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新型旅客機と、貿易摩擦
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1909年、ラジオ放送開始から2年が経ち、世の中の情勢というものもだいぶ変わってきました。
THI自動車が作るトラックはほとんどがコンテナ搭載を目的としたものとなり、ブリストルから提供されている航空機用エンジンを併用することでショートコンテナ2個を積めるものまで登場しています。
その影響で、空港・港と各年を結ぶ幹線道路については自動車専用道が作られることとなりました。
なにせ旧市街は道が細くてトラックが通るのは無理という場所もありますからね。
そのため、旧市街では未だにバイクや自転車が根強い人気です。
逆に車について国産はありません。
ドイツからの輸入がほとんどですわね。
一部フランスやイタリアの車もありますが、残念ながらイギリス車は無効の法律の関係から殆どありません。
極稀にマークスの保有する自動車運搬船を使ってアメリカからも自動車が入ってきます。
とにかく安いアイツです。
T型フォード。
アメリカではフォードが昨年T型フォードを発売、我が国の目ざとい自動車ディーラーは早速輸入をしたらしく、まとめて数百台が陸揚げされたとか…
「やっぱり優秀なのかしらT型フォードって」
「いやぁドイツ車に比べて安い以外のメリットはないですよ」
「そうなのね」
今日はレーナが遊びに来ています。
長女のクリスは家庭教師もついて勉強を始めており、次男のフェリはようやくイヤイヤ期というところです。
乳母が困り果てる時期ですわね。
「たしかに歴史の転換点ではあるかもしれませんが、そもそもフォード生産方式なら家が特区の昔に取ってますよ。飛行機もバイクもです。」
「バイクはドイツやイタリア、イギリスにも売れているのよね?」
「えぇ、他にポルトガルやスペインといった昔ながらの古都や旧市街がある街では重宝されてるようです。自動車ほど長距離移動はできなくとも、小さく小回りがきいて、石畳の上でもスムーズに走りますから」
それを目的に開発されたものですものね。
「いまTHI自動車では、にみっちりコンテナにバイクを詰め込んで毎日、各国に向かって出荷されていますよ」
飛行機以外でかなり外貨獲得手段になっておりますからね。
なにせドイツやアメリカではバカ高い関税をかけられるほどには売れています。
それでも売れるのですから、他国が作るバイクはさぞ高いのでしょう。
「大体3倍ぐらいですか、価格差が」
「それは…150%なんてばかみたいな関税をかけられるわけね」
こればっかりは外交交渉でなんとかしてもらうしかありませんけれど…逆にこれ以上関税を上げるとドイツもアメリカも”そういう国”ってみられて貿易が滞りますから、このあたりが限界みたいですね。
「ところで、新型の旅客機の話を聞きたいのだけれど」
「はい、こちらです」
そう行ってレポートを手渡してくれます。
*****
全長25m
全幅35m
最大搭載重量 5t
最高速度 250km/h
巡航速度 200km/h
乗員2名 乗客数 最大40名
4発レシプロエンジンので合計2000馬力
*****
「翼の設計なんかを見直しました。アメリカのDC-3と似た性能に近づいたと思います。
エンジン馬力が1発500馬力が限界なので、このあたりが限界ですね。名前をTC-1としています」
「確実に採算が取れる旅客機に仕上がっていると思うのだけれど…最高高度は?」
「乗客を無視すれば6000mです」
「そうよね…」
「それでも今回、機内にヒーターをいれることができましたので、3000mまでならかろうじて飛行できます。最大飛行距離も2000kmほどです。乗員は減らす必要がありますが機体の半分を燃料搭載に使えば4500kmとべます」
「フェロー諸島にもグリーンランドにも十分行けるわね」
「はい、今までパイロット含めて6人しか乗れなかったT-08Cの代替えがやっとできます」
