19 / 35
才能の開花
第20話 余計なことは聞かない
しおりを挟む
昼休み、わたしは給食を食べた後、遊梨に車椅子を押してもらって、三階の空き教室に行った。代田くんは、わたしたちの前を、アルミ板を持って歩いている。こころなしか、ちょっと早歩き。
わたしたちは、エレベーターに乗って、三階でおりると空き教室を目指す。
ほどなく、空き教室から羽音のようなプロペラ音が聞こえてくる。
わたしは、教室に入ると、その部屋のあるじにあいさつをした。
「こんにちは、アリアちゃん」
アリアちゃんは、返事をしない。ドローンの操作に熱中しているからだ。
アリアちゃんが操作するドローンは、きれいに椅子の下の中心をくぐりぬけると、そのままドローンを自分の足元に停止させる。そして、わたしたちの方にふりむいた。
「こんにちは!」
遊梨が、やたらとおおきな声であいさつをする。ふりむいたアリアちゃんは、おとろいて、びくっと肩をこわばらせる。
「だれ? この子! めちゃくちゃ美少女じゃん!」
遊梨は目を輝かせた。その言葉にアリアちゃんは頬をあからめ、いっそう体をこわばらせる。
「一年生の蟻戸有亜くんだよ」
「ありつぐ……くん? え! もしかして、男の子なの?」
わたしは、アリアちゃんの震えがさらに大きくなったのを見逃さなかった。
「うん。わたしたちは、アリアちゃんって呼んでいるの」
「へー、そうなんだ。めっちゃカワイイ。よろしくね、アリアちゃん!」
遊梨は笑顔でつづけた。
「その制服すっごく似合っている、そのピンクのヘアピンも可愛い! いいなぁ、アタシ、ピンクって絶望的に似合わないんだよね。ほら、ガサツオーラが全身からあふれているでしょ?」
そう言うと遊梨は得意げに胸をはった。アリアちゃんはテレテレしながらはにかんでいる。
ちょっとうれしそう。
完全に、遊梨のペースに巻き込まれてしまっている……でも、これが遊梨のいいところだと思う。余計なことは聞かない。アリアちゃんが、なんで女の子の格好をしているのかなんて、絶対に聞かない。
わたしもこの遊梨の性格にずいぶんと助けられた。知らない学校に、それも車椅子で転校したら、どんな目で見られるんだろう……そんなことばっかり気にしていた。
でも、遊梨がいてくれて本当に助かった。遊梨は誰にでも平等。フラットなんだ。フラットすぎて、先生にはよく言葉づかいをおこられているけれど。
「で、これがドローン? いがいとちっちゃ!」
「……もっと小さいのもあるよ……」
「これ、アタシでも飛ばせるモノかね?」
「……うん、コツをつかめば……」
遊梨はそのまま、アリアちゃんにドローンのことを質問し始めた。アリアちゃんは、タジタジしながら、小さい声で答えている。
アリアちゃんが遊梨と話しているあいだに、代田くんは、車椅子のアームレストに、アルミ板をとりつけてくれた。右のコントローラーがある場所は、上手にくりぬかれてある。
「手、のっけてみろよ」
代田くんに言われるまま、わたしは、右腕で左腕をつかんで、アルミ板の上にのせる。
「プロポをにぎってみて?」
代田くんは、アルミ板のうえに、プロボを置いてくれた。わたしは、右手でプロポを持ってうかせると、動かない左の指の上に乗せる。そして、唯一動く左親指を、スティックにそっとあてがった。
すごい!
まっすぐプロポを持てている。これなら、操作中にずれていくこともなさそう。
「どう?」
「うん。持ちやすいと思う」
「良かった。改良して欲しかったら、いつでも言ってくれ」
「ありがとう……」
「じゃ、早速レースやってみるか」
「うん」
わたしがプロポから目線をあげると、こっちをじーっとニヨニヨとみつめている遊梨と目があった。アリアちゃんもこっちを見つめている……気まずい。
「じゃ、いつもの、机と椅子をくぐるチェックポイント式で」
ふたりの視線に気がついていない代田くんは、ドローンをわたしの車椅子の前に置いてくれる。何気ないやさしさに、わたしはいつもうれしくなる。でも今はそれ以上にはずかしい。そして遊梨のニヨニヨ笑顔がさらにパワーアップしている。
となりにいるアリアちゃんは、ほほが赤くなっている。
(わたしもあんな感じになっているのかな……)
「それじゃあ磐田、スタートの合図をやってくれない」
状況を全く理解していない代田くんは、ニヨニヨしている遊梨に審判をたのんでいる。
「はいはーい、二人の門出をいわえばいいんだね」
「ちょ……やめてよ!」
いくらなんでもやりすぎだ! わたしは遊梨にマジギレしようとしたら、代田くんは、
「あぁ。天才ドローンレーサー、斑鳩露花、誕生の瞬間だ!」
って、ワケのわかんないことを言った。天才ドローンレーサー? それって、買いかぶりじゃないのかな……だってわたし、部員の中で一番ヘタッピだもの。アリアちゃんのまちがいじゃないのかな?
