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第62話〜ネコ魔導士団の猛攻〜
しおりを挟む敵は魔法のエキスパートのようだ。
よし、いつものやり方で、ステータス分析するか。
「行くぞ! 星光団‼︎ 聖なる星の光よ、我に愛の力を!」
「天光の騎士……ソール!」
「望月の魔導士……ムーン!」
「灼焔の戦士……マーズ!」
「六華の忍び……マーキュリー!」
「啓明の癒し手……ヴィーナス!」
「暁光の勇者……スピカ!」
「もふネコ戦隊! 星光団‼︎」
「相棒は居ないが、俺も戦おう! 知恵の戦士フォボス!」
ソールさんたちが転身してる間に、ボクは目を瞑り、瞼の裏を意識した。……少しずつ文字が浮かんでくる。
大魔導士団ジュピター・白魔導士エウロパ 白ネコ♀ Lv.52
白魔導士
属性……水
体力 310/310
魔力 755/755
攻撃力 45
防御力 83
敏捷性 1018
耐性……無し
弱点……風
必殺……
ディバインヒール
リザレクション
大魔導士団ジュピター・白魔導士ガニメデ 灰白♂ Lv.52
白魔導士
属性……陽
体力 444/444
魔力 810/810
攻撃力 88
防御力 108
敏捷性 33
耐性……無し
弱点……陰
必殺……
雷竜
光魔一閃
大魔導士団ジュピター・黒魔導士イオ サビ柄♂ Lv.55
黒魔導士
属性……火
体力 344/344
魔力 708/708
攻撃力 90
防御力 84
敏捷性 68
耐性……風
弱点……水
必殺……
爆炎彗星弾
大魔導士団ジュピター・団長・黒魔導士カリスト 黒ネコ♂ Lv.60
黒魔導士
属性……陰
体力 410/410
魔力 1014/1014
攻撃力 68
防御力 108
敏捷性 180
耐性……全属性
弱点……無し
必殺……
ダークハザード
ガリレオグレネイド(全員)
解析完了。
ボクは敵のデータを、ソールさんに報告した。
「1匹1匹のステータスが高いな……。みんな、気を付けろ! 2対1作戦で行こう!」
「おう!」
「ボクは大丈夫だ。ボクだけでやってやる!」
ガニメデは、マーズさんとフォボスさんで。
イオは、マーキュリーさんとヴィーナスさんで。
カリストは、ムーンさんとソールさんで。
エウロパは、ボクだけで潰してやる。スピカには……援護射撃でも頼むか。
「みんな、奴らをネズミたちのところへ行かせるな!」
「おう! 行くぞ、星光団‼︎」
——戦いが始まった。
ボクはあのチビの女、白魔導士エウロパに狙いを定めた。
ふん、1発で気絶させてやらあ。
「テメエ、タダで済むと思うな! 覚悟しやがれ‼︎」
「いやああああああ‼︎ 無理ィイイ‼︎」
エウロパは、頭を抱えて逃げ出しやがった。何だコイツ、とんだヘタレじゃねえか。
ボクはひたすらエウロパを追いかける。……が、とんでもなく逃げ足が速え。
「コラ、待ちやがれ!」
「イーーーヤーーーーー‼︎」
エウロパを追いかけながら、横目でソールさんたちを見た。苦戦してるようだ。2対1でも、厳しいのか。
相手は、大魔導士。特に魔法の使えねえマーズさん、フォボスさんは近距離でしか攻撃出来ねえから、不利みてえだ。
だが、回復役のエウロパを先に潰さねえと、どんだけ戦ってもこっちが押されちまう。ここで逃がすわけには行かねえ。
「たーーすーーけーーてーー! イオー‼︎」
「あーーもうバカ! お前も攻撃出来るだろーがぁぁ! エウロパ! 逃げずに戦えぇぇぃ‼︎」
「いーーやーー!」
ダメだ、どうしても追いつけねえ。——ならば!
