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50話:ニホニ解放戦1
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夜間の狙撃は順調であった。
無理に街に入らず丘の上や草陰から狙える兵士を手当たり次第に撃ったおかげか、帝国軍は夜間はむやみに動かなくなった。
昼間に捜索を試みているようだが、私達は拠点に戻っており発見されていない。
そして、王国軍第二騎士団が到着した。
ニホニまで約5kmというところで現在補給などを受けている状態だ。
「ミリア・タリム入ります」
私は第二騎士団の司令官たちに呼び出された。
まぁ現状の報告の為である。
「報告します。帝国軍はニホニの町に陣取り支配状態にあります。
しかし帝国民はおらず駐留しているのは軍人だけです。
数はおおよそ1,500ほどに増加しています。
ただしこれまでに敵指揮官と思われる将校を我々は151名射殺し、100名以上を負傷させております」
「報告有難うタリム子爵令嬢。
君から見て我が第二騎士団の装備でニホニは解放できると思うか?」
第二騎士団司令官のフォーリンネ侯爵に質問される。
第二騎士団は今までの王国騎士団の装備と違い、かなりの数の銃と大砲を装備していた。
騎兵は少なく、銃を装備した歩兵の数のほうが多い。
きっとお母様の入れ知恵があったに違いなかった。
「勝てると思います。フォーリンネ侯爵は大砲にてニホニの町を砲撃し、そこから銃兵による射撃で敵を撃滅することをお考えなのですよね?」
「そのとおりだ、さらに歩兵たちは交代で射撃する予定だ。タリム家の射撃方法を使う」
つまり、1発撃つ間に弾込めを行うということだろう。
それにしては銃の数が多い気がする。
「2丁では間ができてしまうのでな、3丁体制で絶え間ない射撃を行う予定だ」
つまり絶え間なく射撃を繰り返すということ。
これで、敵を接近させないだろう。
ただ懸念もある。
ニホニだけに帝国兵がいるわけではない。
徒歩でさらに1日向こうに帝国軍本体が待機している状態なのだ。
「帝国軍本体はニホニから北へ1日ほどのところで待機している状態です。
そのためニホニは迅速な補給がされています」
「その件についても考えている。ニホニから敵をたたき出し、簡易の要塞線としてニホニを使う。
敵本隊に対して消耗戦を強いる予定だ」
「敵本隊がそのまま撤退した場合はどうされるのですか?」
「その時は歩兵部隊で追撃をかけるだろう。そうなれば帝国軍をアルミナ王国からたたき出すだけだ」
なるほど、今度こそ戦争が終わる可能性が高い。
王国軍は総数2万で来ており、すでに帝国側も気が付いただろう。
向こうはニホニを守るつもりだろうが、こちらはなりふり構わないで攻撃する。
ニホニに城壁が無かったり王国側に開けた土地があるのは、もしもの際に被害を気にせずに攻撃するためだったのかもしれない。
「タリム子爵令嬢、君たちタリム家の斥候には我々本体が攻撃を仕掛ける間に別動隊として今まで通り敵将兵を倒してもらいたい」
「わかりました」
今回は私達も本体と一緒に戦える。
前回は私がいない間に戦場が動いてしまったが今回はそうはさせない。
タリム家の力を見せつける時だ。
私はカーテシーをして司令部テントを後にした。
無理に街に入らず丘の上や草陰から狙える兵士を手当たり次第に撃ったおかげか、帝国軍は夜間はむやみに動かなくなった。
昼間に捜索を試みているようだが、私達は拠点に戻っており発見されていない。
そして、王国軍第二騎士団が到着した。
ニホニまで約5kmというところで現在補給などを受けている状態だ。
「ミリア・タリム入ります」
私は第二騎士団の司令官たちに呼び出された。
まぁ現状の報告の為である。
「報告します。帝国軍はニホニの町に陣取り支配状態にあります。
しかし帝国民はおらず駐留しているのは軍人だけです。
数はおおよそ1,500ほどに増加しています。
ただしこれまでに敵指揮官と思われる将校を我々は151名射殺し、100名以上を負傷させております」
「報告有難うタリム子爵令嬢。
君から見て我が第二騎士団の装備でニホニは解放できると思うか?」
第二騎士団司令官のフォーリンネ侯爵に質問される。
第二騎士団は今までの王国騎士団の装備と違い、かなりの数の銃と大砲を装備していた。
騎兵は少なく、銃を装備した歩兵の数のほうが多い。
きっとお母様の入れ知恵があったに違いなかった。
「勝てると思います。フォーリンネ侯爵は大砲にてニホニの町を砲撃し、そこから銃兵による射撃で敵を撃滅することをお考えなのですよね?」
「そのとおりだ、さらに歩兵たちは交代で射撃する予定だ。タリム家の射撃方法を使う」
つまり、1発撃つ間に弾込めを行うということだろう。
それにしては銃の数が多い気がする。
「2丁では間ができてしまうのでな、3丁体制で絶え間ない射撃を行う予定だ」
つまり絶え間なく射撃を繰り返すということ。
これで、敵を接近させないだろう。
ただ懸念もある。
ニホニだけに帝国兵がいるわけではない。
徒歩でさらに1日向こうに帝国軍本体が待機している状態なのだ。
「帝国軍本体はニホニから北へ1日ほどのところで待機している状態です。
そのためニホニは迅速な補給がされています」
「その件についても考えている。ニホニから敵をたたき出し、簡易の要塞線としてニホニを使う。
敵本隊に対して消耗戦を強いる予定だ」
「敵本隊がそのまま撤退した場合はどうされるのですか?」
「その時は歩兵部隊で追撃をかけるだろう。そうなれば帝国軍をアルミナ王国からたたき出すだけだ」
なるほど、今度こそ戦争が終わる可能性が高い。
王国軍は総数2万で来ており、すでに帝国側も気が付いただろう。
向こうはニホニを守るつもりだろうが、こちらはなりふり構わないで攻撃する。
ニホニに城壁が無かったり王国側に開けた土地があるのは、もしもの際に被害を気にせずに攻撃するためだったのかもしれない。
「タリム子爵令嬢、君たちタリム家の斥候には我々本体が攻撃を仕掛ける間に別動隊として今まで通り敵将兵を倒してもらいたい」
「わかりました」
今回は私達も本体と一緒に戦える。
前回は私がいない間に戦場が動いてしまったが今回はそうはさせない。
タリム家の力を見せつける時だ。
私はカーテシーをして司令部テントを後にした。
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