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英雄集結
part 3
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それから次々と新たな英雄が集まってきて、一通りの自己紹介が無事に済んだ。
合計13人の英雄。
国々様々で、日本からは僕ら2人+下僕。
イギリスから女王さま、ディジー・デイヴィス。
モンゴルから寡黙筋肉、フォルリィーン・バータル。
ロシアから美少年、ディミトリー・スミリノフ 。
アメリカからハーバード、ジョージ・グリーンベル。
中国からツンツンのツン、朱・浩然。
ポルトガルから魅惑の美女、アナ・サラザール。
ブラジルからTHE能天気、イザベル・デ・パウラ。
コンゴ共和国から細っそり長身、マラバ・カメンガ。
オーストラリアから太っちょおっさん、ブラッド・スミス。
チリから見るからにダンディ、イヴァン・シルヴァ。
エジプトからミステリアスな美少女、マリエフ・アーレフ。
世界各国、年齢もバラバラ、まさに世界の縮図!
1人に1アナナキが担当でついており、全員が会したこの場はそこそこ賑わっていた。
自己紹介もきた順に済ませていったので、あとは準備が整うまで各々自由に話したい人と話す感じになった。
知里ちゃんはというと、ブラジルのイザベルを捕まえ、アナナキンヌも交えてなにやらニコニコ雑談をしていた。
熊本くんは意外にも自分からバータルに話しかけており、これまた意外にもバータルも和かに返答していた。
僕もバータルに興味しかない故、話に混ざりたかったのだが。
「タチバナ様は凄いですね! 付与の事もっと教えてください!!」
と、はやくもムネリンファンからの質問責めにあっていた。
「ディミトリーくんは気魄をどんな風に使うの?」
煩いとか不快な気持ちに絶対ならない一言一句可愛らしい少年ディミトリー。
むしろこんだけ初っ端から懐かれて褒められれば不快どころか爽快。
なに、調子乗って上から語ってんのよ! と、周りから思われないように僕は驕らず、同じ目線を心掛け、この齢16歳の幼気な少年と楽しく会話をしていた。
「僕は身体強化が出来るくらいです。僕の担当のアナナキさんから聞いた話ですけど、この中には気魄を凝縮させて気魄弾として攻撃する技を身につけている人もいるらしいですね!それに比べたら僕なんか全然です」
それ、うちの魔王さまだわ。
僕達が比較的早く気魄を上手く扱えているのはわかったけど、それでも知里ちゃんは群を抜いて異常な模様。
「さっきアナナキっちも言ってたように切磋琢磨して気魄を上手く扱えるようにしていこう! ディミトリーくんみたいに若い子が戦場に立たなきゃいけないって事態、異常な事だし、危ない時はみんなで守るようにしないとね!」
「あ、あ、ありがとうございます!! タチバナ様のこと!師匠って呼んでいいですか!?」
くっっそ可愛いな。
僕にそのケは無いはずなのに!
噛みたい! 腕とか足とか頬とか!
噛みつきたい!!
「師匠なんてそんな、全然呼んで!」
「なに調子こいてるんスカ?」
あーあ。幸せな時間が瓦解していく。
「んだよ! そちは朕の従者なんだよ? もっと敬え? ご主人様もしくは閣下、殿下、陛下、さあ、お選び?」
「お黙りくださいバカ殿様」
「延髄にアイーンかますぞ」
熊本くんが現れた。
あまりに貧相なその存在に、憐れんだ僕は仲間に加えてあげた。
「はじめまして! 僕、ディミトリーと言います! クマモト様も気魄を使えんるんですか?」
勿体ない! そんなキラキラした目を向けるような存在じゃないよ? この生物!
「うわっ可愛い! なにこの小動物!! オコジョ!?」
目の前のイタチ系美少年に心を掴まれた熊本くんは、自分の思考を正すために強く頭を振った。
「あ、すみません。つい我を見失ってました。初めまして熊本太郎です。僕は残念ながら気魄は使えないんですよ、英雄じゃないので。ですが、少しくらいなら身体強化で速く走ったり、高くジャンプしたり、この壁くらいなら正拳突きで穴開けられるっス。それより語尾にオコって付けて貰っていいですか?」
どんな自己紹介だよ。びっくり人間。
やんわりオコジョくんからお願いを却下されてるし! 通せよ! 貫き通せよ!
