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スナゴと弱虫狼
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どうしてとかは今更で、きっとトリトン先輩は、渡すだけ渡して、気持ちの整理をしたいのだろう。
私だって気持ちの整理がしたい、とスナゴは心底思った。
トリトン先輩からの求婚なんて、いきなりすぎて青天の霹靂に等しくて、本当にどうしたらいいのかわからないのだ。
そして一回目、二回目で、返事が要らないなんて、それはまるで、受け入れられない事前提だ。
スナゴがトリトンを受け入れないと、彼は思いこんでいるのだろうか。
きっとそうなのだ、とスナゴでもわかる。
彼は返事が要らないと言いながら、どうせ返事は返ってこないと決め込んでいるのだ。
じゃああなたの渡す手紙の意味は? と問いかけたら、どうなるのだろう。
スナゴはそんな事を考えながら、じっと手紙を見ていた。
簡単にかけば、あなたが恋しいです、という意味合いを持つ唄が、そこにはさらさらとよどみなく描かれている。
それの筆跡も美しい物であるから、トリトンが一生懸命に、練習したのだろう事もうかがわせた。
トリトン先輩の文字は、とにかく読めればいいと言いたげに汚かったのだから。
「……だめだ、返事が思いつかない」
どういえば。そうだ、どういえば、この思いをきちんと伝えられるだろう。
どんな時でも助けてくれた、頼もしい、頼りになる年下の男の子だと思っていた、実は年上の、とんでもない力を持った狗族。
あなたに何と言えば、自分の気持ちをきちんと伝えられるだろう。
スナゴは歌の素質はなかったため、かなり考え込むほかなかった。
頭を抱えてうんうんうなっても、いい言葉なんて出てこない、もともとそう言った教育なんて受けていないし、そう言った下地も彼女にはなかった。
そのため。
「面と向かって直接言わなきゃ……いけない」
それ以外に道がない。
それにもともとこんな物の答えを、持っていない事くらい、彼は知っているはずだ。
そう思って立ち上がり、彼女は自宅の前のすだれをめくり、トリトンの家の方に向かった。
その時だ。
「考えたな、お前」
「何がだよ」
「スナゴの事だ」
「……あ? バドゥは何を言いだすんだ」
トリトンの家の近くの木の脇で、二人の狗族が話していたのだ。
「お前が死の巫子長とかいうとんでもないものになっちまったのは、全部スナゴのためだろ」
「また変な事を言いやがるな」
「死の巫子長の求婚の手紙を持つなんて、明らかに手出ししちゃいけないという事にしかならないだろ。俺たちの感覚で言えば、お前のかあちゃんが手紙を出した相手に変な真似するのと同じだろ」
「そんなんじゃ、ねえよ」
「なあトリトン、お前はどこまでもスナゴが大事なのに、自分で幸せにしたいとは思わないのか」
「……」
「アシュレイは、あれで、自分の結婚に納得しているんだろ」
「もともとあいつが、巫子長だった頃の婚約者だったって話だ。アシュレイは迷ってたけどな。スナゴの事残して、自分だけ幸せになっていいのかって」
「あのなあ、どうしてうちの雄狗は揃いも揃って、勇気のない意気地なしなんだ」
「てめえなぁ、言っていい事と悪い事ってのがあるだろ」
「だってトリトンはスナゴが大事なのに、最後の最後で自分で攫ってでも幸せにしようっていう意気地がねえだろ」
痛い所をつかれたのだろう。トリトンが珍しく黙るのが伝わってきた。
「お前はどうしたいんだよ、トリトン」
バドゥが静かに言うのを聞き、相手は顔を覆ったらしい。
「幸せになりてえよ。二人で」
がさり。その時立てようと思わなかった音が立ち、スナゴは彼等がぎょっとした顔で彼女を見た事で、きまり悪く笑った。
「聞いてたのか」
