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元の世界
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神様が急にやって来た。
「陽菜、機械が一時的に直ったぞ!今だけじゃ!!これを逃したらもぅ帰る事は無理じゃろう。」
「……え…………。急に……。」
「すまん、じゃが今しかないんじゃ!!急げ!!」
「あっ………ルイ君、ゆきちゃん。」
「俺も連れて行ってくれ!」
「それは……無理かもしれん……。」
「なっ!!」
「お母さん!私………、私残る。」
泣きながらゆきちゃんが言う。そうだね。それが良い。
「俺は嫌だ!!頼む、連れて行ってくれ!!」
「……わかった。」
最後にゆきちゃんを抱きしめて、ルイ君と手を繋ぐ。神様が杖を振ると、白い何もない場所に立っていた。
たまたま家族3人でいた所に神様が来たから、他の誰ともサヨナラが言えてない。
「陽菜、ルイ!30秒じゃ!!この玉に向かってあの世界の人にメッセージを残すんじゃ!!派遣に頼んで全ての人に届けてもらう。」
「「わかった。」」
『私は元の世界に帰ります。お別れが言えなかった事がとても悲しいです。どうかゆきちゃんをよろしくお願いします。皆さんの事は絶対忘れません!!』
『父さん、すまない!陽菜と行く事に決めた。ゆきをよろしく頼む!!元気でな!!』
時間切れだ。
「陽菜、すまん!元の世界に行ったら、あの時に戻る。会社に行こうと外に出た時だ。あの世界での記憶は無くなるじゃろう。」
「そ、そんな………!」
「それとルイよ!お前も記憶は消える。そして、どこかの家庭に産まれ、一からやり直す事になるじゃろう。必ず会える時が来るはずじゃ。」
「……わかった。」
「ルイ君!!」
「行ってきまーす!」
今日は余裕があるから、歩いてバス停まで行く。
会社に着いて、今日も一日仕事開始だ!!
時々、変な夢を見るけど起きると内容を覚えていない。でも、懐かしくて涙が止まらない事がある。変なの!!
仕事に行き、休みの日は友達とランチに行ったり、買い物に行ったり。仲良しの1人が来月結婚する。何を着ていこうかなぁ~!その友達が男っ気のない私に、友達を紹介してくれるって言ってくれて、会ってみたんだけど、すっごく素敵な人なのに、恐怖を感じてダメだった。なんでだろう……?
そんな普通の毎日を過ごす。ある日、バスから降りる時に鞄からハンカチを落とした事に気づかず降りようとすると、バスの運転手さんが声をかけてくれた。
「落ちましたよ!」
「えっ??あっ、本当だ。ありがとうございます。」
「いえいえ。」
運転手さんと目が合う。
何故だろう動けなかった。運転手さんも私を見て固まっている。
仕事に行かなきゃ!!急いでバスを降りる。
なんだろう………。すごく懐かしいような、何かを忘れているような変な感じだ。
次の日から、バスに乗る度に運転手さんと挨拶するようになった。
かなりカッコイイ運転手さんだ。多分歳もあまり変わらないんじゃないかなぁ?アイドルみたいだ。女子高生がキャーキャー言ってる。
本当、バスの運転手にしておくのがもったいないイケメンだ!!
私も密かに毎日の目の保養にしていた。朝から元気が出るしね!
はぁー、今日も仕事疲れたなぁ~!ベットで寝転びながら目を閉じるとバスの運転手さんが出てきた……。いやいや、アイドルグループの〇〇君カッコイイ~と同じ扱いだけど、毎朝見るのと、挨拶するからぼーっとしてる時に浮かんでくる割合が多い!!
さ、明日も仕事だ。早く寝よ。
次の日もバスに乗って、運転手さんを見ると違う人だった。朝からショック!!目の保養が…………。
朝から元気が出なかったから、ミスしたりもして散々だ……。
次の日も違う人。あれ?休みが2日も続くのかなぁ?
今日は、休みだ。友達の結婚式に来て行く服を買いに行く予定で、少し足を伸ばして、大きなデパートに行く事にした。
何軒か回って、気に入った物を購入。昼ごはんをファーストフードですませて、靴とバッグを買いに行く。うぅ、なかなかの出費だ!!お祝い金もあるし、これからどんどんお祝いの出費が増えていくんだろうなぁ。私の仲の良い友達では、初めての結婚式だし、結婚したら出産祝いとかも増えていくんだろうなぁ~。
中学生の時に従姉妹のお姉さんの結婚式に出席したけど、その時は親戚だし、親が祝い金などは全部用意してくれてた。服は制服だったし、何も考えずに美味しいご馳走を堪能して、綺麗なお姉さんの姿に感動したのを覚えている。
少しだけど貯金貯めてて良かったぁ~!!こうなったら、買ったドレスや靴やバッグを元を取るまで使いまくるぞ!!次は誰の結婚式かなぁ~??楽しみ!
私でない事は確実だな!なぜか運転手さんの顔が浮かんだけど、気のせい気のせい!!2日も会えなかったから、目が保養を求めて幻覚を見せてるのかも……??
靴とバッグを購入して、外に出ると暗くなっていた。
夜は、友達と飲みに行く約束をしているから、大急ぎでバスに飛び乗って待ち合わせの場所に向かう。やっぱりあの運転手さんじゃない。まぁ時間も場所も違うから当たり前だけどね!
