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ビースト共和国
行き当たりばったり
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「うわああああああああああっ! 真っ青、真っ白! すごいすごい!」
ルパは海岸を見ながら叫んだ。今日は晴天。あまりに綺麗な景色が視界の先に広がっている。もう、海が真っ青で砂浜が真っ白なのだ。
砂浜で球を打ち合い、立てられた網越しで打ち合うと言う球技をしてみる。見ているだけでも楽しかったが軽く遊んでみる。革製のメロンぐらいの球を弾き、ネットを越えさせ、相手側に返す。数回打ち合ったのち、ルパがネットを越えたころに弾を思いっきり叩き落としてきた。弾が地面に突っ込み、点が取られる。
反則かと思ったが反則ではないらしい。僕も同じように行うと互いに球を打ち合い、両足がプルプルになるくらい疲れた。砂浜で体重を支えるのは大変だと言うことがわかり、冬の寒さが吹っ飛んだ。
次の観光地に移動している途中、ルパとミアが喉が渇いたと言うのでカラナと言うしゅわしゅわした飲み物を飲ませた。
ルパとミアは美味しく飲んでいた。すると、お腹が苦しくなって来たそうで、吐くように胃からガスを出す。どうも、飲み過ぎると胃が膨れてしまう飲料らしい。エールと近しいがお酒ではないそうだ。
お昼前に軽い食事としてカレッドと言う料理を食した。若鶏の丸焼きらしい。食べやすいようにしっかりと切ってくれているので僕のように骨が食べられない者でも、美味しくいただけた。
ルパとミアは骨ごと食し、お腹を膨らませていた。美味しい料理に巡り合えると奥たちは旅をしていると言う感覚になれる。
冊子を見ながら美味しい料理を調べて食べに行くのもいいが、行き当たりばったりでいい品を見つけるのもやはり面白い。もっと予想谷できない旅の方が記憶に残って良いのかな……。僕は少し考えながら冊子を見る。いろんな情報が乗っている。そりゃあ、街を案内するための冊子なのだから当たり前だ。でも、僕としてはもっと行き当たりばったりの方が好きだと、三つ目の街にしてようやく気付いた。
「ルパ、ミア。僕、思ったんだけどさ、決めたところに行くってなんかあまり楽しいと思えないんだけど、ルパ達はどう思う?」
「んー、まあ、確かに美味しい料理を見つけた時の方が感動した。なんなら、ブレーブ街に行ったとき、ブレーブ展望台で見たあの景色がすごい鮮明に覚えてるの。あの時はもっと行き当たりばったりだった気がする」
ルパは僕の方を見ながら言った。確かにブレーブ展望台の方が心揺さぶられた感じがした。今回のゴハガハーナ海岸も綺麗な場所なのだが、ただ綺麗な場所と言うだけで、なぜか心震えない。でも、僕達以外の者達は目を輝かせながら海岸を見ている。僕たちに何かが足りないらしい。
僕は冊子を閉じ。行き当たりばったりの観光をしてみることにした。
「じゃあ、ルパ。ミア。ちょっとただ散歩しよう。すごくいい場所を見逃しちゃうかもしれないけど、良いかな?」
「別に散歩するだけで楽しいからいい」
ルパは僕の左手を掴みながら言う。
「私も無理に観光して回る必要はないと思います。自然に身をまかせた方が気楽でいいんじゃないですかね」
ミアも僕の右手を持ちながら微笑む。両者共に僕の提案に乗ってくれた。
「よし、街中で迷わない程度に散歩しよう!」
僕達は街中を散歩した。きっとものすごくいい場所がいくつもあるのだろうが、僕達はただただビースト共和国のテシャネイロ街を楽しく歩いているだけだ。ルパとミアの二名と会話を楽しみ、小腹が空いたら目に入ったお店で料理を軽く食してみる。美味しかったり味が合わなかったり、成功と失敗が織り交ざっており、ずっと成功しっぱなしだった旅よりも失敗があったほうが心に残っているようなきがする。ビースト共和国の方達と交流を深め、会話しながら、街の良い場所を美味し得てもらったり、美味しい料理を知ったり、色々見て回った。