ボクは、魔剣ニャインライヴを振りかざした。
「喰らえ!」
遥か彼方まで逃げたエウロパに、ボクの一撃が炸裂する。
対ライム戦の時にも使った技——次元斬撃だ。
「いやああああああ‼︎ 痛いよおおお! 何で、何であんなに遠くにいるのに‼︎ ……リザレクション‼︎」
天から降り注ぐ緑色の光線がエウロパを包み、体力を全回復しやがった。
次元斬撃を使い続けても、素早い身のこなしでかわされちまう。
どうにか、一撃で仕留められねえもんだろうか。
「……クッ、魔力の防壁でこっちの攻撃が通じないのか!」
「フォボス、気を付けろ!」
白魔導士ガニメデは、真っ白なオーラを纏い、杖を掲げる。
「オマエラ、オレノ敵ジャナイ。雷竜!」
ガニメデが叫ぶと、空中から蛇のようにうねる電撃が次々と降り注いだ。
炸裂する火花。マーズさんとフォボスさんは、矢継ぎ早に放たれる雷撃をかわすのに精一杯で、手も足も出ねえ状況だ。
「ヴィーナス……、ダ、ダメかも知れないけど! ち、力を一つに!」
「ふん、しょうがないわねえ……。マーキュリー、一緒に行くわよ」
「「氷雷魔旋弾‼︎」」
マーキュリーさん、ヴィーナスさんの合体技が、黒魔導士イオに向けて放たれた。
雷を纏った巨大な氷の塊が、イオに迫る……‼︎
「ギャハハハ! バカ共め。僕にそんな攻撃が効くと思ってるのかぁぁ! ……抹消‼︎」
黒魔導士イオが杖を掲げると、氷の塊が一瞬にして砕け散った。間髪入れず、すぐにイオの杖から無数の炎の弾丸が、マーキュリーとヴィーナスへ向けて放たれる。
「黒焦げになれぇぇぃ! ギャーハハハ!」
「やっぱりダメだったーー‼︎ こっちの魔力がかき消されちゃってるー!」
「熱い……! 何て魔力よ……! 防ぎきれないじゃない!」
マーキュリーさん、ヴィーナスさんも、イオの放つ炎の弾丸に翻弄されちまってる。ヤベえぞ。
——ソールさんとムーンさんは、黒魔導士カリストと戦っている。やっぱり、苦戦してるみてえだ。
さすがは魔導士団のリーダー、戦況を見渡し、把握しながら戦っているように見える。
「かかってきなさい、私を倒せるものでしたらね」
「クッ、何という魔力だ。僕のライトブレードが全く歯が立たないとは……」
「私の魔力でも、歯が立ちません。少しずつ、体力が削られてしまいます……」
「あかーん! 全部魔法のバリアで阻まれてまう!」
スピカの電撃銃も、奴らには全く通用しねえようだ。このままエウロパの奴に全員が回復されたら、一方的にやられちまう。
……そういえば、エウロパは? まずい、どこ行った!
「ディバインヒール! リザレクション‼︎」
真上から声がした。見上げると、白魔導士エウロパが高く飛び上がりながら、杖を振りかざしていた。
光り輝くエメラルドグリーンの癒しのエネルギーが降り注ぎ、白魔導士ガニメデ、黒魔導士イオ、黒魔導士カリストの傷をみるみる癒していく。
「あかん、あかんで! 全回復された!」
「クソ、このままでは……!」
——4匹の魔導士が集結し、魔力を集め始める。
やっぱり……ここはボクがやるしかねえ。
「ゴマくん! 何をする気だ!」
「ボクが一気に奴らを畳む‼︎」
「待って、待って! ゴマ!」
ムーンさんが必死にボクを止めようとする。何故だ。このままだとボクら全員死ぬぞ。
ボクは空高く飛び上がり、魔剣ニャインライヴを地面に向け、叫んだ。
「デス・アースクエイクゥゥゥウウウ‼︎」
「やめるんだゴマくん‼︎」
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