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ビースト共和国
豪華客船
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並んでいる人たちの後ろにつき、待つ。人々がキングエリザベート号に乗っていくと、僕達の番がやってきた。
「ではチケットを拝見します」
僕はチケットを搭乗員の女性に見せる。
「確かに拝見いたしました。では、そのままお進みください。チケットに書かれている番号のお部屋がお客様のお部屋になりますので、お間違いのないようお気を付けください」
「わかりました」
僕達はキングエリザベート号の中に入り、八八八番の部屋にやってきた。
「うわっ! ひっろ!」
ルパは思わず叫んだ。確かに、叫びたくなるほど広い部屋だった。部屋にトイレ、お風呂、巨大なベッドに食事場までついている。高級感溢れる家具ばかりで、ほんと、傷つけたらいくら請求されるかわからない。
「ニクスニクス! 冷蔵庫もついてる! オーブンにレンジまであるよ!」
ルパは調理場の方を見て興奮していた。
「お風呂だけじゃなくて、シャワールームもあるの。すごい」
ミアは辺りを見渡しながら、お風呂場を覗いていた。
僕はベッドに座り驚愕した。柔らかさと反発力が丁度良い感じがたまらない。
「ここで三〇日以上泊まれるなんて金貨六〇〇枚はだてじゃないね」
「もう、楽しい。今作っている家もこんな感じにしようよー」
「そんなこと考えていたら、時間がかかりすぎちゃうよ。でも、悪くない」
「こんな場所に住めるなんて……。夢にも思っていませんでした。夢以上のことが叶うなんて……、幸せ過ぎます」
「喜んでもらえて良かった。プルスはどう思う?」
「私にとってはどこも一緒だと思いますけどね」
僕はプルスを枕に投げる。
「ぴよー、やわらけー」
プルスは体を枕に擦りつけ、ご満悦だった。楽しんでくれているようだ。
出発は一時間後。その間、僕たちは部屋の中で過ごした。出向してから船の中を見ようと考えたのだ。お品書きを読み、朝食の料理を頼めば持って来てもらえるとのことで、お願いすることにした。
通信の魔石がはめ込まれた受話器を手に取り、料理場に連絡を入れる。するとほんの五分で、三人前の料理が運ばれてきた。焼きたてのパンにコーンスープ、塩味の目玉焼き、サラダと言う具合に健康に良さそうな朝食で、ありがたくいただく。
「モグモグ……。パン、柔らかくて美味しい。丁度良い焼き加減になってる」
「卵も、食材の味がそのまま感じられてとても美味しいです」
「本当だね。朝食を得たら元気になってきたよ。午前一〇時出向だから、あと三〇分もすれば出発するはずだ。それまではまったりしていよう」
「賛成」
僕とルパ、ミアの三名は朝食を得て、プルスは僕が上げたパンで小腹を満たしてもらう。
一時間経つと、室内放送が掛かり、趣向すると名言された。いつ動くのかと思い船の外をガラス窓の景色が少しずつ変わっていた。気になりずっと覗いていると景色がどんどん変わっていく。どうやら出向したらしい。
船が海の上を浮かび、スクリューのおかげで進んでいる。進んでいる速度は飛行船よりも遅く、いつ目的地に着けるのか、疑問だった。でも、辺りに船が無くなると速度を出し、しっかりと進んでいく。
今日は波が穏やかなので、波が迫ってくることはない。船が大きいため、大きく揺れることもなく、とても穏やかな出向だった。この後に何も無ければいいのだが、天候は変えられない。でも、いざとなれば空を飛んで逃げられる。何が起こっても怖がる必要はない。
豪華客船が出向したので、僕たちは部屋の外に出た。近くの通路に移動し、外の空気を吸うために少し歩く。船内は貴族の屋敷のように綺麗なつくりをしており、口が開く。
船の外に出ると広い海が広がっていた。ブレーブ街がすでに見えなくなっており、船の速度も案外早いのかもしれない。