「うわ…………。綺麗……」
ルパはアルホアトール海岸と言う場所で、しずんでいく夕日を見ていた。もう、飲み込まれてしまうくらい綺麗な夕日で、あまりにも心が揺さぶられる。
ルパだけではなく僕も目から涙が出そうになるほど水平線に沈む夕日がきれいだと思った。
僕はこんな雰囲気にするのかもしれないと思い、ルパの顎に手を置く、するとルパもしたかったらしく、僕達は唇を重ね合わせ、抱き合った。もう一生忘れない思い出になっただろう。ルパと離れると彼女ははにかんでいた。心が熱くなり、尻尾が揺れ動いている。
「えへへ……。この気持ち物凄い……。苦しいのに嬉しい……。もっと……って!」
ルパがキスをせがんで来た頃、ミアも僕にキスして来て、尻尾を振っていた。
「ほんと、こんなに心地いいキス、初めてかもしれません……。もっと、うわっ!」
ミアはルパに弾き飛ばされ、砂浜を転がった。ルパがくっ付いてくるかと思ったら、ミアに飛ばされ、鼬ごっこのように戦い合っていた。喧嘩にまで発展するとなると、止めなければならず、両者共にキス禁止令を出そうとすると喧嘩が止まった。
歩き疲れた僕達は宿に戻り、手洗いうがいを終えた後、ベッドに寝ころぶ。
「はぁー、楽しかった。この街にまた来てもいいかなって思えたよ」
「ほんとほんと。探せばまだまだ面白そうな場所があると思う」
ルパは僕の隣に座った。
「散歩の楽しさが少しわかった気がします」
ミアも僕の隣に座った。
「二人共、ちゃんと仲直りした?」
「う、うん……。仲直りしたよ。ニクスとキスするときは一回ずつって決めた」
「そうなんだ。にしてもルパはキスに対して嫌悪感を抱かなくなったね」
僕はルパの背中を撫でながら言う。
「うう……。思ってたよりも幸せな気持ちになれるからやめられなくなっちゃった……」
「確かに、いい具合に幸せになれるよね」
僕達はくっ付き、仲を少しでも深める。
「じゃあ、夕食を得てからお風呂に入って疲れを取った後、寝ようか」
僕達は食事、お風呂、ブラッシング睡眠の順で一日を締めくくる。
ルパは海岸を見ながら叫んだ。今日は晴天。あまりに綺麗な景色が視界の先に広がっている。もう、海が真っ青で砂浜が真っ白なのだ。
砂浜で球を打ち合い、立てられた網越しで打ち合うと言う球技をしてみる。見ているだけでも楽しかったが軽く遊んでみる。革製のメロンぐらいの球を弾き、ネットを越えさせ、相手側に返す。数回打ち合ったのち、ルパがネットを越えたころに弾を思いっきり叩き落としてきた。弾が地面に突っ込み、点が取られる。
反則かと思ったが反則ではないらしい。僕も同じように行うと互いに球を打ち合い、両足がプルプルになるくらい疲れた。砂浜で体重を支えるのは大変だと言うことがわかり、冬の寒さが吹っ飛んだ。
次の観光地に移動している途中、ルパとミアが喉が渇いたと言うのでカラナと言うしゅわしゅわした飲み物を飲ませた。
ルパとミアは美味しく飲んでいた。すると、お腹が苦しくなって来たそうで、吐くように胃からガスを出す。どうも、飲み過ぎると胃が膨れてしまう飲料らしい。エールと近しいがお酒ではないそうだ。
お昼前に軽い食事としてカレッドと言う料理を食した。若鶏の丸焼きらしい。食べやすいようにしっかりと切ってくれているので僕のように骨が食べられない者でも、美味しくいただけた。
ルパとミアは骨ごと食し、お腹を膨らませていた。美味しい料理に巡り合えると奥たちは旅をしていると言う感覚になれる。
冊子を見ながら美味しい料理を調べて食べに行くのもいいが、行き当たりばったりでいい品を見つけるのもやはり面白い。もっと予想谷できない旅の方が記憶に残って良いのかな……。僕は少し考えながら冊子を見る。いろんな情報が乗っている。そりゃあ、街を案内するための冊子なのだから当たり前だ。でも、僕としてはもっと行き当たりばったりの方が好きだと、三つ目の街にしてようやく気付いた。
