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第四十六話 未来
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やっぱり静かすぎる。夜ってこんなに静かなんだ。しかもめちゃくちゃ暗い。マーシーもどっか行ったきり全然帰ってこないし。よくみんなこんな環境で寝れんなぁ。俺はちょっと起き上がろうとした。
「いてててててて。」ほぼ床ぐらいのペッタンこの布団で寝ていたせいですっかり背中が凝りきっているようだ。
その瞬間静かだった夜が一変、けたたましいサイレンの音が鳴り響いた。その瞬間他の寝ていた人たちはまるでパソコンのスリープモードから再起動したように一瞬で起きあがった。
「なんでこんな時間に・・・」岸本は少し眠たそうだった。その時大きな爆音と共に外が明るくなった。
部屋の中にいてもその衝撃は凄まじいものだった。建物は小刻みに大きく揺れ、窓ガラスは粉々に割れた。
「これでもお偉いさんは戦えって言うのか?」俺は皮肉を交えて尋ねた。
「それは流石に・・・」岸本もほぼ願望のように答えた。
「とりあえず地下に逃げるぞ。」なんかみんなあたふたしていた。
「もしかして初めて?」すると岸本もあたふたしながら答えた。
「基地にいるときに来たことはない。だから多分みんなどうして良いか分かってない。」終わった・・・
「とりあえず地下に行けば大丈夫だ。」
「こんな時にお偉いさんは何してんだよ。」俺はそんな悪態をつきながら階段を降りようとした。
「マーシー。」覚えていなかったわけではない。ただ、その・・・テンパった。
俺はそのまま外へ向かった。後ろから岸本が俺を呼び止めているのは、うっすら聞こえていた。だが、俺は無視した。マーシーは多分外にいる。見捨てる選択肢はあるわけがなかった。
外へ一歩出ると外は思った以上に火の海だった。
「マーシー。どこだ?」俺は大声で叫んだ。空を見ると光る何かが3機ほど空中を迂回していた。これあいつら見えてんのかな?俺はそう思いながら一か八か走って格納庫へと向かってみた。
しかし、特に何もなく格納庫までたどり着いたが、格納庫にもしマーシーがいたとしたら・・・俺は最悪なことを考えていた。すると何かが俺の手を引いた。
「おい。何やってんだよ。中に戻らないと・・・」その時上空から何かが落ちてくるのが見えた。
「伏せろ!」その瞬間さっきまでいた寮が跡形もなく吹っ飛んだ。その勢いで俺と岸本は吹き飛ばされた。軽く意識が飛んだ感じがしたが、どうにか生きてはいたが、体はさっきとは比にならないほど痛かった。
「岸本!」探す人が増えた。
「泰斗!お前か?」岸本ではない誰かの声が聞こえた。
「マーシー?」俺は声のする方へと向かった。そこにはマーシーと横たわった戦闘機の下敷きになっている平越がいた。平越の頭には赤黒い血がベッタリとついており、ほぼ意識が朦朧としているように見えた。
「泰斗手伝え。」
「分かった。」俺はマーシーに言われるがまま戦闘機を動かそうと手をかけた。その時下で平越の微かな声が聞こえてきた。
「おい・・・お前ら・・・忘れたのか・・・こいつには大量の爆薬を積んでるんだぞ・・・おめぇらも逃げねぇと吹っ飛ぶぞ。」しかしマーシーはフルシカトで動かそうとしていた。
「なぁ・・・未来じゃ・・・治るのかもしれないが・・・俺を・・・ここから出してどうする・・・?」そう言いながら平越は下の方に視線を配った。俺のいる位置からは血しか見えなかったが、マーシーは持っている手を離した。恐らく想像を絶する光景が広がっていたに違いない。
「コックピットを見ろ・・・」平越がそう言うと俺はコックピットを覗き込んだ。するとボロい布のような小さなバッグがあった。俺はそれを持ち出し中を見ると、明らかにこの時代のものとは思えないどこか見覚えがあるカラーボールみたいなものを見つけた。
「それはあの男の荷物を調べてたら出てきたんだ。さっき爆発の寸前にあの男が使ってた。お前たちなら使い方がわかるだろ?」俺は分からなかったがマーシーは無言でうなずいていた。
「それを使ってこんな時代から出ろ・・・」その時後ろから声がした。
「平越さん・・・?」どうやら岸本も無事だったようだ。
「行け。」平越は岸本を近付けさせないためのように俺らに言い放った。俺とマーシーはそれを察して、バッグを持つとその場から離れた。
「ちょっとお前ら、何やってんだよ?平越さんを助けねぇのかよ?」岸本の言葉に応えることなく俺とマーシーは岸本の腕を掴んだ。
「おい放せよ!」岸本は軍人とは思えないほど力が弱く、俺らでも軽々抑えることができた。何もできない岸本はただ喚くことしかできなかった。すると平越が最後の力を振り絞るような声が聞こえてきた。
「岸本!お前はこの戦争を生き延びろ!そしてお前は他の仲間の分まで生きろ!」その言葉に岸本は静かになった。
「岸本、未来は明るいぞ。」微かにその言葉は聞こえたがその先は岸本が再び平越を呼び続けた声で聞こえなかった。