「え? 露花ってそんなに上手なの?」
わたしをからかっていた遊梨が驚いてたずねた。
「あぁ。間違いない。試合をやってみればわかるよ」
え? え? めちゃくちゃハードル上げてきてない?
わたし、代田くんに練習で勝ったことないよ。最近は、アリアちゃんにも負けちゃうよ?
「そうなんだ、露花、がんばれー。勝ったらアイスをおごってしんぜよう!」
遊梨は無責任な約束をした。これ、絶対本気にしてない! でも、わたしだってそうだ。
アルミのプレートを置いただけで代田くんに勝てるなら苦労しない。わたしはなんだか、へんなプレッシャーをかけられて、こころがざわざわした。
「ちょ、ちょっとまって、集中するから!」
ひさびさにアレをやってみよう。
わたしは、けっこう動く右手で、親指しか動かない左手をつかんだ。そして、胸の高さまで持っていくと、つかんだ左手を手放す。
力なく落下する左手の親指が、心臓に「トン!」と突き刺さる。そして左手の親指にありったけの力をこめて、「くいっ」って上にあげる。左手がほんの少しだけ上を向く。
気持ちが落ち着いていく。中学新記録の四メートルを飛び越えることができた無敵のルーティーン。左の親指はこれだけ動けば十分だ。これだけ動けば十二分にプロポを操作することができる。
わたしは、左手を右手でつかんで胸の前にもってくる。そして、右手でプロボをつかんで左手の動かない上に乗せる。左手の親指は、ちょうど左スティックのところに収まった。
「いつでもいいよ!」
わたしが答えると、
「ルールはわかんないけど……よーい! スタート!」
遊梨のいいかげんな合図で、三台のドローンは一斉に、羽音をならして浮き上がった。
わたしたちは、エレベーターに乗って、三階でおりると空き教室を目指す。
ほどなく、空き教室から羽音のようなプロペラ音が聞こえてくる。
わたしは、教室に入ると、その部屋のあるじにあいさつをした。
「こんにちは、アリアちゃん」
アリアちゃんは、返事をしない。ドローンの操作に熱中しているからだ。
アリアちゃんが操作するドローンは、きれいに椅子の下の中心をくぐりぬけると、そのままドローンを自分の足元に停止させる。そして、わたしたちの方にふりむいた。
「こんにちは!」
遊梨が、やたらとおおきな声であいさつをする。ふりむいたアリアちゃんは、おとろいて、びくっと肩をこわばらせる。
「だれ? この子! めちゃくちゃ美少女じゃん!」
遊梨は目を輝かせた。その言葉にアリアちゃんは頬をあからめ、いっそう体をこわばらせる。
「一年生の蟻戸有亜くんだよ」
「ありつぐ……くん? え! もしかして、男の子なの?」
わたしは、アリアちゃんの震えがさらに大きくなったのを見逃さなかった。
「うん。わたしたちは、アリアちゃんって呼んでいるの」
「へー、そうなんだ。めっちゃカワイイ。よろしくね、アリアちゃん!」
遊梨は笑顔でつづけた。
「その制服すっごく似合っている、そのピンクのヘアピンも可愛い! いいなぁ、アタシ、ピンクって絶望的に似合わないんだよね。ほら、ガサツオーラが全身からあふれているでしょ?」
そう言うと遊梨は得意げに胸をはった。アリアちゃんはテレテレしながらはにかんでいる。
ちょっとうれしそう。
完全に、遊梨のペースに巻き込まれてしまっている……でも、これが遊梨のいいところだと思う。余計なことは聞かない。アリアちゃんが、なんで女の子の格好をしているのかなんて、絶対に聞かない。
わたしもこの遊梨の性格にずいぶんと助けられた。知らない学校に、それも車椅子で転校したら、どんな目で見られるんだろう……そんなことばっかり気にしていた。
でも、遊梨がいてくれて本当に助かった。遊梨は誰にでも平等。フラットなんだ。フラットすぎて、先生にはよく言葉づかいをおこられているけれど。
「で、これがドローン? いがいとちっちゃ!」
「……もっと小さいのもあるよ……」
「これ、アタシでも飛ばせるモノかね?」
「……うん、コツをつかめば……」
遊梨はそのまま、アリアちゃんにドローンのことを質問し始めた。アリアちゃんは、タジタジしながら、小さい声で答えている。
アリアちゃんが遊梨と話しているあいだに、代田くんは、車椅子のアームレストに、アルミ板をとりつけてくれた。右のコントローラーがある場所は、上手にくりぬかれてある。
「手、のっけてみろよ」
代田くんに言われるまま、わたしは、右腕で左腕をつかんで、アルミ板の上にのせる。
「プロポをにぎってみて?」
代田くんは、アルミ板のうえに、プロボを置いてくれた。わたしは、右手でプロポを持ってうかせると、動かない左の指の上に乗せる。そして、唯一動く左親指を、スティックにそっとあてがった。
すごい!
