国王様は生まれ変わったら冒険者になりたい。

いに。

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本編

国王様は委員会活動をする

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「……さま、ソフィア様」

「んぇ?」

「おはようございます、ソフィア様。」

ああ、朝か。
そっか、使用人、ノルが居るんだった。
久しぶりすぎて寝たら忘れてしまってた、、すまんノル。心の中で謝っておく。

「ああ、おはようノル」

ふわぁー、と大きな欠伸をして目を覚ます。
朝から無表情顔がなんとも言えない。
前世はセバスが執事として付いてくれたが本当によく理解してくれたな。懐かしい…。
俺に何度も説教してくれたし、呆れられたけどなんだかんだ言いながらずっと一緒にいてくれた。

そんな日々のことを思い出していたら、ふふっと笑ってしまった。
いきなり俺が笑うもんだからノルがどうしたのかと不思議そうにこっちを見ている。

「なんでもないよ、」

そう言って朝の支度に取り掛かる。


風紀委員会…、そんな7の刻から学園に行くとか何するんだよ…。前世でも関わりのなかった委員会だったため全くわからない。

朝がそんなに強いわけでもないソフィアは少し不機嫌になりながらそんなことを考えるのであった。



____________...




「えっと、1Sのソフィア・アールステット君で間違いないかな?」

「はい、」

「ソフィア君はそこに並んで」

学園の門に着くと何人かの生徒はもういた。
優しそうな1人の生徒に声をかけられ誘導される。
落ち着いた雰囲気と身長の高さからしてきっと先輩だろう

と言うかみんな俺との身長差がすごいことになってんぞ…。
もしかして上級生しかいないんじゃないだろうか?

「では、全員揃ったので軽く自己紹介をしていこうかな。」

さっき声を掛けてくれた生徒がそう切りだす

「知ってる人も多いと思うけど、、というかソフィア君に向けての自己紹介だけど、僕はフェランデテーレ家の次男、エドアルド・フェランデテーレ。5学年で今年の委員会の長を務めるよ。よろしくね。」

5学年っていうと、、10歳くらいか。
どーりで大きいわけだ。

委員会の委員長は推薦式らしく、今年の委員長はこのエドアルドがなったらしい。
相当優秀なやつなのだろうか、、?きっとエドアルドよりも学年が上の生徒だっているだろうに。

「他の委員達は後々紹介し合うと言うことで君の自己紹介をしてくれるかな?」

「あ、はい。アールステット家の五男、ソフィア・アールステットです。よろしくお願いします。」

今年入った生徒はどうやら俺だけだったらしい。

存在は知っているが色々謎が多い、後でエドアルドさんに聞いてみるか。

こんな朝に集まるというからすっごい真面目な感じなのか?と思って来たら割とゴツめな…いやこいつらまだ子供だからゴツいとか言ったら可哀想か?
じゃあ、、ガタイのいい奴が多いな!
昔の俺みたいなね。

そんなことを頭の中で考えていたら周りはもう動き出していた。

「ソフィア君はこっちね。」

エドアルドがそう言って校舎の裏の方に歩き出す。
こんなところもあったのか、なんて人目のつかないような校舎裏に来た時、

「っ!」

エドアルドが振り向いたかと思ったらいきなりソフィアに向かって火での攻撃を仕掛けて来た。

いきなりのことすぎてソフィアはその攻撃を

「、、君何者?」

いやいやいや、あなたこそ何者だよ!
新手のいじめ??今のをまともに食らってたら結構な大怪我だ。

「えっと、どういうことでしょうか?」

一応先輩だし、なにか訳があるのだろう。

「風紀委員会のことを何も知らないんだね?なぜ入ったの?」

「えーっと、なんかぼーっとしてたら先生に決められました。」
本当はもっといい感じの理由にしようと思ったのだが何も浮かばなかったので仕方がないだろう。

そう思いながらエドアルドを見るとポカーンとしていた。そんなことはあり得ない、とでも言い出しそうな。

「そんな決まり方などあり得ない」

ほら言った。

「風紀委員は大変だと言われているけどその分利益もでかいんだよ。なりたい生徒は山程いるのにそんなことで決まることってある?」

「はい、決まってなければここにいないので、」

なんか面倒くなってきて適当に答える。

なにを言っているんだ、という目で見ないでくれ。俺だって何やってんだよって思ってんだから。

てか全ての原因はマイル先生だろ。後で押し掛けてやる。

「この学園の秩序を保つためにこの委員会がある。その分、関わる生徒たちよりも強くあることが条件だ。君は、体が大きいわけでも名前が知れてる、つまりは地位が役に立つわけでもないだろう。」

ああ、なるほどな。
だからガタイの良い生徒とかが多かったんだな納得。

「ここに来たのは君を試すためだ。少しでも身体を触れることが出来た方が勝ち。君と僕は体格が相当違うからハンデをあげなくちゃね。」


まあ、一言でこのシーンをまとめるとしたら俺が弱いからこの委員会に入るのは辞めた方がいい、ってことだろう。

別に委員会に入るも入らないもどちらでも良いが。

見下されるのは腹が立つな。だからガキは嫌いだ。


「はぁ、良いですよハンデなくても。」

「なに?」

「だからハンデなんてなくてもセンパイには勝てますよって」

「君は随分僕のことを見下しているみたいだね」

「えー?最初に見下して来たのはセンパイじゃないですかー!」

煽り度100%を出して会話をする。
俺は国王として教育されていたから感情を表に出さないことなんていくらでもできる。
だがここでは、ソフィアにはそれは必要ないだろう。

いずれ冒険者になるんだ。強いっていうなら良い経験になるだろう。


「、、ムカつくね」

「ああ、俺もムカついてるよ」


さっきとは違った低い声が2つ響いた。
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