「ニクスニクス。水遊びが楽しめる場所があるみたい。行こう!」
ルパは僕の手を握り、室外プールにやってきた。他の子供達や大人が水着姿で遊んでおり、楽しんでいた。温水らしく、夜や冬でも楽しめそうだ。夏になれば冷水になるのだろう。衣服室で水着の貸し出しをしており、僕達は水着を借りた。
「おぉ……」
ルパは目を開き、僕の海パン姿を見て尻尾を振る。
「に、ニクスさん。服を上に一枚、羽織ってください」
ミアは無地のティーシャツを渡してきた。
「なんで?」
「刺激が強すぎるからです」
「それをいうなら、ミアの方が刺激が強いよ。さすがに目のやり場に困る」
ミアは胸が大きく、引き締まった体に膨らんだお尻があまりにも厭らしい。なので、上から服を羽織ってもらった。なんなら、ルパも神秘的過ぎる体なので、隠してもらおう。
「なんか、さっきとほぼ変わっていない気がするんですけど……」
プルスはヒヨコ用の水着が無かったので、仕方なく全裸で過ごしてもらう。もとから全裸なので、問題ないだろう。
僕たちは温水プールで遊んだ。
滑り台や飛び込み台、水上アスレチックなど、多くの遊びが展開されていたため、子供達は飽きずに遊べている。
成人している僕たちも楽しく遊んでおり、一日プールで遊べた。プールは鍛錬にもってこいで、体が物凄く引き締まる。全身運動のため、多くの筋肉が動き、最大限鍛えられる。
そのため、疲労も半端ではなく、ルパとミアはゼエゼエハアハアと言いながら、休憩所の足を延ばせる椅子に座り、体を労わっていた。
お昼は鶏肉料理を食し、筋肉の生成を助ける。少しでも気を抜けば、確実に痩せてしまうので、筋肉の増量と可動域の確保は強くなるために必須だ。ルパはとても柔らかいのだが、ミアは体がとても硬く、脚が全然開かない。だから、上手く動けないと言うのも考えられた。筋肉を付けながら体を柔らかくしていけば、ミアも今以上に強くなれる。
お昼を終え、僕たちは鍛錬室に向った。どうやら、重りや器具で筋力の増強が出来るらしい。騎士養成学校にもあったのかもしれないが、位の高い貴族専用だったのかもしれない。
「ではチケットを拝見します」
僕はチケットを搭乗員の女性に見せる。
「確かに拝見いたしました。では、そのままお進みください。チケットに書かれている番号のお部屋がお客様のお部屋になりますので、お間違いのないようお気を付けください」
「わかりました」
僕達はキングエリザベート号の中に入り、八八八番の部屋にやってきた。
「うわっ! ひっろ!」
ルパは思わず叫んだ。確かに、叫びたくなるほど広い部屋だった。部屋にトイレ、お風呂、巨大なベッドに食事場までついている。高級感溢れる家具ばかりで、ほんと、傷つけたらいくら請求されるかわからない。
「ニクスニクス! 冷蔵庫もついてる! オーブンにレンジまであるよ!」
ルパは調理場の方を見て興奮していた。
「お風呂だけじゃなくて、シャワールームもあるの。すごい」
ミアは辺りを見渡しながら、お風呂場を覗いていた。
僕はベッドに座り驚愕した。柔らかさと反発力が丁度良い感じがたまらない。
「ここで三〇日以上泊まれるなんて金貨六〇〇枚はだてじゃないね」
「もう、楽しい。今作っている家もこんな感じにしようよー」
「そんなこと考えていたら、時間がかかりすぎちゃうよ。でも、悪くない」
「こんな場所に住めるなんて……。夢にも思っていませんでした。夢以上のことが叶うなんて……、幸せ過ぎます」
「喜んでもらえて良かった。プルスはどう思う?」
「私にとってはどこも一緒だと思いますけどね」
僕はプルスを枕に投げる。
「ぴよー、やわらけー」
プルスは体を枕に擦りつけ、ご満悦だった。楽しんでくれているようだ。
出発は一時間後。その間、僕たちは部屋の中で過ごした。出向してから船の中を見ようと考えたのだ。お品書きを読み、朝食の料理を頼めば持って来てもらえるとのことで、お願いすることにした。