トリトンが静かな声で言う。バドゥが立ち上がり、彼女とトリトンを見て言う。
「二人とも、話し合え。二人に必要なのは歌でも恋文でもなくて、お互いへの話し合いだろうから」
固まる二人を残して、バドゥが去っていく。
トリトンは座り込んでいた体を立ち上がらせ、スナゴを見た。
「どうしたんだよ。こんな時間にこんな場所に」
優しい笑顔を見せるトリトンが、どこか引きつっているのはどうしてだろう。
きっと話を聞かれてしまった事が理由だ。
そう思って、スナゴは息を吸い込んだ。
「歌じゃ伝わらない」
彼の緑の美しい瞳が、大きく見開かれる。それをまっすぐ見返して、スナゴは言った。
「私、歌を読み解く人生は生きてないから、歌がどんなにきれいでも、私に言いたい事は伝わらないから、聞きたいの、トリトン先輩のちゃんとした言葉で」
見開かれた瞳に、スナゴは躊躇なく自分を映し込み、歩み寄る。
「ねえ、トリトン先輩」
スナゴはためらいがちに両腕を広げた。
「本当の言葉が聞きたいから、私は本当の言葉でいう事にする」
「スナゴ」
「私は」
スナゴは大きく息を吸い込んだ。いうなら今だ、言ってしまえ。
「トリトン先輩の、着替えた姿に一目ぼれだよ」
それはずっと前に、トリトンが初めて着替えた時の話だ。
他の森狼族の誰よりも美しい、ほれぼれする姿が、スナゴの一番美しい物だった。
そしてそれは、例外なく、今でも全く変わらない。
「子供に恋しちゃいけないな、って思ってたから」
「スナゴ……」
「いまは、どうしたらいいのかわからないや、でも」
好きだよ、と言おうとしたスナゴの体は、気付けばトリトンに抱きしめられていた。
すがるように抱きしめて来る彼は、おそるおそる、といった調子で言う。
「俺は、お前をあきらめなくていいのか」
「あきらめなくていいんだよ」
「お前を、俺の番にして、いいのか」
「いやだったらこの場で蹴飛ばして大声上げて、トリトン先輩のお母さん呼び出してる」
トリトンの腕の力が強まる。鼻をすする音がして、トリトンが絞り出すような声で言った。
「ずっと……」
ずっと欲しかったんだ、お前の心が。
私だって気持ちの整理がしたい、とスナゴは心底思った。
トリトン先輩からの求婚なんて、いきなりすぎて青天の霹靂に等しくて、本当にどうしたらいいのかわからないのだ。
そして一回目、二回目で、返事が要らないなんて、それはまるで、受け入れられない事前提だ。
スナゴがトリトンを受け入れないと、彼は思いこんでいるのだろうか。
きっとそうなのだ、とスナゴでもわかる。
彼は返事が要らないと言いながら、どうせ返事は返ってこないと決め込んでいるのだ。
じゃああなたの渡す手紙の意味は? と問いかけたら、どうなるのだろう。
スナゴはそんな事を考えながら、じっと手紙を見ていた。
簡単にかけば、あなたが恋しいです、という意味合いを持つ唄が、そこにはさらさらとよどみなく描かれている。
それの筆跡も美しい物であるから、トリトンが一生懸命に、練習したのだろう事もうかがわせた。
トリトン先輩の文字は、とにかく読めればいいと言いたげに汚かったのだから。
「……だめだ、返事が思いつかない」
どういえば。そうだ、どういえば、この思いをきちんと伝えられるだろう。
どんな時でも助けてくれた、頼もしい、頼りになる年下の男の子だと思っていた、実は年上の、とんでもない力を持った狗族。
あなたに何と言えば、自分の気持ちをきちんと伝えられるだろう。
スナゴは歌の素質はなかったため、かなり考え込むほかなかった。
頭を抱えてうんうんうなっても、いい言葉なんて出てこない、もともとそう言った教育なんて受けていないし、そう言った下地も彼女にはなかった。
そのため。
「面と向かって直接言わなきゃ……いけない」
それ以外に道がない。
それにもともとこんな物の答えを、持っていない事くらい、彼は知っているはずだ。
そう思って立ち上がり、彼女は自宅の前のすだれをめくり、トリトンの家の方に向かった。
その時だ。
「考えたな、お前」
「何がだよ」
「スナゴの事だ」
「……あ? バドゥは何を言いだすんだ」
トリトンの家の近くの木の脇で、二人の狗族が話していたのだ。
「お前が死の巫子長とかいうとんでもないものになっちまったのは、全部スナゴのためだろ」
「また変な事を言いやがるな」
「死の巫子長の求婚の手紙を持つなんて、明らかに手出ししちゃいけないという事にしかならないだろ。俺たちの感覚で言えば、お前のかあちゃんが手紙を出した相手に変な真似するのと同じだろ」
「そんなんじゃ、ねえよ」
「なあトリトン、お前はどこまでもスナゴが大事なのに、自分で幸せにしたいとは思わないのか」
「……」
「アシュレイは、あれで、自分の結婚に納得しているんだろ」
「もともとあいつが、巫子長だった頃の婚約者だったって話だ。アシュレイは迷ってたけどな。スナゴの事残して、自分だけ幸せになっていいのかって」
「あのなあ、どうしてうちの雄狗は揃いも揃って、勇気のない意気地なしなんだ」
「てめえなぁ、言っていい事と悪い事ってのがあるだろ」
「だってトリトンはスナゴが大事なのに、最後の最後で自分で攫ってでも幸せにしようっていう意気地がねえだろ」
痛い所をつかれたのだろう。トリトンが珍しく黙るのが伝わってきた。
「お前はどうしたいんだよ、トリトン」
バドゥが静かに言うのを聞き、相手は顔を覆ったらしい。
「幸せになりてえよ。二人で」
がさり。その時立てようと思わなかった音が立ち、スナゴは彼等がぎょっとした顔で彼女を見た事で、きまり悪く笑った。
「聞いてたのか」
トリトンが静かな声で言う。バドゥが立ち上がり、彼女とトリトンを見て言う。
「二人とも、話し合え。二人に必要なのは歌でも恋文でもなくて、お互いへの話し合いだろうから」
固まる二人を残して、バドゥが去っていく。
トリトンは座り込んでいた体を立ち上がらせ、スナゴを見た。
「どうしたんだよ。こんな時間にこんな場所に」
優しい笑顔を見せるトリトンが、どこか引きつっているのはどうしてだろう。
きっと話を聞かれてしまった事が理由だ。
そう思って、スナゴは息を吸い込んだ。
「歌じゃ伝わらない」
彼の緑の美しい瞳が、大きく見開かれる。それをまっすぐ見返して、スナゴは言った。
「私、歌を読み解く人生は生きてないから、歌がどんなにきれいでも、私に言いたい事は伝わらないから、聞きたいの、トリトン先輩のちゃんとした言葉で」
見開かれた瞳に、スナゴは躊躇なく自分を映し込み、歩み寄る。
「ねえ、トリトン先輩」
スナゴはためらいがちに両腕を広げた。
「本当の言葉が聞きたいから、私は本当の言葉でいう事にする」
「スナゴ」
「私は」
スナゴは大きく息を吸い込んだ。いうなら今だ、言ってしまえ。
「トリトン先輩の、着替えた姿に一目ぼれだよ」
それはずっと前に、トリトンが初めて着替えた時の話だ。
他の森狼族の誰よりも美しい、ほれぼれする姿が、スナゴの一番美しい物だった。
そしてそれは、例外なく、今でも全く変わらない。
「子供に恋しちゃいけないな、って思ってたから」
「スナゴ……」
「いまは、どうしたらいいのかわからないや、でも」
好きだよ、と言おうとしたスナゴの体は、気付けばトリトンに抱きしめられていた。
すがるように抱きしめて来る彼は、おそるおそる、といった調子で言う。
「俺は、お前をあきらめなくていいのか」
「あきらめなくていいんだよ」
「お前を、俺の番にして、いいのか」
「いやだったらこの場で蹴飛ばして大声上げて、トリトン先輩のお母さん呼び出してる」
トリトンの腕の力が強まる。鼻をすする音がして、トリトンが絞り出すような声で言った。
「ずっと……」
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