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67話:領都奪還作戦1
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フリッツ・ロッシジャーニをとらえた後、ルーナが合流した。
「ギュンター様は無事に保護できたの?」
「はい、今はストローンに向かっておられます」
「ひとまず安心ということよね?」
「はい、後はべリリム家としてロッシジャーニ辺境伯領都を開放すれば作戦成功となります」
今回の作戦において一番問題なのが領都解放だと思うのだけれどね。
ロッシジャーニ辺境伯領都は砦となっており、帝国側からの攻撃に対しては難攻不落となっている。
が、今回は南側からの進軍なのでそこまで厳しい戦いとはならない可能性が高い。
それでも南側に何の防御も無い訳ではない。
砲台座が設置され高い壁もあり無防備ではない。
「しかも領都は民が普通に暮らしている状態です。戦争状態となった時に民を人質に取られる可能性がある為、どう攻略するかが課題です」
「そういえばロッシジャーニ辺境伯領から民が逃げ出してきたことはなかったんだっけ?」
「はい、帝国軍によって完全に占領されているような状態です。すでに物資のも且つしてきているようで民を早期に開放しないと本当に辺境伯領が落ちます」
なんともまぁ面倒くさい状態になっている。
「ミリア嬢、君たちを含めわが軍の銃兵をもって先行偵察できないか?」
ジェラルド様の発言はもっともだ。
最も威力があるのが私を含めた銃を装備した兵士だからね。
でも、折角ギュンター様を保護できたなら最大限活用してもいいのではないだろうか?
「補給を潤沢にしていたければ場合によっては落とせるかもしれませんよ?」
「どういうことだ?」
「少数ながら必要な弾薬をきっちりと運び込めれば、砦の各市通路を使って内部に侵入し帝国兵だけを倒せる可能性が高いと思うのです」
ちなみにこれはルーナの提案。
いざという時の脱出経路を使うことで少数で内部に侵入し敵を撃滅する。
「だが、内部には1000人規模の帝国兵が駐留している可能性が高いのだろ?」
「サブマシンガンを使えば一騎当千も夢ではありませんよ。弾が尽きなければですが」
そう、全ては弾薬。
銃を使う上で最も問題なのは弾薬の補給なのだ。
私だって弾が切れた瞬間無力になる。
背負いカバンに大量に詰めていくにしても重さの関係から限界がある。
もてて120発がいいところ。背負ったまま戦闘なんてしたくない。
サブマシンガンならもっと持てると思うけれど、その場合弾倉に事前に弾を入れて持っていかなくては弾切れしたときにすぐに再装填できない。
「補給要因と戦闘要員を分けていこう、来てくれ先ほどギュンター様から届いた砦の内部構造図がある。作戦を立てよう」
天幕にはロッシジャーニ砦への進入路と内部構造が分かる図面が置かれていた。
「地下から侵入したのち、一番最初に確保したいのはつながっている武器庫だ」
「四方が壁、窓が無くて入り口は一つ…敵が攻め込めるのは入り口だけ…いいですね」
「そこから守りやすい箇所に拠点を置いて、運搬チームはそこへ弾薬を次々運び込む」
「運び込むだけでなく、その場で弾倉に弾を込める人員を置いてください」
「わかった、兵長、数名見繕ってくれ」
ジェラルド様の指示で兵長と呼ばれた人がサッとを出ていく。
私も含めた選抜チームで作戦を共有していく。
乗り込むチーム以外はあえて砦に砲撃を仕掛けてこちらに注目されないようにしてもらうことになった。
「間違えて誤爆されるような道を通らないように」
「わかりましたジェラルド様」
私の役目は補給線の支援をしつつ、前線部隊の掩護だ。
翌朝には砦に突入することになる。
「ギュンター様は無事に保護できたの?」
「はい、今はストローンに向かっておられます」
「ひとまず安心ということよね?」
「はい、後はべリリム家としてロッシジャーニ辺境伯領都を開放すれば作戦成功となります」
今回の作戦において一番問題なのが領都解放だと思うのだけれどね。
ロッシジャーニ辺境伯領都は砦となっており、帝国側からの攻撃に対しては難攻不落となっている。
が、今回は南側からの進軍なのでそこまで厳しい戦いとはならない可能性が高い。
それでも南側に何の防御も無い訳ではない。
砲台座が設置され高い壁もあり無防備ではない。
「しかも領都は民が普通に暮らしている状態です。戦争状態となった時に民を人質に取られる可能性がある為、どう攻略するかが課題です」
「そういえばロッシジャーニ辺境伯領から民が逃げ出してきたことはなかったんだっけ?」
「はい、帝国軍によって完全に占領されているような状態です。すでに物資のも且つしてきているようで民を早期に開放しないと本当に辺境伯領が落ちます」
なんともまぁ面倒くさい状態になっている。
「ミリア嬢、君たちを含めわが軍の銃兵をもって先行偵察できないか?」
ジェラルド様の発言はもっともだ。
最も威力があるのが私を含めた銃を装備した兵士だからね。
でも、折角ギュンター様を保護できたなら最大限活用してもいいのではないだろうか?
「補給を潤沢にしていたければ場合によっては落とせるかもしれませんよ?」
「どういうことだ?」
「少数ながら必要な弾薬をきっちりと運び込めれば、砦の各市通路を使って内部に侵入し帝国兵だけを倒せる可能性が高いと思うのです」
ちなみにこれはルーナの提案。
いざという時の脱出経路を使うことで少数で内部に侵入し敵を撃滅する。
「だが、内部には1000人規模の帝国兵が駐留している可能性が高いのだろ?」
「サブマシンガンを使えば一騎当千も夢ではありませんよ。弾が尽きなければですが」
そう、全ては弾薬。
銃を使う上で最も問題なのは弾薬の補給なのだ。
私だって弾が切れた瞬間無力になる。
背負いカバンに大量に詰めていくにしても重さの関係から限界がある。
もてて120発がいいところ。背負ったまま戦闘なんてしたくない。
サブマシンガンならもっと持てると思うけれど、その場合弾倉に事前に弾を入れて持っていかなくては弾切れしたときにすぐに再装填できない。
「補給要因と戦闘要員を分けていこう、来てくれ先ほどギュンター様から届いた砦の内部構造図がある。作戦を立てよう」
天幕にはロッシジャーニ砦への進入路と内部構造が分かる図面が置かれていた。
「地下から侵入したのち、一番最初に確保したいのはつながっている武器庫だ」
「四方が壁、窓が無くて入り口は一つ…敵が攻め込めるのは入り口だけ…いいですね」
「そこから守りやすい箇所に拠点を置いて、運搬チームはそこへ弾薬を次々運び込む」
「運び込むだけでなく、その場で弾倉に弾を込める人員を置いてください」
「わかった、兵長、数名見繕ってくれ」
ジェラルド様の指示で兵長と呼ばれた人がサッとを出ていく。
私も含めた選抜チームで作戦を共有していく。
乗り込むチーム以外はあえて砦に砲撃を仕掛けてこちらに注目されないようにしてもらうことになった。
「間違えて誤爆されるような道を通らないように」
「わかりましたジェラルド様」
私の役目は補給線の支援をしつつ、前線部隊の掩護だ。
翌朝には砦に突入することになる。
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