俺たちは急いで格納庫からでたその瞬間都合が良いように格納庫の中で大きな爆発が起きた。岸本も俺もマーシーも疲れきっていた。上空にはさっきの戦闘機は飛んでいなかった。今日は星が見えないんだな・・・
それから俺たちは別の基地へ移動になった。そして軍は今回の件の報復を行う決定を下した。もちろん俺たちも出陣命令がくだっている。
「いてててててて。」ほぼ床ぐらいのペッタンこの布団で寝ていたせいですっかり背中が凝りきっているようだ。
その瞬間静かだった夜が一変、けたたましいサイレンの音が鳴り響いた。その瞬間他の寝ていた人たちはまるでパソコンのスリープモードから再起動したように一瞬で起きあがった。
「なんでこんな時間に・・・」岸本は少し眠たそうだった。その時大きな爆音と共に外が明るくなった。
部屋の中にいてもその衝撃は凄まじいものだった。建物は小刻みに大きく揺れ、窓ガラスは粉々に割れた。
「これでもお偉いさんは戦えって言うのか?」俺は皮肉を交えて尋ねた。
「それは流石に・・・」岸本もほぼ願望のように答えた。
「とりあえず地下に逃げるぞ。」なんかみんなあたふたしていた。
「もしかして初めて?」すると岸本もあたふたしながら答えた。
「基地にいるときに来たことはない。だから多分みんなどうして良いか分かってない。」終わった・・・
「とりあえず地下に行けば大丈夫だ。」
「こんな時にお偉いさんは何してんだよ。」俺はそんな悪態をつきながら階段を降りようとした。
「マーシー。」覚えていなかったわけではない。ただ、その・・・テンパった。
俺はそのまま外へ向かった。後ろから岸本が俺を呼び止めているのは、うっすら聞こえていた。だが、俺は無視した。マーシーは多分外にいる。見捨てる選択肢はあるわけがなかった。
外へ一歩出ると外は思った以上に火の海だった。
「マーシー。どこだ?」俺は大声で叫んだ。空を見ると光る何かが3機ほど空中を迂回していた。これあいつら見えてんのかな?俺はそう思いながら一か八か走って格納庫へと向かってみた。
しかし、特に何もなく格納庫までたどり着いたが、格納庫にもしマーシーがいたとしたら・・・俺は最悪なことを考えていた。すると何かが俺の手を引いた。
「おい。何やってんだよ。中に戻らないと・・・」その時上空から何かが落ちてくるのが見えた。
「伏せろ!」その瞬間さっきまでいた寮が跡形もなく吹っ飛んだ。その勢いで俺と岸本は吹き飛ばされた。軽く意識が飛んだ感じがしたが、どうにか生きてはいたが、体はさっきとは比にならないほど痛かった。
「岸本!」探す人が増えた。
「泰斗!お前か?」岸本ではない誰かの声が聞こえた。
「マーシー?」俺は声のする方へと向かった。そこにはマーシーと横たわった戦闘機の下敷きになっている平越がいた。平越の頭には赤黒い血がベッタリとついており、ほぼ意識が朦朧としているように見えた。
「泰斗手伝え。」
「分かった。」俺はマーシーに言われるがまま戦闘機を動かそうと手をかけた。その時下で平越の微かな声が聞こえてきた。
「おい・・・お前ら・・・忘れたのか・・・こいつには大量の爆薬を積んでるんだぞ・・・おめぇらも逃げねぇと吹っ飛ぶぞ。」しかしマーシーはフルシカトで動かそうとしていた。
「なぁ・・・未来じゃ・・・治るのかもしれないが・・・俺を・・・ここから出してどうする・・・?」そう言いながら平越は下の方に視線を配った。俺のいる位置からは血しか見えなかったが、マーシーは持っている手を離した。恐らく想像を絶する光景が広がっていたに違いない。
「コックピットを見ろ・・・」平越がそう言うと俺はコックピットを覗き込んだ。するとボロい布のような小さなバッグがあった。俺はそれを持ち出し中を見ると、明らかにこの時代のものとは思えないどこか見覚えがあるカラーボールみたいなものを見つけた。
「それはあの男の荷物を調べてたら出てきたんだ。さっき爆発の寸前にあの男が使ってた。お前たちなら使い方がわかるだろ?」俺は分からなかったがマーシーは無言でうなずいていた。
「それを使ってこんな時代から出ろ・・・」その時後ろから声がした。
「平越さん・・・?」どうやら岸本も無事だったようだ。
「行け。」平越は岸本を近付けさせないためのように俺らに言い放った。俺とマーシーはそれを察して、バッグを持つとその場から離れた。
「ちょっとお前ら、何やってんだよ?平越さんを助けねぇのかよ?」岸本の言葉に応えることなく俺とマーシーは岸本の腕を掴んだ。
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「岸本、未来は明るいぞ。」微かにその言葉は聞こえたがその先は岸本が再び平越を呼び続けた声で聞こえなかった。
俺たちは急いで格納庫からでたその瞬間都合が良いように格納庫の中で大きな爆発が起きた。岸本も俺もマーシーも疲れきっていた。上空にはさっきの戦闘機は飛んでいなかった。今日は星が見えないんだな・・・
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