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本編
私の息子 (トルーア・アールステットside)
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(トルーア・アールステットside)
Ordajeでソフィアに似合ったスーツを購入し、また馬車に乗り込んだ。
目の前の自分の息子を見て、ため息が出そうなほど心配になる。
いままで子供は皆男だったため、次は女の子がいいかなという小さな願いを込めて、ティアと一緒に考えながらつけた名前が"ソフィア"だった。
産まれたのは男の子だったもののその名前にぴったりな子に育った。
親の私でさえ、"美しい"と感じる程だ。
どちらかというとティアに似ているが、美しさは群を抜いていると感じる。
まだたったの6歳だ。なのにそう感じるということは成長した姿は一体どのくらいなのだろうか。
、、、心配だ。
そして、容姿だけではない。
ソフィは頭がいいのだ。うちの書籍がお気に入りでこの前ユージンと共に本を読んでいる姿が見られた。
ユージンにあれこれ質問しているのを見たことがあるがどれも的確だった。
また、ユージンが抱えていた領地の問題すらも直接的とは言わないが助言をしていたのを見た。
まだ5歳だ。なのに助言だと??
、、、心配だ。
そして、最後にソフィの瞳についてだ。
ソフィの瞳は赤い。とても綺麗な宝石のような赤の瞳なのだ。
それは前国王のテオドル・ヘルクヴィスト様もだった。
彼ほどの綺麗な赤の瞳はどこの国でも見たことがなかった。
私もティアもそんな赤い瞳は持っていない。
では、、なぜ??
妻のティアは少し身体が弱いため外出もしたがらない。
別の人との子供なはずもない、そもそも国中を探してもそんな瞳はテオドル様しかいないはずだ。
テオドル様とティアが面識があるはずもない。何故ならそんなことがあれば早急に広まるからだ。
テオドル様は目立つのだ。存在そのものが。
、、ソフィアがただ美しいだけならばよかったものの、赤の瞳。
、、、私は本当に心配だ!!!!
果たして王族に見つかったらどうなる??
門番達や仕立て屋の店員が驚いていたのが何よりも良い例だ。
このまま学園に入らせてしまえばソフィアは危ないのではないか?
学園には公爵家の息子達も沢山いるし、何よりソフィの3つ上には現国王のクリスティアン・ヘルクヴィスト様の息子であるレオンド・ヘルクヴィスト様がいる。
歳が違えど、学年が違えど、会えるものは会える。
なんせ学園は同じところにある。所詮学ぶ教室の場所が違うだけだ。
、、、胃がキリキリしてきた。
どうしたものか、と頭を悩ませていたところだった。
「父様、」
ソフィアからの心配そうな目にハッとする。
そうだ、ソフィアが1番不安なのに何自分が被害者みたいな反応をしてしまったのか。
「なんでもない」
笑いながらそう返す。もしかしたらこの子は賢いから全部私の考えていることが丸分かりなのだろうか?
そう考えながらも守らなければならない存在に違いはない。
そうだ、私はこの子を守る。それだけだ。
そう心にもう一度誓い、ソフィアにある提案を持ちかけた。
トルーアside end
Ordajeでソフィアに似合ったスーツを購入し、また馬車に乗り込んだ。
目の前の自分の息子を見て、ため息が出そうなほど心配になる。
いままで子供は皆男だったため、次は女の子がいいかなという小さな願いを込めて、ティアと一緒に考えながらつけた名前が"ソフィア"だった。
産まれたのは男の子だったもののその名前にぴったりな子に育った。
親の私でさえ、"美しい"と感じる程だ。
どちらかというとティアに似ているが、美しさは群を抜いていると感じる。
まだたったの6歳だ。なのにそう感じるということは成長した姿は一体どのくらいなのだろうか。
、、、心配だ。
そして、容姿だけではない。
ソフィは頭がいいのだ。うちの書籍がお気に入りでこの前ユージンと共に本を読んでいる姿が見られた。
ユージンにあれこれ質問しているのを見たことがあるがどれも的確だった。
また、ユージンが抱えていた領地の問題すらも直接的とは言わないが助言をしていたのを見た。
まだ5歳だ。なのに助言だと??
、、、心配だ。
そして、最後にソフィの瞳についてだ。
ソフィの瞳は赤い。とても綺麗な宝石のような赤の瞳なのだ。
それは前国王のテオドル・ヘルクヴィスト様もだった。
彼ほどの綺麗な赤の瞳はどこの国でも見たことがなかった。
私もティアもそんな赤い瞳は持っていない。
では、、なぜ??
妻のティアは少し身体が弱いため外出もしたがらない。
別の人との子供なはずもない、そもそも国中を探してもそんな瞳はテオドル様しかいないはずだ。
テオドル様とティアが面識があるはずもない。何故ならそんなことがあれば早急に広まるからだ。
テオドル様は目立つのだ。存在そのものが。
、、ソフィアがただ美しいだけならばよかったものの、赤の瞳。
、、、私は本当に心配だ!!!!
果たして王族に見つかったらどうなる??
門番達や仕立て屋の店員が驚いていたのが何よりも良い例だ。
このまま学園に入らせてしまえばソフィアは危ないのではないか?
学園には公爵家の息子達も沢山いるし、何よりソフィの3つ上には現国王のクリスティアン・ヘルクヴィスト様の息子であるレオンド・ヘルクヴィスト様がいる。
歳が違えど、学年が違えど、会えるものは会える。
なんせ学園は同じところにある。所詮学ぶ教室の場所が違うだけだ。
、、、胃がキリキリしてきた。
どうしたものか、と頭を悩ませていたところだった。
「父様、」
ソフィアからの心配そうな目にハッとする。
そうだ、ソフィアが1番不安なのに何自分が被害者みたいな反応をしてしまったのか。
「なんでもない」
笑いながらそう返す。もしかしたらこの子は賢いから全部私の考えていることが丸分かりなのだろうか?
そう考えながらも守らなければならない存在に違いはない。
そうだ、私はこの子を守る。それだけだ。
そう心にもう一度誓い、ソフィアにある提案を持ちかけた。
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