そうね、それよりは乗れるのよね。
これでよりどちらの島へも簡単に行くことができれば独立運動も少しは静まるでしょう。
なにせ船の3倍の速度で手紙が届くようになっただけでも下火になったのですから。
「あ、そういえばテューラ様」
「どうしたのレーナ」
「海底ケーブルを使ったラジオ放送は成功したそうですよ」
「あら、よかったわね!まぁ電話と同じ原理だものね」
「そうですね。あとは音声による無線通信ですかね。レーダーの性能は日々拡充させていますから」
「航空管制が未だにモールスなのは辛いわよね」
「そうは言いますがテューラ様、この技術だって2~30年は先取りされていのですから無茶言わないでください」
レーナの回答に私は頷いて返す。
そう、電探も無線通信も本来は未来の技術だ。
でも私が飛行機を30年も前に飛ばしたせいで、他の技術も進んでいる。
なにより、すでに我軍はイギリス製のリー・エンフィールドが正式採用されて配備されていたりする。
歩兵武器としてサイドアームにルガーP08が採用されている。
国産の銃がなくて悔しいと陸軍はいうが、ないものは購入せざるを得ないし、これは貿易摩擦の解消にも役立っているんだから嘆くのはやめてほしい。
使えるものは使ったほうがいいのよ。
ダンマークの国力では全部自分の国で揃えるのは難しいんだから。
その他にも航空機用の機銃としてイギリスやドイツから色々買っていたりします。
というより武器は外国から買いまくっているのよね。
「しかし、貿易摩擦解消のためにいろんな国から武器を買いまくるのはすごいですね」
「でもレーナの知識のお陰で、弾種は少なく住んでるし、変な性能の銃はないって軍からの報告もあるわ」
「意外と冷静なんですねダンマーク軍って」
「前の戦争で負けてるんだもの、自分たちの実力を過大評価したりしてないってことね」
「合理的でよろしいと思います」
まったくだわ。
精神論を持ち出すわけでも無ければ、無い物ねだりもしないんだから。
買った兵器をつかってどうやって防衛するのが最も良いのかユラン半島で訓練を繰り返しているそうだし、近いうちに国境付近に防衛線が構築されるかもしれないわね。
THI自動車が作るトラックはほとんどがコンテナ搭載を目的としたものとなり、ブリストルから提供されている航空機用エンジンを併用することでショートコンテナ2個を積めるものまで登場しています。
その影響で、空港・港と各年を結ぶ幹線道路については自動車専用道が作られることとなりました。
なにせ旧市街は道が細くてトラックが通るのは無理という場所もありますからね。
そのため、旧市街では未だにバイクや自転車が根強い人気です。
逆に車について国産はありません。
ドイツからの輸入がほとんどですわね。
一部フランスやイタリアの車もありますが、残念ながらイギリス車は無効の法律の関係から殆どありません。
極稀にマークスの保有する自動車運搬船を使ってアメリカからも自動車が入ってきます。
とにかく安いアイツです。
T型フォード。
アメリカではフォードが昨年T型フォードを発売、我が国の目ざとい自動車ディーラーは早速輸入をしたらしく、まとめて数百台が陸揚げされたとか…
「やっぱり優秀なのかしらT型フォードって」
「いやぁドイツ車に比べて安い以外のメリットはないですよ」
「そうなのね」
今日はレーナが遊びに来ています。
長女のクリスは家庭教師もついて勉強を始めており、次男のフェリはようやくイヤイヤ期というところです。
乳母が困り果てる時期ですわね。
「たしかに歴史の転換点ではあるかもしれませんが、そもそもフォード生産方式なら家が特区の昔に取ってますよ。飛行機もバイクもです。」
「バイクはドイツやイタリア、イギリスにも売れているのよね?」
「えぇ、他にポルトガルやスペインといった昔ながらの古都や旧市街がある街では重宝されてるようです。自動車ほど長距離移動はできなくとも、小さく小回りがきいて、石畳の上でもスムーズに走りますから」
それを目的に開発されたものですものね。