まっすぐプロポを持てている。これなら、操作中にずれていくこともなさそう。
「どう?」
「うん。持ちやすいと思う」
「良かった。改良して欲しかったら、いつでも言ってくれ」
「ありがとう……」
「じゃ、早速レースやってみるか」
「うん」
わたしがプロポから目線をあげると、こっちをじーっとニヨニヨとみつめている遊梨と目があった。アリアちゃんもこっちを見つめている……気まずい。
「じゃ、いつもの、机と椅子をくぐるチェックポイント式で」
ふたりの視線に気がついていない代田くんは、ドローンをわたしの車椅子の前に置いてくれる。何気ないやさしさに、わたしはいつもうれしくなる。でも今はそれ以上にはずかしい。そして遊梨のニヨニヨ笑顔がさらにパワーアップしている。
となりにいるアリアちゃんは、ほほが赤くなっている。
(わたしもあんな感じになっているのかな……)
「それじゃあ磐田、スタートの合図をやってくれない」
状況を全く理解していない代田くんは、ニヨニヨしている遊梨に審判をたのんでいる。
「はいはーい、二人の門出をいわえばいいんだね」
「ちょ……やめてよ!」
いくらなんでもやりすぎだ! わたしは遊梨にマジギレしようとしたら、代田くんは、
「あぁ。天才ドローンレーサー、斑鳩露花、誕生の瞬間だ!」
って、ワケのわかんないことを言った。天才ドローンレーサー? それって、買いかぶりじゃないのかな……だってわたし、部員の中で一番ヘタッピだもの。アリアちゃんのまちがいじゃないのかな?
「え? 露花ってそんなに上手なの?」
わたしをからかっていた遊梨が驚いてたずねた。
「あぁ。間違いない。試合をやってみればわかるよ」
え? え? めちゃくちゃハードル上げてきてない?
わたし、代田くんに練習で勝ったことないよ。最近は、アリアちゃんにも負けちゃうよ?
「そうなんだ、露花、がんばれー。勝ったらアイスをおごってしんぜよう!」
遊梨は無責任な約束をした。これ、絶対本気にしてない! でも、わたしだってそうだ。
アルミのプレートを置いただけで代田くんに勝てるなら苦労しない。わたしはなんだか、へんなプレッシャーをかけられて、こころがざわざわした。
「ちょ、ちょっとまって、集中するから!」
ひさびさにアレをやってみよう。
わたしは、けっこう動く右手で、親指しか動かない左手をつかんだ。そして、胸の高さまで持っていくと、つかんだ左手を手放す。
力なく落下する左手の親指が、心臓に「トン!」と突き刺さる。そして左手の親指にありったけの力をこめて、「くいっ」って上にあげる。左手がほんの少しだけ上を向く。
気持ちが落ち着いていく。中学新記録の四メートルを飛び越えることができた無敵のルーティーン。左の親指はこれだけ動けば十分だ。これだけ動けば十二分にプロポを操作することができる。
わたしは、左手を右手でつかんで胸の前にもってくる。そして、右手でプロボをつかんで左手の動かない上に乗せる。左手の親指は、ちょうど左スティックのところに収まった。
「いつでもいいよ!」
わたしが答えると、
「ルールはわかんないけど……よーい! スタート!」
遊梨のいいかげんな合図で、三台のドローンは一斉に、羽音をならして浮き上がった。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

こちら第二編集部!