だいたい、一番こいつが謎である。
なにかアナナキーズにされた訳でもないくせに自力で人外の域に達しやがって。
「うぇっ!? 英雄じゃないのにそんな事ができるんですか!? まさか! ニンジャ!?」
日本への偏見を垣間見たわ。
基本外国人は、日本に侍と忍者と芸者しかいないと思ってるらしい。
「バレましたか! 僕はそう! ニンジャです!」
一応殴っておいた。
「お前達面白いな」
ギョッとしちゃいました。
あのさっきまで仏頂面だったバータル氏が、まさに仏みたいな優しい御尊顔になっていたからだ。
「そりゃどうも。意外にバータルさん笑顔可愛いですね」
筋肉と笑顔のコントラストが、眩し過ぎる。
「ははは、さっきは愛想悪くてすまなかったな。となりにあの横柄なイギリス女が居たせいでイライラしてたもんでな」
あぁ、なるほど。
僕達が来る以前に絡まれてたのねバータル氏。
「いやいや、そりゃあ災難でしたな。にしても何でウチの従者なんかと一緒におられたので?」
「ん? なかなかコイツ面白くてな。まさか英雄じゃないとは思わなかったが」
やべっみたいな顔するな!
なんですぐわかる嘘つくかなこのアホは。
「まあでも色々お前達の話も聞けたし、話してみようって気にさせたのもコイツが面白かったお陰だ」
なに話したんだ? コイツ。
てか、優しいな! バータル氏!
絶え間なく柔和な表情が、めちゃくちゃいい奴って物語ってるよ。
「俺のことは気軽にバータルって呼んでくれ! そのかわりお前らの事も気軽に呼ばせてもらうぞ?」
「ああ! 勿論だよ。はぁ言いたくないけど熊本くんにも感謝だな。意外と役に立つじゃん」
グイグイ壁を越えて近寄ってきてくれるバータル。
悪い気はしない。むしろウェルカム。
「でしょうが! バータル氏は確実にいい人オーラ出てましたからね。寡黙筋肉に悪い人はいない!」
えっへんのポーズの熊本くん。
まぁ、今回はえっへんを許そう。
「にしても、ムネノリもあんなに強いのか?」
ムネノリ!?
いいね! 男友達からの下の名前で呼ばれる感じ!!
今までそんな事なかったからめっちゃ新鮮で良きだよバータルくん!!
「あんなにって言うと知里ちゃんの事か。いやいや、あれは異常。僕は付与師らしいし、気魄弾もまだ全然まともに撃てないし、身体強化も自己付与しないといけないから時間かかっちゃうしな」
「お?なんだその付与って?」
「なんか僕は気魄をみんなみたいに即放出するわけにはいかないみたいでね。青い気魄は一度体内で練って放出しないとモノにならないんだよ。でも、練って出すからコントロールしやすいし、効果も高くなるらしいけど、いかんせん手がかかるって感じかな」
「へー! 青い気魄か! かっちょいいな!」
「お! わかってくれるかバータル。かっちょいいだろ?」
僕の中でバータルの株が急上昇している。
こんな友達が欲しかったんだよ! 僕は!!
「かっちょいいです! 僕もそう思います!」
ちなみにディミトリーは既に株が上昇しきっています。
これ以上上げると僕はこの子の株主になっちゃいそうです。
「お! ゴルゴルがいる!」
楽しい雰囲気に吊られたのか、知里ちゃん達もこちらに混ざってきた。
ゴルゴルとは?
まさかモンゴルの"ゴル"?
「おう、来たな。さっきは焦ったぞチサト」
ゴルゴル呼ばわりされても優しいバータル。
聖人か?
コイツをイライラさせたデイジーって一体?
「ほう! 我が力に慄いたか! なかなか目の付け所がいいぞゴルゴル!」
日本人の伝統芸になりつつある、えっへんのポーズの後ろから、ニコニコしている顔が覗き込んできた。
「どもども! 楽しそうな雰囲気に吊られて参上、ブラジルのイザベルです!」
なるほど。
こりゃ知里ちゃんと仲良くなりそうだわ。
「はじめまして、立花宗則です」
「あ! この人がチサトちゃんのダーリンさん?」
「そうよ、コレがムネノリダーリン略してムネリンよ」
なんの話してたのか理解したわ。
「え? お前達、結ばれているのか?」
なにその古風な言い方!?
もうバータルさん!?
好感度それ以上上がらないから!
