64 / 69
64話:ロッシジャーニ辺境伯領奪還戦1
しおりを挟む
作戦はいたって単純だ、主力であるジェラルド様が率いる討伐部隊が帝国軍陣地をつぶしながら辺境伯領都へ向かう。
その間にルーナを含むガリム伯爵家の隠密部隊がロッシジャーニ辺境伯を救出する。
あとはフリッツ・ロッシジャーニを打ち倒せば完了だ。
「ルーナ、気を付けて」
「ミリア様もあまり無茶はしないでください」
グッと握手を交わして肩を叩きあう。
ここから私とルーナは別行動だ。
今回は私の手持ちの荷物はそれほど多くない。
ジェラルド様の護衛なので食事の心配はほぼいらず、補給も直ぐに受けられるので一日に必要な分の物資だけを持って歩ける。
身軽で大変助かる。
ジェラルド様率いる討伐軍の数はおよそ3,000人。
辺境伯家は最大5,000人規模の兵隊を扱える勢力があるが、現在は駐留する帝国軍約1,000以外は無力化されており、こちらが圧倒的に優勢だろう。
確認できた帝国の野営地も駐留人数は100ちょっとという感じだったそうなので、帝国側に組する王国民の数が多くなければ難しい作戦ではないはずだ。
問題は領都攻略だろう。
攻城戦になることは必至で、それより前にフリッツを打ち倒せればよいが…難しいだろうなぁ。
ルーナ達隠密部隊はあっという間に見えなくなったが、私達は徒歩での進軍なのでスピード感はない。
今回騎乗の兵がいないのは森の中を突き進むことになるからだ。
物資輸送の馬車は道を進むが、実働部隊は徒歩での進軍となる。
実際私達の活躍もあって騎乗での移動が危険と判断されたのもあるのだけれど。
森を進むこと2日、敵拠点の一つに到着し、其の日のうちに襲撃撃退した。
簡単な仕事と言うと語弊があるが、圧倒的な戦力差ですりつぶしたというところか。
サブマシンガン部隊が強すぎる。
撃ち漏らしを私が片付けた形で4人ほど打ち倒したかな。
その後も補給を繰り返しながら森を移動する事5日、森の中の掃討を完了したところで、ついに帝国軍との正面戦闘となった。
「敵はおよそ500ですか」
「奴隷同然で参戦している伯爵領民を入れればわが軍と同数だな」
「辺境伯令息のやることではありませんね」
森を出たべリリム侯爵軍にたいして、フリッツ反乱軍は民を盾にして布陣していた。
前面に領民に槍を持たせて並べ、その後方に帝国軍が布陣するというような形だ。
その後ろにはロッシジャーニ辺境伯の旗が立っており、フリッツもいると予測される。
「ミリア嬢、何とかなりそうかな?」
「ジェラルド様、それは私に何とかしろとおっしゃってますよね?」
「うん、なるべくロッシジャーニ辺境伯の民を傷つけたくないのだけれど」
「高台があれば撃ち下ろせますが…周辺に狙撃が出来そうなポイントが無いですね」
そう、現在向かい合っているこの場所は私たちの後ろには森が有るものの、相対する敵軍との間はほぼ平地であり狙撃に向く場所がない。
こっそり近づくにしても限界があるけれど…
「敵布陣の後ろにある教会の塔はどうか?」
「かなりな遠距離ですので狙撃の可能性がありますが、何とかなる可能性は高いかと」
「では、わが軍で明日一度攻撃を仕掛けた際、その混乱に乗じて教会を占領といかないか?」
「サブマシンガンと数名の護衛が欲しいです」
「わかった。2名護衛を付ける。無理に教会を奪わなくてもよい、道中狙えるならフリッツの首を取ってしまえ」
「わかりました」
随分無理難題を吹っ掛けられたものだけれど、何とかするしかないか…
はてさてどうなるかな
その間にルーナを含むガリム伯爵家の隠密部隊がロッシジャーニ辺境伯を救出する。