「お待たせ~!!」
「私も今来た所なんだ!行こう!!」
「うん!」
「それにしても、すごい荷物だね。」
「あははは、ゆうちゃんの結婚式用に服とか買ったんだ。」
「あぁ、なるほど!私は持ってるのを着て行くよ。楽しみだよね!」
「陽菜、機械が一時的に直ったぞ!今だけじゃ!!これを逃したらもぅ帰る事は無理じゃろう。」
「……え…………。急に……。」
「すまん、じゃが今しかないんじゃ!!急げ!!」
「あっ………ルイ君、ゆきちゃん。」
「俺も連れて行ってくれ!」
「それは……無理かもしれん……。」
「なっ!!」
「お母さん!私………、私残る。」
泣きながらゆきちゃんが言う。そうだね。それが良い。
「俺は嫌だ!!頼む、連れて行ってくれ!!」
「……わかった。」
最後にゆきちゃんを抱きしめて、ルイ君と手を繋ぐ。神様が杖を振ると、白い何もない場所に立っていた。
たまたま家族3人でいた所に神様が来たから、他の誰ともサヨナラが言えてない。
「陽菜、ルイ!30秒じゃ!!この玉に向かってあの世界の人にメッセージを残すんじゃ!!派遣に頼んで全ての人に届けてもらう。」
「「わかった。」」
『私は元の世界に帰ります。お別れが言えなかった事がとても悲しいです。どうかゆきちゃんをよろしくお願いします。皆さんの事は絶対忘れません!!』
『父さん、すまない!陽菜と行く事に決めた。ゆきをよろしく頼む!!元気でな!!』
時間切れだ。
「陽菜、すまん!元の世界に行ったら、あの時に戻る。会社に行こうと外に出た時だ。あの世界での記憶は無くなるじゃろう。」
「そ、そんな………!」
「それとルイよ!お前も記憶は消える。そして、どこかの家庭に産まれ、一からやり直す事になるじゃろう。必ず会える時が来るはずじゃ。」
「……わかった。」
「ルイ君!!」
「行ってきまーす!」
今日は余裕があるから、歩いてバス停まで行く。
会社に着いて、今日も一日仕事開始だ!!
時々、変な夢を見るけど起きると内容を覚えていない。でも、懐かしくて涙が止まらない事がある。変なの!!
仕事に行き、休みの日は友達とランチに行ったり、買い物に行ったり。仲良しの1人が来月結婚する。何を着ていこうかなぁ~!その友達が男っ気のない私に、友達を紹介してくれるって言ってくれて、会ってみたんだけど、すっごく素敵な人なのに、恐怖を感じてダメだった。なんでだろう……?
そんな普通の毎日を過ごす。ある日、バスから降りる時に鞄からハンカチを落とした事に気づかず降りようとすると、バスの運転手さんが声をかけてくれた。
「落ちましたよ!」
「えっ??あっ、本当だ。ありがとうございます。」
「いえいえ。」
運転手さんと目が合う。
何故だろう動けなかった。運転手さんも私を見て固まっている。
仕事に行かなきゃ!!急いでバスを降りる。
なんだろう………。すごく懐かしいような、何かを忘れているような変な感じだ。
次の日から、バスに乗る度に運転手さんと挨拶するようになった。
かなりカッコイイ運転手さんだ。多分歳もあまり変わらないんじゃないかなぁ?アイドルみたいだ。女子高生がキャーキャー言ってる。
本当、バスの運転手にしておくのがもったいないイケメンだ!!
私も密かに毎日の目の保養にしていた。朝から元気が出るしね!
はぁー、今日も仕事疲れたなぁ~!ベットで寝転びながら目を閉じるとバスの運転手さんが出てきた……。いやいや、アイドルグループの〇〇君カッコイイ~と同じ扱いだけど、毎朝見るのと、挨拶するからぼーっとしてる時に浮かんでくる割合が多い!!
さ、明日も仕事だ。早く寝よ。
次の日もバスに乗って、運転手さんを見ると違う人だった。朝からショック!!目の保養が…………。
朝から元気が出なかったから、ミスしたりもして散々だ……。
次の日も違う人。あれ?休みが2日も続くのかなぁ?
今日は、休みだ。友達の結婚式に来て行く服を買いに行く予定で、少し足を伸ばして、大きなデパートに行く事にした。
何軒か回って、気に入った物を購入。昼ごはんをファーストフードですませて、靴とバッグを買いに行く。うぅ、なかなかの出費だ!!お祝い金もあるし、これからどんどんお祝いの出費が増えていくんだろうなぁ。私の仲の良い友達では、初めての結婚式だし、結婚したら出産祝いとかも増えていくんだろうなぁ~。
中学生の時に従姉妹のお姉さんの結婚式に出席したけど、その時は親戚だし、親が祝い金などは全部用意してくれてた。服は制服だったし、何も考えずに美味しいご馳走を堪能して、綺麗なお姉さんの姿に感動したのを覚えている。
少しだけど貯金貯めてて良かったぁ~!!こうなったら、買ったドレスや靴やバッグを元を取るまで使いまくるぞ!!次は誰の結婚式かなぁ~??楽しみ!
私でない事は確実だな!なぜか運転手さんの顔が浮かんだけど、気のせい気のせい!!2日も会えなかったから、目が保養を求めて幻覚を見せてるのかも……??
靴とバッグを購入して、外に出ると暗くなっていた。
夜は、友達と飲みに行く約束をしているから、大急ぎでバスに飛び乗って待ち合わせの場所に向かう。やっぱりあの運転手さんじゃない。まぁ時間も場所も違うから当たり前だけどね!
「お待たせ~!!」
「私も今来た所なんだ!行こう!!」
「うん!」
「それにしても、すごい荷物だね。」
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「あぁ、なるほど!私は持ってるのを着て行くよ。楽しみだよね!」
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