通信の魔石がはめ込まれた受話器を手に取り、料理場に連絡を入れる。するとほんの五分で、三人前の料理が運ばれてきた。焼きたてのパンにコーンスープ、塩味の目玉焼き、サラダと言う具合に健康に良さそうな朝食で、ありがたくいただく。
「モグモグ……。パン、柔らかくて美味しい。丁度良い焼き加減になってる」
「卵も、食材の味がそのまま感じられてとても美味しいです」
「本当だね。朝食を得たら元気になってきたよ。午前一〇時出向だから、あと三〇分もすれば出発するはずだ。それまではまったりしていよう」
「賛成」
僕とルパ、ミアの三名は朝食を得て、プルスは僕が上げたパンで小腹を満たしてもらう。
一時間経つと、室内放送が掛かり、趣向すると名言された。いつ動くのかと思い船の外をガラス窓の景色が少しずつ変わっていた。気になりずっと覗いていると景色がどんどん変わっていく。どうやら出向したらしい。
船が海の上を浮かび、スクリューのおかげで進んでいる。進んでいる速度は飛行船よりも遅く、いつ目的地に着けるのか、疑問だった。でも、辺りに船が無くなると速度を出し、しっかりと進んでいく。
今日は波が穏やかなので、波が迫ってくることはない。船が大きいため、大きく揺れることもなく、とても穏やかな出向だった。この後に何も無ければいいのだが、天候は変えられない。でも、いざとなれば空を飛んで逃げられる。何が起こっても怖がる必要はない。
豪華客船が出向したので、僕たちは部屋の外に出た。近くの通路に移動し、外の空気を吸うために少し歩く。船内は貴族の屋敷のように綺麗なつくりをしており、口が開く。
船の外に出ると広い海が広がっていた。ブレーブ街がすでに見えなくなっており、船の速度も案外早いのかもしれない。
「ニクスニクス。水遊びが楽しめる場所があるみたい。行こう!」
ルパは僕の手を握り、室外プールにやってきた。他の子供達や大人が水着姿で遊んでおり、楽しんでいた。温水らしく、夜や冬でも楽しめそうだ。夏になれば冷水になるのだろう。衣服室で水着の貸し出しをしており、僕達は水着を借りた。
「おぉ……」
ルパは目を開き、僕の海パン姿を見て尻尾を振る。
「に、ニクスさん。服を上に一枚、羽織ってください」
ミアは無地のティーシャツを渡してきた。
「なんで?」
「刺激が強すぎるからです」
「それをいうなら、ミアの方が刺激が強いよ。さすがに目のやり場に困る」
ミアは胸が大きく、引き締まった体に膨らんだお尻があまりにも厭らしい。なので、上から服を羽織ってもらった。なんなら、ルパも神秘的過ぎる体なので、隠してもらおう。
「なんか、さっきとほぼ変わっていない気がするんですけど……」
プルスはヒヨコ用の水着が無かったので、仕方なく全裸で過ごしてもらう。もとから全裸なので、問題ないだろう。
僕たちは温水プールで遊んだ。
滑り台や飛び込み台、水上アスレチックなど、多くの遊びが展開されていたため、子供達は飽きずに遊べている。
成人している僕たちも楽しく遊んでおり、一日プールで遊べた。プールは鍛錬にもってこいで、体が物凄く引き締まる。全身運動のため、多くの筋肉が動き、最大限鍛えられる。
そのため、疲労も半端ではなく、ルパとミアはゼエゼエハアハアと言いながら、休憩所の足を延ばせる椅子に座り、体を労わっていた。
お昼は鶏肉料理を食し、筋肉の生成を助ける。少しでも気を抜けば、確実に痩せてしまうので、筋肉の増量と可動域の確保は強くなるために必須だ。ルパはとても柔らかいのだが、ミアは体がとても硬く、脚が全然開かない。だから、上手く動けないと言うのも考えられた。筋肉を付けながら体を柔らかくしていけば、ミアも今以上に強くなれる。
お昼を終え、僕たちは鍛錬室に向った。どうやら、重りや器具で筋力の増強が出来るらしい。騎士養成学校にもあったのかもしれないが、位の高い貴族専用だったのかもしれない。
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