4 / 50
本編
英雄の死
しおりを挟む結果的に、私は死んだ___
え?あんなカッコいい感じで言ってて死んだの?って思っただろ?
そうギリギリ死んじゃったんだよね。
______________…
「こいつの弱点は目だっ!!!目を狙え!!」
ヘルゲがそう叫んで走っていく。
「言われなくてもわかってますよっ!テオっ私達が引きつけますから上から攻撃してくださいっ!!」
ヴィルは右へ、ヘルゲは左へ魔物の意識を持っていっているうちに俺は魔力を剣にこめていた。
もうすでに何度か攻撃はしているが少しのダメージしか与えられてないのはわかっている。
目だ。目を狙え。
もう魔力も限界に近づいてるなー
持つかなー
なんて考えながら手に力を込める。
自分の限界なんて1番自分がわかってる。
「ヘル、ヴィーすまんな。ありがとう。」
そうつぶやいて上へ飛ぶ。
2人もその呟きが何故か聞こえたようで意識をこちらに向ける。
上に飛んだテオドルは下に向かって勢いよく風魔法を放ち、ヘルゲとヴィルを飛ばしていく。
「おいっ!!テオっ!!!!!!」
「テオ!!!っっくそ、何する気だ!!!!」
その風に耐えきれず2人は少し遠くまで飛ばされてしまった。
そのうちにテオドルは勢いよく魔物の目に剣を刺す
最後の力を、、雷の魔法を放った。
脳や全身を感電させて魔物を止めようとしているのだ。半端な魔法ではこの化け物は止められない、自分を巻き込むくらいの大きな魔法でやらなくては。
ビリリリリリリリビビビ
あたりは明るく、目を開けられないほどに光を放った。
そしてヘルゲとヴィルは目が慣れた頃、魔物は完全に真っ黒に焦げているのがわかり、同時に最悪な事態もわかってしまう。
「テオっテオっおい!!目を開けろ!!」
急いで近づいて、真っ黒になったテオドルに声をかける。
ヘルゲの声は大声を出しすぎて痛々しく、目からは涙が溢れそうなほどというか溢れていた。
ぼやけた視界で見たヘルゲの顔はこれはもう面白くて笑ってしまう。珍しいこともあるんだな。こいつが泣いているところを始めてみた気がする。
「……んな…なくな…」
こんな黒焦げで笑っているのかさえ伝わらないかもしれないがな。と、自分の黒くなった手をみて思った。
その横でヴィルも泣きそうな顔をして見ているのがわかった。
なんだよ、お前ら。
感動しちゃうじゃん。
ヘルゲとヴィルの手をできる限り強く握り
「…守れて…よかっ…た」
大好きなこの国を、国民をそしてこいつらを守れてよかった。
もうなにも悔いはない……いや、
一つ言うなら、まだ36歳だ。
もうちょっと生きてもよかったかななんて。
あと、国王より冒険者とか名乗った方がかっこよかったよね。
あー、冒険者いいな。
生まれ変わったら次は冒険者になりたいな…
そんなこと言ったらきっとヘルゲなんかにあのニヤニヤ顔で「お前は冒険者なんかにはなれねぇよ」なんて言われるんだろうな…
そう思いながら意識を手放したのだった____
35
お気に入りに追加
886
あなたにおすすめの小説
ド平凡な俺が全員美形な四兄弟からなぜか愛され…執着されているらしい
パイ生地製作委員会
BL
それぞれ別ベクトルの執着攻め4人×平凡受け
★一言でも感想・質問嬉しいです:https://marshmallow-qa.com/8wk9xo87onpix02?t=dlOeZc&utm_medium=url_text&utm_source=promotion
更新報告用のX(Twitter)をフォローすると作品更新に早く気づけて便利です
X(旧Twitter): https://twitter.com/piedough_bl

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

転生したら溺愛されていた俺の話を聞いてくれ!
彩ノ華
BL
不運の事故に遭い、命を失ってしまった俺…。
なんと転生させて貰えることに!
いや、でもなんだかおかしいぞ…この世界…
みんなの俺に対する愛が重すぎやしませんか…??
主人公総受けになっています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる