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実家に向かう

燃える感情

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「ルパとミアは先に体を洗っていてくれるかな。僕はもう少しお風呂のお湯につかっているよ」

 ――お湯が白濁していてよかった。牛乳風呂なのかな。それとも入浴剤でもいれたのか。どちらにしろ、あられもない姿になっている下半身が見られなくてよかった。

「わかった。ミア、体を洗いっこしよ」

「いいよ。ルパちゃんの体を隅々まで洗ってあげるね」

 ルパとミアはお風呂を上がり、風呂椅子に座って体を洗い始める。
 髪と顔を洗ってから、体に向かうのだが、生物の性なのかルパの下半身に目が行ってしまう。
 以前は子供っぽかったのに、うっすらと毛が生えていた。どことは言わないが、頭が沸騰しそうになる。やはりルパも成長しているのだ。
 僕はルパをどれだけ異性として見ているのだろうか。相手は種族の違う女性だと言うのに……。ずっと居すぎて感情移入しすぎているのかな。

 ――僕はルパが好きなのか? それとも、ただただやれそうだから意識しているのか。好きだとしても家族や仲間、親友という意味合いで好きなのだろうか。なぜ、いつから。気づいた時にはもう、隙になっていたのか。

 ルパが好きだよ、や結婚したいなんて冗談で言っていたらいつの間にか意識してしまっていたのかもしれない。ルパと僕の歳の差は三歳、許容範囲だ。

「ルパちゃん、体を綺麗綺麗していきましょうね~」

 ミアは両手に石鹸を付け、ルパの体を洗っていった。

「んっ、ちょ、ミア。なんかくすぐったい……。胸、そんな丁寧に洗わなくてもいいじゃん」

「もうちょっとルパちゃんのおっぱいを堪能させてよ~」

 ミアはルパの胸に手を当てて揉んだり、撫でたりして洗っていた。もう、洗うと言う行為が別の行為に置き換わりそうな気もする。

「な、なんかぞわぞわする……。ちょ、もういいって……」

「どこがぞわぞわするの?」

「ど、どこって……。どこでもいいでしょ、そんなの。それより早く洗い終わってよ」

「もう少ししっかり洗おうね」

「ひゃっ、くすぐったいって」

 ミアはルパの体を満遍なく洗っていく。股に手を入れて優しく撫でながら洗っていくとルパが電撃を食らったように動き、漏らしてしまった。
 ルパはぐったりとしてしまい、意識が飛んでいるように見える。

「み、ミア……。ちょ、ルパに何したの……」

「ルパちゃんは鬱憤を晴らす方法を知らないので、体に鬱憤が溜まっていたんですよ。ルパちゃんももうすぐ大人です。獣族は性の衝動が激しいので、鬱憤が溜まりやすいんです。全てを任せられる相手を見つけるまでは自分か仲間が発散するんです」

「そ、そうなんだ……。鬱憤が溜まっていると言うことは、何かに対して我慢していると言うことになるよね」

「そうですね。でもルパちゃんは何でこうなっているのかわからないと言っていました。自分の気持ちに気づけてようやく成長しますから、出来る限り、何も教えない方がいいです。鬱憤が溜まって来たらさりげなく発散してあげる。仲間がいるからできることですよ」

「鬱憤が溜まりすぎるとどうなるの?」

「鬱憤が溜まりすぎるとヒートと言って誰彼構わず襲い掛かる狂戦士のようになります。もう、人を見つけたら食らいつくくらいの暴走をするでしょうね。なので、時おり発散してあげないといけません」

「じゃあ、ミアはルパの状態に気づいて発散させてくれたんだ。ありがとう、僕だけだったら気づけず、ルパを苦しめるところだったよ」

「いえいえ、ニクスさんにはいつもお世話になっていますから、これくらい私がやります」

 ミアはいい汗かいたと言いたそうに前髪をかきあげる。

「じゃあ、ミアの鬱憤は自分で晴らしているの?」

「ん~。私の鬱憤はニクスさんを気持ちよくさせたらすっとなくなっちゃいます。なので、ニクスさんのおかげで辛い思いをせずに済んでいるんですよ。でも今は別の辛さがあるんですけどね……」

 ミアは胸に手を置いて視線を下に向ける。ルパはスースースーと寝息を立てながら気分が良さそうな穏やかな表情をしている。鬱憤が晴らされた影響だろう。

「ごめん、ミア……。僕の下半身が全然静まらないんだ。手を貸してくれないかな」

「ニクスさん……、手だけじゃなくて口やおっぱいも貸しますよ」

 ミアは大きな胸を持ち上げながら口を開けて話す。

「そ、そう言う意味で言ったんじゃないよ!」

 僕の下半身が納まるまで、ミアはとことん付き合ってくれた。この歳になってもう納まりが付かないのか、日に日に欲求が増している気がする。
 お金がかからない欲求なのでいいが、いつか、ルパやミアの寝こみを襲ったり、無意識の間にやろうとしたり、と思うと怖くて仕方がない。

 僕は欲求が弱い方だと思っていたのに、性欲は無駄に強いみたいだ。ほんと困る。

「はぁ、はぁ、はぁ……。ニクスさん、ほんと体力がすごいですね……。まだ出そうですよ」

「ほんと困るよ……。頭が馬鹿になってしまいそうだ……。人の欲求が強すぎる。でも、ありがとう、ミア。こんな僕に手と口、胸、脇、太もも、足裏まで貸してくれて」

「ニクスさんがよかったら、まだ穴が二つ残っていますから、いつでも好きな時に使ってくださいね」

 ミアは汗だくになりながら微笑み、僕を誘惑した。ほんと計算高い子だ。

 僕はミアの体を洗ってあげる。さっきまでたくさんお世話になったんだ、何かお返しをしないとな。

 ミアがルパに行っていたことを見よう見まねで行ったら、ミアもルパと同じ状態になってしまった。

 二名の美少女が意識を飛ばし、お風呂場で眠るなか、僕はプルスに全身を燃やしてもらった。すると、苦しかった気分が一気に晴れた。

「え……。どうなってるの」

「主の欲求を燃やしました。今回は性欲を燃やし尽くしたので、気分がスッキリしたんだと思います」

「よ、欲求までも痩せちゃうの……。そんな力があるなら早く使ってほしかったよ」

「人は欲求で活力を生み出す生き物です。その中でも性欲は物凄く力が出せます。むやみやたらに燃やすと、もったいないです。性欲ほど人の活力になる燃料はありません。窮地に陥っても性欲があったおかげで生き延びた者も数多くいますから、渋っていました」

「なるほど……。確かに、生き残るうえで、性欲がある者とない者では行きたいと言う目標を得にくい。そう思うと適当に消すのは危険かもね」

「はい。今回は主が苦しそうだったので、仕方なく燃やしましたが、溜め込み過ぎる前に発散してください」

 僕はプルスに怒られた。どうしても生き残りたいプルスにとって性欲はとても大切な感情らしい。

 僕が窮地に陥っても性欲による活力が役立時が来るかもしれない。その点は僕も納得がいき、なるべく自分で発散できるようにする。ミアの手助けも借りることになりそうだ。
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