球で例えてみよう。
まずは個人値から。
これは体格やセンスのことを指す。生まれ持った身長や骨格ばかりは変えることは出来ない。天武のモノだ。
そして技術値。
これは単純にトレーニングで手に入るものだ。筋トレや素振り、バッティング練習で手に入る技術や筋肉である。努力した分だけ帰ってくる。
誰しもが平等に持つ値だ。
そして最後が経験値。
経験値は俺にとって一番重要な部分だから、最初に説明をしたかったんだけど、こればっかりは例えが見つけにくいので後に回した。
後に回してもいい例えは浮かばなかったのだけど。
野球で例えるなんて言ってみたが、答えはなかった。
見切り発車も度が過ぎた。
それでも、どうしても説明しろと言うのであれば――レベルは現実に無いものだ。と言うしかない。
訓練でも生まれ持ったものでもない。
現実には存在しない値(もの)だ。
レベルが上がれば強くなる。
それだけのこと。
ゲームでしか存在しない。
尚、攻撃力や防御力やらのレベルアップによる上昇率は、個人値に関係するらしく、同じレベルでも人によって強さは異なるらしい。
某人気モンスターゲームで言えば、雑魚モンスターでも、レベルが100あればレベル50の伝説モンスターを倒せるかもしれない程度の理解を持ってもらえれば、レベルに関しては充分である。
やっぱり、俺の能力は微妙じゃん。
と、思うのだけれど、眼に見えて、素早く強くなれることは魅力的らしい。
誰だって結果が分からずに努力し続けるのはきついもんな。
個人値に至っては生まれ持ったものなわけだし。
現にケインは耐えれなくなって俺を殺しに来たのだから。
「こんなところで足止め喰らってたら、また、いつ姿を消すか分からないんだよ。このチャンスを逃せないんだよ」
「やっぱりそうなんだね」
どうやら、アイリさんは何故、ケインが俺を殺しに来たのかを理解したようだが、俺はさっぱりである。
この世界に来て4か月。
最近は戦にも顔を出して濃い日々を過ごしたと思っていたが、まだまだ、知らないことが多いようだ。
そんな俺を気遣ってかアイリさんが言う。
「ケインはね――〈紫骨の亡霊〉に両親を殺されたのよ」
仇を撃つために強くなろうとしているのだと。
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