あとはフリッツ・ロッシジャーニを打ち倒せば完了だ。
「ルーナ、気を付けて」
「ミリア様もあまり無茶はしないでください」
グッと握手を交わして肩を叩きあう。
ここから私とルーナは別行動だ。
今回は私の手持ちの荷物はそれほど多くない。
ジェラルド様の護衛なので食事の心配はほぼいらず、補給も直ぐに受けられるので一日に必要な分の物資だけを持って歩ける。
身軽で大変助かる。
ジェラルド様率いる討伐軍の数はおよそ3,000人。
辺境伯家は最大5,000人規模の兵隊を扱える勢力があるが、現在は駐留する帝国軍約1,000以外は無力化されており、こちらが圧倒的に優勢だろう。
確認できた帝国の野営地も駐留人数は100ちょっとという感じだったそうなので、帝国側に組する王国民の数が多くなければ難しい作戦ではないはずだ。
問題は領都攻略だろう。
攻城戦になることは必至で、それより前にフリッツを打ち倒せればよいが…難しいだろうなぁ。
ルーナ達隠密部隊はあっという間に見えなくなったが、私達は徒歩での進軍なのでスピード感はない。
今回騎乗の兵がいないのは森の中を突き進むことになるからだ。
物資輸送の馬車は道を進むが、実働部隊は徒歩での進軍となる。
実際私達の活躍もあって騎乗での移動が危険と判断されたのもあるのだけれど。
森を進むこと2日、敵拠点の一つに到着し、其の日のうちに襲撃撃退した。
簡単な仕事と言うと語弊があるが、圧倒的な戦力差ですりつぶしたというところか。
サブマシンガン部隊が強すぎる。
撃ち漏らしを私が片付けた形で4人ほど打ち倒したかな。
その後も補給を繰り返しながら森を移動する事5日、森の中の掃討を完了したところで、ついに帝国軍との正面戦闘となった。
「敵はおよそ500ですか」
「奴隷同然で参戦している伯爵領民を入れればわが軍と同数だな」
「辺境伯令息のやることではありませんね」
森を出たべリリム侯爵軍にたいして、フリッツ反乱軍は民を盾にして布陣していた。
前面に領民に槍を持たせて並べ、その後方に帝国軍が布陣するというような形だ。
その後ろにはロッシジャーニ辺境伯の旗が立っており、フリッツもいると予測される。
「ミリア嬢、何とかなりそうかな?」
「ジェラルド様、それは私に何とかしろとおっしゃってますよね?」
「うん、なるべくロッシジャーニ辺境伯の民を傷つけたくないのだけれど」
「高台があれば撃ち下ろせますが…周辺に狙撃が出来そうなポイントが無いですね」
そう、現在向かい合っているこの場所は私たちの後ろには森が有るものの、相対する敵軍との間はほぼ平地であり狙撃に向く場所がない。
こっそり近づくにしても限界があるけれど…
「敵布陣の後ろにある教会の塔はどうか?」
「かなりな遠距離ですので狙撃の可能性がありますが、何とかなる可能性は高いかと」
「では、わが軍で明日一度攻撃を仕掛けた際、その混乱に乗じて教会を占領といかないか?」
「サブマシンガンと数名の護衛が欲しいです」
「わかった。2名護衛を付ける。無理に教会を奪わなくてもよい、道中狙えるならフリッツの首を取ってしまえ」
「わかりました」
随分無理難題を吹っ掛けられたものだけれど、何とかするしかないか…
はてさてどうなるかな
1
お気に入りに追加
438
あなたにおすすめの小説

Red Assassin(完結)
まさきち
ファンタジー
自分の目的の為、アサシンとなった主人公。
活動を進めていく中で、少しずつ真実に近付いていく。
村に伝わる秘密の力を使い時を遡り、最後に辿り着く答えとは...
