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主力戦車とイスパナ共和国内戦

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「ユーディ、お前たちが開発した試作三号戦車は通称がユーディ戦車と決まったぞ」
「なんですのそのこっぱずかしい名前!!」
久々に父と夕飯を共にしていたら、とんでもない量産名称をもらった報告を受けましたわ。
私たちからはMk.1とか、ベルネス戦車とかを推薦しておりましたのに何でそうなりましたのよ!
「兵士たちが試作2号戦車と3号戦車を便宜上呼んでいた名称がそのまま通ってしまってなぁ・・・私でも止められなかった。あきらめなさい」
「ありえないぃいいいいいいいいい!!!ありえないぃぃぃ!!!
 仮に戦争にでもなれば私の名前が付いた戦車が撃破される可能性があるんですのよ!?
 お父様はそれでいいんですの!!」
「そうは言うがなぁ正式名称はベルネス王国主力戦車Mk.1なんだからそれでよいだろう。
 書類上はこっちが使われるが、命令書だとか要請書にはユーディー戦車と書かれるだけだ」
「十分嫌ですわ!”ユーディー戦車5両が撃破される”とか報告書にかかれるんでしょう!?」
「まぁそうだな…あきらめろ」
「きぃぃぃぃぃ!!!!」
久々に超音波を発してしまいましたわ。
しょうがないじゃありませんの。自分の名前を付けるなんて…こっぱずかしいですわ。

ですが、決まってしまったものは一民間人である私がグダまいたってどうしようもないですもの…これはみんなにプークスされますわね。
「ところでお父様、イスパナ共和国での反乱はどうですの?」
「どうも、帝国と共産国家がそれぞれの陣営に肩入れしているようだ」
「そうですの…なんでも兵器見本市のようだと聞いておりますが?」
「あぁ我が国からも観戦武官を派遣しているが、帝国の2号戦車はその快速性をもって歩兵をなぎ倒しているな…共産国家も同様にBT-7とかいう巡航戦車で対抗しているようだ」
「空はいかがですの?」
「両国の戦闘機が陣地争いだ。あと、爆撃機というのは恐ろしい、ゲルニカという都市が瓦礫と化した…我が国も非難をしたが、どちらかと言えば爆撃機を落とせる戦闘機の開発が必要だろうな」
「そうですわね。我が国は自国防衛を優先とするならば爆撃機は不要と思いますの。
 代わりに迎撃機でしたっけ?爆撃機を落とせる強力な戦闘機が必要だと思いますわ」
「そちらはネリス社に任せている。
 代わりにユーディ今開発している対戦車自走砲と言うべきか駆逐戦車と言うべきかの車両と共に、対空車両を作れないか?」
「つまり、8.8cm砲をつかった対空砲を自走化したいと?」
「そういうことだ。据え置きの対空砲では航路を変えられるとどうにもならない。
 どこへでも運べる対空砲が今ならできると思っているのだ」
「たしかにできますわね。
 オープントップでよろしければ試作ぐらいすぐにできると思いますわよ」
「ではよろしく頼む」
「わかりましたはお父様」

現在、我が国では主力戦車として試作3号戦車が量産化され合計で最大100両の受注を受けておりますの。
おかげさまで車両価格は現在40,000ドルまで下がってきておりますわね。
ちなみに、いざ戦争となった時には最大500両まで増産が計画されておりますが、物資が持つかどうか…
そして、帝国の4号戦車に対抗すべく、駆逐艦の主砲である12.7cm対艦砲を搭載し砲塔を排した駆逐戦車を開発中ですの。
今や、45mm対戦車砲なんて1個も生産されておりませんわ…
全部鋳つぶして8.8cmに作り替えですもの。おかげで要求数に対して配備数が稼げませんが、それでもコスト削減にはなっておりますわ。
対戦車砲に艦載砲に戦車砲が全部同じ砲身ですからね。
そして、我が国は連合国と同盟いたしましたので、開発費だとか生産のための費用を稼ぐために、連合国側に輸出販売も始めました。
共和国は興味を示しませんでしたが、王立国家が50両分の購入をしてくださいましたわ。
納品はまだ先ですが、これで少しでもコストが下げられます。
それに引き続き、対空砲の自走化ですから、車体の量産効果がマシマシですわね。
これで少しでもまともな防衛ができるといいですわ。

「というわけで、対空自走砲を作りたいと思いますの」
「ユーディ様、駆逐戦車の次は対空砲ですか?」
ローザ様があきれ顔ですわね。
でも自国防衛のため仕方がありませんもの。
「すでにある艦載対空砲の8.8cmをそのまま乗っければいいだけですわ。
 車体はそのまま流用して、対戦車砲じゃなくて対空砲を乗せるだけですもの」
「まぁ突貫作業でよければ試作なんて部品があれば1週間でできますわね」
「対空砲の在庫はすぐに手配できますわよ~」
「ニーナ様よろしくお願いいたしますわ」
「車体1台手配しますわね」
「シルビア様宜しくお願いいたしますわ」
こうして、他国の内戦を戦訓に新たな地上車両の開発が始まりましたの。
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