国王様は生まれ変わったら冒険者になりたい。

本編

国王様はストーカーされています。

ひとつ、というのは

俺はこの2年間誰かに見られている気配と共に過ごしてきた。

国王なんだから、誰かに見られるなんて慣れていると思うだろ？
まぁ、実際はそうだ。

でもこのみられているは違う。

特になにかをふっかけてくるわけでもなく、話しかけてもこない。ただ見られている。

きもちわるっ

気配を消しているつもりだろうが、俺はわかっちゃうんだな。子供みたいだけど子供じゃないからね。

何度暗殺者を見つけて引き渡したことか。

でも別に俺を殺そうとかも多分してないし、、(寝たふりとかして隙をわざと見せてみたりしたけどなんもなかった)

とにかく気持ち悪い。
言葉が汚いかもしれないが丁度いい言葉がこれしかないので仕方ないだろう。



______..


「なぁ、どう思う？」


「今日も美しいですよ、」


「ちげぇよ」


唯一、なんでも話せるのがこのライトル。学園長。
俺と会った時なんてあんなに感動的だったのに今となってはこんな軽口を言うようになった。

いい変化なのか、悪い変化なのか。

「本心ですよ。あなたとはじめて会った時から2年経ちましたがその容姿は本当に凄まじいですね。そんなビンメガネをしていても美しいとわかる。」


「ビンメガネとは失礼な、父様がくれたありがたいメガネだぞこら。」


「この容姿であればストーカーなど当たり前でしょう。ただ見ていたいのかもしれませんよ。」

「続いてたのかよ」


全く違う話かと思えば俺の話したストーカーについての会話に続いていたらしい。

すぐ俺の今の容姿を褒めるからツッコミ入れちゃったじゃんか。

まぁ、たしかに。
容姿に関してそんなに気にならない俺でも最近の俺はなんだろう、キラキラ？ギラギラ？してる気がする。

自画自賛すぎるだろうと、思うだろう？
でも鏡を見るとびっくりするんだよな。俺なんだけどさ。

顔の形が子供から大人に差し掛かってきて、丸っこい感じから洗礼された？なんて言うんだろう。彫刻みたいになった。

相変わらずまつ毛もバサハザ、白に近い金色の髪の毛は今も健在。

身体も少しずつできてきて、シュッとしてる。
筋肉も昔よりはいくらかついた気がするが、なんか思っていたのとは違うんだ。

俺はムキムキになりたいのにいくら動いてもキュッと引き締まった感じの筋肉。

身長ももちろん伸びた。でも同世代からみたら小さい方だ。

これで冒険者になれるのか、、いや。なるんだけどさ。

とにかく俺は不安で仕方がない。

そんな本人よりもさらに心配してくるのがこのライトル。

「ああ、やっぱりメガネ如きではいけなかったのかもしれませんね。着ぐるみとかで登校するべきなのでは？」


「ばかいうな！」



最近はこんなのばっかだ。