「ルパ、ミア。僕、思ったんだけどさ、決めたところに行くってなんかあまり楽しいと思えないんだけど、ルパ達はどう思う?」
「んー、まあ、確かに美味しい料理を見つけた時の方が感動した。なんなら、ブレーブ街に行ったとき、ブレーブ展望台で見たあの景色がすごい鮮明に覚えてるの。あの時はもっと行き当たりばったりだった気がする」
ルパは僕の方を見ながら言った。確かにブレーブ展望台の方が心揺さぶられた感じがした。今回のゴハガハーナ海岸も綺麗な場所なのだが、ただ綺麗な場所と言うだけで、なぜか心震えない。でも、僕達以外の者達は目を輝かせながら海岸を見ている。僕たちに何かが足りないらしい。
僕は冊子を閉じ。行き当たりばったりの観光をしてみることにした。
「じゃあ、ルパ。ミア。ちょっとただ散歩しよう。すごくいい場所を見逃しちゃうかもしれないけど、良いかな?」
「別に散歩するだけで楽しいからいい」
ルパは僕の左手を掴みながら言う。
「私も無理に観光して回る必要はないと思います。自然に身をまかせた方が気楽でいいんじゃないですかね」
ミアも僕の右手を持ちながら微笑む。両者共に僕の提案に乗ってくれた。
「よし、街中で迷わない程度に散歩しよう!」
僕達は街中を散歩した。きっとものすごくいい場所がいくつもあるのだろうが、僕達はただただビースト共和国のテシャネイロ街を楽しく歩いているだけだ。ルパとミアの二名と会話を楽しみ、小腹が空いたら目に入ったお店で料理を軽く食してみる。美味しかったり味が合わなかったり、成功と失敗が織り交ざっており、ずっと成功しっぱなしだった旅よりも失敗があったほうが心に残っているようなきがする。ビースト共和国の方達と交流を深め、会話しながら、街の良い場所を美味し得てもらったり、美味しい料理を知ったり、色々見て回った。
「うわ…………。綺麗……」
ルパはアルホアトール海岸と言う場所で、しずんでいく夕日を見ていた。もう、飲み込まれてしまうくらい綺麗な夕日で、あまりにも心が揺さぶられる。
ルパだけではなく僕も目から涙が出そうになるほど水平線に沈む夕日がきれいだと思った。
僕はこんな雰囲気にするのかもしれないと思い、ルパの顎に手を置く、するとルパもしたかったらしく、僕達は唇を重ね合わせ、抱き合った。もう一生忘れない思い出になっただろう。ルパと離れると彼女ははにかんでいた。心が熱くなり、尻尾が揺れ動いている。
「えへへ……。この気持ち物凄い……。苦しいのに嬉しい……。もっと……って!」
ルパがキスをせがんで来た頃、ミアも僕にキスして来て、尻尾を振っていた。
「ほんと、こんなに心地いいキス、初めてかもしれません……。もっと、うわっ!」
ミアはルパに弾き飛ばされ、砂浜を転がった。ルパがくっ付いてくるかと思ったら、ミアに飛ばされ、鼬ごっこのように戦い合っていた。喧嘩にまで発展するとなると、止めなければならず、両者共にキス禁止令を出そうとすると喧嘩が止まった。
歩き疲れた僕達は宿に戻り、手洗いうがいを終えた後、ベッドに寝ころぶ。
「はぁー、楽しかった。この街にまた来てもいいかなって思えたよ」
「ほんとほんと。探せばまだまだ面白そうな場所があると思う」
ルパは僕の隣に座った。
「散歩の楽しさが少しわかった気がします」
ミアも僕の隣に座った。
「二人共、ちゃんと仲直りした?」
「う、うん……。仲直りしたよ。ニクスとキスするときは一回ずつって決めた」
「そうなんだ。にしてもルパはキスに対して嫌悪感を抱かなくなったね」
僕はルパの背中を撫でながら言う。
「うう……。思ってたよりも幸せな気持ちになれるからやめられなくなっちゃった……」
「確かに、いい具合に幸せになれるよね」
僕達はくっ付き、仲を少しでも深める。
「じゃあ、夕食を得てからお風呂に入って疲れを取った後、寝ようか」
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