「いまTHI自動車では、にみっちりコンテナにバイクを詰め込んで毎日、各国に向かって出荷されていますよ」
飛行機以外でかなり外貨獲得手段になっておりますからね。
なにせドイツやアメリカではバカ高い関税をかけられるほどには売れています。
それでも売れるのですから、他国が作るバイクはさぞ高いのでしょう。
「大体3倍ぐらいですか、価格差が」
「それは…150%なんてばかみたいな関税をかけられるわけね」
こればっかりは外交交渉でなんとかしてもらうしかありませんけれど…逆にこれ以上関税を上げるとドイツもアメリカも”そういう国”ってみられて貿易が滞りますから、このあたりが限界みたいですね。
「ところで、新型の旅客機の話を聞きたいのだけれど」
「はい、こちらです」
そう行ってレポートを手渡してくれます。
*****
全長25m
全幅35m
最大搭載重量 5t
最高速度 250km/h
巡航速度 200km/h
乗員2名 乗客数 最大40名
4発レシプロエンジンので合計2000馬力
*****
「翼の設計なんかを見直しました。アメリカのDC-3と似た性能に近づいたと思います。
エンジン馬力が1発500馬力が限界なので、このあたりが限界ですね。名前をTC-1としています」
「確実に採算が取れる旅客機に仕上がっていると思うのだけれど…最高高度は?」
「乗客を無視すれば6000mです」
「そうよね…」
「それでも今回、機内にヒーターをいれることができましたので、3000mまでならかろうじて飛行できます。最大飛行距離も2000kmほどです。乗員は減らす必要がありますが機体の半分を燃料搭載に使えば4500kmとべます」
「フェロー諸島にもグリーンランドにも十分行けるわね」
「はい、今までパイロット含めて6人しか乗れなかったT-08Cの代替えがやっとできます」
そうね、それよりは乗れるのよね。
これでよりどちらの島へも簡単に行くことができれば独立運動も少しは静まるでしょう。
なにせ船の3倍の速度で手紙が届くようになっただけでも下火になったのですから。
「あ、そういえばテューラ様」
「どうしたのレーナ」
「海底ケーブルを使ったラジオ放送は成功したそうですよ」
「あら、よかったわね!まぁ電話と同じ原理だものね」
「そうですね。あとは音声による無線通信ですかね。レーダーの性能は日々拡充させていますから」
「航空管制が未だにモールスなのは辛いわよね」
「そうは言いますがテューラ様、この技術だって2~30年は先取りされていのですから無茶言わないでください」
レーナの回答に私は頷いて返す。
そう、電探も無線通信も本来は未来の技術だ。
でも私が飛行機を30年も前に飛ばしたせいで、他の技術も進んでいる。
なにより、すでに我軍はイギリス製のリー・エンフィールドが正式採用されて配備されていたりする。
歩兵武器としてサイドアームにルガーP08が採用されている。
国産の銃がなくて悔しいと陸軍はいうが、ないものは購入せざるを得ないし、これは貿易摩擦の解消にも役立っているんだから嘆くのはやめてほしい。
使えるものは使ったほうがいいのよ。
ダンマークの国力では全部自分の国で揃えるのは難しいんだから。
その他にも航空機用の機銃としてイギリスやドイツから色々買っていたりします。
というより武器は外国から買いまくっているのよね。
「しかし、貿易摩擦解消のためにいろんな国から武器を買いまくるのはすごいですね」
「でもレーナの知識のお陰で、弾種は少なく住んでるし、変な性能の銃はないって軍からの報告もあるわ」
「意外と冷静なんですねダンマーク軍って」
「前の戦争で負けてるんだもの、自分たちの実力を過大評価したりしてないってことね」
「合理的でよろしいと思います」
まったくだわ。
精神論を持ち出すわけでも無ければ、無い物ねだりもしないんだから。
買った兵器をつかってどうやって防衛するのが最も良いのかユラン半島で訓練を繰り返しているそうだし、近いうちに国境付近に防衛線が構築されるかもしれないわね。
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