「その通りだゴルゴル。我等は既に繋がって…いやん」
このこのーって突いているイザベルもまた、いい人そうで何よりです。
「キャラ濃すぎませんか? 英雄軍」
珍しく激しく同意するわ熊本さん。
合計13人の英雄。
国々様々で、日本からは僕ら2人+下僕。
イギリスから女王さま、ディジー・デイヴィス。
モンゴルから寡黙筋肉、フォルリィーン・バータル。
ロシアから美少年、ディミトリー・スミリノフ 。
アメリカからハーバード、ジョージ・グリーンベル。
中国からツンツンのツン、朱・浩然。
ポルトガルから魅惑の美女、アナ・サラザール。
ブラジルからTHE能天気、イザベル・デ・パウラ。
コンゴ共和国から細っそり長身、マラバ・カメンガ。
オーストラリアから太っちょおっさん、ブラッド・スミス。
チリから見るからにダンディ、イヴァン・シルヴァ。
エジプトからミステリアスな美少女、マリエフ・アーレフ。
世界各国、年齢もバラバラ、まさに世界の縮図!
1人に1アナナキが担当でついており、全員が会したこの場はそこそこ賑わっていた。
自己紹介もきた順に済ませていったので、あとは準備が整うまで各々自由に話したい人と話す感じになった。
知里ちゃんはというと、ブラジルのイザベルを捕まえ、アナナキンヌも交えてなにやらニコニコ雑談をしていた。
熊本くんは意外にも自分からバータルに話しかけており、これまた意外にもバータルも和かに返答していた。
僕もバータルに興味しかない故、話に混ざりたかったのだが。
「タチバナ様は凄いですね! 付与の事もっと教えてください!!」
と、はやくもムネリンファンからの質問責めにあっていた。
「ディミトリーくんは気魄をどんな風に使うの?」
煩いとか不快な気持ちに絶対ならない一言一句可愛らしい少年ディミトリー。
むしろこんだけ初っ端から懐かれて褒められれば不快どころか爽快。
なに、調子乗って上から語ってんのよ! と、周りから思われないように僕は驕らず、同じ目線を心掛け、この齢16歳の幼気な少年と楽しく会話をしていた。
「僕は身体強化が出来るくらいです。僕の担当のアナナキさんから聞いた話ですけど、この中には気魄を凝縮させて気魄弾として攻撃する技を身につけている人もいるらしいですね!それに比べたら僕なんか全然です」
それ、うちの魔王さまだわ。
僕達が比較的早く気魄を上手く扱えているのはわかったけど、それでも知里ちゃんは群を抜いて異常な模様。
「さっきアナナキっちも言ってたように切磋琢磨して気魄を上手く扱えるようにしていこう! ディミトリーくんみたいに若い子が戦場に立たなきゃいけないって事態、異常な事だし、危ない時はみんなで守るようにしないとね!」
「あ、あ、ありがとうございます!! タチバナ様のこと!師匠って呼んでいいですか!?」
くっっそ可愛いな。
僕にそのケは無いはずなのに!
噛みたい! 腕とか足とか頬とか!
噛みつきたい!!
「師匠なんてそんな、全然呼んで!」
「なに調子こいてるんスカ?」
あーあ。幸せな時間が瓦解していく。
「んだよ! そちは朕の従者なんだよ? もっと敬え? ご主人様もしくは閣下、殿下、陛下、さあ、お選び?」
「お黙りくださいバカ殿様」
「延髄にアイーンかますぞ」
熊本くんが現れた。
あまりに貧相なその存在に、憐れんだ僕は仲間に加えてあげた。
「はじめまして! 僕、ディミトリーと言います! クマモト様も気魄を使えんるんですか?」
勿体ない! そんなキラキラした目を向けるような存在じゃないよ? この生物!
「うわっ可愛い! なにこの小動物!! オコジョ!?」
目の前のイタチ系美少年に心を掴まれた熊本くんは、自分の思考を正すために強く頭を振った。
「あ、すみません。つい我を見失ってました。初めまして熊本太郎です。僕は残念ながら気魄は使えないんですよ、英雄じゃないので。ですが、少しくらいなら身体強化で速く走ったり、高くジャンプしたり、この壁くらいなら正拳突きで穴開けられるっス。それより語尾にオコって付けて貰っていいですか?」
どんな自己紹介だよ。びっくり人間。
やんわりオコジョくんからお願いを却下されてるし! 通せよ! 貫き通せよ!
