スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜

シャチ

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11話:出兵準備

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自分の部屋に戻ってきた。
私とルーナはとりあえず準備を始めることにする。
「といっても何をもっていけばいいか…」
「服は用意してもらいましたから、必要な装備は屋敷の騎士にでも聞きましょう」
「そうね…ひとまず私は弾と着替えを背負いカバンに詰めてるわ」
「ミリア様、ひと箱下さい」
ルーナも私の護身用の銃を使うものね。
弾はライフルと同じものが使えるとのことで、1箱15発分を渡す。
これで残るは11箱、165発ある。
足らなくなったらお母様が送ってくれるとのことだ。
タリムを通る王国軍への物資補給用の馬車に乗せてくれることになっている。
しかしこれ4kg以上あるから意外と重たい。
「ルーナひと箱と言わず8箱ぐらい持って」
「せめて6箱ずつ持とうと言ってくださいミリア様」
ぐうのねもでない。
でも、ライフルもあるからこれ以上重たくしたくない。
「はぁ、わかりました。スナイパーライフルだって5kgぐらいありますもんね。いいですよ10箱下さい」
「神がいる」
「ずいぶんやっすい神ですね」
おかげで、私は2箱だけ持つことになった。
軽い。
「では護衛達に聞いてきます」
「お願いねルーナ」
その間に私は下着とか用意しておこう。
これぐらいルーナがいなくっても出来るわ。
子爵令嬢なら身の回りのことぐらいある程度自分で出来るんだから。
カバンの底に二箱入れてその上に下着類を乗せる。
ドロワースとキャミソールでしょ。
このかばん結構入りそう。
もしかしたら食料も持っていかないといけないかもしれないわね。

*****
ルーナが戻ってきた。
なんだか両手に一杯荷物を持っているわね…
「この半分はミリア様の分ですよ」
なんだか紙に包まれた塊を二つ渡された。
一個は軽いけどもう一個はそれなりに重量がある。
「何これ?」
「パンと鶏肉のハムです。後こちらを」
なんだか瓶を渡される。
「ピクルスよね?」
「はい、奥様から栄養バランスを考えて、とのことです」
お母様からか…最初っから渡してくれればいいのに。
「それとこれを」
なんだか金属製の畳まれているものを渡される。
何これ?
「こうして展開すると、スコップになります」
「なるほど!…何に使うの?」
「隠れるために穴を掘ったり、排せつ物を埋めたりするのに使うそうです」
「…そうか、トイレなんてないんだもんね」
軍団の一部としてみなと一緒に動くならトイレはある。
でも私たちがやるのは斥候ってことだから、駐屯地に居続けるわけじゃない。
外で用を足す必要もある。
貴族令嬢が野糞…あ、また辛くなってきたかも。
「はい、斥候では常識だそうです」
「…お外でお花を摘まないといけないとは」
「やることを考えるとしょうがないかと」
乙女として何かを捨てないといけないのか…でもタリムを守る為だもの割り切るしかない。
別の方向でちょっと心が折れそうになってしまったよ私。
他に水筒や果物ナイフ、そして包帯なんかを渡された。
後、スピリッツが少量。
怪我をした時に消毒のために使うとの事。
飲むようじゃないのね…
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