スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜

シャチ

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47話:見つからなければいいの

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翌日、私とルーナはニホニの町に接近、ルーナが隙を突いて1軒のアパートメントに突入して戻ってくる。
「あの建物は無人でした」
「やっぱり敵も建物すべてを占拠しているわけじゃないのね」
「中は荒らされた痕跡がありましたが、敵は野営地を構築しているようなので、わざわざ建物を使っていないようです」
「じゃあお母様から教わったあの作戦で行きましょう」
私はお母様から建物からの狙撃についても習っている。
通常の銃では発砲音でバレる可能性が高いが、サイレンサーがついているこのライフルであれば敵に目視されない限りは発見されないとのことで、建物の影や窓からの狙撃が有効であると教わっている。
特に銃は上を取ったものが勝つ。
まぁどんな戦でも上を取ったほうが強いのだけれど。
「ルーナ先行をお願い、貴方の指示でアパートメントに陣取るわ」
「わかりました」
再度ルーナがアパートメントに突入する。
安全が確認できたのか手招きされたので私はそれに続く。
姿勢を低くして足早にアパートメントに突入する。
中はテーブルや棚が横倒しになっておりあらされた痕跡があった。
「やってくれるわね」
「人がいなくなった建物なんて略奪の的ですもの」
私とルーナはヒソヒソと話しながら上の階へ急ぐ。
3階の一室、広場が見える部屋まで来るとニホニの中央広場には多くのテントが立っているのが確認できた。
「あそこに駐留しているのね」
「500人以上は居ますね」
「無事だった兵士が駐留している感じね…」
「一度ギリースーツは脱ぎましょうここだと逆に目立ちます」
ルーナに言われギリースーツを脱いで背負カバンにしまう。
私はライフルを構えて窓際の陰による。
ルーナがおろした荷物をまとめてくれている。
何かあれば一気に撤退する必要があるので、今日の荷物は少なめだ。
なので最悪ルーナが2つまとめて持ってくれることになっている。
「狙うわ」
早速敵の将校を見つける。
やっぱり目立つ格好をしているわね。
帝国軍の赤色を身にまとい帽子に羽飾りがついている。
ココからなら距離は300m以内、狙えるわね。
脇を締めてサイトを覗く。

パスッ

頭に命中したようだ。
敵の陣地が騒がしくなる。
「もう一人狙う」
「敵はこちらに気がついていないようですね」
ゆっくりとボルトを動かしてあまり音を立てないようにする。
実はボルト操作が一番音が出る。

シャカッ、パスッ

「移動しましょうミリア様」
「了解」
敵がいるとなれば帝国兵は建物を虱潰しで探す可能性がある。
そうなる前に拠点まで戻る。
「明日は別の建屋から狙いましょう」
「その前になにか命令が来ると思いますけどね」
それもそうか。
敵を徐々に残減するような作戦だといいなぁ。
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