だいたい、一番こいつが謎である。
なにかアナナキーズにされた訳でもないくせに自力で人外の域に達しやがって。
「うぇっ!? 英雄じゃないのにそんな事ができるんですか!? まさか! ニンジャ!?」
日本への偏見を垣間見たわ。
基本外国人は、日本に侍と忍者と芸者しかいないと思ってるらしい。
「バレましたか! 僕はそう! ニンジャです!」
一応殴っておいた。
「お前達面白いな」
ギョッとしちゃいました。
あのさっきまで仏頂面だったバータル氏が、まさに仏みたいな優しい御尊顔になっていたからだ。
「そりゃどうも。意外にバータルさん笑顔可愛いですね」
筋肉と笑顔のコントラストが、眩し過ぎる。
「ははは、さっきは愛想悪くてすまなかったな。となりにあの横柄なイギリス女が居たせいでイライラしてたもんでな」
あぁ、なるほど。
僕達が来る以前に絡まれてたのねバータル氏。
「いやいや、そりゃあ災難でしたな。にしても何でウチの従者なんかと一緒におられたので?」
「ん? なかなかコイツ面白くてな。まさか英雄じゃないとは思わなかったが」
やべっみたいな顔するな!
なんですぐわかる嘘つくかなこのアホは。
「まあでも色々お前達の話も聞けたし、話してみようって気にさせたのもコイツが面白かったお陰だ」
なに話したんだ? コイツ。
てか、優しいな! バータル氏!
絶え間なく柔和な表情が、めちゃくちゃいい奴って物語ってるよ。
「俺のことは気軽にバータルって呼んでくれ! そのかわりお前らの事も気軽に呼ばせてもらうぞ?」
「ああ! 勿論だよ。はぁ言いたくないけど熊本くんにも感謝だな。意外と役に立つじゃん」
グイグイ壁を越えて近寄ってきてくれるバータル。
悪い気はしない。むしろウェルカム。
「でしょうが! バータル氏は確実にいい人オーラ出てましたからね。寡黙筋肉に悪い人はいない!」
えっへんのポーズの熊本くん。
まぁ、今回はえっへんを許そう。
「にしても、ムネノリもあんなに強いのか?」
ムネノリ!?
いいね! 男友達からの下の名前で呼ばれる感じ!!
今までそんな事なかったからめっちゃ新鮮で良きだよバータルくん!!
「あんなにって言うと知里ちゃんの事か。いやいや、あれは異常。僕は付与師らしいし、気魄弾もまだ全然まともに撃てないし、身体強化も自己付与しないといけないから時間かかっちゃうしな」
「お?なんだその付与って?」
「なんか僕は気魄をみんなみたいに即放出するわけにはいかないみたいでね。青い気魄は一度体内で練って放出しないとモノにならないんだよ。でも、練って出すからコントロールしやすいし、効果も高くなるらしいけど、いかんせん手がかかるって感じかな」
「へー! 青い気魄か! かっちょいいな!」
「お! わかってくれるかバータル。かっちょいいだろ?」
僕の中でバータルの株が急上昇している。
こんな友達が欲しかったんだよ! 僕は!!
「かっちょいいです! 僕もそう思います!」
ちなみにディミトリーは既に株が上昇しきっています。
これ以上上げると僕はこの子の株主になっちゃいそうです。
「お! ゴルゴルがいる!」
楽しい雰囲気に吊られたのか、知里ちゃん達もこちらに混ざってきた。
ゴルゴルとは?
まさかモンゴルの"ゴル"?
「おう、来たな。さっきは焦ったぞチサト」
ゴルゴル呼ばわりされても優しいバータル。
聖人か?
コイツをイライラさせたデイジーって一体?
「ほう! 我が力に慄いたか! なかなか目の付け所がいいぞゴルゴル!」
日本人の伝統芸になりつつある、えっへんのポーズの後ろから、ニコニコしている顔が覗き込んできた。
「どもども! 楽しそうな雰囲気に吊られて参上、ブラジルのイザベルです!」
なるほど。
こりゃ知里ちゃんと仲良くなりそうだわ。
「はじめまして、立花宗則です」
「あ! この人がチサトちゃんのダーリンさん?」
「そうよ、コレがムネノリダーリン略してムネリンよ」
なんの話してたのか理解したわ。
「え? お前達、結ばれているのか?」
なにその古風な言い方!?
もうバータルさん!?
好感度それ以上上がらないから!
「その通りだゴルゴル。我等は既に繋がって…いやん」
このこのーって突いているイザベルもまた、いい人そうで何よりです。
「キャラ濃すぎませんか? 英雄軍」
珍しく激しく同意するわ熊本さん。
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