月芝
児童書・童話
かつては全国でも有数の生徒数を誇ったマンモス小学校も、
いまや少子化の波に押されて、かつての勢いはない。
生徒数も全盛期の三分の一にまで減ってしまった。
そんな小学校には、ふたつの校内新聞がある。
第一編集部が発行している「パンダ通信」
第二編集部が発行している「エリマキトカゲ通信」
片やカジュアルでおしゃれで今時のトレンドにも敏感にて、
主に女生徒たちから絶大な支持をえている。
片や手堅い紙面造りが仇となり、保護者らと一部のマニアには
熱烈に支持されているものの、もはや風前の灯……。
編集部の規模、人員、発行部数も人気も雲泥の差にて、このままでは廃刊もありうる。
この危機的状況を打破すべく、第二編集部は起死回生の企画を立ち上げた。
それは――
廃刊の危機を回避すべく、立ち上がった弱小第二編集部の面々。
これは企画を押しつけ……げふんげふん、もといまかされた女子部員たちが、
取材絡みでちょっと不思議なことを体験する物語である。
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。

四尾がつむぐえにし、そこかしこ
月芝
児童書・童話
その日、小学校に激震が走った。
憧れのキラキラ王子さまが転校する。
女子たちの嘆きはひとしお。
彼に淡い想いを抱いていたユイもまた動揺を隠せない。
だからとてどうこうする勇気もない。
うつむき複雑な気持ちを抱えたままの帰り道。
家の近所に見覚えのない小路を見つけたユイは、少し寄り道してみることにする。
まさかそんな小さな冒険が、あんなに大ごとになるなんて……。
ひょんなことから石の祠に祀られた三尾の稲荷にコンコン見込まれて、
三つのお仕事を手伝うことになったユイ。
達成すれば、なんと一つだけ何でも願い事を叶えてくれるという。
もしかしたら、もしかしちゃうかも?
そこかしこにて泡沫のごとくあらわれては消えてゆく、えにしたち。
結んで、切って、ほどいて、繋いで、笑って、泣いて。
いろんな不思議を知り、数多のえにしを目にし、触れた先にて、
はたしてユイは何を求め願うのか。
少女のちょっと不思議な冒険譚。
ここに開幕。
トウシューズにはキャラメルひとつぶ
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。
小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。
あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。
隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。
莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。
バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。
夢の中で人狼ゲーム~負けたら存在消滅するし勝ってもなんかヤバそうなんですが~
世津路 章
児童書・童話
《蒲帆フウキ》は通信簿にも“オオカミ少年”と書かれるほどウソつきな小学生男子。
友達の《東間ホマレ》・《印路ミア》と一緒に、時々担任のこわーい本間先生に怒られつつも、おもしろおかしく暮らしていた。
ある日、駅前で配られていた不思議なカードをもらったフウキたち。それは、夢の中で行われる《バグストマック・ゲーム》への招待状だった。ルールは人狼ゲームだが、勝者はなんでも願いが叶うと聞き、フウキ・ホマレ・ミアは他の参加者と対決することに。
だが、彼らはまだ知らなかった。
ゲームの敗者は、現実から存在が跡形もなく消滅すること――そして勝者ですら、ゲームに潜む呪いから逃れられないことを。
敗退し、この世から消滅した友達を取り戻すため、フウキはゲームマスターに立ち向かう。
果たしてウソつきオオカミ少年は、勝っても負けても詰んでいる人狼ゲームに勝利することができるのだろうか?
8月中、ほぼ毎日更新予定です。
(※他小説サイトに別タイトルで投稿してます)
鎌倉西小学校ミステリー倶楽部
澤田慎梧
児童書・童話
【「鎌倉猫ヶ丘小ミステリー倶楽部」に改題して、アルファポリスきずな文庫より好評発売中!】
https://kizuna.alphapolis.co.jp/book/11230
【「第1回きずな児童書大賞」にて、「謎解きユニーク探偵賞」を受賞】
市立「鎌倉西小学校」には不思議な部活がある。その名も「ミステリー倶楽部」。なんでも、「学校の怪談」の正体を、鮮やかに解明してくれるのだとか……。
学校の中で怪奇現象を目撃したら、ぜひとも「ミステリー倶楽部」に相談することをオススメする。
案外、つまらない勘違いが原因かもしれないから。
……本物の「お化け」や「妖怪」が出てくる前に、相談しに行こう。
※本作品は小学校高学年以上を想定しています。作中の漢字には、ふりがなが多く振ってあります。
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※本作品は、三人の主人公を描いた連作短編です。誰を主軸にするかで、ジャンルが少し変化します。
※カクヨムさんにも投稿しています(初出:2020年8月1日)
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1、ブザービートからはじまる恋〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※第15回童話・児童書大賞用作品のため、アルファポリス様のみで掲載中。→noichigoさんに転載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる