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崩壊の始まりスペイン内戦
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1936年の雪解けの季節、ドイツはラインラントへ軍を進める動きをします。
先の1月、ドイツは前世と同じく再軍備宣言を行い、すでに軍事的な動きを強めていました。
ダンマークも中立国としてベルサイユ条約にて非武装地帯と決めている地域への進軍に対して非難声明を出したものの、ドイツ側は我関せずであり、イギリス、フランスも強気に出ないという弱腰外交によって、既成事実化されてしまいました。
「ヒトラーはやりたい放題ですね!次はオーストリア併合でしょう!?」
「レーナ、あまり大声で言わないで、知っている事実かもしれないけれどその通りになるとは限らないのよ?」
「そうは言ってもですよ、ナチに染まるドイツ国民は見るに耐えません」
「鬱屈した状態ではただしい判断はむずかしいとおもうわ…それに今のドイツ国民の生活を良くしたのがナチ党であることは事実だもの」
「同時に破滅へのカウントダウンですがね!自分たちが支持した政党が何をするのか!!」
「外でその話はしないでよ?」
「わかってますよテューラ様!ソレとは別に報告です。ようやくなんとかなりそうですよアレが」
「実用化の目処が?」
「量産化の目処です。これでようやくTF/Aー6が完成しますよ」
「間に合ったわけね」
「パイロットが間に合っていませんがね…まだ2年はあります。なんとかなるでしょう」
「はぁ、クリスも教官になると言っていたわそちらはTCー604の方だけれど」
「エンジンがなんとかなりましたから、THー5をジェット機化するのは大した問題とはなりませんからね。そちらも、もうすぐ実機ができます」
「連合国側に貸し出したりライセンス生産してもらう必要も出てきそうね」
「とはいっても他国で作れるようになるのは技術供与しても2年は必要でしょう。それまでは自国でなんとかしなければいけません」
「私も、兄や軍部へ話をしておくわ」
「私も経済界から圧力をかけますよ。何せ50年ぶりの自国防衛計画の大転換ですからね」
そう、これらジェットエンジンを搭載した航空機が1939年から始まる2度目の大戦の切り札。
それまで他国に本来の性能を悟られないようにしないといけません。
とはいえ、すでにある程度リークしてしまった情報から、ダンマークがプロペラのないおかしな飛行機を作っているとは言われていますので、ドイツもイギリスも研究が加速していると聞いています。
下手をすれば戦争の後半ではジェット戦闘機が飛び交うようになるかもしれません。
*****
夏、3年前から続くスペインの政治的不安定さから決定的な内戦状態となりました。
「ダンマーク政府として、スペインへの渡航を制限し、在西ダンマーク人に対しても退避勧告を出しています。今日はその第一便が帰ってきますよ」
「やはり止められはしませんでしたね」
「他国の話です、あまり干渉すると中立国でありながら内政干渉する国だと後ろ指を指されますから」
久々にマリーナが我が家に来てくれて、状況を教えてくれます。
ダンマークとしてはどちらの勢力にも関与しないと言う方針で、国民を守るため渡航制限に駐在印ダンマーク人の救出を優先、その後大使館も閉じるとのことです。
「ダンマークからスペイン大使館員を締め出すことはしませんが、常に監視はつける事になるでしょう」
「そうなるでしょうね…どちらが勝っても良くない勢力になることは間違いありませんから」
それに、世界各国もこの内戦には干渉しないと明言しています。
堂々と両勢力を支援しているのはドイツとソ連、彼らの代理戦争であるなどと言う見方もあります。
ドイツから提供されたJU52を用いたゲルニカの爆撃も起こりました。
ですが、このJU52は前世におけるソレとは性能が違っているようです。
双発機であるTH-502の性能を超えるべく設計された機体で、数も50機ほどによる爆撃になったとのこと。
街が瓦礫とかし、跡形も残らないという状況は世界中を震え上がらせました。
同時期、すでに陸軍基地や戦闘機格納庫を地下設備化やバンカー化していたダンマークは、国民向けのシェルターの建設を始めました。
マリーナが率先して行っており、少々過剰な装備にも見えるのですが、彼女曰く「もしかしたら、ドイツ側はとんでもない爆弾を持っている可能性がある」という情報から、分厚いコンクリートと鉛の厚板、さらには食料や空気の浄化装置といった技術を集めたシェルターを各都市に数個設置する方針のようです。
この下準備は1930年以降の経済対策としての国家事業の一つとしてすでにベースをつくっており、改良という形で徐々に設備を入れている状態だそうです。
可能な限り都市部の人間を全て避難させることができるように、地下街にも力を入れており、コペンハーゲン地下鉄を使用しての迅速な避難が可能なようにしているそうです。
「これらの設備が使われないことを祈らずにはいられません」
「どうなるかは、ドイツの出方次第だと考えます。このままイギリス、フランスが日和見を続けないことはわかっているのですから」
「…マリーナ、チャーチルと連絡をとっていると言うのは本当なの?」
「チャーチルだけではありません、ルーズベルトにも連絡をとっていますよ」
「フランスは?」
「あそこはダメです。ですが低地諸国に関してはこちらから兵器の借用について、すでに裏取引を始めています」
「…戦争は避けられないわね」
「えぇ、間違いなく。先に引き金を引くのはドイツですが」
タイムリミットはあと3年、それまでにどれだけ我が国の破滅のシナリオを回避するための兵器群と防衛拠点は着々と準備が整っています。
先の1月、ドイツは前世と同じく再軍備宣言を行い、すでに軍事的な動きを強めていました。
ダンマークも中立国としてベルサイユ条約にて非武装地帯と決めている地域への進軍に対して非難声明を出したものの、ドイツ側は我関せずであり、イギリス、フランスも強気に出ないという弱腰外交によって、既成事実化されてしまいました。
「ヒトラーはやりたい放題ですね!次はオーストリア併合でしょう!?」
「レーナ、あまり大声で言わないで、知っている事実かもしれないけれどその通りになるとは限らないのよ?」
「そうは言ってもですよ、ナチに染まるドイツ国民は見るに耐えません」
「鬱屈した状態ではただしい判断はむずかしいとおもうわ…それに今のドイツ国民の生活を良くしたのがナチ党であることは事実だもの」
「同時に破滅へのカウントダウンですがね!自分たちが支持した政党が何をするのか!!」
「外でその話はしないでよ?」
「わかってますよテューラ様!ソレとは別に報告です。ようやくなんとかなりそうですよアレが」
「実用化の目処が?」
「量産化の目処です。これでようやくTF/Aー6が完成しますよ」
「間に合ったわけね」
「パイロットが間に合っていませんがね…まだ2年はあります。なんとかなるでしょう」
「はぁ、クリスも教官になると言っていたわそちらはTCー604の方だけれど」
「エンジンがなんとかなりましたから、THー5をジェット機化するのは大した問題とはなりませんからね。そちらも、もうすぐ実機ができます」
「連合国側に貸し出したりライセンス生産してもらう必要も出てきそうね」
「とはいっても他国で作れるようになるのは技術供与しても2年は必要でしょう。それまでは自国でなんとかしなければいけません」
「私も、兄や軍部へ話をしておくわ」
「私も経済界から圧力をかけますよ。何せ50年ぶりの自国防衛計画の大転換ですからね」
そう、これらジェットエンジンを搭載した航空機が1939年から始まる2度目の大戦の切り札。
それまで他国に本来の性能を悟られないようにしないといけません。
とはいえ、すでにある程度リークしてしまった情報から、ダンマークがプロペラのないおかしな飛行機を作っているとは言われていますので、ドイツもイギリスも研究が加速していると聞いています。
下手をすれば戦争の後半ではジェット戦闘機が飛び交うようになるかもしれません。
*****
夏、3年前から続くスペインの政治的不安定さから決定的な内戦状態となりました。
「ダンマーク政府として、スペインへの渡航を制限し、在西ダンマーク人に対しても退避勧告を出しています。今日はその第一便が帰ってきますよ」
「やはり止められはしませんでしたね」
「他国の話です、あまり干渉すると中立国でありながら内政干渉する国だと後ろ指を指されますから」
久々にマリーナが我が家に来てくれて、状況を教えてくれます。
ダンマークとしてはどちらの勢力にも関与しないと言う方針で、国民を守るため渡航制限に駐在印ダンマーク人の救出を優先、その後大使館も閉じるとのことです。
「ダンマークからスペイン大使館員を締め出すことはしませんが、常に監視はつける事になるでしょう」
「そうなるでしょうね…どちらが勝っても良くない勢力になることは間違いありませんから」
それに、世界各国もこの内戦には干渉しないと明言しています。
堂々と両勢力を支援しているのはドイツとソ連、彼らの代理戦争であるなどと言う見方もあります。
ドイツから提供されたJU52を用いたゲルニカの爆撃も起こりました。
ですが、このJU52は前世におけるソレとは性能が違っているようです。
双発機であるTH-502の性能を超えるべく設計された機体で、数も50機ほどによる爆撃になったとのこと。
街が瓦礫とかし、跡形も残らないという状況は世界中を震え上がらせました。
同時期、すでに陸軍基地や戦闘機格納庫を地下設備化やバンカー化していたダンマークは、国民向けのシェルターの建設を始めました。
マリーナが率先して行っており、少々過剰な装備にも見えるのですが、彼女曰く「もしかしたら、ドイツ側はとんでもない爆弾を持っている可能性がある」という情報から、分厚いコンクリートと鉛の厚板、さらには食料や空気の浄化装置といった技術を集めたシェルターを各都市に数個設置する方針のようです。
この下準備は1930年以降の経済対策としての国家事業の一つとしてすでにベースをつくっており、改良という形で徐々に設備を入れている状態だそうです。
可能な限り都市部の人間を全て避難させることができるように、地下街にも力を入れており、コペンハーゲン地下鉄を使用しての迅速な避難が可能なようにしているそうです。
「これらの設備が使われないことを祈らずにはいられません」
「どうなるかは、ドイツの出方次第だと考えます。このままイギリス、フランスが日和見を続けないことはわかっているのですから」
「…マリーナ、チャーチルと連絡をとっていると言うのは本当なの?」
「チャーチルだけではありません、ルーズベルトにも連絡をとっていますよ」
「フランスは?」
「あそこはダメです。ですが低地諸国に関してはこちらから兵器の借用について、すでに裏取引を始めています」
「…戦争は避けられないわね」
「えぇ、間違いなく。先に引き金を引くのはドイツですが」
タイムリミットはあと3年、それまでにどれだけ我が国の破滅のシナリオを回避するための兵器群と防衛拠点は着々と準備が整っています。
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