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「明日ヨリちゃんが引っ越しだって、二号店の上司に教えたら、女の人だけに引っ越しさせるんじゃない、手伝いに行けって言われて、明日休みになっちゃった、理解がある職場っていいね!」
「いきなり休みになって大丈夫なのか、それ」
「上司がカバーするってさ、それにおれが移動するっていうのは、月曜日まで秘密らしいもの」
「いいのかそれで……」
晴美の職場の事情が分からない、と思って突っ込むと、大丈夫って言うから大丈夫でしょ、という返事が返ってきた。
「そうだ、それでパン貰って来たよ、あまりものの、だけど」
そう言いつつ、晴美が鞄の中から食事パンを取り出す。何気なくジップロックに入れられた、小さな丸パンたちは、明日も食べやすそうだった。
「これで明日の朝、コンビニ行かなくていいね」
「そうだな」
「ヨリちゃん、顔色白いけど、本当にちゃんと食事したの?」
「適当に」
幼馴染の顔色に目ざとく気付く晴美が、手洗うがいを済ませて冷蔵庫を覗く。
そして瞬く間に非難がましい視線になった。
「朝と中身変わってない! 食べてないでしょ! そこに座って、スープくらい作れる中身だし」
「お腹減らないんだ」
「じゃあお腹に優しいスープにしようね」
言いつつ晴美が、大根も魚肉ソーセージもキャベツも、手慣れた動きで瞬く間にみじん切りにしていく。
「いきなり休みになって大丈夫なのか、それ」
「上司がカバーするってさ、それにおれが移動するっていうのは、月曜日まで秘密らしいもの」
「いいのかそれで……」
晴美の職場の事情が分からない、と思って突っ込むと、大丈夫って言うから大丈夫でしょ、という返事が返ってきた。
「そうだ、それでパン貰って来たよ、あまりものの、だけど」
そう言いつつ、晴美が鞄の中から食事パンを取り出す。何気なくジップロックに入れられた、小さな丸パンたちは、明日も食べやすそうだった。
「これで明日の朝、コンビニ行かなくていいね」
「そうだな」
「ヨリちゃん、顔色白いけど、本当にちゃんと食事したの?」
「適当に」
幼馴染の顔色に目ざとく気付く晴美が、手洗うがいを済ませて冷蔵庫を覗く。
そして瞬く間に非難がましい視線になった。
「朝と中身変わってない! 食べてないでしょ! そこに座って、スープくらい作れる中身だし」
「お腹減らないんだ」
「じゃあお腹に優しいスープにしようね」
言いつつ晴美が、大根も魚肉ソーセージもキャベツも、手慣れた動きで瞬く間にみじん切りにしていく。
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