国王様は生まれ変わったら冒険者になりたい。【水、日20時更新予定】

本編

国王様は理解者がほしい②

学園長には、自分の今までを話そうかと思う。
なにかとこの学園は不便すぎるし、喝を入れたいし、なにより、、いや、。とにかくそういうわけだ。

学園長、学園長、と呼んでいるが前世では"ライ"と呼んでいた。

スドゥラワード・ライトル。
この学園の学園長、というか昔魔法師だったライをまぁ言ってしまえば無理矢理？学園長にしたというのも正解かもしれない。

結果的に押し付けてしまったがライなら向いていると思った。
「あなたは向いてなさそうなので私が責任を持ってやりますよ、」
と、笑いながら言ってくれた。

俺に向いてないかは置いといて、とても責任感の強いやつだったはずだ。

学園を作った時には一緒に色々やっていたが、生徒に向けての言葉は全て正しい道へ意識を向かせるものだった。

それが入学式という大事な場面でさえも顔を出さなかった。流石に出さないとは思わなかった。
本当にいまもライがやってるよな？違うやつだったらめっちゃ恥ずかしい手紙になるよな、と今更ながらに思う。


確実にチャイムがなった後に行けるように放課後は職員室に行くからとみんなに行ってある。
トイレに行って転移をかければ1発で着くだろう。


少し、少しだけドキドキする。俺らしくもない。
信じて、、くれるだろうか？


いや、なにを言ってるんだ信じさせるだろ！
なかなかチキってる国王だった。


_________...


キーンコーーン
授業が終わったことを示すチャイムが鳴る。
正直授業どころじゃなかった…


「じゃあ、行ってくるから」

「、、ああ。」


一応そうロイドに言い残して急いでトイレに行き、学園長室に転移で飛ぶ。


"コンコン"



「どうぞ」


「失礼します」


ってかそもそも俺それっぽい手紙は出したけど、どーやって切り出すか考えてなかったな。


学園長の部屋に入り、だだっ広いこの空間の真ん中にある大きなテーブルに目を向ける。
そこには昔馴染みのある顔があった。
相変わらず顔は整っていて紫がかった見るからにサラサラな髪と仏頂面な表情。

変わらないな。
ひとつ言うとしたら老けたか？そりゃあ6年も経っていれば誰でも老けるか？

誰だこいつみたいな考えが見て取れる。




「__んと、久しぶり？」


とりあえずテンション高め作戦で行くことにした。



「……」


うん、まぁそーなるわな。
もし俺がライだったらこいつ誰だよって脳内で思うし、なんならどこかで会ったことあったかと聞くだろう。というかそもそも年齢を考えてもっと敬語を使えとも言う。



「どこかで会っただろうか？そもそも年齢も違うのだからちゃんと敬語を使いなさい。」


ほら。言った。
ここまで考えが一緒だと面白いな。