ごく普通の剣と魔法の物語。
平日:毎日18:30公開。
日曜日:10:30、18:30の1日2話公開。
※12/27の日曜日のみ18:30の1話だけ公開です。
年末年始
12/30~1/3:10:30、18:30の1日2話公開。
※2/11 18:30完結しました。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
この争いの絶えない世界で ~魔王になって平和の為に戦いますR
ばたっちゅ
ファンタジー
相和義輝(あいわよしき)は新たな魔王として現代から召喚される。
だがその世界は、世界の殆どを支配した人類が、僅かに残る魔族を滅ぼす戦いを始めていた。
無為に死に逝く人間達、荒廃する自然……こんな無駄な争いは止めなければいけない。だが人類にもまた、戦うべき理由と、戦いを止められない事情があった。
人類を会話のテーブルまで引っ張り出すには、結局戦争に勝利するしかない。
だが魔王として用意された力は、死を予感する力と全ての文字と言葉を理解する力のみ。
自分一人の力で戦う事は出来ないが、強力な魔人や個性豊かな魔族たちの力を借りて戦う事を決意する。
殺戮の果てに、互いが共存する未来があると信じて。

悪夢なのかやり直しなのか。
田中ボサ
ファンタジー
公爵家嫡男、フリッツ・マルクスは貴族学院の入学式の朝に悪夢を見た。
だが、フリッツは悪夢を真実だと思い、行動を起こす。
叔父の命を救い、病気に侵される母親を救う。
妹の学園生活を悪夢で終わらせないために奔走するフリッツ。
悪夢の中でフリッツは周囲が見えていなかったため、家族や友人を救うことができずにすべてが終わってしまい絶望する。
単なる悪夢だったのか、人生をやり直しているのか、フリッツも周囲もわからないまま、それでも現実を幸せにするように頑張るお話。
※なろう様でも公開中です(完結済み)

【完結】追放された実は最強道士だった俺、異国の元勇者の美剣女と出会ったことで、皇帝すらも認めるほどまで成り上がる
岡崎 剛柔
ファンタジー
【あらすじ】
「龍信、貴様は今日限りで解雇だ。この屋敷から出ていけ」
孫龍信(そん・りゅうしん)にそう告げたのは、先代当主の弟の孫笑山(そん・しょうざん)だった。
数年前に先代当主とその息子を盗賊団たちの魔の手から救った龍信は、自分の名前と道士であること以外の記憶を無くしていたにもかかわらず、大富豪の孫家の屋敷に食客として迎え入れられていた。
それは人柄だけでなく、常人をはるかに超える武術の腕前ゆえにであった。
ところが先代当主とその息子が事故で亡くなったことにより、龍信はこの屋敷に置いておく理由は無いと新たに当主となった笑山に追放されてしまう。
その後、野良道士となった龍信は異国からきた金毛剣女ことアリシアと出会うことで人生が一変する。
とある目的のためにこの華秦国へとやってきたアリシア。
そんなアリシアの道士としての試験に付き添ったりすることで、龍信はアリシアの正体やこの国に来た理由を知って感銘を受け、その目的を達成させるために龍信はアリシアと一緒に旅をすることを決意する。
またアリシアと出会ったことで龍信も自分の記憶を取り戻し、自分の長剣が普通の剣ではないことと、自分自身もまた普通の人間ではないことを思い出す。
そして龍信とアリシアは旅先で薬士の春花も仲間に加え、様々な人間に感謝されるような行動をする反面、悪意ある人間からの妨害なども受けるが、それらの人物はすべて相応の報いを受けることとなる。
笑山もまた同じだった。
それどころか自分の欲望のために龍信を屋敷から追放した笑山は、落ちぶれるどころか人間として最悪の末路を辿ることとなる。
一方の龍信はアリシアのこの国に来た目的に心から協力することで、巡り巡って皇帝にすらも認められるほど成り上がっていく。
南洋王国冒険綺譚・ジャスミンの島の物語
猫村まぬる
ファンタジー
海外出張からの帰りに事故に遭い、気づいた時にはどことも知れない南の島で幽閉されていた南洋海(ミナミ ヒロミ)は、年上の少年たち相手にも決してひるまない、誇り高き少女剣士と出会う。現代文明の及ばないこの島は、いったい何なのか。たった一人の肉親である妹・茉莉のいる日本へ帰るため、道筋の見えない冒険の旅が始まる。
(全32章です)

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる