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わたしは飛べる!
第24話 ドローン合宿
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ドローンレースの出場を決めた週の日曜日、私たちはかなり朝早く学校で待ち合わせをして、合宿に出かけた。
今は朝の八時。合宿といっても日帰りだけど。印西市のサバイバルゲームの施設に来ている。
サバイバルゲーム、略してサバゲー。モデルガンを撃ち合って競うゲーム。やったことはないけど、テレビで見たことならある。施設は結構山の奥だったから、引率で校長先生が車を出してくれた。会場の施設代も出してくれたらしい。あと遊梨も撮影係としてついてきた。(陸上の練習は大丈夫なのかな?)
もちろん、わたしたちがやるのはサバゲーじゃない。(ちょっと興味があるけど、さすがに車椅子じゃ無理そう)この会場……フィールドって言うらしいんだけど、このフィールドをつかってドローンの練習をするんだ。あと撮影をするんだ。
私たちが応募する予定の大会は、専用に用意されたレース会場を使うらしい。ホームページをみたら、そのステージは教室よりも広かった。そして、時速三十キロ以上出る競技用ドローンを使うみたい。わたしが、始めて飛ばしたドローンだ。カメラが搭載されていて、VRゴーグルをかけて操作をするタイプ。
代田くんは、外国の招待選手が出場しているプロの大会を見せてくれた。全速力で、目まぐるしいスピードでドローンが飛んでいる。え? 代田くん、これに出場する気なの? 本気?
「斑鳩とアリアは教室であそこまでの精密操作ができるんだから問題ないよ。むしろテクニックで言ったら、普段、オレたちがやっている方が技術が必要だよ。こっちのレースは、むしろ度胸とゴーグル酔いしないことの方が重要!」
そう言いながら、代田くんはレース用ドローンの準備をした。
「フィールドの予約は五時間だから、斑鳩とアリアなら何回か練習すれば全速力で飛ぶこともできるようになると思う。でも、ドローンはひとつしかないから交代で。とにかく、全速力でかっ飛ばして撮影しまくる。そのあと学校に帰って映像を見て代表選手を決める」
代田くんは、テキパキとあっという間にドローンと、VRゴーグル、あとノートパソコンをセッティングした。ノートパソコンには、ドローンのカメラから見た映像……つまり、VRゴーグルと同じ映像を見ることができる仕組みだ。
「とりあえず、俺が最初に飛ばすから、斑鳩とアリアは、ノートパソコンで感覚をつかんでくれ」
わたしとアリアちゃんはうなずくと、遊梨が口をとがらせた。
「わたしは何をすればいいの?」
「磐田は校長先生と一緒に撮影をしてくれないか? 遊梨のスマホってiPhone?」
「そう、最新型!」
遊梨は、ドヤ顔でスマホを取り出す。誕生日に買ってもらったらしい。いいなぁ……。
「だったら、それで動画撮って。校長先生のスマホはデュアルカメラじゃないから俺のスマホで撮影してください」
「オッケー! 露花、アリアちゃん、かわいく撮ってあげるね」
「あはは……」
「……はずかしいです」
わたしと、アリアちゃんは、遊梨の言葉に顔を見合わせて苦笑いをした。
遊梨が頼もしく親指を立てる……撮影するのは、わたしたちじゃなくてドローンなんですけど……。
「なんだかよくわかんないけどわかったよ……あれ? 代田く~ん! どのボタンおせばいいんだい⁉︎」
校長先生は校長先生で、ちょっと不安。ううん、正直言ってしまうと、遊梨のほうがましな気がする……。
こんな調子で、ちゃんと応募用映像が作れるのかな?
今は朝の八時。合宿といっても日帰りだけど。印西市のサバイバルゲームの施設に来ている。
サバイバルゲーム、略してサバゲー。モデルガンを撃ち合って競うゲーム。やったことはないけど、テレビで見たことならある。施設は結構山の奥だったから、引率で校長先生が車を出してくれた。会場の施設代も出してくれたらしい。あと遊梨も撮影係としてついてきた。(陸上の練習は大丈夫なのかな?)
もちろん、わたしたちがやるのはサバゲーじゃない。(ちょっと興味があるけど、さすがに車椅子じゃ無理そう)この会場……フィールドって言うらしいんだけど、このフィールドをつかってドローンの練習をするんだ。あと撮影をするんだ。
私たちが応募する予定の大会は、専用に用意されたレース会場を使うらしい。ホームページをみたら、そのステージは教室よりも広かった。そして、時速三十キロ以上出る競技用ドローンを使うみたい。わたしが、始めて飛ばしたドローンだ。カメラが搭載されていて、VRゴーグルをかけて操作をするタイプ。
代田くんは、外国の招待選手が出場しているプロの大会を見せてくれた。全速力で、目まぐるしいスピードでドローンが飛んでいる。え? 代田くん、これに出場する気なの? 本気?
「斑鳩とアリアは教室であそこまでの精密操作ができるんだから問題ないよ。むしろテクニックで言ったら、普段、オレたちがやっている方が技術が必要だよ。こっちのレースは、むしろ度胸とゴーグル酔いしないことの方が重要!」
そう言いながら、代田くんはレース用ドローンの準備をした。
「フィールドの予約は五時間だから、斑鳩とアリアなら何回か練習すれば全速力で飛ぶこともできるようになると思う。でも、ドローンはひとつしかないから交代で。とにかく、全速力でかっ飛ばして撮影しまくる。そのあと学校に帰って映像を見て代表選手を決める」
代田くんは、テキパキとあっという間にドローンと、VRゴーグル、あとノートパソコンをセッティングした。ノートパソコンには、ドローンのカメラから見た映像……つまり、VRゴーグルと同じ映像を見ることができる仕組みだ。
「とりあえず、俺が最初に飛ばすから、斑鳩とアリアは、ノートパソコンで感覚をつかんでくれ」
わたしとアリアちゃんはうなずくと、遊梨が口をとがらせた。
「わたしは何をすればいいの?」
「磐田は校長先生と一緒に撮影をしてくれないか? 遊梨のスマホってiPhone?」
「そう、最新型!」
遊梨は、ドヤ顔でスマホを取り出す。誕生日に買ってもらったらしい。いいなぁ……。
「だったら、それで動画撮って。校長先生のスマホはデュアルカメラじゃないから俺のスマホで撮影してください」
「オッケー! 露花、アリアちゃん、かわいく撮ってあげるね」
「あはは……」
「……はずかしいです」
わたしと、アリアちゃんは、遊梨の言葉に顔を見合わせて苦笑いをした。
遊梨が頼もしく親指を立てる……撮影するのは、わたしたちじゃなくてドローンなんですけど……。
「なんだかよくわかんないけどわかったよ……あれ? 代田く~ん! どのボタンおせばいいんだい⁉︎」
校長先生は校長先生で、ちょっと不安。ううん、正直言ってしまうと、遊梨のほうがましな気がする……。
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